Another Trainer   作:りんごうさぎ

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3.せつなるおもいを力にかえて

「伝説のポケモンが現れてブルーが負けた!?」

「みたいなの。みゅーが探ってきた感じだとみんなそう言ってた。ちょっと騒ぎになってる」

 

 試合の後、結果を見に行くとブルー達の会場は異様な喧騒で何かあったとすぐに悟った。先にポケモンを回復させて、復活したみゅーに探りを入れてもらうとすぐに状況はつかめた。

 

 さて、これはどういうことだろうか。伝説ってミュウツーだよな? レッドがミュウツーを使ったのか? そんなことあるわけが……

 

 ――おれは行きたいところがある――

 

 そういえば……ポケモンリーグの後、グリーンはナナシマ、俺達は本部へ向かったがレッドがただ1人謎だった。ミュウツーをつかまえたとすればその謎がようやく解けた気がする。

 

 はぁ~。伝説級の使用は一応規制されてないし、ルール上問題ないとはいえこんなのアリか? 元々伝説ポケモンなんて手持ちになかったはずだし、もしこの事態に原因があるとすれば俺なのかもしれない。レッド……ここまでやるか。

 

「ハナダのどうくつか」

「レインわかったの?」

「あぁ。どうやら本当にミュウツーを捕まえたらしい」

 

 ミュウツーがいるのはゲームでは殿堂入り後にいけるようになるハナダのどうくつしかない。たしかにあそこならレベル70弱の野生ポケモンも出てくるから65ぐらいまでは自然にレベルを上げられる。あいつならミュウツーの捕獲も難しくないだろう。

 

「あっ、あの子のことね。ハナダにいたんだ」

「そういえばお前って実験のオリジナルだったっけ。面識はあって当然か。じゃあバトルしたこともあったりするのか?」

「挑まれたことはあるの」

「素の状態でバトルしたら勝てる?」

「みゅー? あれ、言わなかった? みゅーはレイン以外に負けたことないの」

「……さすが幻さん」

 

 伝説なんてズルいと思ったが、幻使ってる俺もあんまり人のこと言えないな。

 

「おいレイン、ちょっといいか?」

「その声は……グリーン? なんだ?」

 

 ミュウツーについて考えているとグリーンが来た。大事な話があるらしい。

 

 ゆっくり聞くとどうやらブルーが大変な状態になっているらしい。負けたショックで引きこもって寝込んでいるようだ。

 

「別に負けて悔しいのは当たり前だ。お前みたいに人の心配する余裕のあるやつばかりじゃないだろう。いや、完敗で悔しがる余地もなかったか?」

「オレのことはほっとけ! つか完敗もしてねぇ!! 途中勝てそうだっただろーが!……バトルの後、やることもなかったからオレがあいつを見に行ったんだよ。そしたら自分の部屋に閉じこもって大泣きしてたぜ。くぐもった声だったから布団の中とかで泣いてたんだろうな。あの感じは尋常じゃねーよ。オレじゃ声かけらんねーし、あんた一応ブルーのシショーとかなんとか言ってただろ? 決勝を控えてるとこ悪いが見てやってくれよ」

「……わかった。様子は見ておく。しっかし普段喧嘩ばっかりのくせにこういうときは優しいんだな。お前が心配してたって言っておこうか?」

「ちょっ、言わなくていいっつーの!」

 

 グリーンに頼まれたし仕方ない。だが俺がいきなり押しかけても泣いてるところなんか見られたくないかもしれない。事態を悪化させたら何しに行ったかわからないし、先にみゅーを偵察させよう。

 

「みゅー、悪いけどテレポートでブルーのとこにいってきてくれ。俺からブルーに話があるけど、行っていいかわからないから先に確認してきてくれ。ブルーがイヤだって言ったら俺は行かないってあいつには伝えておいて」

「わかった。待っててね」

 

 みゅーはテレポートで消えた。

 

 ブルー……どうしたんだろうな。昔のあいつなら泣き虫だなぁで話は終わるが、今のブルーは負けたぐらいで泣くようなやわなトレーナーじゃない。おそらく何か理由はあるだろう。ブルーが大泣きする理由……。よくよく考えれば心当たりはないでもないが、考えても仕方ないか。

 

 ◆

 

「シショー……シショー……やだやだぁ……やだぁ……わああああああシショーッッッ!!!」

「ラー! ラー! ラァ……」

(ブルーッ! いつまでも泣いてないで返事をしなさい!!)

