Another Trainer   作:りんごうさぎ

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「C-2」は特攻の能力変化が2ランクダウンの意味です


10.己が手でとれ 求むものなら

「作戦をまとめるぞ、時間がない1回で聞け。まず、グレンと今あなをほるを覚えさせたジュンサーのウインディで落とし穴をできるだけ多く作り、できれば奴らをそこへ誘導して拘束してくれ。ピッピにんぎょうを持たせたブルーの方はポケモンでボスゴドラを引きつけ、印をつけてあるこのポイントに誘い込む。奴らが来たらすぐに俺が倒し、片っ端から捕獲、最後に落とし穴の方も回収に向かう。以上だ。地形は頭に叩き込んどけ。万一のため俺の回復道具は多めに渡しておく。いいな?」

 

 群れは基本ブルーに誘導させて俺が待ち構える所に集めて一網打尽。無数に“あなをほる”で落とし穴を作りそこに目立つようにピッピにんぎょうを置くことで抜けてきた取りこぼしに対処。俺がきっちり仕事すればこれで何とかなるはず。

 

 最初、ジュンサーはランクが4しかない俺の実力に懐疑的だったが、タケシの取り成しで今は従ってくれている。タケシの物分かりが良くて本当に助かった。

 

「ねぇ、ホントにわたしも行くの? さすがに怖いわよ」

「そうだな、たしかにブルーちゃんには荷が重いかもしれない」

「タケシさんがそう言うのなら私も反対ですね」

 

 ブルーはまだ足が竦むらしい。こんなところで立ち止まっている暇はない。俺が焚きつけてやるしかないか。

 

「逃げるだけなら十分可能だ。言い忘れたがボスゴドラはかなり動きが遅い。スピーダーまで用意している以上、逃げるだけなら出来ないなんてことありえない。ブルー、これはお前のためでもある」

「ほ、本当?」

「俺のことがどうしても信じられないのか? さっき部屋で言ったこと、忘れてないよな? 俺の言うことは従え。どうしてもイヤなら弟子なんてやめな。……それに、お前ならできると俺が判断したんだ。絶対にブルーならできる。お前が本気で上を目指すなら、俺に頼るだけじゃなく己の力で這い上がってこい」

「ぐっ、うう……それは……ええい、わかった。だったらやってやるわよ! こんなとこで足踏みしてたらあいつらに追いつけない。絶対何とかして生き残ってやるわ!」

 

 案外あっけなく説得できたな。今にも泣きだしそうな顔には行きたくないと書いてあるが、弟子をやめる方が重大らしい。今後もあの約束を引き合いに出せばすぐに丸め込めるだろう。

 

「それでこそブルーだ。お前はとにかく逃げることだけ考えろ。ピッピにんぎょうの効果は強力だからずっと追いかけてくる。どうしてもヤバイと思ったら捨てろ。あと、何があっても俺の指示には必ず従え。たとえ自分のポケモンを見捨てて逃げろ、とか言ってもだ」

「そんな! 無理よ!」

「わかってる。そんなこと言うつもりはない。だがそれぐらいのことでも指示には従え。乱戦になることも考えられる」

「……わかったわ。うん、わたしはシショーのこと信じてるから」

 

 迷いのない眼。これなら連れて行っても大丈夫だな。タケシとジュンサーも上手く言いくるめておいた。おっと、あともう1つ先に手を打っておく必要があった。欲しいものは自分の力で手に入れる。それは俺も同じ。

 

「すまないな、君達をこんなことに巻き込んでしまって」

「気にしなくていい。俺達にとっても強いポケモンと戦ういい機会だ。いきなりのSランクだが、俺達にはこれぐらいが丁度いい。普通の依頼じゃつまらないからな。ああ、報酬は期待させてもらうぞ?……町を救われてケチ臭いことは言わないだろう?」

 

 タケシは苦笑いしながらも期待してくれていいぞ、と言った。俄然やる気も増す。俺は走って誘い込みポイントに向かった。

 

 ◆

 

 現場に着いてすぐ、アカサビに準備をさせて、念のためイナズマをブルーと一緒に行かせた。ブルーの言うことなら聞いてくれるし、速いし、電気技なら万一の時には戦力にもなる。これで大丈夫のはずだ。なんだかんだ言って、自分でも少しは心配ではあったからな。ほんとはサーチ能力もある俺自身が行きたかったが、倒す役が俺にしかできないから仕方ない。

 

「ダース!」

「来たか……来るぞ、構えろっ」

 

