ご注文はうさぎですか? ~ココアと双子の弟~   作:燕尾

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どうもー、燕尾です。
ごちうさ一番くじ見事はずれました。







占いと不幸 ~コウナの苦難~

 

 

 

「明日の恋愛運は上々です。水玉模様を身に着けた年下の方に誘惑されるでしょう」

「ありがとー」

 

 

 

 

 

「チノちゃんお客さんと何話しているのかな?」

 

コーヒーカップを見つめお客さんと何か話しているチノちゃんに疑問を持つココア。

その質問に対しリゼはああ、と頷いた。

 

「あれはコーヒー占いだよ。頼まれたらやっているらしいんだけど、チノの占いは良く当たるんだ」

 

「お天気占いが良く当たる私と張り合うとはなかなかだね!」

 

「何で勝負になっているんだ」

 

「まあ、ココアの小さい頃からの癖みたいなものだよ。何かと姉や兄たちと勝負してたからね」

 

「ココアお姉ちゃん、だよ!」

 

「はいはい、そうだったねココアお姉ちゃん――それにしても、コーヒーで占うことって出来るんだな。知らなかったよ」

 

「ええ、飲み終わった後に残ったコーヒーの模様で占うんです。カフェ・ド・マンシーって言うんですけど、おじいちゃんの占いは当たりすぎて怖いと有名でした」

 

私はカプチーノ限定ですけど、とチノちゃんは言うが、それだけでも当たるのであればすごいと思う。

 

「十分すごいよ! リゼちゃんも出来たりするの?」

 

「私は運勢とかわからないけど…」

 

するとリゼは頭に銃の形を作った手を当てる。

 

「運試しって言ったらコレだよな」

 

「なんか危険な匂いがするよ!」

 

「ロシアンルーレットは駄目!」

 

リゼの思考はたまにマフィアのような裏家業の方向にぶっ飛ぶから油断ならない。

 

「んー、なんか話を聞いたら私もやってみたくなってきた!!」

 

「えっ!?」

 

俺は信じられないような目をココアに向ける。

 

「むー…コウくん。どうしてそんな目で見つめてくるのかな? あ、もしかして当たらないなんて思っているんでしょ!?」

 

「いや、そういうことじゃなくてだな? ココアお姉ちゃん? こういうのは積み重ねだろうし、いきなりやっても当たらないから、やめよう、な?」

 

「やっぱり当たらないって思ってる! ならなおさらやるよ! 当ててコウくんをびっくりさせて見るよ!」

 

俺の制止はむしろ逆効果だった。むきになってしまったココアに俺はなんともいえない顔になってしまう。

 

「コウナ、ココアが占うのに何か問題でもあるのか?」

 

「大有りだから止めてるんだよ……」

 

それもこれも全部明日になったらわかることだ。とりあえず、ココアの占いを一言一句聞き逃さないように集中する。

 

「まずチノちゃんは…空からうさぎが降ってくる模様が浮かんできたよ」

 

「そうですか? そんな模様には見えませんが、本当だったら素敵ですね」

 

うさぎが降ってくる……空とうさぎには要注意だな。

 

「リゼちゃんは…コインがたくさん見える! 金運がアップするのかな?」

 

「おおー、欲しいものが買えるのかもしれないな」

 

お金、ね。空だけじゃなくて地面にも注意しておこう。

 

「ティッピーは…セクシーな格好でみんなの視線を釘付けだよ」

 

「お前本当に見えているのか?」

 

セクシーな格好…身嗜(みだしな)みに注意だな。

 

「――! ――!」

 

一通り終わって、ココアの占いを聞いたティッピーが興奮したように身体を動かす。

 

「ティッピーも占いたいようです」

 

「いや、占いたいって……」

 

喋るのか? 自分からわざわざ危ないところに飛び込もうとするのか、マスター……

だが、俺にとめられることはできず、みんなはコーヒーを飲み干す。

 

「ココアの明日の運勢は…いつもよりスパイシーな一日。正直外出しないのが吉じゃな」

 

「だって、コウくん。気をつけてね?」

 

