Another Trainer   作:りんごうさぎ

118 / 146
4.果てなき夢

 ブルーは元気を取り戻したようなので俺も決勝に集中することにした。大事な最後の1戦だ。今俺が考えるべきことは3つある。

 

 恐るべき強化をされてレベルも上がったピカチュウ。しぶとさと“もうか”が厄介なリザードン。そして突如現れたミュウツー。

 

 レッドはこれまで切り札を温存していた。どうやらピカチュウはみたことない技を使ったらしいし、ミュウツーを使ったのも当然ブルーの時が初めて。問題は俺にもまだ何か残しているかだが……。

 

「さすがにミュウツーが本当の切り札だろうな。あれは別格。俺が勝つ方法は1つしかない」

「みゅーの出番?」

「そういうことだ。本当は素の状態で戦ってほしいが、メタモンだから勝てるかは五分五分。そこで1つ提案がある。おそらくミュウツーに化ければエスパーの力は復活するよな?」

「うん。たぶん」

「だったら……」

 

 ミュウツーはみゅーでなんとかなる。あとはピカチュウとリザードンを俺が倒せばいい。見てろよレッド。ぶっ倒してやる! そしてチャンピオンになった時、俺のやるべきことは終わる。もうやり残したことはない。全てを終わらせる時が来たんだ……。

 

 ◆

 

 決勝の舞台へいよいよやってきた。セキエイリーグはこの国の中心でありリーグの歴史も最も長い。故に全国で1番格式の高いトーナメントと言われている。事実上の全国最強決定戦。全てのトレーナーの憧れの舞台。

 

 だが今日は普段より静かに思える。実況は四天王の解説がつくので俺達には聞こえないようになるらしい。それが原因? それとも変わったのは俺の方?

 

「……」

「待ってたぜ、レッド。最後に俺とお前、どっちが最強かケリをつけようか」

「望むところ」

 

 互いに最初のポケモンが現れる。気の抜けないこの勝負で、どうしても先手を取りたいのはどちらも同じ。互いに最高のポケモンを投じていた。

 

「ピィカッ!」

「ッサム!」

 

 ピカチュウ Lv75 @でんきだま

 アカサビ  Lv70 @いのちのたま

 239-277-162-88-137-112

 

「ばちばちアクセル!」

「戻れ!」

「ダーッス!」

 

 バチバチッ!

 

 イナズマ Lv53 @じしゃく

 143-65-70-169-117-211

 

 当然イナズマへ交代。初めて聞く技名だがでんき技だったようで“ちくでん”が発動した。かなりのスピードだし先制技っぽいな。電気を蓄えてイナズマの調子が上がる。この状況、レッドは交換する場面。じめんタイプは使わないし、ボルトチェンジが安定!

 

「2」

「でんこうせっか」

「突っ張り……んん!?」

 

 “でんこうせっか”……ノーマルタイプ、威力40の先制技。間違っても体力を削るための技ではないはずが、イナズマはひんし寸前のダメージを受けていた。逆にピカチュウへのダメージは半分もない。威力はこっちの方が上なのに!

 

「アカサビ!」

「ばちばちアクセル!」

「2」

 

 先制技であがいてきたか。ならどうせ先手は取れない。ここはおとなしく手持ちに戻してリザードンに繋げられるのは避けておこう。俺は“とんぼがえり”を選択。

 

「きゅうしょか……なんて火力」

「ピカチュウ戦闘不能」

 

 バカなのかこのピカチュウ? 威力がおかしい。とりあえず倒せたのはいいが、なんでレベル70のアカサビがやられかけてんだ。先制技でこれ……アカサビはあと反動3回で倒れる。

 

「ゴゴォォゥ」

「ラプラス!」

 

 “とんぼがえり”でヒリューを展開して“ステルスロック”を狙う。ピカチュウがいなくなった今がチャンスだ。

 

「ステルスロック!」

「れいとうビーム!」

 

 “こおりのつぶて”を意識して先に“ステルスロック”を使った。レッドは撒かれるのは防げないと考えてヒリューを倒すことを優先したようだ。

 

 あいつは“ちょうはつ”とかでチマチマするタイプではなさそうだし、選出も“ステルスロック”はやむなしと考えて攻撃+先制技でヒリューに最低限“ステルスロック”以外はさせないという意図が見える。

 

「こおりのつぶて!」

「戻れ!」

 

 再びアカサビにチェンジ。ポケモンが強過ぎるというのも考えものだな。攻めが単調になっている。

 

