Another Trainer   作:りんごうさぎ

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今回の話はミュウと言えばの“あのイベント”をします!
1話からずっとおいでおいでして遊んでほしそうだったみゅーの願いがやっと叶います!
正直みゅーの発言ずっと忘れて(ry

あんまり本編の本筋に絡まないので(ごめんなさい)あらすじ忘れてる方もたぶんセーフです!
短編っぽく読んでみゅーちゃんに癒されてね!
あと、重大事件があったのでみゅーちゃん好きな方は後書きも見て下さい!
(ただしバグ技とか乱数がキライな方は見ない方がいいです)



5.今日は何の日?

「レイン、わかった?」

「はいはい、わかったから」

「みゅ! 『はい』は1回なの!」

 

 うげぇ……。ミツルを送り出した翌日、トウカの森へ向かって歩く道すがらみゅーからありがたい説教を受けていた。いつにもまして厳しい表情だ。ものすごく不満げな表情にも見える。どうにかしてこの状況を打破できないか? なんかいないかな……

 

「あっ!? 見ろ!! あれボーマンダじゃないか!? 森の方にほらさぁ! なんでこんなところに!?」

「もうっ! レイン、みゅーの話聞きたくないからって変なこと言わないの」

「いや、ホントだって! 見ろよこの目を!」

 

 まばたきもせず全力で見つめる……が、みゅーはバッサリ。

 

「……でも、そんなのどうでもいいの」

 

 心底つまらないという声色のみゅー。こうなったら意地でも盛り上げて……

 

「どうでもよくない! ドラゴンだぞドラゴン! トウカの森に暴竜現る! スクープだ! 今すぐ見に行こう! ドラゴンの巣とかあるかも! ドラゴンゲットだ! “りゅうせいぐん”だ! “りゅうのまい”だ!」

「あ~っ! ……もうっ。すぐはしゃいで……まるで子供なの」

「そうゆーなって。自転車に乗っていこう。みゅーも乗るだろ? 俺の前か後ろ、どっちがいい?」

「……うしろ」

「よっし! じゃあしっかりつかまってろよ? さぁ乗った乗った!」

 

 これで誘導成功! 自分の話術が恐ろしい……。自然な流れでここを脱出だ! 

 

 しかし、浮かれていた俺に冷や水を浴びせるようなみゅーの一言が突き刺さる。

 

「むかしはこんなんじゃなかったのに……」

「!」

 

 かぼそく小さな声。恐らく誰かに向けて言ったわけではないだろう。しかしなぜか俺の耳にはハッキリと届いてしまい、その意味するところもわかってしまった。一瞬にして全身が縮みあがる。

 

 なんだろうこの感じ……今対応を間違えたら説教が面倒とかいうレベルじゃない、もっと大変なことになる気がする。完全に失望されかけている気が……。

 

 チラッとみゅーをうかがうと向こうもこっちを見ていた。値踏みするような冷たい目……ヤバイね。

 

 いますぐ何か気の利いたセリフでも言って挽回したいところだが、何を言っても悪手になる未来しか見えない。逆にここはじっと我慢……沈黙は金か。

 

 浮ついた気分は引っ込めて自転車に乗り、黙ったまま手招きでみゅーを呼んだ。みゅーはこの対応がお気に召したのか、誘われるまま後ろにちょこんと飛び乗った。

 

 ギュッ

 

「ん!? みゅー……ちゃん?」

「速く進んで」

「えっ?」

「ポケモンつかまえられなくなるよ」

「そう……だな」

 

 黙っていようと思った矢先、思わぬ行動につい声が出てしまった。すごく安心できるこの感じ……理由はわからないがなんとかピンチは乗り切ったらしい。ふざけるのはやめたから許された? 

