「~~」
「~~」
↓
「~~」
「~~」
となります、ミスではありませんのであしからず。
その数時間後、咲夜さんは自身の仕事を終わらせて俺の元に来た。
「失礼します、奏さん」
「はーい」
ドアをゆっくりと開け、咲夜さんが入ってくる。
「じゃあ早速庭に行こうか……」
「はい」
俺と咲夜さんは庭に向かった。
「咲夜さん。一度、1分だけでいいから全力で戦って」
「全力……ですか?」
「あ、スペルカードはなし、でも能力は使っていいよ。咲夜さんは確か「時を操る」んだよね?」
「ええ、分かりました。では、行きます!」
咲夜さんの目つきが変わる。
どうやら、戦いには慣れているようだな……
俺は咲名千里を持たずに戦う。
まぁ、1分だけだしね…
そんなことを考えていると、ヒュンヒュンと無数のナイフがこちらに飛んできた。
こうして俺は全方位ナイフに囲まれて、逃げ場を失う。
しかし、俺は咲に聞いたあの言葉を思い出す。
「弾幕ごっこは逃げられないスペルカードや弾幕を打っちゃダメなの。あくまで幻想郷の決戦方法としてね」
これは弾幕ごっこではない。
しかし、咲夜さんやレミィは幻想郷の住民、逃げ場のない弾幕を張るのは本能的に不可能なのだ。
俺は真下に人3人くらい入れる大きさの穴があることを確認する。
なるほど、霊夢さんに勝てない理由がわかった。
俺はその大きな穴に入り、そのナイフ達から回避した。
「え?!」
咲夜さんの驚きの表情を見てから、俺は口を開く。
「咲夜さん、霊夢さんやその他の強い妖怪に負ける時の原因ってどんなの?」
「そ、そうですね……大体がナイフをよけられて近距離でスペルカードを発動されます」
「確かスペルカードルールで避けられない弾幕やスペルカードをつくっちゃダメなんだよね?」
「はい」
「なら、"最小限"にすればいいんだ。単純に」
「最小限……ですか?」
俺が言いたいのは、弾幕の感覚をほぼ統一し、人ひとりギリギリ入れるくらいの弾幕にすればいいのだ。
そうすれば百パーセント勝てる訳では無いが、今までの妖怪達も前よりは苦戦すると思う。
「なるほど………」
「俺はまだスペルカードをあまり作ってないからよく分からないけど……まぁ、これは第一段階って所かな」
咲夜さんはメモを取り出し、俺の言ったことをペンで写していた。
な、なんか先生になった気分だな………
「とりあえず、そんな感じで弾幕の感覚を意識してみよう」
「はい、分かりました」
こんなに俺の話に真剣になってくれるのは、ある意味咲夜さんが初めてかもな………
俺は少しこの修行に楽しさを感じていた、わ
おっといけない………咲夜さんは真面目にやっているんだ。俺もそれ相応の対応をせねば………
「じゃあ、とりあえず30秒。8割くらいでいいからやってみよう」
さっきと似たような弾幕が俺の周り全方位にはられる。
しかし、それはさっきよりも密度が高いようにも思える。
そうして1回、俺を含めた全ての時が止まってから、ナイフが襲いかかる。
「おお………」
俺はその場で感嘆の声を上げる。
咲夜さんは物覚えがいいな…………これはすぐに追い抜かれそうだ……というか実力は俺より上なんじゃないか?
俺は真上に手を伸ばす。するとそこから粒子を纏った咲名千里が俺の手に収まる。
これは最近覚えた技で……なんて言ったかな?
技名は覚えてないけど、俺の周りには見えない魔法陣が展開されており、ワープ能力のある魔法陣が一つある、それを活用し、咲名千里を部屋から引っ張り出したという事だ。
「スペルカード!静符「アブソリュート・シン」!」
凍結現象を纏った咲名千里を一振り。
すると周りから一定のスピードで動いていたナイフが一気に凍る。
お、このスペルカード一番有能だな………
今後から使っていこう。
「うん、凄いよ咲夜さん。まさか1日でやり遂げるとは……」
「い、いえ、まだまだです…」
自分には厳しいと思っていたが、こればっかりには少し照れているようだ。頬が紅潮している。
「じゃあ、そろそろ時間だし戻ろうか。あ、咲夜さん、紅茶お願いしていい?」
「はい、かしこまりました……」
俺は肩を回しながら室内に入る。
肩凝ってんな………今日はもうゆっくりしよう……
ドガァァァァン………
「え?」
お、おいおい……誰がキレたんだよ………
「キャハハハハ!!誰か遊んでよぉ!!」
だ、誰だ?!
パチュリーとはさっき話したが………あの子は見たことねぇぞ?
金髪で背中にはライトを吊るしたような綺麗な羽。
顔立ちは少しレミィに似ているな………
と、そんなことを考えている暇はない!
まずい!妖精メイドたちが…!
俺は追われている妖精メイドの前に立つ。
「炎符「獄炎の舞」!」
発火現象を操り、刀身が赤く燃える。
「あなたが遊んでくれるの?!」
「え、あ、うん。遊んであげる?」
疑問形になりつつも、俺は返答する。
すると金髪は距離を取り、スペルカードを唱える。
「禁忌「クランベリートラップ」!」
その弾幕はまた美しく、魅了させるものがあった。
しかし、怯んではいられない。
「せぁ!」
ズバッという軽い音を立てながら、弾幕が切れる。
あ、分かった。この子の攻略法。
俺は小さい頃からの特技、マインドコントロールを活用しようとした。
「君、妖精メイドたちを傷つけたの?」
「そうだよ?だから何?」
「君は生き物を傷つけたんだ。もう少し落ち着いたらどうかな?」
「傷つけた………」
やっぱり子供は洗脳しやすい。
と言っても俺は悪い方の洗脳ではなく、この子の狂気を取り除くための強硬手段として使っている。
まぁ、悪いマインドコントロールもあるにはあるが………
「そう、傷つけないために、落ち着こ?ね?」
「う、うん……」
「妹様?!大丈夫ですか?!」
咲夜さんが駆けつけてくる。
それに対し、金髪の子は薄く微笑み
「ごめん咲夜。ちょっと能力が暴走しちゃった………」
「ご、ご無事なら良かったです。奏さんが止めてくれたんですか?」
「あぁ……」
「ありがとう。えっと……奏って言ったよね?」
「おう、どういたしまして……えっと…」
「フラン。フランドール・スカーレット。レミリアお姉様の妹よ!フランって呼んで」
俺はその事実に驚く。
まさかアイツに妹がいたとは………
「よろしくな、フラン」
「うん!」
この紅魔館も……力も広さも全てが未知数だな………
この時俺はそれを改めて実感した。