「ひうっ!? はい! ごめんなさい!」

 

 ラーちゃん!? 凄みのある声に思わず背筋を正して正座していた。……テレパシーだからイメージだけど、ラーちゃんに言われるとつい体が反応してしまう。

 

(ブルー、悔しくてたまらないのはわかります。でも後悔だけはしないで。あなたは全力を尽くしていた。最善の立ち回りをして負けたんです。これはもう相手を讃えるしかありません。……ブルー、先日相手になった方の言葉を覚えていますか?)

「え?」

(私を差し置いておねーちゃん呼びしていた人です)

 

 ラーちゃんはちょっと不服そうな顔。あのときボールに引っ込んでいたはずだけど会話はしっかり聞いていたのね。

 

「あっ、カンナさんのこと? ラーちゃんもおねーちゃん呼びが良かった?」

(……!! 大変魅力的な提案ですが今は置いておきましょう。彼の者は言いました。人生にムダなことなんてない。負けたことでさえ、次の勝利への糧となると。そしてどんなときも前を向いて進んでいけと。そうでしたね?)

「あっ……。そうだったわね。こんなところ見られたら失望されるかな」

 

 カンナさんのくれた言葉、さっそく役に立っちゃったわね。応援してくれていたのにいきなり負けちゃったな。もちろんカンナさんはよく頑張ったって言ってくれるだろうし、内心はそこまで気に病んではいないけど。

 

(むしろかわいいとかなんとか言って喜びそうだと思います。私のカンでは)

 

 ラーちゃんも同じ意見みたいね。自虐的なこと言ったけど、本気じゃないことぐらいラーちゃんもわかってたみたい。

 

「ふふっ、たしかに。ラーちゃん、ありがとね。少し元気が出たわ。でもね、わたしは負けたから悔しいとか、そんなんじゃないの」

(そうですか。私もちょっと引っかかっていました。大事な勝負だったからかなとも思いましたが、やっぱり負け1つでここまで泣くブルーじゃありませんよね。それではなぜ?)

「それは……わたしがチャンピオンになれなかったら、止められなかったら……うぅぅ、うわぁぁぁんん!! ヤダヤダァァーーッ!!」

(ブルー!? 落ち着いてっ! ごめんなさい、無理には聞きませんから!)

 

 大泣きするわたしとおろおろするラーちゃん。そこにみゅみゅっとテレポートする者がいた。

 

「みゅみゅっと。みゅ!? ブルー大丈夫!?」

「ぐすっ……あれ? みゅーちゃん?」

 

 どうしてみゅーちゃんがここに?

 

「勝手に入っちゃってごめんね。みゅーはレインに頼まれてここに来たの。レインがブルーの様子を見に行きたいけど、いきなり押しかけちゃ悪いから行ってもいいか先に聞いてきてくれって。ブルーがイヤならレインは来ないって」

「シショー、決勝前なのにわたしの心配を……。うぅぅ、シショー……」

 

 ささいなことだけど猛烈にわたしへの愛情が感じられてまた涙が出てきてしまった。ちょっと落ち着いてもう大泣きはしないけど、涙は全然止まらない。

 

「ブルー、泣きたいときは泣いたらいいと思うの。みゅーは待ってあげるから」

「んぐっ。ありがと、大丈夫」

「無理しないで。本当に悲しいのは伝わってくるから。ブルー、もしみゅーにできることがあれば助けてあげる。ブルーの力にもなってあげたいの」

「大丈夫よ。みゅーちゃん気を遣わなくても……あ、待って。やっぱり協力してほしいことがあるかも」

「何をすればいいの?」

「シショーに尋ねてほしいことがあるの。そうね……シショーが今旅行とかに行くとしたらどんなところに行きたいか。どんな地方かでも構わない。それを知りたいの」

「みゅ? なんでそんなこと?」

(もしやそれがブルーの泣いていたことに関係するのですか?)

 

 鋭い。このことは黙って1人で解決しようと思っていたけど、一応ラーちゃんにも話しておこうかな。わたしより賢いからヒントをくれるかもしれないし。

 

「ラーちゃんには隠し事できないわね。ええ、そうよ。ここまで来たら全部話すわ。実はね、わたしは前々からある危機感を持っていたの」

「……それって、レインがどっか行っちゃうってこと?」

「え!? なんでわかったの!? まさかみゅーちゃんにはもう話を?!」

 

 いきなりあっさりと言い当てられて仰天してしまった。エスパーのカンというよりは最初から知っていたかのような口ぶりだった。みゅーちゃんは何か知っている?