 イナズマの声だ。ボスゴドラの足音に負けないように俺はメガホンで掛け声をした。ここにはあらかじめピッピにんぎょうを大量に置いてある。近くまで来ればブルーではなくこっちへ向かってくるはずだ。

 

 四方を高い岩壁に囲まれた袋小路に大量のボスゴドラを連れたブルー達が迫ってきた。ブルーは袋小路に入る前にピッピにんぎょうを捨ててコースを外れて岩壁の外に。ピジョンはイナズマを乗せて壁の上に、フシギソウもツルを使い上がってきた。

 

 狙い通りボスゴドラは設置しておいたピッピにんぎょうに向かってきた。こっちに気を取られている隙にボスゴドラの背後からアカサビが強襲した。見事に伏兵が決まった。

 

 使った技は新技“かわらわり”……前のジム戦で技の範囲の狭さを痛感し、わざマシンをデパートで買っていたのであの後覚えさせた。今は手持ちが少ないから技の種類で補うしかないと考えてのことだが、さっそく役に立ったな。

 

 攻撃6段階アップの“かわらわり”は強力で、一撃で敵を倒す。アカサビが通った後には倒れ伏したボスゴドラの山。恐ろしい速さで次々に敵を蹂躙する様はさながら鬼神の如く。

 

「ええっ! ウソでしょ、なんなのこの強さ!? 信じられない!!」

「万全の準備をして相手の不意を突けば、これぐらいはあいつなら出来て当然。試合と喧嘩じゃ、喧嘩の方が本気を出せるってこと」

「あ、もう全滅した。す、すご……ねぇ、本当にシショーって何者なの? か、神様?」

「つまらん冗談を言う暇があったら早くまた集めてこい。次は大分近づいているはずだろ。ああ、グレン達のルートは避けろよ」

「……わかったわ。調子に乗ってやられないでよっ」

 

 そう言ってブルーは次の獲物を探して走っていった。発破をかけるならもう少し上手く言えないもんかね。

 

「おつかれ。もう効果が切れかかってる、またつるぎのまいだ」

「サイッ」

 

 能力変化は長時間経過すると効果が切れていく。だから定期的にかけ直す必要がある。

 

 準備する間にボスゴドラを回収。数にして15ぐらいか。いったい何匹いるのか。大量発生はほんとに数が多いからな。何事もなければいいが…

 

「たすけてええええーーー」

 

 グレン Lv31

 実 104-102-61-73-54-102  C-2

 

 

 やっぱそうもいかないか。この声は落とし穴ペアのジュンサーか。相当な数に追われているな。仕掛けの最中に群れとエンカウントしたってところか。グレンは特攻が下がっている。これは1回交戦しているな。戦ってよくここに戻って来られたな。だがあれじゃ横に逸れるのは無理か。仕方ない。

 

「ジュンサー、持ってるピッピにんぎょうをすべてグレンに預けて横へ逸れろ。グレンはおにびでさらに気を引け。十分引きつけたらしんそくでこっちに来い」

 

 すぐに指示を聞いて動いた。グレンは上手く引きつけてボスゴドラを岩壁の中に誘い寄せ、ジュンサーはグレンのおかげで命からがら逃げのびた。当然グレンは崖の下で動けなくなるが、俺がボールに戻して事なきを得た。さらにボスゴドラ達がグレンという目標を見失った瞬間、敵の後ろをアカサビが強襲、すぐにケリはついた。さっき以上の数だったが無事に殲滅完了だ。

 

「シショー! ヤバイわよこれーっ!」

「ブルーがもう来たか。早過ぎる」

 

 さっきの群れを倒してまだ間もないっていうのに、遠くでブルーが叫んでいる。準備は出来ていないが助けに行かないとマズイか。それを見てジュンサーが一言添えた。

 

「このポケモン達みんな気性が荒くて、私達を見ただけですぐに追っかけて来てどうにもならないの。1回攻撃されて交戦して……」

「グレンがオーバーヒートで倒したんだろ?」

「えっ、なんでそんなことわかるの?」

「トレーナーならポケモンの状態を視ればわかる。さて、お前ら悪いがもうひと働きしてくれ。グレン、アカサビ、行くぞ! これを使え」

 

 能力を“プラスパワー”などの道具で無理やりすぐに上げ、ボスゴドラを迎え撃つ。奇襲は無理だ。正面からになるな。

 