「いや、ココアって言っていただろう。コウナに押し付けるなよ」

 

「ああ、気をつけるよ」

 

「どうしてコウナも受け入れているんだ!?」

 

だから明日になったらわかるよ。

続いてティッピーはリゼのカップを覗きこむ。

 

「リゼの将来は器量のある良き嫁になるじゃろう」

 

「わ、私が? まさかー」

 

照れているリゼだったが、ティッピーの占いはまだ続いていた。

 

「昨日は夕食後ティラミス一つじゃ足りず、キッチンに侵入した。隠しても無駄じゃぞ」

 

「――っ!?」

 

昨日の夜の行動をピタリと言い当てられたのか、リゼの体が硬直した。

 

「実は甘えたがり、褒めると調子に乗りおる。適当に流すのが無難――」

 

「――――ッ!! この毛玉め! ただの性格診断じゃないか!!」

 

「ギャーー!?」

 

ご愁傷様、マスター。

でもまあ、若い女の子を暴くようなことをしたマスターが悪い。

 

「最後にコウナ。お主はいろいろな災難が降り注ぐじゃろう。出来るだけ一人でいるのが難を逃れるキーポイントじゃ」

 

「ああ、なんとなくわかるよ」

 

「わかるのか!?」

 

「経験からね…はぁ、明日が憂鬱(ゆううつ)だ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カフェ・ド・マンシー? それってネクロマンサー的な?」

 

「それじゃあ、死霊使いじゃないか…」

 

「どうして千夜ちゃんってそういう知識が豊富なの?」

 

次の日、俺たちは昨日していた占いの話を千夜にもしていた。

今日朝から今まで、ずっと警戒していたが、特に問題が無く進んでいた。だが、油断はまだ出来ない。

 

「そうそう、占いといえば私、手相なら見れるの」

 

「わぁー、みてみてー!」

 

「あ、ちょ!?」

 

俺が止める暇もなく、千夜はココアの手を見ていく。

 

「ココアちゃんは……魔性を秘めた相があるわ」

 

「魔性!?」

 

「実は私にもあるの!」

 

「おそろいだね!!」

 

二人して喜んでいるが、話が聞こえていた回りは皆こう思っただろう――魔性ってなんだ、と。

 

「コウナくんも見せて?」

 

「え、いや、俺は……」

 

断ろうとするが、強引に千夜に手をとられる。

 

「……」

 

「……」

 

短い沈黙が続く。むにむに、と俺の手を弄る千夜の手は柔らかかった。

 

「コウナくんの、手…大きくて、少し硬い……」

 

「あの、千夜? 占わないのか?」

 

「え!? あ、ああ…ごめんなさい!」

 

微妙な空気になる俺と千夜。なんだか、以前昔のことを話してからなんだか変な感じになっている。

 

「「……」」

 

手を握りながら見詰めてくる千夜。

 

「んんっ!!」

 

「「っ!!」」

 

ココアのわざとらしい咳払いに俺と千夜は肩をビクつかせた。

 

「千夜ちゃん、私、コウくんの結果が気になるかな?」

 

「っ!? そ、そうね! 占いましょう、そうしましょう!!」

 

「コウくんも、オイタはいけないよ?」

 

俺は何もしていない、というのは言わないで置こう。身の安全のためにも。

 

「えっと、コウナくんは…あら、コウナくんも魔性を秘めているわね」

 

だから魔性ってなんなんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんか気を張り詰めすぎて疲れてきた……」

 

ココアとマスターの占いの結果を警戒しすぎて、なんだかいつもより気疲れしていた。

 

「どうしたのコウくん、なんか元気ないけど…具合悪いの?」

 

そんな俺の様子を心配そうに見つめるココア。

具合は普通なんだが、これからの起こるであろうことに警戒し続けて消耗しているだけだ。

 

「そういうわけじゃないから大丈夫だよ。それより、弁当食べよう。のんびりしすぎると昼休みが終わる」

 

「そうね。二人とも今日も手作り弁当?」

 

千夜が尋ねると、ココアが得意げに鼻を鳴らした。

 