 

 注意すればじんわりと背中越しにみゅーの複雑な心境が伝わってくる。好きだけどがっかりして、甘えたいけど甘えられなくて……そういえば最近甘えさせてあげる機会がなかったような……。さっきは自分の話術が~とかなんとか思っていたけど、みゅーがあっさり「うしろ」を選んでくれたのは、案外堂々と後ろから俺に……

 

「みゅーっ!! レインッ!!」

「あ、ごめんごめん。しっかりつかまってろよ?」

「……おそいよ」

 

 最後のみゅーのつぶやきは何に対しての言葉なのだろうか。これからは気をつけよう。

 

 晴れやかな気分で漕ぎ出した自転車は追い風に乗ってグングン進んでいった。さっきまで風はなかったし、みゅーの技だったりするのだろうか。目的地のトウカの森はもうすぐだ。

 

「レイン」

「あ、なんか食べる? ポロックは……もうないから、きのみで我慢して」

 

 みゅーにはオレンを投げ渡し、自分はチーゴを取り出した。みゅーはもちろん“ねんりき”で上手にキャッチしている。

 

「んーー! きのみって案外おいしいよな。みゅーはどう?」

「ねぇ、それちょうだい」

「チーゴのこと? みゅーはオレンが好きじゃなかったっけ?」

「別に、気分。早くして」

「……ちょっとまって、今新しいのを」

「早くちょうだい!」

「あ!」

 

 みゅーは“トリック”で強引にチーゴとオレンを入れ替えてしまった。俺の手元にはオレンのみ。

 

 カプッ! 

 

 みゅーがおいしそうにチーゴをかじる音が聞こえる……にしてもここまでする? 

 

 みゅーの考えることは“きまぐれ”だし考えてもムダか。そう思い直し自分もオレンを食べることに。ふと見るとみゅーのオレンは手つかずだったが、気にせず食べ始めた。

 

「ぷはー。ん~、まだお腹空いてるからそれもちょうだい」

「あっ!!」

 

 もっていかれた! 今度はオレンまで! こいつ……さっきオレンは全然食べてなかっただろ! みゅーはわざわざ俺が食べているきのみばかり盗っていく。この甘えん坊め、まさか……

 

「みゅーちゃん、イタズラして楽しい?」

「みゅ? みゅーは楽しいよ?」

 

 みゅーも俺が気づいているのはわかっていて乗っかっているみたいだ。もうみゅーの怒りはしずまり上機嫌。ここ最近ゴキゲンナナメだった理由もなんとなくわかった気がする。ちょっと嬉しくなった。

 

 ◆

 

「……」

「で? なんにもないよ?」

 

 トウカの森に入り、さきほど見たボーマンダの手掛かりを探すが何も見つからなかった。ドラゴンのドの字もない。

 

「いや、もっと探せば足跡とか痕跡ぐらいは……」

「あるわけないよ」

「もう……いじわる」

 

 みゅーの非情な言葉に早くも心が折れそうだ。単なる見間違いとかだったのか? 

 

「レイン、そんなにドラゴン欲しいの? ミニリュウも欲しがってたよね」

「そりゃなぁ。ドラゴンは最強のタイプだし、持っていれば箔が付くだろ? しかもボーマンダともなれば……やっぱり諦めきれない!」

「あーあ、レインやっぱりバカになってるね」

「は?!」

 

 非情なみゅーの口撃は続く。

 

「そもそもそのポケモンってどんなところに生息してるの? レインならわかるでしょ?」

「それは……まぁ洞窟とか」

 

 タツベイの分布がりゅうせいのたきだったから親もその辺にいるだろうな。昔は小部屋でしか出ないのを知らなくて何時間も探し回ったっけ。超低確率なんだと勘違いして……あれはわからん。

 

 

「じゃあこんな場所にいるわけないの。いい加減気づいて」

「ぐっ、言われてみれば……でもホントに見たから!」

「どうせトレーナーのポケモンでしょ。野生なわけないの」

「いやでもこの辺りにボーマンダ使いなんて……でもそうか、たしかにボーマンダ使いが1人なわけないしなぁ……ごめん」

 

 なんかまた機嫌悪くない? ピンチ再来? なぜかこうして冒険する立場になると珍しいポケモンとか欲しくなるんだよな。弱くてもケーシィ・バルビートみたいな珍しいポケモンはとりあえず捕まえとこって思っちゃう。バトル脳の時は見ても何も思わないのに、野生で現れたら『出たーーっ!!』ってなってつい、我を忘れて冷静さを失う……まだまだ自分も子供なのかも。

