大部屋を越えて一拍置き、目の前の階段を見て周囲にも気を配り警戒し直した。……ここにもなんかありそうだな。ただの階段と思って油断できない。階段に罠は付き物だし。ポケモンは……うげぇ。それなりにいるな。ビリリダマとかがいる。というか埋まっている。ここ本当の地雷原みたいになってんな。こわぁ。挑戦に来た奴をどうしたいの? 爆殺?
呑気に階段を登ろうとするブルーを引っ張って引き留めてから声をかけた。
「ブルーちょっと待て」
「何よ? まさかここにもなんかあるの?! もういい加減にしてよ、休む暇も与えないつもり?!」
「俺にやつあたりするな。ここにもヤバイのがある。さすがにいちいち相手にしていたらキリがない。さっきは壁があったが今はないんだ。ユーレイにつかまって建物と接触しないようにしながら俺達を上に運んでもらおう」
今まではユーレイの出番がなかったが、ここからはフルに使えるはずだ。すり抜けができる偵察役は心強い。
「あ、なるほどっ。シショーってこういうズルすることにかけては天才ね」
「ズルばっかりで悪かったな。俺が先に行って様子を見ておくから後から来い」
2階に上がると長い廊下に続いていた。特に扉などもないし、突き当りまで行けば道が曲がっているのだろう。幸い廊下の上と下には仕掛けはなさそうだ。少なくともポケモン絡みの罠はない。
「シショー、来たわよ」
「よし。ユーレイ、ちょっと先がどうなっているか調べて来てくれ。絶対に建物とは触れるな。ポケモンが出たらシャドーボールで迎撃していい」
「ガッ!」
偵察に向かわせたユーレイの報告を待つと、曰く、ここから見える突き当りの先はただの行き止まりで、俺達から見えている空間がこの階の全てだと言う。
「どういうこと? まさかわたし達道間違えたの? ここに来てやりなおしはイヤよ?」
「それはないな。ユーレイ、建物の内側、こっち側の壁をすり抜けて部屋がないか見てくれ」
「ガー? ……ゲェェェ!」
「びっくりしたのはわかったから。とりあえずあったってことだな、その声は?」
「ガッガッガ!」
そのリアクションやたらと気に入ってるな。俺の反応が面白いのか? ……もしこいつまでここの罠に協力させたら数段難易度上がりそうだな。ユーレイは人間を7階から平気な顔で落とす畜生だから容赦もしないだろう。あれは忘れない、一生。
部屋はあるってことは、ここはオーソドックスに隠し扉があると考えるべきか。なら壁を調べて行けばいい。今までの罠の過密具合を考えると調べるのは怖くなるところだが、特に印になりそうなものもない。判別は無理。どうするか。
そもそも、この壁は罠を仕込んでいるとは考えにくい。扉があるなら罠を仕込むほど壁を厚くはできないはずだからだ。
1階と違いヒントが全くないことからしておそらく故意だ。あのとき床に違いがあったから、逆に今後も扉があれば何か目印があるという先入観ができる。だから何もないところを触る気は起きない。1階のあれもやはり伏線だったのだ。
ここの狙いとしては度胸試しってところか? 罠を恐れず調べないと一生前に進めない。恐怖に縛られると最悪ここで堂々巡りに陥る可能性もあるな。人によってはこれこそ最も難しい試練になり得る。
「この辺りかな?」
「ちょっとシショー、なにトチ狂ってんの!? そんなところうかつに触ったら何が出てくるかわかんないわよ!」
「大丈夫……おっ、この感触! やっぱりだ、開いたぞ?」
廊下の真ん中辺りで壁を押し込むと回転扉が動いた。思った通り周りを触った時も何もなかった。こんな試し方までしてくるなんてな。楽しませてくれる。それに罠の仕掛け方にも好感が持てる。
「もう、なんもなかったからいいようなものの、なんかあったらどうする気なのよ! 一声ぐらいかけてからやってよ!」