「ふふん――今日はね、コウくんに教わりながら自分で作ったんだ!」

 

「あら、そうなの? とってもおいしそうに出来てるわね」

 

特にこの卵焼きの焼き加減が絶妙で、などと嬉しそうに語っているココア。そんな彼女の膝元に一つの影が出来る。

段々と大きくなっていく影を不思議に思った俺は上を向く。視線の先には太陽を徐々に覆うように黒いものが落ちてきていた。

 

「っ、ココア!!」

 

「ふえっ、こ、コウくん!?」

 

黒い物体の落下地点にココアがいると理解した瞬間、彼女を押し倒すように覆い被さった。

 

「痛ッッ!!」

 

その直後、重たい衝撃が俺の背中に響く。

 

「あらあら…あんこったら、またカラスに拐われたのね」

 

千夜の呑気な声が聞こえる。そして背中の上にいるあんこを抱えあげた。

ココアの占い一つ目当たったよ。占いの通り、空からウサギが降ってきたよ。

 

「ココアちゃん、コウナ君、うちのあんこがごめんなさい。大丈夫?」

 

「私は大丈夫だよ、コウくんは?」

 

「俺はなんとか…でも……」

 

ちらりと別に視線を送る。そこにはココアの手作り弁当が見るも無惨に引っくり返っていた。

 

「ごめんココア。せっかくの弁当が…」

 

「ううん、気にしないで。私を守ってくれたんだもん――それに、これはこれで……」

 

「これはこれで、なに?」

 

「な、なんでもないよ!」

 

「なら良いんだけど…とりあえず、購買でなにか買おう。さすがに昼抜きで夕方まで過ごすのは辛いから」

 

「えーっと、取り敢えず方針が決まったみたいだけど――二人とも、いつまでその体制でいるのかしら……?」

 

千夜の一言で今の俺たちの体勢を思い出す。まるで俺が襲っているかのようにココアの顔の横に手を置いて、上になっているのだ。

 

「――ッ! 悪い!!」

 

「あっ……」

 

バッ、と離れる俺はココアが一瞬浮かべた寂しそうな表情には気づかなかった。

 

「さて、早く購買に行こうか、時間がなくなるし」

 

「むぅ……」

 

「何でココアはむくれているんだ? ほら、俺が買ってあげるからそんなに怒らないで」

 

「コウくんのばか! それとココアお姉ちゃん!!」

 

「え、ちょ……」

 

ぷんすか怒りながら歩いていくココアに戸惑いながら後を追う。

ココアの占いの結果はまだまだ続いた。

 

 

 

 

 

「ごめんなさいね、うちのあんこのせいで…」

 

「気にしないでいいよ千夜ちゃん。購買のパンも食べてみたかったんだ~!」

 

「まあ、仕方が無いよ。千夜のせいじゃないから」

 

俺たちは買ったパンを齧りながら歩く。本来、食べ歩きはあまり良くない行為なのだが、途中用足しなどで時間が少なくなったので多目に見てもらう。

 

「んー、このコロッケパン美味しいね!」

 

「それはわかるけどココアお姉ちゃん、あまりはしゃぎすぎると――っ!?」

 

そこまで言いかけたとき、俺は息を呑んだ。その原因はココアの後ろ姿にあった。

 

「ココアちゃん!」

 

同じく気づいた千夜がココアのスカートの裾を掴み下に引っ張る。

 

「わっ――おととっ!?」

 

突然のことにビックリしたココアはコロッケパンを落としそうになるも、なんとか空中でキャッチする。

 

「こ、ココアちゃん…ぱ、ぱん、ぱぱぱぱん……」

 

「パンならキャッチできたよ!」

 

「違うよココアお姉ちゃん。その、スカートがめくれてて」

 

「ココアちゃんの水玉が……」

 

「――」

 

その事実にショックを受けたココアが今度こそパンを落とした。

そしてスカートとお尻を押さえながら俺を睨む。

 

「見た?」

 

当然俺の前にいたのだから視界に入らないはずが無い。

 

「……ごめん」

 

