殺される……!!
シショーのさっきの仕草、完全にわたしをここで殺すつもりだ。誰にも見つからないよう入念に周辺を確認していた。
ボールにはラーちゃん達が万全の状態で待機している。でも、もしラーちゃん達に助けを求めれば大切なポケモンまで殺されてしまう気がする。それに……そもそもわたしは恐怖で体が全く動かなかった。
わたしは本気で後悔した。なんでこんなことしゃべってしまったのだろう。わたしが勘づいたことに気づいてすぐ、シショーの雰囲気が変わったことはわかっていた。でも、シショーは絶対にわたしのことだけは大切にしてくれるって、わたしには甘いからってあぐらをかいていた。レインという人の本質を見誤っていた。
きっと命より重い約束だったんだ。そのためなら誰であろうと容赦しない。わたしは絶対に助からない。許しを乞うのはもうムダだ。
でも、それでもやっぱり割り切れない。まだ死にたくない。頭でもうダメだとわかっていてもあがきたい。わたしの最後が、よりによってシショーに殺されて終わりだなんて……。こんなことってない……。
「覚悟はいいな」
「……わたしはどうなっても、シショーのことは好きだから。わたしは、シショーが好きで、それでもっとシショーのこと知りたくなって、色々わかってきちゃって、それで、わたしにできることがあればシショーのために何かしてあげたくて……」
「言いたいのはそれだけ?」
「くぅ……そ、それでも殺すの? 悪意なんかあるわけないっ。秘密なら絶対誰にもしゃべらない! だから……許してください! まさかこんなに大事な約束だったとは思わなくて、軽はずみなことしたって反省してる!」
必死に叫んだがわたしの言葉はシショーの心には届かなかった。
「気づくのが遅過ぎた。もう取り返しはつかない。約束ってのは大事かどうか決めるのはお前じゃない。だから絶対破っちゃいけないんだ。なぁ、わかってんだろ? 俺がどういう人間かはさぁ。自分なら許してくれるとでも思った?」
「……」
バッグから何かを取り出した。あれは刃物!? あれでわたしを刺し殺すつもり!?
「相手がお前でも関係ない。……死ね!」
グサッ!
「うっ……」
いきなりお腹に刃物を突き付けられた。瞬間わたしは頭の中が本当にまっしろになってしまった。なんにもわかんない。なんにも考えられない。覚悟した痛みもまだ感じられない。
もうわたしは死んじゃったの? 血が出てるの?
「ブルー、気分はどう?」
「あ……あぐ……」
「まだ意識がはっきりしない? ショックでおかしくなったか?」
「え……なんで、なんでそんな、わたしに普通に話しかけてるの?」
「お前こそどうしたんだ? そんな刃物で腹を刺されたみたいなツラして、死にそうな顔になってるぞ?」
「……えっ?」
少し落ち着いてきた。やっぱりおかしい。痛く……痛くない。刺された、いや何かが触れた感触はあった。どういうこと?
シショーから少し離れて自分のお腹を確認した。なんともない……。
すると目の前でシショーは刃物を自分の手のひらに突き刺した。
「あっ!……あれ?」
「ニセモンだ。刃は柄の中に納まるようになってる。ただのプラスチックだ」
「なんで……わたしのこと、殺すんじゃないの?」
「ん? 本気にした? 今更そんなことするわけないじゃん。お前を殺すつもりなら絶対最初から弟子になんかしない。自分で育てて結局殺すなんてそんなバカなことするわけないだろ?」
「あ……あ……」
膝からわたしは崩れ落ちた。助かった……。ただただ安堵する気持ちでいっぱいだった。
「効果はあったみたいだな」
「……でも、ホントに許してくれるの? やっぱり殺すとかはないわよね? さっきは完全にわたしのこと殺そうとしてたでしょ? 周りを見たりして人がいないか確認してたし」
「そうしないとお前が本気にしないでしょ? 俺は演技には形から入るタイプなんだよね」
「えぇ……」
あれが演技なの? 冗談でしょ? なんでこんなに上手いのよ……迫真だったわ。完全に殺人犯になりきってた。
ほ、本当に怖かった……。
「そもそも言っておくけど、俺はバカなロケット団みたいなのとは違う。本気で殺すつもりなら一々殺します、なんて宣言したりしない。殺す前にベラベラしゃべるのもそう。確実に殺せなくなるだけだ」
「それは……たしかに。だったら、もし本気で殺す気だったら……どうしてたの?」
「たった今死にかけたのにそんなこと知りたくなったのか? お前はどうしようもない奴だな」
「うぅ……」
気になってつい条件反射で聞いてしまった。我ながらこれは重症ね。でも気になったんだもん。
「もし殺すなら簡単だ。油断させて近づいて簡単に不意をつける方法がある。特にお前には」
「そんなことができるの?」
「ブルー……大好きだよ」
「えっ!?」
耳がトロけそうな甘~い声。なにこれなにこれ! ご褒美!? ヤバイ! こんなの想像のシショーでも聞いたことない! ヤバイ! マジヤバイ!!