「ハイドロポンプ!」

「2」

 

 攻撃はこっちが先に決まりアカサビを戻してヒリューに交代。ラプラスは半分ちょい削った。これならまた“とんぼがえり”で倒せる。

 

「プテラ戦闘不能」

「アカサビ、2」

「しんぴのまもり」

 

 状態異常対策!? やはり先制技持ちはもういないらしい。よくこっちの考えをわかって行動している。

 

 “とんぼがえり”の引き先はイナズマにしようと思っていた。体力は少ないが先制技がなければ“あくび”ができるからだ。全員“まもる”で時間稼ぎできるので確実に1ターン得する。ここまで一瞬で読まれたな。

 

 ラプラスは倒れ際に“しんぴのまもり”をしっかり発動させてから倒れた。

 

「ラプラス戦闘不能!」

「いけっ」

「ガァー」

 

 ユーレイ Lv52 138-85-79-207-76-168    @きあいのタスキ

 

 “しんぴのまもり”は時間経過で消える。ならここは時間稼ぎ狙い。さてレッド、ユーレイにはどう出る?

 

「……」

「シャァァーー」

 

 ブラッキー Lv60 @ゴツゴツメット

 イカサマ おいうち ねがいごと つきのひかり いやしのすず……

 

 あくタイプのブラッキーか。こっちのユーレイを上手く倒せるやつが来たな。しかもブラッキーは“のろい”などで能力を上げられるから時間を稼げばいいという問題ではなくなる。こうなると“しんぴのまもり”が激痛だ。レッドめ、考えたな。

 

 チッ……引きたいのは山々だが俺にはあのブラッキーの“おいうち”が視えている。なんでもわかってしまうのも難儀だな。

 

「7」

「イカサマ」

 

 しっかり攻撃してきたか。“ちょうはつ”も織り込み済みらしい。ここは欲張らずに“みちづれ”だな。ユーレイはしっかりと決めてくれた。

 

「両者戦闘不能!」

 

 相手があとリザードン、ミュウツーと何か。こっちはアカサビとグレンとみゅーあとはイナズマ。まだ不安が残る。おそらく最弱であろうブラッキーとユーレイが相打ちになったのは痛過ぎる。

 

 こっちはアカサビとイナズマが虫の息。対して相手は“ステルスロック”がありリザードンは実質体力が半分。どっちが有利と見るか……まだ微妙なところか。

 

 レッドは次に何を出す? ここで読みを通せば勝負はわからない。

 

 ミュウツーはメタモンの存在を踏まえれば最後に出すのが1番いい。それまでにメタモンを俺が先に出せばダメージを与えられるし、ミュウツーの消耗も避けられる。こいつの性格的にも強いやつは最後に残しそうだ。

 

 つまり残りの何かが来る可能性が高い。そのはずだと頭ではそう思う。だが……

 

 俺の直感は今ここでみゅーを出すべきだと告げている。ならここはあえてそれに従う。

 

「ミュー!!」

「モンモンッ」

「……!」

 

 やっぱり裏をかいてきたな、レッド!

 

 ミュウツーvsミュウツー。決勝にふさわしい最強ポケモン同士の対決。さぁ、舞台は整えてやったぜ? 存分に暴れてくれよ、みゅー!

 

 HPもほぼ同じ。全く互角の能力を持つ2体がぶつかりあう。

 

 ミュウツー Lv70 せっかち  @たつじんのおび

 みゅー   Lv60 おくびょう @せんせいのツメ

 

オリジナル(ミュウ)を基にしたコピーポケモン(ミュウツー)コピーポケモン(ミュウツー)に化けたオリジナル(ミュウ)。なんとも皮肉な巡りあわせ。これじゃどっちが本物なのかわからないな」

「……?」

「レッド、お前ではエスパーポケモンは操りきれない。能力が同じなら俺は負けない」

「何も考えてなかったわけじゃない。シャドーボール!」

「みゅみゅ」

 

 ビュン! 

