どうも~、燕尾です!
ご注文はうさぎですか? が映画上映されたということで、アニメを見直し、wikiでいろいろ見ていたうちに原作が気になって全巻買って読んだら、なんだか書きたくなって書き始めました! 後悔はしていません!!
「わぁ、可愛いし、綺麗~! ここなら楽しく過ごせそうだよ。 ね、コウくん!」
電車から降り、駅から町へ出ると目に見えてテンションがあがっている女の子。
「うん。それはわかるけど。あまりはしゃぐと迷うよ――ココア」
俺こと、保登香菜が我が姉、心愛とやってきたのは木組みの家と石畳の街。今年から高校生として、この町に移り住む双子の姉弟だ。
「むっ……違うよコウくん。ココアお姉ちゃん、でしょ!!」
「はいはい、ココアお姉ちゃん。わかったからあまりあちこち行かないでよ」
「うん、よろしい!」
ココアは俺の話を聞かずにお姉ちゃんという響きに満足していた。小さいころから、兄や姉に憧れているココアはお姉ちゃん呼びに執着しているのだ。
「それで、いま俺たちは何処にいるかわかってるのか?」
「あれがあそこで、これがここだから……まあいっか!」
「まったくよくない! ちょっとそれ貸して!」
「大丈夫、お姉ちゃんに任せなさい!」
ココアに任せると基本的に俺が大変になる。たまに逆もあるのだが、基本的には俺が被害を被る。
「そういうならちゃんと目的地にまで向かってくれよ。下宿先の香風さん家の都合もあるんだから」
「あっ、野良うさぎだ! まてまて~!!」
「大体、ココアはもう少し落ち着きを持ちなさい。元気で明るいのは長所だけど、ココアは無自覚に人に迷惑をかけるときがあるから――って、あれ? ココア?」
周りを見渡しても姉の姿が見当たらない。
もしかして…いや、もしかしなくても、はぐれた?
俺はココアが立ち止まってから一歩も動いていない、ということはココアが勝手にどこか行ったのだ。
「地図もないに、どうやって下宿先まで行けって言うんだよ、ココアのアホ――!!」
「もふもふ~♪ ふふ、捕まえたっ! ほら、コウくんも見て、可愛いでしょ――って、あれ、コウくん? どこにいったのかな?」
周りを見渡してもコウくんの姿が見えない。これはもしかして…いや、もしかしなくても――
「コウくんが迷子になっちゃった!? 大変! コウくーん!! 何処に行ったの、返事をしてー!!」
私はいろいろなところを歩き回ってコウくんを探す。だけど全然返事もないし見つからない。それに、大きな荷物を持ちながら歩いているせいで少し疲れた。
「すこし、休んでまた探そう。目の前に喫茶店もあるし」
私はそのお店の名前を見る。
「喫茶店"ラビットハウス"――うさぎさんがたくさんいるのかな?」
想像を膨らませる。店のあちこちにいるウサギを眺め、ときには抱っこしながらすごす時間。
「入ってみよう!」
私は期待に胸を膨らませて店に入る。
「いらっしゃいませ」
出迎えてくれたのは小さくて可愛い女の子の店員さん。お客さんはいま来た私以外誰もいない。
――ということはうさぎさんと触れ合い放題だ!
「うっさぎ、うっさぎ~♪」
店内をきょろきょろ見回しているけど、うさぎの姿が一匹も見当たらない。
机や椅子の下、もう一度周りを見渡しても、うさぎはいなかった。
「うさぎがいないっ!?」
「なんだ、この客…」
私は店員さんに促されて席に着く。すると、あるものに気づいた。
「もじゃもじゃ……?」
「……は? ああ、これですか? これはティッピーです。一応うさぎです」
店員さんは自分の頭に載っている白いもじゃもじゃを撫でてそういった。
いいなぁ、わたしもなでたいなぁ…
「ご注文は」
「じゃあ、そのうさぎさん!」
「非売品です」
即答されてしまった。だけど、諦めきれない!
「じゃあ、せめてもふもふさせて!」
「コーヒー1杯で1回です」
「じゃあ、3杯!」
私は即答する。店員さんはカウンターまで戻り、そこでコーヒーを淹れて私のところまで持ってきた。
「3杯頼んだから3回もふもふする権利を手に入れたよ!」
「その前にコーヒーを飲んでください。冷めてしまいます」
おっとっと、そうだった。せっかく淹れてくれたのに冷めましてしまうのはもったいない。
私は一つ目のカップに口をつける。
「この上品な香り! これがブルーマウンテンかー」
「いいえ、コロンビアです」
二つ目――
「この酸味…キリマンジャロだね」
「それがブルーマウンテンです」
三つ目――
「安心する味! これインスタントの――」
「うちのオリジナルブレンドです」
うん、どれも美味しいから大丈夫だよ!