「2人きりでこんなふうに言われたら本気にするでしょ? 今も嬉しそうな顔になってる」
「え」
急に普通に戻った……。がっかり。なんで? どういうこと?
「それからキスしようってお願いして近づけばいい。そうすれば簡単にさっきの距離が作れて、しかもお前はキスで頭が一杯になって隙だらけになる。わけもわからないまま死ぬことになるだろうね」
なっ……なによそれ! 乙女心をなんだと思ってるのっ!!
「さっ、サイテーッ!! ひっどーい!! 見損なった!! わたし、シショーのこと見損なったわ!! そんなことする人だと思わなかった!! なんでそんなこと思いつくの!? もう絶対にシショーとはキスしてあげない! ベーーッ!!」
わたし、今日はここでシショーにキスとかしてもいいって思って、こっそり覚悟を決めてたのに! さすがに怒った! 意地でも絶対キスなんかしてやんない! おバカバカバカ、バカシショー!!
「そう。それは残念」
「うぐぐ……せめてもっと残念そうに言いなさいよ! 形から入るとかなんとか言ってたのはどうしたのよ!」
「さてね。ブルーこそ元気が戻ったようでなにより」
ぐぬぬ……シショーめ! もう、なんでこんな性格なのよ! もっと普通に優しい感じの性格だったら良かったのに!
わたしは立ち上がって怒りをぶちまけた。
「もうホントにアッタマきた! だいたいね、冗談でもやっていいことと悪いことがあるわ! こんなこと許されないわよ!」
「これか? 伊達や酔狂でこんな殺人ドッキリかますわけないだろ」
「え、違うの?」
ナイフを器用にクルクルと回しながらシショーは答えた。なんかナイフの回し方が手馴れてる気が……。
「言っとくけど、これはただの冗談じゃない。さっきは反省したとか言っておいて……その性格は死ぬまで治らないらしいな」
「うえっ……どういうことよ」
ちょっと痛いところを突かれた。なんとなくなら先は読めた。喉元過ぎればって言うしやっぱりこれは人間の性だと思うの。ダメ?