 

「わかったらさっさと諦めて。あーあ、なんか退屈なの。面白いことがしたいなー」

「え?」

「レイン、ここまでみゅーはレインの言う通りにしたのに、なんにもしてくれないの?」

 

 もしかして遊んでほしいのか? 遠回しな言い方だけどそんな気がする。たしかに最近は散々振り回したし、ここはひとつ、お姫様のご機嫌取りでもしておこうか。

 

「よっし、じゃあ俺と“おにごっこ”でもする? フィールドはこの森の中!」

「みゅーーっ! みゅーそれ好き! じゃあレインがオニ! レインが勝ったら頑張ったねって頭撫でてあげる」

「は?」

「レインが負けたら“ねんりき”でポキッてするね」

「はっ?!」

「じゃあ今からスタートなの! 途中でやめても負けだからね。たまにはカッコいいところも見せてよ。……みゅみゅみゅ」

「それは……ああもう、わかったよ、やりゃいいんだろ!」

「おいで」

 

 それだけ言い残してみゅーは消えてしまった。“テレポート”まで使う気かよ! しかも罰ゲームも本気で実行する気だ! 絶対そうだ! みゅーこそ本当の“鬼”だ! 

 

 けどな……あんなこと言われたら引けねぇよ。あるいみこれはチャンスだ。名誉挽回、起死回生のチャンス。……絶対頭撫でさせてやる! 

 

 まずみゅーは致命的なミスをした。あいつは肝心の時間制限を指定していない。かつ鬼を俺にした。だから俺に負けはない! もしみゅーが鬼なら瞬殺されただろうが、これなら勝てる! 

 

 ま、いきなり本気を出してあっさり勝ってしまってもいいが、少しはみゅーにも遊ばせてやらないと機嫌を直してもらえないし、まずは小手調べからか。

 

「みゅーちゃん出ておいで!」

「みゅー? 呼んだ?」

 

 すっとぼけた顔でノコノコ出てきやがった。舐めやがって! とっ捕まえてやる! 

 

「タァーーーーッチ!」

「みゅぅー、あぶなーい! 今のはセーフなの」

「まて!」

「みゅうー」

「このっ!」

「みゅふー!」

 

 何度挑んでも全てギリギリで躱される。ギリギリであることが逆に力の差を如実に表していた。まともには勝てないか。

 

「レイン、もう終わり? みゅみゅー、逃げちゃおっと」

「消えた……あっちか」

 

 今度は“テレポート”で追いかけっこか。いいぜ、つきあってやるよ! みゅーは次々移動していくが俺は“サーチ”で視てしっかりついていった。

 

「おらおらどけどけ!」

「バウッ!?」

「スバッ!?」

 

 飛び出してくる野生ポケモンを蹴散らしながら最短距離でみゅーを追う! また追いついた! 

 

「レインすごいね。どうしてみゅーの場所わかるの?」

「そろそろ観念して諦めてくれない?」

「んー、まだたりないかなぁ。おいでおいで」

 

 しゃべりながらも思考は続ける。“おにごっこ”を続ける中で少し“テレポート”について発見があった。みゅーの特別な“テレポート”はどういうわけか発動前に俺のサーチの表示にゆがみを生む。“みゅー”の表示が僅かに揺れていた。

 

 もしかすると何かエスパー絡みの理由とかがあるのかも。波動が乱れるとかそんなのが。理屈は不明だがこれは利用できるはずだ。あいつが移動する時、俺は一瞬早くそれを察知できる。問題はタイミングがわかっても出現ポイントまでは絞れないことだが……今はとにかく近づくことだ。

 

「まてみゅー!」

「こっちこっち」

 

 どんどん森の奥へ逃げていくみゅー。ポケモンも増えてきた。今度はキノココか。

 

「どけぃ!」

「キノーッ!」

 

 キノココは蹴り一発で簡単に吹き飛んだが、追いかけることに夢中で大事なことを失念していた。そう、キノココの特性……“ほうし”だ! 