コーヒーを飲みきった私は店員さんからうさぎを受け取る。
「はぁ~、もふもふ気持ちいい~」
ふわふわしていて、やわらかくて、コーヒーの香りがして、最高だよ。思わずよだれがたれちゃう
「あっ、よだれが……」
「のおおおおお!」
なんか変な声が聞こえた。
「あれ、いまこのうさぎ叫ばなかった?」
「気のせいです」
「そっかぁ~、それにしてもこの感触癖になるなぁ~」
「ええぃ、早く放せこの小娘がっ!!」
!?
「なんかいまこの子にダンディな声で拒絶されたんだけど!?」
「私の腹話術です」
「いや、でも……」
「腹話術です。それより、早くコーヒー全部飲んでください」
「あ、そうだね!」
私はうさぎを返して残りのコーヒーをいただいた。
全部飲み切った私は事情を話す。
「私ね、春から弟と一緒にこの町の高校に通うの」
「はあ…」
「でも、下宿先を探している途中に弟が迷子になっちゃって」
「下宿先?」
「うん、下宿先に向かいながら弟を探してたんだけど、荷物もあるからいろいろ聞くついでに休憩しようって思って入ったんだけど、香風さんちってどこか知ってる? 香る風って書いて香風さんなんだけど」
そう問いかけると、店員さんは驚いた目をして答えた。
「……うちです」
「ええっ!?」
私も驚いた。まさか、休憩しようと入ったところが下宿先だなんて。これはもう偶然なんかじゃない――
「――これはもう偶然を通り越して運命だよ!」
「いきなり運命感じられた…」
「そんな運命に出会えてラッキーだったな――ココアお・ね・え・ちゃ・ん」
ちょっと怒り気味の声に私の動きは止まった――
はぐれてから20分。いろいろ探し回った挙句にココアが見つからなかったので、ココア探しより先に下宿先に向かおうと考えた俺は幸い、家の人の名前と喫茶店という情報を頼りにして、人に道を尋ねながら歩いていった。
それから10分ぐらいで目的地と思わしき場所に着いたのだが、俺は目を見開いた。
「まさか、ここって……」
確かめたいことがあった俺は窓から中の様子を伺う。やっぱり間違いないない。
「内装とか、ぜんぜん変わってない。まさかまたここに来るなんて思わな――って、ココア!?」
中を覗いている最中、そこには既にココアの姿があった。
慌ててドアを開いて中に入ると、ココアが興奮した様子で店員さんの手をとっていた。
「これはもう偶然を通り越して運命だよ!」
無邪気にはしゃいでいるココアに流石の俺も少しキレた。
「そんな運命に出会えてラッキーだったな、ココアお・ね・え・ちゃ・ん」
そういいながら、机の上においてある三つのカップが目に入る。
こっちは探し回っていたというのに、この姉は一人喫茶店でご休憩と来ましたか。本当にこの姉は、本当にもう――笑顔になっちゃうよ。
ココアは顔を青くしてプルプルと震えていた。
どうしてそんなに震えているのだろうか。こんなにも俺は笑っているというのに。
「こ、コウくん? あのね――」
「お姉ちゃん、嫌いだよ」
「フゴォ!!」
何かが刺さったように机に伏すココア。お仕置きは完了した。
「……」
「あの……何か?」
ピクピクしている姉は放置しておいて、じっと見つめる俺に店員さんは戸惑っている。
「いや、なんでもないです――それより店員さん。ここが香風さんの家で合ってますか?」
「はい、香風はうちです。私はチノといいます。ここのマスターの孫です」
「ここに下宿する保登香菜です。で、そっちのが姉の心愛です。姉弟ともども迷惑かけますが、よろしくお願いします。えっと……」
「チノで大丈夫ですよ、コウナさん」
「わかりました、チノさん」
「硬いよコウくん! これからよろしくねチノちゃん!」
「ココアがフランクすぎるだけだよ」
ココアの長所でもあるけど、人によっては失礼だと思われるかもしれないんだから。
「さんづけじゃなくて大丈夫です、ココアさんと一緒の高校なら私より年上ですから。あと敬語じゃなくてもいいですよ」
「そうですか、それなら――よろしくね、チノちゃん」
「よろしくお願いします、コウナさん、ココアさん」
そして俺たちの新しい生活が幕を開ける。
「あのね、下宿させて頂く代わりにその家でご奉仕しろって言われているんだよ」
ココアが言っているのは入学する高校の方針だ。
変わった方針だとは思うけど、ダラダラ過ごさせないようにするための決まりなのだろう。まあ世話になる以上、それは当然のことだと思う。
「うちで仕事をするということですね」
「仕事だけじゃなくて炊事とか掃除とかいろいろとね。働かざるもの食うべからずってことだ」
「と、いわれましても家事は一人で何とかなりますし、お店も十分人手が足りてますので――何もしなくて結構です」
「いきなりいらない子宣言されちゃった…」
