東方想幻華 (一時連載休止)   作:かくてる

77 / 109
14回人気投票。
皆さんは誰に投票しました?
私は毎年鈴仙・優曇華院・イナバに投票しています。
もちろん今回も……
今回はこいしと迷いましたが、最終的に鈴仙に入れました。


13位から16位に……………
いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!



それと紺珠伝の純狐のラストスペルどうやったら回避できるん?
後幽々様も出来ん。
ルナティックでけへん……


16話 幻想郷へ戻りたい

ちゅんちゅんと鳥のさえずりが聞こえる。

その中で俺は目が覚めた。  

 

「随分と長い夢を見てたな……」 

 

目をこすりながら俺はそんなことをつぶやく。

本当に長い夢を見ていた。

なのに内容を全く思い出せない…………

 

「どうしちゃったんだ……俺……」

 

頭を軽くポンポンと叩き、ベッドから降りる。カレンダーを見て、今日の日にちを確認する。

幸いに今日は日曜日。学校はない……

欠伸をしながら階段を降り、食卓へ向かう。

 

すると、そこにはコーヒーを飲んでいる俺と5つ離れた兄、

愛原 響(まなはら ひびき)がいた。

 

「おはよ……兄貴…」

 

「ん、あぁ、奏。もう朝食できてるぞ……」

 

両親がいない俺らはこの広い家を二人で生活している。

 

「ん、さんきゅ」

 

そう言って、席につき合掌をして箸を手に取る。

しかし、その右手にピリッと痛みを感じる。

俺は箸を離して右の手のひらを見る。

そこには負った覚えのない傷跡が複数……しかも結構新しい………いつ負ったんだ?

それをしばらくの間考えていると、唐突に俺の頭に何かが刺激を与えたような感触に至った。

次は頭を抑え、痛みが引くのを待つ。

その間、身体中を見渡す。

太ももには大きな傷跡が残っている。大体手を広げたくらいの大きさの。

 

「_____なで…………奏。聞いてるのか?」

 

「ん?あぁ、悪ぃ、なんだ?」

 

「咲名千里………どこいったんだ?」

 

「咲……名千里……?」

 

あれ?その名前どっかで聞いたような………

でも思い出せない……………

 

「お前まだ寝ぼけてんのか?」

 

「そうみたい…………」

 

すると、兄貴ははぁっとため息をついて…

 

「俺たち「愛原」の妖刀。昔は「幻想郷」って所で使われてたらしいけどな………親父から使うなって言われてたやつ……」

 

俺は「幻想郷」という言葉に反応した。

 

「幻想郷………なんか聞き覚えのある言葉だな……」

 

それを理解した途端、俺の頭の中にいくつもの記憶が流れ出した。

これは……誰だ?

刀を持ち、女性と戦う姿。

俺か……?

紛れもなくこの容姿は俺だった。

しかし、俺はこんなことをした覚えはない。

何故だろうか…………それなのに何か懐かしく感じる……

 

 

 

 

朝食も済まし、やることのなくなった俺。

咲名千里……探すか……

 

俺はさっき兄貴が悩んでいた「咲名千里」の捜索をしようと考えた。

多分……玄関の近くにはあると思うんだけどな…

下駄箱を開けたり、クローゼットの中を調べたりと色々なところを探し回って2時間後。

 

「ない………」

 

これだけ探しても手がかりの一つもないのだ。

俺はもうその時に諦め、自室で昼寝しようとした。

しかし俺が部屋に入ると床にあるものが刺さっていた。

 

「おっと……危ないな………なんだこれ?」

 

俺は膝を曲げ、屈む。

よくよく見ると刀の先っぽみたいだ。

20センチほどではないが綺麗な刀身だ。

なんか変な妖力的なものも感じる。

 

「しっかし…………折れちゃってんじゃんか……」

 

俺は2本の指で嶺ところを握り引っこ抜く。

そうして刀身をもう一度見る。

すると、何かの文字が彫ってあった。

これは昔の人が残してくれたものか………?

 

しかし、こんなに長い文面、よく書いたな……

俺は感嘆しつつもその文字を読み上げる。

 

 

 

 

 

 

 

「……………ッ!!」

 

 

 

 

 

 

目を見開きその文字を何度も何度も読み返す。

その内容は………

 

 

「あなたの帰りをずっと待ってます。どうかまた会えますように………私の最愛の弟。

古明地こいし」

 

 

その刹那俺は全てを思い出した。

 

「こいしお姉ちゃんっ………!」

 

俺は涙を流す。

しかし、その瞬間に思い出す。

 

「待てよ………死んだ俺がここにいるってことは………」

 

俺は刀身をもう一度見て、他に何か書いていないかを確認する。

すると案の定、その裏側にも違う形の文字で書かれていた。

 

「……この街の中央街の桜の木で……待ってる…」

 

この字は………こいしお姉ちゃんじゃない……………きっとあいつだ……!