「俺のことを詮索したのが見ず知らずの他人なら本当に殺していたかもな。殺さないにしてもギアナに隔離して置いてけぼりぐらいはしただろう。さっきの出来事は現実になりえたIFだ。お前がやったことに対する俺の怒りは尋常ではないと知れ」
「ぐっ……ごめんなさい」
ヤバイ……これはガチで怒ってるやつだ。やっぱり本当にマズイことしちゃったんだ。怒ったら何するかわからないしやっぱり怖い。
「ただな、これに関しては覚悟していた部分もある。お前が弟子になった時点で遅かれ早かれこうなると思っていた。弟子入りを渋っていたのはこうなるのがイヤで悩んでたってことだ」
「……」
やっぱりそういうことだったのね……。
「こうなったのは弟子入りに折れた俺の責任でもある。それは認める。俺自身、こうなるリスクを背負う価値がお前にはあると思ったから弟子にしたのは間違いない。それに、ずっと一緒にいれば情も移る……」
「シショー……」
「だから今回は……今回だけは許す。覚悟してた分怒りもマシだしな。ブルー、お前さっき刺されるまでの時間、生きた心地がしなかっただろ? そして後悔したはず。絶対にその気持ちを忘れるなよ。次はないから」
「わかった。あの……本当にごめんなさい」
「わかればいいよ」
本当はさっきのわたしの予想が当たっているのか問い質して反応を見たかったけど……今それをしちゃったら冗談抜きで殺されるわね。
「それじゃあな。今度こそ行くから。こっちには気が向いたら顔を見に来るよ」
「そうだった! 待って待って! わたしも連れてってよ!」
「まだ俺のこと探りたいの? 死にたい?」
「そんなんじゃない! それにシショーは怖いフリしてるけど自衛以外で人を傷つけたりしない! わたしわかってるんだから! あとね、たしかにわたしは約束を破ったし、弟子も卒業した。でもそれとこれとは話が別! シショーはさっきの今ならわたしが気後れすると思ってて、それも計算のうちなんでしょ? でもわたしにはこうかないからっ!」
シショーの考えそうなことは全部わかる! よく考えればシショーはああいうだいそれたことを無意味にする人じゃない。色んな意味があるのよ。それがわかっていれば対処はできる!
「清々しいまでの割り切りだな。俺がいっつも上手いこと言ってどっか行くみたいなこと言ってたが、お前もたいがい強引にわがままを押し通してくるよな。もっと遠慮しろ」
「だって一緒がいいんだもん!」
執念が足りないってわたしに言ったのはあなたでしょ? 一緒にいるためならなんでもする! そのためなら遠慮してるヒマなんてない!
シショーは観念したみたいにため息をついた。
「はぁ……。ブルーさんよ、どうにもこのままじゃ俺達の意見は平行線を辿りそうだな」
「そうね。だったらわたしから言いたいこと言わせてちょうだい」
シショーが一歩引いた! ここで主導権を握ってやる!
「ふーん。どうぞ?」
「要するにシショーは詮索されることとわたしがチャンピオンになれないことが気がかりなんでしょ?」
「よくわかってるじゃないか」
「で、詮索に関してはもう罰は受けた。それに今まで黙認したことから考えて、それはわたしを遠ざける理由としては弱い。違う?」
「……」
否定はなし。今さらっとわかったけど、やっぱりわたしがシショーのこと探っていたことには気づいていたみたいね。恐るべし……。
「沈黙は肯定と受け取っておくわ。だから結局シショーはわたしにカントーのチャンピオンになってほしい。そういうことでしょ? わたしの夢を本気で信じて心の底から応援してくれてたのはわかってる。だからわたしのために、シショーもわたしのことを、その、憎からず思ってるけど、泣く泣く別れるってことなのよね」
「だったら?」
あっ! 合ってるんだ! シショーってやっぱりわたしが……。
「だったらわたしがシショーより強ければ問題ない。そういうことでいいわよね?」
「!!」
シショーは心底驚いた表情を見せたけど、すぐに嬉しそうな、ちょっと獰猛にも見える笑みを浮かべた。釣れたわね。
「たしかに。言ってることにスジは通ってる。卒業してすぐ俺に挑戦状を叩きつけてくるとはブルーらしい。なるほど、それでお前はあんなに好戦的な目をしてたのか」
「えっ……わたしそんなに表情に出てた?」
「それを見て俺を探しに来そうだと思ったからな。それじゃ、最初からお前は俺にバトルを吹っかけて、勝ったら自分の言い分を聞いてもらおうって作戦だったのか」
「それだけじゃないわ。ちゃんと約束もして! わたしが勝ったら、わたしがシショーと一緒にいてもいいって」
そう、これがラーちゃんと考えた作戦のハジマリよ。シショーはとにかく約束に弱い。普段悪いことばっかりするけど曲がったことはキライというか、約束破ったりとかそういうことは絶対にしない。わたしの弟子入りの約束も結局ちゃんと果たしてくれた。だからこれだけは何があっても絶対に信頼できる。
ここで言質を取って、あとはバトルに勝てばいい。ちゃんと勝つための作戦も考えてる。絶対勝てるわけじゃないけど五分の勝負はできる。問題はすんなりとこの要求を飲んでくれるかどうか……。
「ちなみに、俺がそれを断ったらどうするんだ?」
やっぱりきた!