 

「……説明しにくいけど、うみゅぅ、レインは色んな所に行くのが好きみたいだったから。ブルーはそのとき……ううん、なんでもない。みゅーはレインからは何も聞いてないの。旅のことは全部レイン任せだからみゅーはなんにも知らないの」

 

 みゅーちゃんからは申し訳なさそうな気持ちを感じる。でも聞かされてないのはみゅーちゃんが悪いわけではないし、どうして? 今言いにくそうだったことに何かあるの? 気になるけど一旦忘れましょうか。

 

「そっか。でもみゅーちゃんもそう感じるってことはやっぱり間違いないのかな」

(ブルー、あなたは確信を持っているんですよね? だからそこまで泣いて……その根拠は?)

「そうね、一から話すわ。ちょっと長くなるかもしれないけどね。ラーちゃんには以前にも話したわよね。わたしの家にいた頃からシショーとはずっと心の距離に壁を感じていたの」

「あっ、みゅーも同じこと思った。あの日一緒に寝たときレインすっごく冷たかった。説明しにくいんだけど、みゅー達に対して無関心な感じのオーラになっていたの。……まるで壊れたおもちゃを見るような冷たいオーラにね。寝ながらぎゅーってしてあげたら次の日はまたあったかいレインだったからあんまり気にしなかったけど、ブルーも感じたのね。やっぱり気のせいじゃなかったのかな」

 

 壊れたおもちゃって……さすがにシショーに限ってそんなこと思わないでしょうけど、でも変な感じはたしかにした。

 

「あの時シショーは無理していたと思うわ。悲しそうに見えたし。その後、一時はラーちゃんの言うように気にし過ぎだって思うようにして我慢してたの。でもね、わたし気づいたの。シショーはわたしにウソついてるって。マスターズリーグ開催前の時、トキワのポケセンでシショーがわたしのこと避けてるのか尋ねた時、ナツメさんはオーラの乱れはないって言った。でもわたしはわかるの。ずっと一緒にいたから……あれはウソなんだって」

「え……オーラは絶対なの。ナツメが見間違えるなんて……」

 

 みゅーちゃんは全然信じられないって顔ね。みゅーちゃんのウソホント判別の凄さはよく知っている。でも完全なわけじゃない。

 

(それにブルーはあのとき信じていましたよね?)

「ラーちゃん見てたのね。……でもさ、まず前提としてシショーはエスパーなんでしょ? それに人を出し抜くのは得意中の得意。色々できそうだし、オーラだって過信はできない。あの時はわたし、シショーが嘘ついてまで自分のこと避けてるんだって思ったら涙が出そうになって、咄嗟に何もなかったように振舞ってしまったの。あれ以外にも気になることはたくさんあったし、とにかくわたしを避けていたのは間違いない」

 

 シショーにはちょっとしたクセがある。旅の中でそれがわかってきた。だから確信が持てる。シショーは本気でわたしを遠ざけようとしている。

 

(だとしてもなぜそんなことを?)

「きっとわたしとはサヨナラする気なんだと思う」

「!」

(どうやって? それにどうして?)

「わかんない。でもそんな気がする。わたしを置いてどこか遠くへ行っちゃうんだと思うの」

「……」

「わたしやっぱりヤなの。ずっと一緒にいたい。どこにもいかないでほしい。わたしまだ何にもしてない。何もできてない。だから考えた。どうやったらシショーを引き留められるか」

「どうするの?」

「シショーはチャンピオンになるまでカントーにはいると思うの。負けたまま終わるような性格じゃない。だからわたしがシショーに勝って、わたしがシショーの目標になれれば、きっとここに残ってくれるはず。もし負けたら、もうシショーは手の届かないところに行って会えなくなっちゃう。そう思ってたのに……それなのにわたし、なんで負けちゃったの。シショー、シショー……」

 

 だからわたしはチャンピオンにならなきゃいけなかった。夢だからじゃない。大切なものを失わないために。

 

(ブルー、あなたがそこまで悲壮な覚悟でバトルに臨んでいたなんて……すみません)

「ぐすっ。いいの。もう終わったことだから。でもこれからどうしたらいいかわからないから……せめて、せめてあの人の行き先だけでもわかればなんとかなると思って」

 

 もう正攻法ではダメ。だったら意地でもくっついていく! 簡単に撒かれる可能性が高いから望みは薄いけど、でも行き先がわかっていれば上手くいく可能性も十分ある。だからこそみゅーちゃんにお願いするの。

 

「そういうことなのね。わかった、上手に聞き出してくる」

「あっ、わたしのことは」

「ブルーに聞かれたことは言わないの」

 

 さすがね。もうみゅーちゃんは以前のようにわたしとの内緒話を漏らしちゃうことはない。信頼できる。

 

「ありがとう。お願いね。もうそれしか希望がないの」

「わかった。任せて」

 

 みゅーちゃんはテレポートで行ってしまった。ラーちゃんはわたしの計画に気づいたようで直接訊かれた。

 

(お師匠様についていくのですか?)