俺はそっと視線を逸らしてそう謝るしかなかった。

水玉模様、まさか今日に限って穿いているとは……

 

 

 

 

 

帰り道――

 

「なんだか今日はついてない気がする…」

 

「そんな日もあるわよ」

 

事情を知っている俺からしてみれば、当然の帰結というかなんというか。

とぼとぼとあんこを抱きながら歩いているココア。そんなココアを慰めている千夜。

そんなときだった。

 

「あっ――!!」

 

「――っ、また!!」

 

「ッッ!?!?」

 

声が聞こえた瞬間、俺は何も確認せずにココアの頭をすっぽり自分の胸に収めるように抱きしめる。

それから一秒もしないうちに冷たい液体が俺を濡らした。そして遅れてかつん、と頭に如雨露が当たった。

 

「ごめんなさい! 手が滑って如雨露(じょうろ)が……!!」

 

どんな高さから水やりをしていたら如雨露が降ってくるのかわからないが、怒っても仕方が無い。

 

「ココアお姉ちゃん、大丈夫? あんこも濡れてない?」

 

「う、うん…私もあんこも濡れてないよ……」

 

「コウナくん、ありがとう。大丈夫?」

 

千夜がハンカチを取り出して濡れた顔を拭いてくれる。

 

「うん。まあ一応。ココアお姉ちゃんもあんこも濡れなくてよかったよ」

 

ぽんぽん、とココアの頭を優しく叩く。

 

「~~~~ッッッ!!」

 

「コウナくん、それ以上は駄目よ! ココアちゃんが、ココアちゃんが死んじゃう!!」

 

「何を言っているんだ、そんなわけ――ってココア! すごい顔が真っ赤だぞ!?」

 

「こ、ココココウくんが…わ、わた、私を、強引に……えへへぇ」

 

ふにゃふにゃと呟くココア。

そんなココアが正気に戻るのにしばらく掛かるのだった。

 

 

 

 

 

悪い運は気の持ちようから、ということで、俺たちは気分転換にフルール・ド・ラパンへとやってきた。

 

「シャロちゃん、来たよ~」

 

「あら、いらっしゃい――」

 

入って出迎えてきてくれたのはシャロ。しかし――

 

「な、なんてもの連れてきてるのよー! や、やめて! こっちに来ないでぇ!!」

 

ココアの頭の上にいるあんこを見るや否や、入店を拒否された。

 

「がーん…私ってそんな不幸オーラ出てるんだ……」

 

それを勘違いしたココアがショックを受けたような表情をする。

 

「いやいや、別にシャロはそういう風に言ったわけじゃないよ」

 

「シャロちゃんは小さい頃よくあんこにかじられていたから、ちょっと恐怖症で…」

 

するとシャロをちゃんと視認したあんこがココアの頭からシャロの顔へとダイブした。

 

「うきゃあああああ――!!!!」

 

ばたばたと振り落とそうとするシャロだったが、がっしり捕まるあんこが落ちることは無かった。

 

「ちょっとどころじゃないよ!?」

 

「ほらあんこ。こっちにおいで」

 

俺はシャロからあんこを引き剥がす。以前から思っていたけど、シャロ本人はうさぎが苦手なのだが、彼女はどうやらうさぎに気に入られる体質らしい。

 

「あ、ありがと…コウナ……」

 

息を切らしているシャロ。まだまだバイトがあるだろうに、シャロは疲弊しきっていた。

 

 

 

 

 

「お待ちどうさま」

 

「わぁい、ありがとー♪」

 

並べられるフルール特製のロールケーキと紅茶。

 

「いいのか千夜? ご馳走になっちゃって。やっぱり俺が…」

 

「いいのいいの。あんこを助けてもらっちゃったし、それにコウナ君にはいつも助けてもらってばかりだから。感謝の気持ちもこめて、ね?」

 

そういわれてこれ以上何か異を唱えるのは千夜に対して失礼だろう。俺も千夜の厚意に甘えて、ケーキをいただく。

ケーキに舌鼓を打っているとき、頭の上でロップイヤーを齧っているあんこにため息をついているシャロ。

 

