「アストラル・フィナーレ」→「ミーティア・フィナーレ」
よろしくお願いします。
今は完全に俺のペースだ。
「はぁぁぁぁぁ!」
俺は清籟の懐まで間合いを詰め、『
雷電を纏った剣で一気に猛攻撃を仕掛けた。
「くっ………がはっ……」
清籟が初めて血を吐いて膝をついた。
俺はそこを『クレイヴ』という地から生える岩の刃で清籟を空中へ浮かす。
落ちてきたところを『
「…………あ、あぁ!」
清籟が数m先で声にならない悲鳴をあげる。
「さっきまでの威勢はどうしたよ……………清籟……」
浅い呼吸をしながら、清籟は立ち上がる。
「残念ながら…………私はこんなところで負けていられないのよ…………」
清籟はさっきまでの顔とは打って変わって、完全な「殺人者」のような顔になった。
すると、聞いたことのない詠唱を始めた。
「天光満つるところ、我は在り…黄泉の門開くところ、汝在り、出でよ、神の雷…………」
俺の真上に巨大な魔法陣が展開され、積乱雲以上の大きさの黒雲が集まり始める。
ビリビリと雷をまといながら…………
「か、奏くん!全力で左に回避!」
俺は千里に言われるがまま、翼を生やして左に飛んだ。
「死ね!『インディグネイション』!」
ゴォォォォン……………という巨大な雷音を立てながら1本と雷が俺がさっきまでいた所に落ちる。
俺は間一髪で避けることが出来たが、衝撃波によって近くの木に直撃する。
「お、おいおい……………マジかよ………」
「これが…………本来の清籟の力………ね………」
さっきまでいた所は大穴が開き、未だに雷が落ちたところは雷電がビリビリと響いている。
「……………ビビってる?」
千里がひょこっと顔を出す。
「……あぁ、ちょっとな…………」
「奏くん…………勝てそうになったら、「あの技」を使うのよ………何を犠牲にしてもいい………」
「……分かってるよ………」
俺はちらっとこいしお姉ちゃんの方を見る。
心配そうな顔をしている。俺はその心配を少しでも解くために微笑む。
「もうちょっと待っててね………こいしお姉ちゃん………」
するとこいしお姉ちゃんもつられて微笑み………
「うん……………」
もう一度俺は微笑んで清籟の方を向く。
「咲ちゃん…………私は唯一分かり合える存在だと思っていたのに…………」
「…………まだ私の本名を覚えていたのね…………」
「本名…………?」
「そうよ、私の「人間の頃」の名前は片波 咲。片波家の第1令嬢よ…………」
ダイイチレイジョウ?よくわからないが………千里の本当の名は「咲」ということが分かった。
「どちらにせよ、2人には死んでもらうわっ………………」
「行くよ!奏くん!」
刀を清籟に向け、こう放った。
「ああ!第2ラウンドだ!」
「もう…………あなた達には早急に死んでもらう!」
清籟の容姿と妖力が激変した。
真っピンクの雰囲気に妖力はさっきの倍以上………………
「…………もう、これ以上隠している力はない。正々堂々と戦え!愛原!」
「そのつもりだ!」
俺は戦闘態勢に入るが、それを上回る速さで清籟が飛び込んでくる。
「うお?!」
かろうじて避け、体制を立て直す。
「な、なんだよ…………それ………」
力もそうだが………速さも桁違いだ。
「ハハハハハハ!早く死になよ!」
清籟の顔は狂気じみていた。
数秒前とは想像が出来ないくらい。
そんなことを考えているうちに清籟はどんどん俺との間合いを詰めてくる。
「ほらっ、ほらっ、ほらぁ!」
剣を振り回しながら俺に近寄る。
そのまま俺は力とスピードに負け
「ぐあっ……………あぁ!」
脇腹、右肩、左太もも、腹に炎を纏った槍や暗黒の剣などで突き刺さった。
「(な、体が…………動かない…………)」
痛みはあるが、動かないほどではないのに……………なんだよ………これ!!