 

 みゅーは“テレポート”で躱して逆に“シャドーボール”を仕掛けた。ミュウツーはギリギリで避けるがみゅーに比べると余裕がない。

 

 クスクス笑うみゅーと表情を硬くするミュウツー。会場が異様な雰囲気に包まれる中、両者の睨み合いが続く。

 

 俺の立てた作戦は至ってシンプル。とにかく全てみゅーに任せる、ただそれだけ。エスパーの戦い方はみゅーが1番上手い。俺は相手を分析して気づいたことをテレパシーでアドバイスするだけに留める。

 

 ミュウツーはまだ捕まえて日が浅いのだろう。努力値は上限に達していない。ならレッドがミュウツーを使いこなすことはないだろう。

 

「ミュー!!」

「みゅみゅ」

 

 やはり先に動いたのはミュウツーだった。“テレポート”を駆使してフィールド内を縦横無尽に駆け巡る。それに呼応してみゅーも瞬間移動を繰り返した。

 

 互いに攻撃せずただ“テレポート”を繰り返すだけ。どちらも次々とバラバラの場所に移動しているが、俺にはわかる。これは無作為に移動しているのではない。あいつらはエスパーの力を使って相手の動きを読み合っている。

 

 一手先を読めばそれに対応し、二手先を読まれたらさらにその先をゆく。先に予知能力の限界を迎えた方が負けることになる。

 

「ミュ!?」

「みゅふふ」

 

 段々ミュウツーは死角に移動されることが多くなってきた。レッドもそれには気づいたようだ。

 

「なぜ……」

「お前はエスパーについて理解が浅い」

「……どういうことだ」

 

 どうせ今の俺にはやることもない。話に乗ってやろう。わかったところで何かできるわけでもないしな

 

「エスパーの力は誰にでもある。だから潜在能力の大小というのはあまり問題にならない。大事なのはどれだけその力を引き出せるか。同じ姿になった今、ミュウツーが劣勢なのはメタモンよりそれが劣っていた、ただそれだけのこと」

「伝説のエスパーポケモンがメタモンに劣る?」

「見えるものが全てじゃない。自分だけが特別だと思うなよ」

「……なんであんたはエスパーのことがわかる?」

 

 全部みゅーからの受け売りだよ。みゅーには色々教えてもらったし、身近にいればわかることもある。

 

「ん? そういえば言ったことなかったっけ? 俺もエスパーなんだぜ?」

「あんたの冗談はわかりにくい」

 

 本当なんだけどなぁ。

 

「……めいそう!」

「ミュ……」

(レイン?)

(ダメージ優先でいい)

(わかった)

「みゅっ!!」

 

 みゅーは“シャドーボール”でダメージを加算する。あまりダメージにはならないが、それでもこれでいい。圧倒的に劣勢である以上レッドは“めいそう”に頼らざるをえない。

 

「さらにめいそう!」

(じこあんじを使え。それで相手の能力変化をコピーできる)

(あっ、その手があったの! レインさすがね)

 

 みゅーは“じこあんじ”で能力をコピー。これで全く同じ能力に逆戻り。

 

「……! メタモンの自己判断?! いや、それはありえない……テレパシー? あんた伝説ポケモンの技構成を把握してるのか」

「メタモン使いにわからないことはないんだよ」

「……」

 

 どうしたレッド? 声も出ないか?

 

「さぁ、次はどうする?」

「じこさいせい」

「シャドーボール」

「みゅ」

 

 ギリギリ受かっているが“シャドーボール”には追加効果がある。きゅうしょの確率もバカにならない。こちらが完全に有利。

 

「近づいて接近戦だ! 殴り合いに持ち込め!」

「かわせ」

「みゅみゅー」

 

 “ほのおのパンチ”“かみなりパンチ”“れいとうパンチ”……色とりどりの攻撃を仕掛けてくるがみゅーはその全てを軽やかに躱していく。みゅーにはある程度先読みする力があるのだからそんな攻撃では意味がない。レッドはいったい何を考えている? 苦し紛れか?

 

「ミュッ!?」

「今だ! シャドーボール!」

 

 ミュウツーは攻撃が空振りしみゅーに完全に後ろを取られた。これを待っていた。みゅーはやや距離を空けて“シャドーボール”を打つには絶好の距離にいる。ここぞとばかりに畳み掛けた。

 

「ここだ!」

「ミュー!」

「みゅ!?」

 

 ミュウツーは振り向きざまに素早くこちらと同じ“シャドーボール”を繰り出す。互いに相手の攻撃をまともに受ける形になった。こっちだけダメージがかなり割り増しだがきゅうしょという感じではない。とすれば技の効果か。

 

「わざと隙を作ったフリをしたのか。空振りしたのはブラフ……しかも今のは“さきどり”……味な真似を!」

「スピードスター!」

「同じ技だ」

 

 今度は必中技か。あの手この手って感じだな。だが相手もこれで動けない。“シャドーボール”2発に“ステルスロック”で残り体力はもう僅か。こっちも9割弱削れ、お互い能力を上げるヒマはない。もう迂闊に動けない。

 

「シャドーボール!」

(無理せず相手に合わせていけ)

「みゅっ!」

 

 互いに激しく技を撃ち合うが互角の勝負が続く。だがこれでいい。俺の狙いはただ待つこと。その時を辛抱強く待つだけでいい。

 

(レインッ!)