「だったら……ホントのストーカーになって、毎晩化けて出てやる!」
「生き霊でも飛ばせるのか、お前は。なんだ、そこはなんにも考えてないのか? お前の作戦ってのは穴だらけだな」
「し、仕方ないじゃない! ここは思いつかなかったんだもん!」
「ふーん。ここは、か。じゃあ約束させて勝負さえできれば勝てると思ってるんだ。仮にも俺はチャンピオンだぜ? 全力を出してなかったレッドの足元にも及ばなかったお前が、この俺に勝てると本気で思うのか?」
わかるわ。試してるんでしょ? わたしが勝負に勝つ自信があるのかどうか。たしかに不利なのはわかってる。でもね、そんなことで諦めてたらトレーナーなんてやってらんないのよ! わたしはただ勝つことだけを信じて、そのために最善を尽くす! そして勝つ! 何があっても勝って見せる! さぁ、奮い立つのよブルー!
「勝つわ! 絶対勝って、あなたを超える! 今がそのときよ!」
「そうか……フフ、いいな。本当にお前は最高だよ。なんでこんなにもワクワクしてしまうんだろうな。正直、俺は優勝してから気が抜けてしまって頭の中がぼんやりしてたんだ。けど、お前とバトルすれば何か掴めそうな気がする。……いいぜ、約束してやる。俺に勝てたら好きにさせてやるよ。チャンピオンのレインとして……ブルー! お前の挑戦受けて立つ! この勝負がマスターズリーグ、本当の最後の戦いだ!!」
「よっしゃ! もうあなたは単なる目標じゃない。ここで夢を現実にしてみせるわ!」
第一関門突破! やっぱりシショーってバトルを挑まれるとなんだかんだ断れないのよね。思った通り。このバトルでわたしの想いを全てぶつける!
「それで、ただバトルするわけじゃないんだろ? 先に言っておくことは?」
「……やけに察しがいいわね」
「はっきり言って正攻法ならお前に勝ち目はないからな。なんか考えてきたんだろ?」
この感じ……もういつものシショーじゃない。完全にわたしを敵とみなしている。自信満々で少しも自分の力を疑ってなくて、それでいて相手を見下すようなあの冷たい視線……ゾクゾクする。
「はっきり言ってくれるわね。ええそうよ。しゃくだけど、たしかにわたしにも考えがあるわ。この勝負は公式戦とは違う。だからルールを変えようと思うの。時間は取らせないわ。互いの最高のポケモンを出し合っての1vs1の真剣勝負でどう?」
「なるほど、そうきたか。物は言いようだな。悪いがさすがにその条件では戦えないな。むしろ公式戦のルールで戦う方がフェアだろ?」
「ぐっ……それじゃどうやってルールを決めるのよ!」
「だったら間を取るってのはどうだ?」
「間?」
いったい何をしようって言うの?
「1vs1ではほぼその1体の相性だけで決まってしまって面白みがない。お前としてはそこに実力差の紛れを求めたのだろうが、さすがにジャンケンみたいなことして勝っても仕方ないだろ?」
「それは……」
「かといってフルバトルだと長過ぎる。なら3体で戦えばいい」
「3体?」
「但し使うポケモンはバトルが始まる前に先に決めておくものとする。途中で入れ替えるのは禁止。これだとただ使う数が真ん中というだけではなくなる。使うポケモンの選び方も重要になるからだ」
「あっ、そっか! じゃあすっごく難しい勝負になるんじゃ……」
「そういうこと。その方が面白いだろ? お前がどんな戦い方をするのか、見せてごらんよ」
「……いいわ。その辺が落としどころね」
くぅぅ、一発勝負で勝つ作戦はダメか。でも3体だとしても勝機はある。上手くシショーを出し抜いてやれば……。
「じゃあ選出時間は今から2分でいいな」
「えっ……」
ヤバイ! すぐ考えないと! まずはラーちゃんが絶対必要であとは強いのはフーちゃんでしょ、それと……
「クク……お前ってわかりやすいな。必死こいて考えこんじゃって。冗談だよ。時間は無制限。お前の準備ができたらバトル開始だ」
「うそ、いいの? じゃあ今始めてもいいのね?」
「構わないぜ。俺は3体を決めてある。先に置いておこうか?」
そう言ってバッグからボールを3つ取り出した。本当にもう決めてるの!? 早過ぎない?! だってずっとしゃべってたし考えるヒマなんてなかったわよね?!