「いざとなったらね。一応説得はしようと思ってる。意地っ張りだから意味ないでしょうけど」

(それならお師匠様を引き留めるいい方法がありますよ)

 

 ん?

 

「えっと……今なんて言ったのラーちゃん?」

(だから、お師匠様を引き留めたいのですよね? それなら策があります)

「……ええええっっ!!??」

 

 わたし期待するわよ? 期待しちゃうからね?!

 

(フフ……ブルー、諦めるのはまだ早いです。勝負は最後の最後までわからない。他ならぬあなたが教えてくれたことです)

 

 じっくり話を聞いていくと、ラーちゃんの作戦は見事なもので、思わずわたしも唸ってしまった。シショーの弱点をよくわかってる。100%成功するようなものじゃないけど、これなら五分五分ぐらいはチャンスがある。もしかして上手くいくんじゃ……。

 

「ありがとラーちゃん! わたしまだ諦めずに済みそう! 絶対逃がさないわ!!」

(そのいきです! やっぱりムダなことなんてないんですよ)

「そうね。希望が見えた!」

 

 ラーちゃんと喜び合っていると丁度みゅーちゃんが戻ってきた。

 

「みゅみゅみゅ!」

「みゅーちゃん! ご苦労様! どうだった?」

「みゅ……それが……」

 

 ◆

 

 みゅーを偵察に向かわせたのはいいが、なかなか帰ってこない。

 

「レイン」

「おわっ! みゅーか、びっくりさせるなよ」

 

 ユーレイとにらめっこするのも飽きてきたし、アカサビとジャンケンでもしてボコボコにしてやろうかと思ったらいきなりみゅーが出てきた。びっくりしたせいでにらめっこには負けてしまった。すぐ笑う奴だから絶対勝てると思ってたのに!

 

「ガガガガ!!」

「ぐっ! くそぉ……今度リベンジしてボコボコにしてやるからな」

「ゲゲー」

 

 とりあえずユーレイをボールに戻すとみゅーが呆れ顔だった。

 

「またおバカな遊びをしてたのね。みゅーは一生懸命頑張ってたのに」

「んなこと言ってもやたらめったら遅かったんだからしょうがないだろ」

「……」

 

 みゅーの視線が胸に痛い。抵抗虚しく、無言の圧力に屈してあっさり降参してしまった。俺ってすっごく立場が弱い気がする。なんでだろう。

 

「わかった、俺が悪かったよ。それでどうだった? ブルーのやつ話はできる状態?」

「んー、もう少し」

「そうか。ホントに大泣きだったのか?」

「うん。それでね、待ってる間レインに聞きたいことがあるの。レインはどこか行きたいところってある? これから行きたい地方とか、あったら教えて」

 

 いきなりな質問だな。それにみゅーの返事がやけに短い。この感じは怪しい……。

 

「あぁ……そうだなぁ。みゅーにはまだ話してなかったけど、実は今後のことはすでにある程度考えてあるんだ。ちょっと行きたいところがあるからカントーからは出ていくつもりだ」

「どこに行くの?」

「リーグ戦が終わったら俺はシンオウ地方へ行くつもりだ」

「えっ…………」

 

 みゅーのオーラが豹変した。かなりショックを受けているように思える。どうしたのだろうか。出ていくことにはさしたる反応がなかった。シンオウ地方に対して何かあるのか?