「これで
清籟は、俺から距離を置いて、例のあの技の詠唱を始める。
すると千里が隣から出てきて………
「奏くん!動ける?!」
「む、無理だ!俺のことはいい、お前だけでも逃げろ!」
「嫌に決まってる!」
「今は否定してる暇なんかないんだよ!」
俺は小さな体を揺さぶりながら千里に怒鳴る。
「奏!千里!」
こいしお姉ちゃんが隣で叫ぶ。
「こいしお姉ちゃん………………」
「もう無駄よ!死になさい!
天光満つるところ、我は在り!黄泉の門開くところ、汝在り!出でよ、神の雷!」
またあの技を発動させる気だ………
無理だと確信した俺は遺言としてこいしお姉ちゃんに一言投げかける。
奏達を助けたいのに、なんで体が動かないの!?
私は動けない奏と千里の元に走ろうとするが………自分も体がびくとも動かない………麻痺しているみたいだ………
「こいしお姉ちゃん!」
奏に言われてはっと我に返る。
すると奏は微笑んで
「…………」
奏のその笑顔は遺言のようにしか見えなかった。
いや、遺言なのだろう。
私はそれを必死に否定する。
「いや!奏!千里!死なないでよ!」
手を伸ばすが、当然2人には届かない!
「またあの生活に戻ろうよ!ねぇ!2人とも!」
目からは涙が大量に零れる。
すると、千里が私に近寄ってきて……………
「大丈夫だよ………こいしちゃん…………奏は死なせない………」
「…………え……」
私は千里の言っている意味がわからなかった。
「また会おうね………こいしちゃん…………」
そう言って千里は奏の元へと戻った。
俺は千里の言動を理解することが出来なかった。
「私が1人で清籟の術を食い止める。そうしたら私を犠牲にして清籟に「あの技」を使いなさい…………」
俺はその提案に目を見開く。
「…………そ、そんなこと出来るわけないだろ!お前が死んじまう!」
「それしか方法が無いのよ!」
千里の大声に俺は声をつまらせる。
すると俺の右頬に千里の華奢な手が触れる。
「…………私はあなたと出会えて本当によかった……………最期に奏くんと戦えたのはかけがえの無い思い出だよ…………………」
千里の目からは少量の涙が流れる。
少し後悔を残しているかのように千里の涙はポタポタと垂れる。
すると、俺にかかっていた術が消え失せ、動けるようになった。
「や、やめろ!千里!」
千里はニコッと笑って清籟を見る。
「奏くん………………さよなら………」
「千里ぃぃぃ!!!」
「………失せろ!『インディグネイション』!」
清籟から雷が落とされ、千里はそれを全て受け止める。
俺の目尻からも大量の涙があふれる………
せっかく…………家族になれたのに…………………たった1人の相棒だったのに……………
俺は悲しみと清籟への憎悪を刀に込め、こう叫んだ。
「スペルカード!天翔「
このスペルカードは何か物を犠牲とし、その物の妖力が高ければ高いほど威力が増す。
千里が材料なのだから威力は絶大だ。
俺の最初で最後の2人で作ったスペルカードだ。
最後に千里の顔を見た。
微笑んでいた。
「__________」
最期に千里は何かを口ずさんだ。
すると、千里は光り輝き、粒子となって消えた。
俺はその時に涙が一番溢れた。
そして、その粒子は咲名千里へと集まり、眩い光を放った。
「な、なんだこれは…………!」
清籟は『インディグネイション』が防がれてから、硬直していた。
どうやら千里が術のカウンターを仕掛けてくれたのだろう。
お陰で清籟は今隙だらけだ。
金色に光る刀身を掲げ、俺は刀に宿る千里の魂に声を放った。
「ありがとう……………千里……………」
涙を拭き、俺は清籟へ飛ぶ。
「ハァァァァァ!」
俺は咲名千里を振り下ろした。
その瞬間、眩い光とともに当たりは金色に包まれた。
この技は…………千里が自らの死を選んで発動した技なのだ。
ちょっと鬱回。
このあともこんな感じのが続きます。
先に言っておきます。僕バッドエンド嫌いなので………