 

「うえっ……気分が……どく状態か!」

「あーあ、油断したね。レイン大丈夫?」

 

 うずくまる俺を見てフラフラっとみゅーが寄ってきた。俺の周りを軽やかに移動している。……油断しているのはどっちの方だ? 

 

「みゅー、“いやしのすず”で治して」

「ダメ。勝負中だもん」

 

 その返事は予想通り。本当の狙いは……

 

「そんなケチなこと言うなよ……!」

「みゅぅーーっ! レインこわーい!」

 

 近づいてきたみゅーにしゃべりながら不意をついてタッチを試みるが、完全に読まれていた。やっぱりエスパーを出し抜こうってのがそもそも無理があるか。動きを制限しないと厳しいな。

 

 仕切り直してバッグから取り出したモモンをかじりながら作戦を考えた。毒はこれで治る。

 

「あっ、おいしそう」

「ん? ……ははぁ~その手があったか」

 

 みゅーがまたもやフラフラと俺の方に近づいてきた。その視線の先には食べかけのモモンのみ。かなり気になるようだ。相手のほしいものを利用するのは基本中の基本。これならやりようはある。ちょっと心苦しい気持ちもあるが、勝負の世界は非情だ。許せよ、みゅー。

 

 さて、いきなり“エサ”を使ってフィッシュ作戦は少しリスキーだ。まずは別の角度から攻めて様子を見よう。まずはみゅーの心を揺さぶる! 

 

「みゅーちゃん、今ならありったけの気持ちを込めて抱きしめてあげるよ」

「みゅ? レインもうお手上げ?」

「こっちおいで」

 

 今度はこっちがおいでおいでの時間だ。ずっとフラフラ、ユラユラしていたみゅーは動けなくなっている。表情こそ変わらないが効果は抜群のようだ。ゆっくりキョリを詰めていった。今なら案外あっさりということも……

 

 そろりそろり……ここで焦っちゃダメダメ。俺が飛びついて届く距離、2mぐらいなら一瞬先手を取ってタッチが届くはず! もちろんそこまで至近距離に近づくのは難しいから一工夫必要だろう。

 

「みゅ……」

「入った!」

 

 思い描いていたラインに入った。距離はまだ4mほどあるがこれ以上はみゅーに逃げられる。そこで秘策その1の出番だ! 自分とみゅーの真ん中に向かって“ピッピにんぎょう”を投げた! これでみゅーの方から近づいて距離は半分になる! 

 

「とどけっ!」

 

 ザザ……

 

 揺れた!? ……と思った時には既にみゅーはピッピにんぎょうを手にして消えていた。なんて早業! この間合いでもダメか……。

 

「ピッピ~」

 

 後ろからみゅーの声。ピッピの鳴き真似とはコケにしてくれるじゃねぇかみゅーさんよぉ? 

 

 だがこれで“テレポート”のタイミングはつかんだ。次は外さない。この次が本当の勝負! おもむろにバッグからオレンを取り出してひとかじり。美味しそうに頬張りながらゆっくりみゅーから離れるように歩いた。

 

「やっぱりオレンはうまいなー」

「みゅみゅぅ……」

 

 釣れたな。食い入るような視線が背中越しに突き刺さる。ほしい気持ちが駄々洩れだ。くいしん坊め! 

 

 モンスターボールを投げるようにして軽くオレンを右手の上で投げ上げて遊ばせる。これみよがしにみゅーに見せつけてやった。

 

 そして左手には追加の“ピッピにんぎょう”を用意。二度同じ手は食わない。道具を2つ持っていれば“トリック”は効かない。みゅーは“テレポート”で奪いに来るしかなくなるわけだ。

 

 焦らしながらゆっくり目的の場所へと歩いているがみゅーはテレポートしてこない。すぐにでもオレンが食べたいはずなのにだ。それはなぜか? 

 

 やはり“テレポート”直後の隙を気にしている。つまり俺の勝機はそこにある。これで確信できた! 