「アカサビに敵を集めろ。他は倒そうとしなくていい。グレンはいかくしつつ撹乱、イナズマは攻撃を躱しながらあくびを撒いて、ブルーは手持ち2体を出して戦わさなくていいから周りをうろつかせて注意を引け。ギリギリ向こうから攻撃されない位置を保てよ。ジュンサーはそいつにブルーを拾ってくるように言ってくれ」

 

 さすがに正面からだと少し厳しいか。誰かがやられたらジュンサーのウインディが回収し、“げんきのかたまり”で復活させなんとか戦線を繋いだ。

 

「あなたどれだけ回復道具があるの! 本当にただのトレーナー?!」

「だから普通じゃないって言っただろ! それよりまたフシギソウがやられた、連れてきてくれ」

 

 だが、着々と敵の数は減り、上手くアカサビを中心とした策がハマっていた。余裕が出来て空気が緩みかけたとき、予想外の事態が起こった。敵の増援だ。

 

「これだけやっつけたのにまだいるの!」

「あのボスゴドラヤバイわよシショー! 多分ボスじゃないの?!」

「お前にしちゃ勘がいい。その通りだ。レベル48、技もヤバイ。最初に捨てられたオリジナルか……こいつが元凶だな」

 

 “ふぶき”“かみなり”“だいもんじ”と見事に技マシンで覚えるものばかりの上、努力値もあるから間違いない。増えたのは15体。今いるのが5。合わせて20か。連戦で今日1番きつい。数も多い上に不意を突かれての正面衝突。その上戦闘時間が長引き過ぎてアカサビのプラスパワーが切れかかっている。こうも悪条件が重なるとさすがに厳しい。

 

「いったん守りに入る。とにかく時間を稼げ。ウインディ達は一度ボスゴドラを外に誘った後あなをほるで足止め。ただしこのスペースの中ではするな。悪路をつくって自滅しかねない。フシギソウはやどりぎのタネを当ててから即逃げて、余裕ができたらねむりごな。ピジョンはさっきよりも多めにリーチを取っていつでも避ける準備をしながらまた空中から気を引け。かみなりやふぶきに気をつけろ。アカサビは戻ってみがわり使った後つるぎのまいを積みなおす。イナズマは気を引きながら余裕があればあくびだ」

 

 すぐに動き出した。上手く気を引いてくれるがさすがに全部を処理しきれず、数に呑まれてイナズマとフシギソウがやられた。一発が致命傷になるだけにやむを得ないところではある。そして数が減れば残りへの負担が大きくなる。もう崩壊寸前か。

 

「グレン、右にオーバーヒート。ピジョン、もっと奥に誘い込め」

「もうダメよ、持たないわ! きゃあっ! こっちにも攻撃来てるしここも危ない! もうアカサビさんを出して!」

「攻撃力が足りない、まだだ、あと少し。今出せばアカサビもやられて本当に終わる。もう回復薬も尽きた」

「そんな! でもこのままじゃ!」

 

 もう残りはグレンだけ。上手く逃げているがもう避けるので精一杯だ。完全に手詰まり。万事休すか?

 

「ゴローニャ、じしんっ!」

 

  この声はっ……!

 

「タケシか、しめた! まもるだ!」

「タケシさん、回復が間に合ったのね! 九死に一生ね、助かった!」

 

 絶妙なタイミングで放たれた“じしん”でいくらかは倒れた。敵が奇襲に動揺しているうちに時間も稼げた。タケシ、本当にいいとこで来てくれた。これで準備は整った。出番だぜ……!

 

「待たせたな。いけっ、アカサビ! 蹴散らしてこい!」

 

 そこからはアカサビの独壇場。全て一撃で気絶させ、あっという間に殲滅した。あとは親玉だけだ。

 

「残るは大将のみ。行くぞ?」

 

 ボスゴドラは“ふぶき”を繰り出すがアカサビは1番最初にみがわりを使っている。効きはしない。構わずに突っ込ませて脳天に“かわらわり”をお見舞いし全て片付いた。何とかなったか。振り返ればタケシが笑顔でこっちに来ている。まぁこの人は基本常に笑顔だが。

 

「見事だな。恐ろしいぐらいに強い。これでニビは助かった。町を代表して礼を言うよ」

「こっちこそ、さっきは助かった。あの援護がなけりゃ全滅していた。タイミングばっちりで威力も全体技と思えないほど申し分なし。さすがジムリーダーだな」

「タイミングは偶然だ。最初は反対側を回っていたがこっちにポケモンがあまり来てなかったから気になってな。じしんをまもるで回避した判断も良かったし、ピッピにんぎょうとあなをほるの策も上手く行ったみたいだ。君にはトレーナーとして尊敬する。すばらしいトレーナーだ」