 

「もうカントーにいても仕方ないし、みゅーも他の地方とか見てみたいだろ?」

「……みゅーはヤダ。シンオウ地方は行きたくない」

「珍しいな、そこまではっきりイヤだなんて。そもそもお前シンオウなんか行ったこともないだろう? なんでイヤなんだ?」

「えっ、それは……みゅぅぅ」

 

 言いにくいことみたいだな。触れないでやる方がいいか。とりあえずは様子見だな。

 

「あっ、そういえばみゅーは南国育ちだから寒いのは苦手だったりするのかな? 雪とか降るし気候が合わないか」

「そ、そうね。寒いのはよくないの。あったかいところがいい!」

「じゃあとりあえずホウエン地方にでも遊びにいこうかな」

「あ、それ賛成!」

「ホウエンは自然いっぱいだしみゅーは好きだろうな。うん、そうだな。次はホウエンにしよう」

 

 ホウエンは別にいいってことはシンオウがピンポイントでイヤなのか……。本当の理由はなんだったのか、もう聞くことはできないけど、敢えて聞く必要もないか。俺が納得したように言うとみゅーは話を変えた。

 

「あ、みゅーそろそろブルーの様子見てくるの」

「……そうだな。頼んだぞ」

「任せて」

 

 エスパーというのは普段ウソを言わないから隠し事が下手らしい。ウソを言う人間はオーラが乱れるとみゅーは言った。だが変わるのはそれだけじゃない。大抵は態度にも表れる。

 

 俺の経験則だと大抵はおよそ2通り……普段より寡黙になるか、饒舌になるか。エスパーはウソをつきたくないが故に寡黙になりやすいように思える。

 

 みゅーの行動、糸を引くのはブルーだろう。最後の最後、すんなりとは終われないようだ。

 

 ◆

 

「やっぱり出ていく気だったみたい。しかもシンオウに行きたいって」

「シンオウ? どこかで聞いたような名前ね。そこだとマズイことあるの?」

「シンオウはダメ。レインはそこに行ったら死んじゃうかもしれないから」

「死んじゃうですって!? なんで?!」

 

 まず人が死ぬような場所になんで行きたいのよ!? 死ぬ理由も謎だし! 

 

「わかんない。でもシンオウはダメ。だから変えさせておいた。みゅーが行きたくないって言ったからホウエンってところに変わったの」

「良かった。みゅーちゃんナイス!」

 

 わたしが褒めるとみゅーちゃんは嬉しそうに笑った。かわいい。すごく絵になる。

 

「みゅふふ。ねぇ、それでレインとお話するのはどうするの? 来てもらう?」

「あ、それはいいわ。来ないでって言っておいて。わたし色々やることできちゃったから」

「わかった。みゅみゅ、ブルーものすごく元気になったね。前向きなオーラになってる」

「そんなのもわかるんだ。わたしね、また目標ができたの。打倒シショーっていう目標がね。みゅーちゃん、わたしに遠慮しないで決勝では全力で戦ってね。本当はシショーには負けてほしい。でもわたしのためにみゅーちゃんやシショーに迷惑かけたくないから……」

「うん。じゃあレインにはブルーは元気になったから心配いらないって伝えておくね。みゅーは戻るから」

 

 みゅーちゃんは消えてしまった。一瞬ね。

 

(ブルー、それではさっそく……)

「善は急げね。でも慌てるのはダメ。まずは何からすべきかしら。ちょっと考えるわ」

(さすがブルー、落ち着いてますね)

 

 あれが上手くいくとき、上手くいかないとき。こうなったときこうして……読めたわ!!

 

「まずはシショーのリーグ限定グッズを買い漁るわよ!」

(ブルー……)

 

 ラーちゃんの目が……待って! きっと誤解よ!

 

「いや、これは欲望に負けたとかそういうわけじゃないの。だってよく考えたら今しか買えないかもしれないんだもん。先に買っとかないと心配で他のことに集中できないわよ。あ、買わない選択肢はないからね。シショー成分なくなったら地獄だから」

(言い訳がましいですが……まぁ仕方ありませんね)

「えへへ」

 

 憂いをなくした後シショーを引き留めるための準備に取り掛かった。わたし自身まだ整理しきれないこともある。じっくり考えた。

 

 




願う気持ちが行動に繋がる!

これまでずっと連戦連戦なのに最後だけインターバルを設けたのはブルーにゆっくりと時間をあげるためです(メタい)

ブルーとみゅーの密談に危険な香りがしますね
つまりすごいワクワク感!
ここから新章突入で禁じられたシショーの正体の探求編が始まりそうですね(始まらない)

ちょっと夢の内容を使ってしまいました
本編に絡めるつもりはなかったんですけど思いのほか使いやすいなって……
なおレインはまどろみの記憶なので3日でほぼ忘れています
夢の内容って覚えとこうと思っていてもなぜかすぐ忘れますよね
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