俺は刀身を袋に入れ、全速力で家を飛び出す。

 

「あ、おい!奏?!」

 

兄貴がなにか言っているがそんなことはそっちのけで今ある限りの全速力で走った。

50m6・3の俺が街を通り抜けるので、人の目はかなりあった。

「速いな……あいつ」「迷惑なだけだろ……」など、ほかの人たちは言いたい放題だ。

しかし、俺はそんなことすら耳を貸さずに、走る。

10分ほどでその桜の木がある広い公園にたどり着く。

いつもなら賑わっていること公園。

入口に入った途端、景色が変わった。

いや、桜の木の公園であることは間違いないのだが………

空気が変わった気がする。

空も真っ黒になったが、夜にはなっていないだろう。

俺はそこで”あいつ”を必死に探す。

 

すると、案の定、あいつはやって来た。

 

 

 

 

「久しぶり………奏くん……」

 

そこに浮いていたのは……俺の相棒でもあり、親友。

言わばかけがえのない大切な家族の1人。

俺よりも先に死んで…………もう二度と会えないと思っていた。

 

「千里…………」

 

俺は涙なんか流れてこなかった。

ふっと微笑み、千里を見る。

 

「久しぶり……………千里…」

 

涙が溢れたのは千里の方だった。

そのまま俺の胸へと飛び込み、大泣きする。

こうして俺と千里は再会を果たした。

 

 

 

 

 

 

 

数分後、ようやく落ち着いた俺達は今の状況を説明し合う。

 

「とりあえず、ここはどこなんだ?」

 

「ここは外の世界と幻想郷の境界の狭間。博麗神社が近いのかもね……………」

 

「じ、じゃあ幻想郷に帰れるのか?!」

 

俺は一瞬期待したが、千里は横に首を振って

 

「無理よ………外の世界にも幻想郷にも切り離された私達はもう行き場を失っている状態よ………」

 

「そ、そんな………」

 

嬉しさが一気に絶望へと変わる。

しかし、千里はまともや微笑んで俺の持っていた咲名千里の半分を指さす。

 

「”何もしなければ”ね。今は私とその咲名千里がある。方法はあるわ……」

 

「ほ、ホントか?!」

 

俺は刀身を千里に差し出し、その説明を受ける。

 

「私には刀を治す能力があるのは………知ってる?」

 

「あぁ、前に折れた時に直してたしな」

 

「あれって折れたもの同士をくっつけているのよ………まるで磁石のように…………」

 

「磁石のように……………まさか……」

 

俺はその時に察した。

 

「そう、そのまさかだよ………折れたもう片方の咲名千里の方にこれは引っ張られる。つまり強引に幻想郷に入ることが出来る」

 

「で、でも、俺らは死んだから……」

 

すると、千里は少し目を見開いてからふふっと笑う。

 

「あら?私達はまだ死んでないよ?」

 

「え?」

 

次は俺が目を見開いた。

 

「妖怪ってそんなにもろい体してないわよ……」

 

そのまま千里は淡々と説明する。

 

「「流星の終わり」はね、人を殺す物じゃなくて……人の細胞を少しずつ転移させていく技なのよ………………もっとも私が気づいたのは……私が奏達と別れた後だけど………」

 

片目をつぶり、俺に笑顔で説明してくる。

 

「そ、そうなのか…………良かった…」

 

俺は胸に手を当て安堵の息を吐く。

亡霊じゃなく、また龍人として幻想郷に行ける。

 

「でも………今咲名千里がどこにあるか………なんだよね……」

 

千里の顔が一気に暗くなる。

 

「まぁ”賭け”だな……咲名千里がどっかの別世界じゃなくて幻想郷に落ちていることを願うよ……」

 

「そうだね…………じゃあ行くよ!奏くん!」

 

俺は千里の手を握り、集中する。

すると、千里が隣で静かに唱えだした。

 

「愛原に仕えし妖刀よ…………再び元の姿に戻りて……………敵を滅せよ…………」

 

その刹那、咲名千里の刀身が淡いピンク色の粒子を放ちながら、引っ張られていっている。

すると、目の前に次元の裂け目のようなものが強引にこじ開けられる。

 

「うお?!なんだこの引力………」

 

俺達は引っ張られる。

 

「奏くん!咲名千里は別世界にある!賭けよう!」

 

「あぁ!そのつもりだ!行くぞ!」

 

 

 

 

 

 

俺と千里は同時に次元の裂け目を飛び込んだ。

 

こうしてもう片方の咲名千里がある世界へと降り立った。




鈴仙落ちたぁぁぁぁぁぁぁ!!
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