「それにしてもこいつが来るなんて、今日はついてない」

 

「「――――」」

 

シャロの"ついていない"の一言に俺とココアはピタリと止まった。

 

「ついて、ない……」

 

今までのことを思い出したのか、ココアはしょんぼりと肩を落とす。

 

「せっかくココアちゃんが忘れてたのに、ついてないなんて言っちゃだめ!」

 

「? コウナ、何かあったの?」

 

「シャロは悪くないんだ。うん。だから気にしないでくれ……」

 

「……そうしておくわ。これ以上踏み込んだらなんかめんどくさそうだし」

 

それで正解だよ、シャロ。

 

 

 

 

 

「――はい、これおつりね」

 

それからケーキと紅茶を楽しみながら少し談笑した俺たちは時間も時間なので帰ろうと支払いをしていた。

お金を渡そうとしたシャロの手を千夜が唐突に掴んだ。

そうだ、せっかくだからシャロちゃんの手相も占ってあげるわ」

 

「は? いきなりなに…?」

 

ジーとシャロの手相を見る千夜は口を開く。

 

「片思い中でしかもまったく相手に通じない相がある。障害だらけのそうね」

 

「……」

 

シャロの顔が曇る。いきなり手を見られて何もいいことないといわれればそりゃあんな顔になるだろう。

 

「あと金運が――」

 

そこまで言ったところでシャロは大きく腕を振りかぶった。

その手の中には千夜に渡そうとしていたお金。

 

「それ以上言うな、馬鹿――――!!」

放たれたお金は弾丸のごとく、千夜の額へと向かう。だが、

 

「――くしゅん!!」

 

奇跡の偶然とでも言うのか、千夜はくしゃみでしゃがみこみ、それを回避する。そして千夜が回避したことによって、そのお金は――

 

「へっ――?」

 

「だぁ、もうやっぱりか!?」

 

ばちこーん、とココア――ではなく俺の額でいい音を鳴らすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫ですか、コウナさん。なんか疲れているようですけど」

 

「大丈夫、とは言えないなぁ…あはは……」

 

「疲れがあるのは仕方ないが、いくらなんでもバイトの途中にその態度はやめとけよ。コウナ」

 

バイトの時間、先に着替えてきた俺はカウンターでぐったりとする。

 

「そもそもなんでそんなに疲れきってるんだ?」

 

「それは……」

 

「お待たせー!」

 

事情を説明しようとしたとき、ココアがやってくる。

 

「あ、そうだ二人とも! 私の占いは当たった?」

 

「え……何もなかったけど」

 

「そっか~。私、空からあんこが落ちてきたり、スカートがめくれてたり、水入り如雨露が落ちてきたり、シャロちゃんにお金ぶつけられたり、大変だったよ。占い勝負はティッピーの勝ちだね」

 

「「……」」

 

「あ、でもね! 悪いことばかりじゃなかったんだ! コウくんが私を抱きしめてくれたりして守ってくれたんだ!! ありがとね、コウくん♪」

 

「ああ、ココアお姉ちゃんが無事でよかったよ……」

 

よしよし、と頭を撫でてくるココア。もう疲れて、俺はココアのなでなでを受け入れていた。

 

「二人とも、どうして俺がココアお姉ちゃんの占いを止めようとしたかわかった?」

 

「「……」」

 

俺の問いかけにチノちゃんとリゼは戦慄したように顔を見合わせる。その反応だけで、答えはわかった。

 

「ん? どうしたの、二人とも?」

 

ただ一人首を傾げるココアに、リゼとチノちゃんは告げた

 

「ココア、今後占いはしないほうがいいぞ。コウナのために」

 

「そうですね。コウナさんのために、ココアさんは占いをしないでください」

 

「なんで――!?」

 

 

 

わからないあたり、ココアらしいといえばらしいのだけれど。

本当にココアに占わせるのは危険だと、改めて実感した一日だった。

 

 

 







いかがでしたでしょうか。
ココアのようなお姉ちゃんが欲しかった成人がお送りしました。



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