東方想幻華 (一時連載休止)   作:かくてる

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まさかの20話突破………嬉しいような悲しいような……


20話 祭り

俺達は人里でお昼ご飯を食べ、そのまま地霊殿へと帰った。

 

「あ〜、美味かった……」

 

「奏、おじさんくさいよ……」

 

「いいのっ美味しかったから!」

 

「あはは、太らないようにね〜?」

 

「これだけじゃ太んないよ!」

 

そんな会話をしながら俺達は地霊殿に着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、奏くん!おかえりー」

 

「あ、千里。もう起きたのか?」

 

「そりゃ昼だしね」

 

「おはよ!千里!」

 

「ん、こいしちゃんとさとりちゃんもおはよ」

 

「あ、こいしちゃん、さとり。着物リビングに置いとくよ」

 

着物の入った紙袋を私とお姉ちゃんから受け取り、奏は先に地霊殿へと入った。私はその背中をずっと見ていた。

するとお姉ちゃんがにやにやした顔で私の顔をのぞき込む。

 

「あらぁ?やはり恋をすると人って変わるのねぇ?」

 

「うぐっ!」

 

私はその場で顔を赤くし硬直する。

 

「ふぅーん、こいしちゃん頑張ってねぇー♪」

 

「も、もう!2人ともからかわないで!」

 

「あはははは!可愛いですなぁさとりちゃん?」

 

「ええ、姉ながら誇らしいわ」

 

「もう………」

 

そんなお姉ちゃん達の会話を聞かないように、私は自室へと戻る。

あぁ、告白してみようかな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから五時間後。

 

「そろそろ着替えましょうか、こいし」

 

「あ、うん」

 

「じゃあ俺は外で待ってるよ」

 

そう言って奏は地霊殿の扉を開け、外に出る。

私達は更衣室へと歩を進める。

 

おばちゃんが教えてくれたおかげで着付けには手間はかからなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あぁ……こいしちゃんの着物楽しみだな……

俺は心の中でこいしちゃんの着物を心から楽しみにしていた。

 

「お待たせー!」

 

元気よく扉が開けられる。

俺は即座にこいしちゃんの着物を見た。

 

「……ッ!!」

 

俺はその姿に言葉を失う。

かっ、可愛い!!

なんとそこには2人も天使がいたようだ。

さとりは紫をベースにしたアサガオの着物。

こいしちゃんは黄色主体の金魚柄。

 

可愛すぎる!

今日このふたりと回るのか?恥ずかしいな……

 

「ど、どう?奏……」

 

こいしちゃんは少し自信なさげな声を発する。

 

「あぁ、めちゃくちゃ可愛いよ2人とも!」

 

と、正直なことを大声で言ってしまう。

 

「も、もう、声が大きいよ奏!」

 

「いいじゃんか、可愛いんだから」

 

俺がそう言うとこいしちゃんは顔を真っ赤にして下を向く。

それを制したのはさとりだった。

 

「まぁまぁ2人とも、行きましょう?」

 

俺達はそう言って、人里にもう一度向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人里は思ったより賑わっていてまっすぐ歩ける状態では無かった。

 

「こいしちゃん、さとり。離れんなよ」

 

「分かってるよ…………あ!奏!射的やってよ!」

 

「俺あんま得意じゃないぞ…………」

 

「いいのいいの!今日は外した時の奏の顔が見たいの!」

 

「それ言葉にしない」

 

「じゃあこいし。私と千里は別行動するから、頑張りなさいよ!」

 

 

お姉ちゃんは空気を読んで私と奏の二人っきりにしてくれた。奏はお金を払い射的用の銃を手に取った。

すると射的屋のおじさんが

 

「おやおや!幻想郷の英雄様がこんな所に!よっしゃ!無料にしてやる!!英雄様の銃の腕を見せてもらおう!」

 

「あのなぁおっちゃん。俺は銃じゃなくて刀なの……」

 

随分元気のいいおじさんだな……

 

「奏、奏!あそこのあれ取って!」

 

「ん?ペンギンか?」

 

「ペンギン?」

 

「おう、あれは霖之助さんが外から取り寄せたやつらしくてな、いいんじゃねえか英雄様!彼女にプレゼントや!」

 

「か、彼女///」

 

私はそのおじさんの言葉に顔を赤くする。

傍から見たら私達はそう見えてるのかな…………

 

「…………兄妹だよおっちゃん……」

 

そう言って、奏はペンギンの人形を狙う。

すると一発目で見事命中。

当たっただけで周りは拍手喝采だった。

これは奏が英雄になったからであろう。

 

「はい、こいしちゃん」

 

「ありがとう奏!……わぁ、可愛い♪」

 

私はペンギンをぎゅっと抱きしめる。

やった!奏から貰ったプレゼントだ!

