ハリーは一年生の終わりに図書室で一冊の日記を見つける。特に特徴もないその本に何故か心惹かれたハリーはその日記を読んで見ることにした。


1 / 1
別に書いてる小説の息抜きに書きました。


入学前

僕、ハリーポッターは試験期間も終わった学校終了直前に図書館で偶然一冊の本を見つけた。その本にはホグワーツの蔵書であるという記述もなく、誰かの本が紛れ込んだものなのだろう。黒い表紙にはなんの記述もなく、背表紙に簡素に『日記』と名前なのか名字なのか『リドル』とだけ書かれていた。僕はなぜかその本に興味を惹かれて持ち帰り、部屋でじっくりと読んで見ることにした。パラパラと飛ばして見るとかなり細かく書いてあり、飛ばし飛ばし読んでみることにした。

 

 

 

 

 

○月×日

 

僕は他人とは違う。そのことについて気がついたのは産まれて物心がついてからすぐのことだ。孤児院の他の子供たちとは違って触れずにものを動かせたり、蛇と話すことができたりと不思議な力を持っていた。そのことに気がついてから僕は周りと接することをやめた。僕のように特別な力を持っていない人たちとは関わる必要性を感じなかったのだ。

 

何かと話しかけてくる院長や僕に対して物を隠したり、石などを投げてくる低脳な輩以外とは関わりがなくなった。もちろん、低脳な奴らには二度とそんなことをしてこないように痛めつけてやったが。それから僕に対する知能指数が低い嫌がらせはなくなり、孤児院の中で僕は独りとなった。しかし別に寂しくともなんともなく、心は静かに凪いだままであった。

 

しかし今日そんな平穏を乱す者が現れた。新しくこの孤児院に入ってきた同い年の女である。

 

僕の向かいの部屋に誰かが住むらしく、大きな物音を立てながら孤児院の人々と共に準備をしていてた。そんな物音もしばらくすると止まる。廊下を歩く音が次に聞こえた。

 

するといきなりドンと音を立てながら部屋の扉が開かれる。

 

「初めまして、私はスピカ・ハーパー!!よろしくね!」

「…………」

 

いきなり自己紹介を女がしてくる。現れたのは金髪の少女である。絹ような光沢を放つ髪に、澄んだ空のような青い瞳。彼女の存在は圧倒的にこんな貧乏な孤児院とは不釣り合いであった。まるで絵画から一人だけ抜け出したかのような美しさを誇っている。

 

想定外の彼女の容姿に驚きながらも、容姿以外には特に何も思わなかった。黙っている僕を不思議に思ったのか、距離を詰めてくる。

 

「あれ?聞こえてる?聞こえてるよね?おーい。きみー」

「うるさい」

 

伸ばしてくる手を弾いて彼女から視線を外す。どうやら穏やかそうな外見とは裏腹にかなりアグレッシブなようだ。

 

「なんだ、聞こえてるじゃないか。あいさつは人の基本だよ?ほら、初めまして」

「…………」

 

うるさい女だ。再度無視するとむっとしたような顔をして僕の肩に手を載せようとしてくる。イラついた僕は思わず不思議な力を行使して彼女を部屋から弾き出そうとした。そう力を使ってみたのだ。だが彼女は吹き飛ばされなかった。バチンと何かがぶつかるような音が聞こえた。今の感触はなんだのだろう。まるで僕の不思議な力同士がぶつかったかのようななんとも言いづらい不思議な感触であった。

 

彼女の方を見ると先ほどとは一転、彼女は青ざめた表情で僕の部屋から逃げていった。

 

今のは一体なんだったのだろうか。凪いでいた僕の胸に好奇心という波が立った。

 

 

 

 

 

×月○日

 

あの女が孤児院に来てから数ヶ月が経った。どうやら彼女は面倒見が良い人物らしく積極的に年下の子供達の面倒を見ていた。そんな彼女の様子に職員たちは完全に彼女を信頼しきっていた。

 

そして厄介なことに僕にも孤児院の他の児童と関わるように積極的に声をかけてきた。出会った初日のあの青ざめた表情はなんだったのかと指摘すると

 

「私の不思議な力をまさか他に持ってる人がいるとか考えたこともなくて。この力のせいで私は親戚の家から追い出されちゃったし、もしかして孤児院からも追い出されるかもって心配したの。でも大丈夫ね。だって私と同じあなたがここにいるんですもね、しかも産まれたときから」

 

そういって安心しきったような笑顔を僕に向けてくる。僕は遠巻きに見られて持て余されているんだがな。アホ面にイラっとしつつ、僕は触れずにドアを閉めた。

 

 

 

 

*月×日

 

今日はあの女と喧嘩をした。どうやら俺が他の子供から力を使って窃盗したのがバレたらしい。薄々感づいていたのだろう。余計な告げ口をされたものだ。

 

どなり込んできた女と僕は初めに口論をして、それから力を使って周りの物が空を飛び交っていた。椅子が迫るとそれを布団が防ぎ、本が乱舞して、ベッドが横転する。

 