 

 互いに健闘を称え合っているとブルーも首を突っ込んできて調子のいいことをのたまい始めた。

 

「そうでしょそうでしょ! ほんっとにシショーはすっごくて、ここでもボスゴドラをばっさばっさとなぎ倒して、相手も味方も全てお見通しで……わたし、一生シショーについていくわ!」

「ハイハイ、ありがとブルー。でも一生はついてこないでくれ。むしろ困る。あと怖い」

「むっ! ちょっと、その言い方は何? シショーどんだけすごいかホントにわかってるのっ! あと人を疫病神みたいに言わないで」

「じゃ、やっぱりストーカー?」

「ストーカー違う!」

 

 ブルーをあしらいながら罠のポイントに向かいボスゴドラを回収。ほとんど俺達のいた場所に集まっていたようで討ち漏らしもいないようだ。これでSランク任務は無事成功。その後町に戻ってから俺は報酬を受け取り、さらに俺は上手く交渉をしてトレーナー手帳をもらえることに。最初から狙いはこれだった。

 

 こっそり裏で取引したからブルーには説明していない。まあトレーナー手帳がないなんて普通じゃないから詮索されても困るし、あんまり知られたくもない。伏せておくのが無難だろう。

 

 色々あったが、元はといえばトレーナー手帳がなくてイライラしていた時にブルーに会ってここまできたのだった。回り回ってブルーに会ったことがその手帳を得るきっかけになるとは、世の中わからんもんだ。案外ブルーとは最初から縁があったのかもしれない。不思議とそんな気がした。

 

 ◆

 

 翌日、ポケセンに預けていたグレン達を迎えに行った際、ブルーに報酬の話を嗅ぎつけられてしまった。

 

「お預かりしていたポケモンはみんな元気になりましたよ。例の件は明日にはできますのでそれまでお待ちを」

「ああ。どうも」

 

 そのまま外に出ようとするとブルーに聞き咎められた。

 

「ねぇ、シショーはもしかしてまだ何かもらえるの? ずるーい。わたしにはなんにもないのにー」

「別に何でもない。それに、報酬がないというなら、そもそもお前はなんにもしていないだろう。俺はあの後の事後処理とかも色々手伝っていたんだ。わかってんのか?」

「そりゃそうだけどさぁ。いきなりあーんな怖いポケモンの群れに放り込まれて死にそうな思いまでしたのに骨折り損って感じなんだもん。もちろん町の人達にお礼とかたくさん言われて嬉しかったけど、釈然としないっていうか……」

 

 こいつ、自分がどれほどの恩恵を享受しているかわかってないな。努力に見合う対価はちゃんとある。ムダなことなんて何もない。

 

「まさか本当に意味もなくお前をつれていったと思っているのか? 一生ついていくとか調子いいことばっかり言ってたくせに、その割には俺のこと信用してないらしいな。度胸試しであんなことするかよ」

「え、わたしを試していたとかじゃないの?! やっぱりなんか理由があるのね! なんなのなんなのっ!?」

「質問を返すようだが、駆け出しが1番苦労するのはなんだと思う? 俺は経験してないが、おそらくポケモンを育てる際に1番難しいのは最初のレベル上げ。経験のないトレーナーが格上に勝つことは難しいはず。今まで見た感じこの予想はそうは外れてないだろう。違うか?」

 

 レベル上げにはやはり格上を倒す必要が出てくる。できなければとてつもない時間を要することになる。何事も初めの一歩は最も難しいものだ。

 

「そうよ、そこが最初の難関。2番目がレベル30台の壁、と言われているわ」

「だろ? だから、そこをとりあえず超えさせてやった。これでお前は晴れて駆け出し卒業というわけだ。おめでとさん」

「…………え? どういうこと?」

「お前のポケモンはもう大幅にレベルアップしている。フシギソウはレベル27、ピジョンはレベル28。お前のライバルに追いつくにはゆっくりしていられないからな。今回の事件はお前のレベル上げに持ってこい、まさに天の助け、天恵だ。これをみすみす逃すようでは話にならないだろ? 結果的に上手くいってよかった」

 

 しばらくぼけーっと固まったままだったが、理解が追いついたのか突然絶叫し、モンスターボールを持ってポケセンに駆け込んでいった。しばらくしてようやく戻ってきたかと思えばものすごい勢いでとっしん、もとい、抱き着いてきた。

 