「それでブルー、お前もう一度じっくり考え直さなくていいのか?」
「あっ、やっぱりもっとよく考えてみるわ!」
「じっくり考えな。俺はいつまでも待っていてやる。さすがにビギナーのお前に選出勝ちで勝利を拾ってやろうなんて思ってないから」
「え? どういうこと?」
ビギナー? 初心者ってこと? たしかにこんな変なルール初めてだけど、シショーだってずっとフルバトルばっかりしていたはずよね。
「ブルー、簡単に相手の土俵に乗っかるのは下の下だ。俺は互いに6体のポケモンを見せ合ってから3体選んで勝負するっていう形式が1番得意なんだよ」
「え……しかもマジなんだ。ウソではなさそうね。なんでそんな変なルールが得意なのよ!」
「さぁ? 未来ではよくあるルールなんじゃない?」
くっ……あの余裕の表情許さん! 参ったって言わせてやる!
「決めたわ!」
「そうか。じゃあバトルを始める前に少し余興をしようか」
「余興?」
「当ててやるよ。お前のポケモン。フシギバナ、ラプラス、ハクリュー、この3体だろ」
「えっ?!」
そんな!? 20通りあるのよ!? なんでわかったのよ!? メンバーは一致してる……。
「なんでって顔だが別に強そうなのから順番に名前を挙げただけだ。お前もそういう選び方をしたんだろ?」
「ぐっ……」
「ボールを戻しな。そんなアホな選び方されて勝っても嬉しくない」
くっ、耐えるのよ。バカにされてもここは恥を忍んで教えを乞うべきだわ。
「じゃあどうやって選ぶのよ」
「見せ合い勝負ってのは単にレベルの高い強いポケモンを使えばいいってもんじゃない。相手のポケモンがわかってることを活かせ。自分の都合だけでなく相手の都合も考えるんだ」
「相手の?」
シショー、なんだかんだやっぱり優しいわよね。さっきはゾクゾクするような厳しい表情も見せたけど、でも根っこは変わんない。恥を忍ぶどころか、内心こうして教えて貰えるのは嬉しいかったりするかも。
「例えば俺から見れば1番厄介なのはラプラスだ。こいつはほぼ出てくると見て間違いない。ならそいつに有利なポケモンで固めてしまえば実質3vs2の勝負ができる」
「あっ……なるほど」
そっか。見せ合いの時点で相性関係は発生しているのね。じゃあお互いに選出は縛られているわけか。
「逆にお前のフシギバナは俺のほとんどのポケモンに相性が悪いから選びにくい。だから唯一分が悪いサンダースもあまりフシギバナを意識せずに選出できる」
「あっ……そういうふうに考えていくんだ」
そんなふうにも考えていけるんだ。すごく応用の幅が広い。シショー……結構このルールを極めて色々考えているわね。自分で得意とか言うだけはある。
「あとは読み合いだ。どれを出してどれを控えにするか。一点読みで有利なポケモンを選んでも良し、幅広い選出に対応できるようにバランスよく選ぶも良し、そこはトレーナーの判断が問われる。少なくとも何か1体に全滅させられるような選び方はしたくないから、俺はある程度全体のケアをしたくなるタイプだけどな。経験を積めば自分のパーティーにどういうポケモンが出されやすいか統計的にわかってくるから一点読みもできるようになるが、お前には難しいだろう」
「そっか。……なんか駆け出しの頃を思い出すわね。わたしにこうやっていつも教えてくれたよね」
「シショー面されるのは迷惑だった?」
「ううん。すっごく嬉しかった。でも、懐かしいのはここまで。これで勝手はわかってきた。段々あなたを倒す方法もわかってきたわ……レインッ!」
「そうでないとな。楽しませろよ?」
わたしのポケモンは……あなた達で決まりよ!