「まあ、そこらへんは追々話し合っていくということで。とりあえず、マスターに挨拶をしたいんだけど、留守?」
そう訊いた瞬間、チノちゃんの表情が曇った。
「えっと、祖父は去年……」
「あっ、えっと……すまない、知らないとはいえ…」
去年いなくなったということはまだ辛く思ってしまう時期だろう。しかもチノちゃんの年頃ではなおさらだ。
その言葉にココアも表情を曇らせた。
「そっか、今はチノちゃん一人で切り盛りしているんだね……」
あれ? さっき十分人手が足りているって言ってただろ? しかもこの感じ、なんだか嫌な予感がしてきた。
「いえ、父もいますし、バイトの子も一人――」
「私のこと姉だと思って何でも言って!!」
チノちゃんの言葉を遮って、ココアが抱きつく。
ああ、ココアの癖が出てしまった。こうなったらこの先ずっと、ココアが変わらない限り終わらないだろう。
「だから、お姉ちゃんって呼んで?」
「えっと、じゃあ……ココアさん」
「お姉ちゃんって呼んで!」
「こ、ココアさん」
「お姉ちゃんって、呼んで!!」
どれだけ呼ばれたいんだ、ココア。もうチノちゃんが困りきっているだろう。
「ココアさん、早速働いてください」
「うん、わかった♪」
――この子、案外スルースキルが高いな。もうココアの流し方を理解し始めている。
「コウナさんも、よろしくお願いします」
「ああ。わかった」
こうして、俺たちはラビットハウスで働くことが決まった。
「ここが更衣室です、ココアさんはここで着替えてください」
更衣室は五人以上は着替えられそうな広い部屋だった。
「コウナさんは部屋で着替えてもらえますか? 女性と更衣室を一緒にするわけにはいかないのですが、ここしか更衣室がないので」
「ああ、もちろん大丈夫だ」
「ココアさん、コウナさんを案内してから制服を持っていきます。少し待っていてください」
「わーい、制服着れるんだね♪」
私服で接客するわけないでしょうが、少しは考えなさい。
ココアを更衣室に残して俺はチノちゃんの後についていく。
「コウナさん、ここがコウナさんの部屋です。今制服を持ってきますね」
「ありがとう、チノちゃん」
そう言って部屋から出て行くチノちゃん。
案内された部屋はベッドと机が置かれているだけの部屋。もともと家具とかはある程度こっちで用意して送らないといけないと知っていたので別に不満も何もない。
自分好みに部屋メイクできる楽しみもあるし、それに二階部屋なので、夜になったときの窓からの夜空が楽しみだ。
あれこれ考えているうちに制服を持ったチノちゃんが戻ってくる。
「コウナさん、これが制服です」
渡された制服は黒のズボンに白のワイシャツ、そして黒を基本としたベストだった。
「なんか、バーテンダーっぽいな――って、バーもやっているんだから当たり前か」
「はい。ラビットハウスは夜にはバーになるんです。よくわかりましたね?」
「シェイカーにメジャーカップ、バースプーンの道具にお酒が置いてあればわかるよ」
お酒だけが置いてあるのなら趣味で展示しているのだと思うけど、道具まで綺麗に整理されていれば誰だって気づく。
「それじゃあ、すぐに着替えるから――」
そういった直後、
「うわあああああ――――!?」
大きな叫び声が聞こえた
「――っ、今のココアの声か!?」
「あ、コウナさんっ、待ってください!」
チノちゃんの制止も聞かずにココアがいる更衣室へ急ぐ。
「ココアっ、大丈夫か!? 開けるよ!」
返答も待たずに開けたその先には、
「……」
下着姿のツインテールの女の子が片手に持った銃の口をココアに突きつけていた。ココアは両手を挙げて降参のポーズをとっている。
「えーっと、どういう、状況……?」
というより、俺は非常にまずい現場に遭遇しているのでは?
「コウくん、見たら駄目ぇ!」
あわてて駆け寄ったココアが俺の目を両手で隠す。
「わっ!? 何も見えない、やめてココア!」
「見えなくていいのっ! それとも私以外の女の子の下着姿を見たいの!?」
「いや、そうじゃなくて、とりあえず落ち着いて俺をこの場から離してくれ! そうじゃないと危ないんだよ!」
わたわたしている保登姉弟を眺めていたツインテールの少女はだんだん現実を把握したのか、顔を真っ赤にする。
「あ、あぁ……」
そして、自分の持っていた銃の腕を振りかぶって、
「うあああああああ――――!!」
――思い切り俺の額めがけて投げた。
「がふっ!?」
重たい衝撃が頭に奔る。
「コウくんっ! 大丈夫!? いますっごい音がしたけど、コウくん、コウくーん!!」
「なにをしているんですか、皆さん」
薄れ行く意識の中で、必死に呼びかけるココアの声と呆れたチノちゃん声が響き渡るのだった。
いかがでしたでしょうか!?
あっはっは! もうどうにでもなれい!