「しっ、シショー、ありがと、わたしこんな、レベル……」

「ブルー、この程度で泣いていたらこの先もたないぞ。それに、その成果はお前自身で勝ち取ったんだから、そのことは誇っていい。さて、ここを出発するまで一日暇ができた。その間に大事なことだけお前に教えといてやる。草むらのあるところに行くからついてこい。俺の教えは厳しいから覚悟しろよ」

 

 もちろん本当のことを言えば、ブルーがレベル上げをできたのは完璧なお膳立てがあったからだ。倒すのは全てアカサビがやったし、倒れても俺が何度も回復させた。ブルーのポケモンは守ったり回復させたりする必要がありどちらかというと戦力的には負担になっていた。だからブルーのレベル上げをしなければもっと楽に勝てていたのは間違いない。

 

 だけど今それを言う必要はない。ブルーはトレーナーを一度は諦めかけた程追い詰められている。それが必死の弟子入りに繋がったわけだしな。なら何と声をかければいいか。

 

 どん底にいるブルーに今必要なのは自信だ。まやかしでも偶然でも、とにかく何でもいい。とにかく強くなったと思わせること。自分の力を信じさせること。それが1番の特効薬になる。

 

 たとえ今はウソだったとしても、それがいつかは本当になる。

 

「シショー……うん、わかってるわっ! こんなところで立ち止まってる暇なんかないっ。教えて! わたしすぐにシショーなんか追い越してやるからっ!!」

 

 ニヤリ、と思わず笑ってしまった。自信は出てきたかな。本当に俺を超えるぐらいの気概がなきゃ、教える張り合いがないと思っていた。実力差は十分痛感しているはずなのに、それでも最初からここまで大言を吐けるなんて大したもんだ。やっぱり大物になりそうだな。

 

「それは楽しみだ。骨のあるトレーナーがなかなかいなくて退屈していたからな。お前が強くなれば、少しは楽しめるかもしれない」

 

 ブルーがどこまで行けるか、しっかり見届けてやるとしようか。

 




経験値とレベルの補足

経験値はポケモンが倒れたときその周り一定範囲内にいるポケモンに均等に分配されるという仕様にしました
ゲームの「何もしなくても一瞬顔をだせば経験値」は現実でやるとすごいことが起きると思ったからです

 1.AとBが会う(戦闘画面で対峙することに相当)
 2.Aはボールに戻し、何もせず三年後、初めてBが戦闘不能になる
 3.三年後突然Aのレベルが上がる

戦闘に開始も終了もありませんので「戦闘終わってるから無効」とかそういう理屈は通じません
開始終了は人間が勝手に決めたこと、自然法則には影響しない
このため、究極のところ、大量のポケモンとすれ違うことで爆発的な経験値稼ぎができます
研究大好き主人公ならぜっっったいにやります
ヤバ過ぎます

なので……
「戦闘中」という時間の区切りがないのがマズイので倒れた瞬間近くにいるポケモンに経験値が入るとすれば問題解決
倒した貢献度は状況により異なるので倒した奴だけ経験値が入る、というようにしても結局労せず経験値だけ得ることは可能になってしまいます
なのでそこは割り切って一律均等に分配することに

つまりこの仕様でも何もしなくても近くにいるだけで経験値稼ぎはできますが、それは学習装置で経験値稼ぐのと似たようなものですしチートとまでは言えないのでセーフという判断です

レベルの「すれ違いアップ」は鬼のような効率叩き出すのでダメ
厳密には将来的に獲得される経験値を盗んでるだけなので非生産的ではありますが


また、経験値にはレベル差補正を考慮しています
BWとかはこの仕様だった気がしますが、相手のレベルが自分より高いと多目に、低いと少なめになるというものです

採用理由はレベル上げに才能が必要になるようにしたかったからです
この仕様がないと年月さえかければ誰でもポケモンのレベルを100まで上げれることになります(チャンプでも60とかなので現実と矛盾)
こうなると、ゲームのように才能よりプレイ時間でレベルゲーが始まります

要するにどんなことが起きるかというと、変な話、ポケモンリーグが達人とかベテラントレーナーで溢れかえって、レッドみたいな子供は完全に締め出されます
トレーナーの全盛期が齢70代のゲームとか誰得ですか?

なので格上を倒せないとレベル上げが著しく困難になるとしました
これがレベルを上げるうえで壁ができて、30以上はあげにくい、最初の入門が難しいという設定につながり、四天王などが50台などでレベルが止まるのも説明がつきますよね
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