 

 それでもスキを見てみゅーは必ず飛んでくる。それも一目散にオレンめがけて突っ込むはずだ。その瞬間、俺の勝利が決まる! さぁ、そろそろ勝たせてもらうぜ? 

 

 とうとう着いた。目をつけていた足場にしやすそうな木、そのそばに近づいたタイミングでオレンを頭上に投げつけた! ギリギリ俺がジャンプしても届かない距離、自画自賛したくなる絶妙のコントロールだ。

 

 みゅーはオレンに夢中で周りの木なんぞ眼中にないはず。これ幸いとばかりにテレポートするだろう。この木を足場にして、オレンへ一目散に飛んできたみゅーを動けない瞬間に捕まえてやる! 

 

 ザザ……

 

 きた! 今だ! すぐさま渾身の力をこめてジャンプ! さらにもう一度木を蹴り上げて三角飛びの要領で投げ上げたオレン目がけて右手を伸ばした! 

 

「発想は悪くないの。でもやっぱり足りない」

「げっ!」

 

 声が下から!! まさか読まれた!? オレン目がけて一直線にテレポートするはずのみゅーは俺の下で笑っている。

 

「ウヌボレはダメっていったでしょ?」

「まだ終わってない!」

 

 オレンは命綱! 渡すわけにはいかない! ピッピにんぎょうを手放し、残っていた左手で落下するオレンを再びキャッチ! そのまま着地点にいるみゅーに向かって右手を振り下ろす! あいつはまだ移動の反動で動けないはず! これでタッチアウトだ! 

 

「みゅっ」

「ねんりき?!」

 

 みゅーは自分に“ねんりき”をかけてタッチを躱した。こしゃくな! “ピッピにんぎょう”もすでにみゅーが持っているせいか効力が薄いようだ。でもオレンだけは死守できている……これさえあれば……

 

「ごくろうさま」

「あ!」

 

 “トリック”でオレンはきのみの花らしきものと交換されてしまった。やられた……とっさのことで“トリック”まで頭が回らなかった。

 

「さっき見つけたの。キレイでしょ? レインの負けだけど頑張ったからそれあげる。残念賞ね。みゅふふ」

 

 カプッ

 

「まだだ! まだ決着はついてない!」

 

 オレンをかじりながらもう勝負はついたかのような言い草。みゅーの発言に対し即座にこっちも言い返すが、あっさりと俺の本心は看破されてしまった。

 

「オーラ乱れた。心が認めてしまっている……レインの負けだよ」

「俺が……負けるわけが……」

 

 鬼で“おにごっこ”に負ける奴があるか! こんなはずでは……。だがもう策はない。ここまでか。

 

「レイン、約束。わかってるよね?」

 

 みゅーの審判が下る。もう抗えない。ならせめて“ねんりき”だけは回避せねばっ! 

 

「……ものは相談なんだが、せめて“ねんりき”じゃなくて違うことに変えるっていうのはダメ? さすがにポキッてするのはヒドイと思わない?」

「レインわがままだね。じゃあどうしてもっていうなら変えてもいいよ」

「よし! やっぱりみゅーちゃんはやさし……」

「じゃ、レインは今日一日みゅーの言うことに絶対従うこと。破ったら“ねんりき”ね」

「え……」

「イヤなの?」

 

 そう言いながら攻撃態勢に入るみゅー。選択の余地はなかった。

 

「わかりました……」

「みゅみゅ。よろしい。じゃあ早くお外に行こう。お日様の当たるところまでレインがおんぶで運んで」

 

 言い終えた時には既にみゅーは俺の背中に飛び乗っていた。まさか全部最初からこれが目当て? 今の待ちきれんと言わんばかりの嬉しそうな飛びつき方を見るとそんな気がする。

 

「しょーがないなぁ。しっかりつかまってろよ?」

「はいはーい」

 

 あれ、『はい』は1回じゃなかったの? でもいっか、みゅーが嬉しそうだし。

 

 とっても暖かくて、幸せな感じ。こんな感覚いつ以来だろう。なんか久々な気がする。みゅーも同じ気持ちなのだろうか。

 

「ありがとな」

 