「サイコキネシス!」

「……!」

 

 みゅーの最も得意とする最高の技。それが先制で発動する。相手は躱すことはおろか、満足に受け身もとれず倒れてしまった。

 

「ミュウツー戦闘不能!」

「せんせいのツメ……あんたにはわかったのか、そのタイミングまで。どうやって?」

「だからさ、エスパーだって言ってるだろ?」

「……」

 

 みゅーはミュウとしての力がある時は“せんせいのツメ”の発動タイミングがわかる。ミュウツーになってもこれが同じかどうか確証はないが、俺はできると信じていた。ずいぶん時間はかかってヒヤヒヤさせられたが、やっぱりみゅーはやってくれた。みゅーは珍しく勝利の雄叫びを上げた。

 

「みゅーーっ!!」

「伝説のポケモンは諸刃の剣。お前も重々承知だったはずだ。これで終わりではないよな? 最後にどんなバトルを見せてくれるんだ?」

 

 メタモンを使うことがわかっていた以上、レッドは自分のポケモンが己にキバをむく可能性を考えていたはずだ。

 

 しかもミュウツーを最後でなくわざわざここで出しているんだ。その可能性を考慮してないはずがない。なら、レッドはまだ何かあるはずなんだ。俺の見込んだ通りなら、何か……!

 

 もし、レッドが本物なら、伝説に頼るだけのトレーナーでなければ、まだ俺を楽しませてくれるはず!

 

「……いけっ」

「フィーッ!」

「エーフィか……」

 

 急激に熱が引いていき、落胆と失望が俺の心を支配する。いかにも苦し紛れという感じのポケモン。ミュウツーがいながら同じエスパータイプ、しかもほぼ劣化のエーフィ……どう見ても数合わせだ。

 

 いやでも悟ってしまった。すでにこの勝負は終わってしまったのだ。マスターズリーグ最後の戦いは実にあっけなく終わってしまった。

 

「ひかりのかべ!」

「……シャドーボール」

「みゅっ」

 

 耐えるわけないだろう? 自分のポケモンの力を把握してないのか?

 

「フィィッ!」

「耐えた?」

 

 エーフィ  Lv63 @きあいのハチマキ

 

 確認を怠っていた。壁張りなら“ひかりのねんど”辺りだろうと思っていたがまさか“きあいのタスキ”ですらなく“きあいのハチマキ”の方だったか。

 

 “ステルスロック”がある以上タスキならエーフィは倒れていた。ここまで見越して……? だがあまりに運任せな無謀な戦術であることには変わりない。唯一褒められるのは悪運の強さだけだな。

 

 だが、“ひかりのねんど”なしでも“ひかりのかべ”を使ったのはまぁわかる。エーフィの“シャドーボール”程度では能力の上がったミュウツーには“じこさいせい”で受け切られる。さすがにこいつもミュウツーの能力ぐらいは理解していたということか。

 

 だが、それでも“ひかりのかべ”では結局苦し紛れには変わらない。リザードンは既に“ステルスロック”で死人も同然。最後のポケモンがエーフィだった時点で勝負はついてしまった。決勝戦、このマスターズリーグで最もつまらない勝負だった……。

 

「シャドーボール」

「ねがいごと」

 

 “ねがいごと”……! そうか、最初からこのエーフィはそういう役割か。壁と“ねがいごと”によるリザードンの再生。思えばブラッキーも“ねがいごと”を覚えていた。エース3体とそれを蘇生するカードが2つ。そしてプテラ意識の先制技持ちのラプラス。そういう構成だったのか。

 

「エーフィ戦闘不能」

「よくやった。……これで舞台は整った」

「フン……リザードンはたしかに蘇る。だがミュウツーはすでに能力を2段階上げている。その上こっちは4体のポケモン。いくらレベルが高かろうが所詮リザードンはリザードン。ミュウツーには能力で見劣りする。どうにもならねぇよ」

 

 “ステルスロック”のダメージは“ねがいごと”でほぼチャラになる。だが、仮にリザードンがミュウツーの“サイコブレイク”を壁の効果で耐えたとして、アカサビの“バレットパンチ”まではどうしようもない。さらに奇跡が起きてそれも耐えたとして、まだグレンの攻撃が残っている。