というわけでレインのドッキリでした
誰もブルーがお亡くなりになると思ってない感じの感想で正直びっくりしました
とりあえず助かる感じで考えてますよね
なんででしょうね
「ブルーちゃんお亡くなりとか失望しました! みゅーちゃん派に乗り換えます!」ぐらいは覚悟してたんですが杞憂でしたね
なんでレインがこういうことする展開になるのか、作者に問いたい人もいるでしょう
毎回誰ぞが死にかけたり、好いた惚れたの話が出たりするのは、そういう生死に関わる内容が1番素の感情が出るというか、心情を扱うものとして面白いからですね
あくまでね、題材として良くて書きやすいからということであって、りんごうさぎがサイコ(トレーナー)というわけではないですからね
次回は最終回、レインvsブルーで幕引きとさせて頂きます
何気にこれでマサラ組3人とはマスターズリーグで1回ずつ戦ったことになりますね
なんとなく感じた方もいるでしょうが、この話はORASの初回エンディングの雰囲気を参考にしてます
これがね、ルビサファ時代のオープニングを上手く含みにしていて、ラストが冒頭の伏線回収になる感じがヤバイなぁってことで印象に残ったので参考にしました
ここからは雑談裏話的な感じで、興味がある人だけ
とりあえず完結したので、ちょっと昔書いたときのノート(当時タイピングがヤバかった)を見たら全然違うんですよね
正味、めちゃくちゃ進歩したと思うんですよね
ここに最初に投稿した時と比べてもだいぶ進歩したと思います
そのときのは、ひらがな多いとかは別にして、まず地の文が少ない。セリフだけのプロットレベル
しかも話の内容もだいぶ短くて、けっこう後付けで増えたんだなぁって思いました
特にびっくりしたのはギアナ編が14ページだけで、行ってこらしめて仲直りして帰るみたいなね、はやっ!って感じでした
当然みゅーいじめは2ページぐらいでブルーの隔離もなく、グレンに諭されてすぐ仲直りし、さらには2人きりになって自分の境遇とか秘密も全部しゃべってみゅーも元の姿になって秘密共有……と全然違いますね
なぜああなった()
主人公が最初は個体値カリキュレーターをいじって廃人してるシーン(アナライズへの伏線にするつもりだったがボツ)とか、ナツメの生い立ち(孤独設定があったから)とか、意外とそういうのも書いてる部分も短いですがありました(なおボツ)
でも上達に関してはね、建前抜きでホントにここで投稿することにしたおかげかなと思ってます
見てもらうとあんまり下手な文章は書けないということと、やっぱり0時で締め切りも大きかったですね
駆け込み人間なので、とにかく期限ギリは“げきりゅう”が発動するんですよね
感想ほしいというのがあったので、ギリギリになるとここまできて1日待つのはないなってことで0時ジャスト投稿がけっこうありました
そういう感じでけっこう背中を押してもらえたと思います()
1番見違えたと思うのはバトルがとにかくバトンのワンパターンとか、表現とかセリフがワンパターンとかがすごい変わりましたね
バトルはホントによく全部かけたなとは思います
それまではもうイヤになって四天王戦とか全部飛ばしたりしてたので(続編はバトルの飛ばし過ぎで断念していた)
書き方についても自分が書きやすき文体、書き方を見つけてしっくりくるようになってから内容も量も変わったと思います
変わってないのは登場人物のしゃべりと性格ぐらいですね。みゅーの1人称だけ私からみゅーに変更しました(あらすじはその名残)
というわけで、レインだけでなく自分も色々成長できましたし、なによりアナトレがカントー編だけですけれど完結まで漕ぎつけられて感無量、夢心地です
一生無理なんじゃないかって思うほど手詰まりを感じていたこともあったのでそのときから考えるとキセキですね
まだ最終回じゃないんですが、アナトレにお付き合い頂き本当にありがとうございました!