 気づけばそんな言葉がこぼれていた。普通ならこれだけじゃ伝わらないけど、みゅーには十分伝わるはずだ。今はオーラが通じてる。

 

「レイン、覚えてるよね。今日は大事な日」

「え?」

 

 いきなりな質問に戸惑ってしまう。……やっぱ俺、まだまだエスパーとしちゃはんちくだな。みゅーと違って何でもはわかんねぇ。

 

「みゅーぅ、折っちゃうよ……」

 

 それは勘弁して下さい! 急いで何の日か考えた。

 

 何の日かっていうのはつまり、1年前に何があったかってことだ。それもみゅー関連。1年前は春、たしか俺が“こっち”で目覚めた頃か? その頃みゅーはまだいな……

 

 ──おいで──

 

 あっ! そうだ! 

 

 脳裏によぎるあの後ろ姿。あぁ……間違いない! 

 

 たしかに俺は会っていた。全てのハジマリの日、それが今日だ! 

 

 ずっと遊んでほしかったんだ……やっと2人になれたから。ずっと待っていてくれたんだ。

 

 何やってんだ俺。女の子を待たせちゃダメだろ? 

 

「遅くなってごめんな」

「いいよ。待つのは慣れっこだから」

 

 さすがの俺でも今みゅーがどんな表情をしているかは見なくたってわかる。いや、これは誰でもわかっちゃうか。

 

 みゅーが笑ってくれたから、今日はみゅーの日、みゅーちゃん記念日。

 




いきなり本題です!
なんと! なんとですよ!! とうとうゲームでみゅーちゃんに会えます!!
ミュウじゃありません。“みゅーちゃん”に会えます!

これまで親が自分でニックネームをつけれる色違いのブロックルーチンのないミュウは限定配信の“ふるびたかいず”があり、かつミュウを捕獲していない中古のエメラルドを引き当てるしかありませんでした。

まぁ普通に考えたらあるわけないので引き当てても改造ですね(未捕獲で売るのは不自然)

実質入手不可でしたが、最近すごいバグが見つかって、簡単にエメラルドでミュウがいる“さいはてのことう”にテレポートできるようになりました!
エスパーの力ってスゲー!!

というわけでわたくし、りんごうさぎは新作そっちのけでエメラルドを買いに走り、バグ技習得に勤しんでいました。
エメループ(エメラルドの乱数システム)もいまさら勉強しましたよ()

結論から申し上げますと行けました。しかも1日で成功!
わりと簡単でした!
とりま通常色のおくびょうなみゅーちゃんを粘ってコピーバグで量産! 
手持ち全部みゅーちゃんのみゅーちゃんハーレムだ!!(あほ)
昇天しましたね(あへ)

現在真のみゅーちゃんに会うべくカナシダトンネルで色違い探してます。
70程溶かしてまだ会えません(血涙)
先にポケルスが出ました(察し)
そもそも色乱数に自然遭遇の色違いがいるってこれもうわかんねぇな?
一見乱数意味ねぇですが性格練るためです(真顔)

ということでみゅーちゃんに会いたい方はエメラルドとダブルスロットできるDSliteとかを用意しましょう。最新作に送るにはDSは二台いりますが2DSか3DSあればいけるはずです。
あ、ミュウは内定もらってるので安心してください(ニッコリ)

エメラルドは地味に高くなってて、昔は500円とかもありましたが今は3000円とかですね。
自分は安いの見つけて2000弱で買いました。
Liteは1万弱するかもしれません。
自分は上画面死んでますが昔のがあったのでそれ使いました。
パルパークはミュウだけなら目隠しでも攻略出来ます()
送る時しか必要ないので基本的には目隠しプレイはしないですけどね。

肝心のやり方は“さいはてのことう”とかで検索すれば色々出ると思います。
Youtubeにアップされてる解説動画が個人的には一番わかりやすかったですね。
やる方はしっかり調べてからしましょう。

ということで新作発売日にエメラルドの宣伝乙でした。

なお、バグ技の話なのでそういうのがキライな方はすいませんでした。
ちなみに自分はバグ技・乱数大好きです(廃人)

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