 

 もう終わっている。相手は攻撃するヒマがなく、戦闘不能が約束されている。リザードンがレベル100とかならまだわかるが、ピカチュウ以上ということはあり得ない。ミュウツーも70だった。もう何もない。

 

「あんた、さっきわからないことはないって言ったよな」

「ん? それがどうした?」

「たしかにあんたは伝説のポケモンについてまでよく理解している。おれよりも上手くミュウツーを使いこなした」

「……」

 

 やけにおしゃべりだな。負けを認めて諦めたようには見えない……妙な胸騒ぎがする。

 

「けど、おれは思う。あんたにもわからないことはある」

「根拠は?」

「あんたが今勝利を確信しているからだ」

「……」

 

 やっぱりそうだ。こいつは勝つ気でいる。もう手持ちはリザードンだけ。いったい何がある?

 

「ポケモンバトルに終わりはない……いけっリザードン!」

「バァァウアアァァー!!」

「は!?」

 

 リザードン Lv70 @???

 実 104/208-180-113-223-140-190

 

 なんだこの持ち物欄?! バグか!? なんかおかしい……圧倒的な違和感。こいつ何をするつもりだ?!

 

「おれとリザードンの絆が2つの石の秘めたる力を呼び覚ます」

 

 ……!!

 

 レッドがおもむろにこちらに向けてかざした腕に見慣れない道具がついている。トレーナーの装飾なんて気にもしてなかった。あれはなんだ?!

 

「あんたに見せてやるよ。終わりのないポケモンの進化、その序章だ! 今、リザードンはリザードンを超える!」

「リザードンを超える? まさか今ここでさらに進化するとでも?」

「進化じゃない……進化を超えたその先、いくぞ! メガシンカ!!」

 

 虹色の光に包まれたリザードンはその姿を変え、未知のポケモンへと進化、いやメガシンカしていた。

 

「グルゥゥゥ………」

 

 体は漆黒に変化し蒼い炎を纏っている。外見がまるで変わってしまったが、それ以上に内に秘めた力もパワーアップしたように感じる。威圧感が以前とはまるで別物だ。

 

「進化の先……俺の未知のポケモン! リザードンが進化するなんて……」

「レイン……1つだけ教えてやろうか」

「……なんだ」

「こいつはミュウツーよりも強い」

 

 レッドの自信に満ちた表情……やっぱり俺の見込みは間違ってなかった。レッド、お前って奴はどこまでも俺を楽しませてくれる!

 

 俺はもう全てを終わらせたつもりでいた。チャンピオンになれさえすればもう何もないと、ポケモンを極めることができると、そう思っていた。

 

 信じられない。なんて馬鹿だったんだ。ポケモンってのは殿堂入りしてからが本番。バトルに終わりはない。そんな当たり前のことを忘れてしまっていたようだ。

 

 リザードンを見た時、渇き切った心に熱い情熱が蘇った。まだこんなに知らないものがある。見たことない世界がある。そこに自分が存在する奇跡。

 

 今の俺の状況……絶対の勝利は消え、未知のポケモンにより戦いは五分に戻ってしまった。それなのにこの勝負が楽しくて仕方なくなり、今までで最高の気分になった。

 

「まずは伝説ポケモンにどう立ち向かうのか、お手並み拝見といこうか」

「おれは必ずあんたに勝つ!」

 

 さぁ、このポケモン……どうやって倒してやろうか。

 




<レッド>
ピカチュウ 戦闘不能 @でんきだま
ラプラス  戦闘不能 @とけないこおり
ブラッキー 戦闘不能 @ゴツゴツメット
ミュウツー 戦闘不能 @たつじんのおび
エーフィ  戦闘不能 @きあいのハチマキ
リザードン 残り半分 @リザードナイトX

※ねがいごと
※ステルスロック
※ひかりのかべ

<レイン>
ハッサム  残り僅か @いのちのたま
サンダース 残り僅か @じしゃく
プテラ   戦闘不能 @きあいのタスキ
ゲンガー  戦闘不能 @きあいのタスキ
ミュウ   残り僅か @せんせいのツメ


みんな知ってたメガシンカのお時間です
過半数の人が予想してそうですね

レインは道具確認怠るとか例によってアレなことしてますが、1番のミスはエーフィをすぐに倒したことですね
瞑想、自己再生で起点にしておけばなぁ
これでは迷走してますね()

次は回想を挟んでみます
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。