 

「おお!刀だけじゃねぇな!どや、もう1発サービスしてやる!」

 

「こいしちゃん?次は何がいい?」

 

「んーと、じゃああれ!」

 

こんな感じで私と奏はお祭りデートの様な感じで楽しかったよ。

 

「あぁ……少しはしゃぎすぎたな……」

 

「だね………ちょっと足が痛いや………」

 

私は履き慣れていない下駄を履いていたので少し足が痛む。

歩けないほどではないが、結構痛みはある。

 

「大丈夫?冷やすもの持ってこようか?」

 

「え、いいよ!歩けるから」

 

「いいの!ちょっと待ってて」

 

そう言って、奏は人混みの中に消える。

実は私の体はもう疲労困憊状態だ。

弾幕なんてもってのほか、こんな時に襲われたらもう命ないくらいだ。

 

 

 

「お、カワイイ子いるじゃねぇか!」

 

と、案の定その予想は的中してしまった。

私は振り返りその声の主の方を見る。

 

「誰かと思えば地霊殿の妹ちゃんじゃねぇか?近くで見ると可愛いなぁ…」

 

「いいじゃん!兄貴、こいつがいい!」

 

そこに居たのは奏より遥かに年上の中年男性とそれより少し若めの男性。

不味い………弾幕が打てない今の状況は私はもはやただの女の子だ。

 

「そうだな……おう、こいしちゃん………だっけか?ちょっと俺らと遊ばねぇ?」

 

「いやだよ、連れがいるの!」

 

「……あの幻想郷の英雄気取りか……」

 

私はその言葉にカチンときた。

 

「奏は英雄気取りなんかじゃない!」

 

「お、見事につられて可愛いねぇ♪いいや英雄気取りさ、たかだか妖怪に勝っただけで……」

 

「あなた達は何もしていないじゃない!ただ人里で怯えていただけでしょ?!」

 

私はムキになって大きな声で叫んでしまう。

しかし、その口を中年男性が塞ぐ。

 

「おっとぉ………それじゃこっちにおいで?」

 

「むぐぅぅぅー!」

 

私は暴れるが力がなくそのまま男2人に連れ去られてしまう。

 

「(奏…………助けて!)」

 

私は路地裏に連れていかれ、2人に拘束される。

 

「ほぉら♪俺がいい声で鳴かせてやるよ?」

 

「いや!やめて!」

 

「おおう、可愛いなぁ」

 

男は荒い息を立てながらだんだんと私に顔を近づけてくる。

男の手は私の着物の中に伸び、肌を触れられる。

 

「いや!」

 

瞬間、悪寒が走る。

気持ち悪い!いやだ!

こんな時に弾幕が使えればっ!

 

「さぁ………始めようかこいしちゃん?」

 

男2人が自分の唇をぺろっと舐めながら再び私に近づいてくる。

 

「いや!奏!助けて!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?こいしちゃん?」

 

俺はこいしちゃんの足を冷やすものを射的のおっちゃんから貰ってきた。

しかし、さっきまで俺達がいた所にはこいしちゃんはいなかった。

 

「どこいったんだろ?」

 

俺は探しに出ようとした時、足に何かが当たった。

 

「これは………こいしちゃんにあげたペンギン……」

 

俺はそれを拾い上げ、一つの予感がした。

 

「まさか……」

 

くそっ!俺が目を離さなければ!

ここでは飛ぶことが出来ないので、全力でダッシュする。

 

「待ってろよ………こいしちゃん……」

 

こいしちゃんが連れていかれたであろう所に走る。

路地裏の屋根に行くと、案の定、男2人がこいしちゃんを拘束していた。

 

「よし……行くか……」

 

そう呟いて俺は刀を抜いた。

そして路地裏に降りた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何やってんだ?お前ら」

 

私の隣で愛しい人の声が聞こえた。

 

「奏!」

 

「ごめんね、こいしちゃん……今助けるから……」

 

「この……ッ英雄気取りがぁ!!」

 

こいしちゃんを突き放し、俺に拳銃を向ける。

 

「もう少しでこいしちゃんを………食べることが出来たのにぃ!!」

 

半狂乱的な顔で奏にキレてる。

しかし、口からは涎がたれ、鼻息も荒い。

キモイ………こんなにキモイ人とあったのは初めてかも

 

「そんな理由でこいしちゃんをさらったのか?」

 

奏はそれにも動じず、怒りを込めた声で言う。

 

「当たり前だ!お前だけこいしちゃんを占領しやがって!おまえさえいなければァ!」

 

ぱぁぁん。と拳銃の音が路地裏に響く。

私は耳を塞いで奏を見る。

奏は無傷だった。まぁ当たり前か。

 

「なっ?!」

 

男は驚きの声をあげる。

奏の足元には真っ二つになった弾丸が落ちていた。

まさか……弾を斬ったの?

 

「……テメェら見てぇなクソに負けてる暇なんかねぇんだよ」

 

こんなに口の悪い奏を見るのは初めてだ。

目つきもかなり悪くなり、声も低い。

 

「う、うわぁぁぁ!」

 

男は銃を乱射する。

しかし、奏は足を動かさず、刀を振り、全ての弾を斬っていた。

一人の若い男は逃げており、中年男性はその場で呆然としていた。

男に刀を間近まで近づけ、奏はこう言う。

 

「この刀をお前の血で汚したくない、とっとと失せろ下郎……」

 

静かに言ったのだが……迫力は桁違いだ。

そのまま男はドスドスと逃げていった。

その場で剣を一振し、鞘に収め、私の方を見る。

 

「ごめんね……こいしちゃん……俺がちゃんと見ていれば…」

 

私は奏に抱きつく。

怖かった……

私はその場で涙を流す。

 

数分間その場で泣き

 

「大丈夫?こいしちゃん」

 

「うん……」

 

「じゃあ、祭り仕切り直そうか、はい、これ」

 

そう言って、奏が差し出したのは………奏に取ってもらったペンギンだ。

私はそれを受け取り、ぎゅっと抱きしめる。

 

「じゃ、行こう。こいしちゃん」

 

「うん!」

 

今度は奏の手を握り、私達はまた人混みの中に消えた。




次回最終回です!多分!


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