やがてお互いは疲れ、力が使えなくなったため、殴り合いとなった。幼い僕たちの年代では性差は特になくお互いの拳が交差し合う。今まで僕は自身の身体を使うことを碌にしていないため女に少し押し負けていた。そのあと決着がつかずに僕らの騒ぎを聞きつけた職員が割って止めた。

 

まったくもって度し難い。この僕があんな低俗な人間に殴られたことが腹立たしくてしょうがなかった。

 

 

 

 

*月+日

 

女は絆創膏や青アザのある顔で謝りにきた。謝罪を鼻で笑うと再度喧嘩になりかけ、職員が慌てて止めた。なぜあんな奴と仲良くせねばならないんだ。

 

 

 

 

+月+日

 

あの喧嘩から数週間が経った。女は間接的に嫌がらせをしてきた。僕の部屋に年下の子供達を集めて遊び始めたのである。

 

ある子供はクレヨンで紙ではなく壁紙に絵を描き始めて、他の子供同士で枕投げを始める。駆け回り、追いかけっこを始めた子供たちの甲高い声や遊び道具を広間から持ってくる子供に殺意を覚えつつ、子供を捕まえて質問した。なんで僕の部屋で遊び始めたと。

 

曰く「スピカお姉ちゃんが遊んでいいって。あとは本当はみんなと遊びたいからお兄ちゃんがイルマたちからおもちゃ奪ったって言って、寂しくないように遊んであげようって」

「それにお兄ちゃんたち魔法使いなんでしょ?喧嘩してたとき触んないで物が浮いてたよね?!怖かったけどかっこよかったよ!!」

 

あの女め……僕が微塵も思っていないような嘘を……。視線を感じてその方向へ振り返ると女が一人ほくそ笑んでいた。確定だ。あの女は性悪である。羊の皮を被った悪魔だ。

 

 

%月o日

 

 

あの女が僕に対して嫌がらせとして遊び場に僕の部屋を使ってきたが、自室がこれ以上壊されたり汚されるのは耐え難かったため仕方なく広間に年下の子供を連れて遊ばせることにした。元気が無駄に有り余っている子供の面倒はあの女に任せて、静かな子供の監視することにした。

 

絵を描いたりする子供の汚れを落としたり、本を読んで欲しいとせがむ子供に対して適当に相手する。ふう、これでこれ以上僕の部屋が被害を被ることはないだろう。一人安心して、外を眺めると孤児院の庭であの女と男児たちが外で駆け回っていた。女は髪を1つに纏めて元気よく走っている。よくもまぁ体力が持つものだ。

 

そんな様子を僕の見ていた院長が感動したかのようにこちらを眺めていた。おい、違うぞ、これは馬鹿な子供と性悪女の被害を受けないようにしただけだ。だからそんなに「成長したなぁ」みたいな目で見るのをやめろ。

 

 

 

 

#月+日

 

 

あの性悪女がここに入ってから一年が経った。僕が静かな子供の面倒を見て、あの女が動き回る子供の面倒を見ることが定型となっていた。

 

僕としては不本意なことこの上ないのだが、一度もういいだろうと面倒を見ることを放棄した日があったのだが、その日は悪夢だった。性悪女は子供を引き連れ久々に侵入し、子供たちは大暴れ、普段僕が面倒を見ていた子供は大号泣。騒がしい子供の声と甲高い泣き声、それに困ったようにこちらを見てくる性悪女、その全てが不愉快であり、地獄であった。

 

その日を迎えてから僕は子供の面倒を見ることなってしまっていた。

 

そんな日常になってしまった不愉快な習慣をしていた夕方、この日は珍しく来客がいるという。訪問する相手の目的は僕とあの性悪女だった。院長の案内に従って応接間に連れて行かれた。もっとも応接間といってもぼろぼろのソファと質素なテーブルがあるだけなのだが。

 

そこにいたのは一人の老人であった。彼の名はアルバス・ダンブルドア。どこかの施設の人間かと思ったが、彼はホグワーツ魔法魔術学校の校長であるという。とても胡散臭かったため、胡乱げな視線を向けていた僕とは対照的に性悪女は目を輝かせていた。確かに僕たちには不思議な力があるがそれが魔法とは限らないし、そもそもこの老人が本当に魔法使いとやらである証拠はない。

 

疑っていると僕の疑問を察したのか懐から杖を取り出して、紅茶が入っていた空のカップに向ける。ダンブルドアが杖を振るとカップは一瞬で姿を変えた。ウサギである。隣の性悪が興奮したような声を上げる。元カップのウサギは元気よく机の上を飛び回り、その後ダンブルドアが再度杖を振ると元のカップに戻った。

 

「これで信じてもらえたかの」

「ええ!!」

「ええ、本当に魔法があるのですね」

「さよう。そして君達も魔法使いとなるの素養を持っている。どうかね、ホグワーツで良ければ学んでみないかの」

 

ダンブルドアの提案に僕も性悪女も快諾した。

 

 

 

 

 




もしトム・リドルが愛を知って柔らかくなったら。
もしトム・リドルと同等の魔女がいたら。
物語は優しい世界へと変わる……かも?

そんなコンセプトで書きました。ハリーはほとんど出ません。
ノリで書いたものであり誰かが続きを書いてくれてもいいのよ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。