「そういうことにはならないんだよ。下の階でこの罠作ってる奴の性格はほぼわかった。つまらない罠は仕掛けてこない。そして必ず罠は避ける方法を用意してくる。だから隠し扉を見つけるために壁を調べても罠は出てこない。逆に反対側の壁と突き当りのところには大量に罠があったはずだ。特に廊下の突き当りにはな。それをくらったらもうここは罠だらけじゃないかと疑心暗鬼になる。1階を踏まえればなおさらだ。だから罠に慣れてくるこのタイミングであえて罠を仕掛けなかったんだよ。な、ここには不要だろ?」
「な?って言われてもそんなことまでわたしにはわかんないわよ! とりあえず、これ仕掛けた人もシショーに負けず劣らずの性格しているのだけはわかったけど」
「そりゃないだろ。ここはもうちょっと感心するところだ。度胸試しみたいなもんだし」
「ホントなのかしら。じゃ、この部屋はどうするの?」
回転扉の向こう側。今度は見るからに仕掛けがありそうだ。もちろんあからさまにヒモが天井から垂れている、とかはない。部屋が連なっていてそれを隔てる仕切り、障子はあるが全て開いており、いくつもの部屋が合わさり大部屋になっている。
見通しはいいから端まで見えて、全部合わせれば屋敷の広さと同じぐらいの広さだな。建物の大きさ的にゴールは3階ぐらいが屋上のはず。この上にジムリーダーはいる。つまりここが最後の山場だ。
サーチするとポケモンはいるが比率的には今までより数は絞られている。となると……
「先鋒はお前だ! いけ、ピッピ!」
遠くに5体程投げると内2つが罠の餌食に。1つが吊り天井でぺちゃんこ。もう1つは竹槍で突かれて串刺しに。右隣の部屋は天井が落ちたままで完全に行けなくなったな。
「うわぁ。むごいことするわねぇ」
「人形だから構わないだろ。それより、これで普通の罠もこの部屋にはてんこ盛りとわかった。動けないな」
「ムダな罠はないんでしょ? じゃあ案外あっさりいけるかもよ?」
「いや、この感じだと今回は逆だな。さっき案外罠はないところを見せて、こっちにそう思わせたのだから、今度はその逆で罠は多目だろう。普通の罠は見てから対処するしかないのがキツイ。1つ引っかかると連鎖する可能性もある。うかつに逃げたら別の罠にもかかったなんてことになればもう目も当てられない。ここは強硬手段でいかせてもらう。ユーレイ、俺が指示するから言われたところ調べて来て」
ポケモンがいないところを隈なく調べてもらうと、吊り天井と横の壁から竹槍、下の階を経由してベトベターまで直通の落とし穴もわかった。しかも部屋同士のしきりは空いているように見えて見えない壁も所々あるらしい。当然足場のスイッチも健在で、ビリリダマも埋まっている。今までの罠が盛りだくさんだ。加えて、よくわからない仕掛けみたいなものもまだあるらしい。端に多いようだ。逆にポケモンは中央に集中している。
「ユーレイがいるならさっきみたいにつかまって浮いていけば簡単に抜けられる気はするな。問題は仕掛け人がそれを見越しているかどうか。……そうだ、階段はどこにある? 先に探してきてくれ」
これが見つからない。部屋の中にはどこにもないらしい。
これだけ区切られていて、かつ罠を捌きながら、となればどこを調べたかはいちいち把握しきれない。まさかこの部屋全てハズレとは思わないからこの罠地獄を全て調べるはめになる。下手したら同じところを回り続けることもありえる。本当に性格が出ている。
どこかに階段を出す起動スイッチがあるとかだともう最悪。みつからない階段……なんとかならないのか。階段は隠れているにせよどこかにはあるはず。今度は壁の外も含めて探させるか。
「ゲーン」
「あったのか!? ……屋敷の外?!」
「屋敷の外に階段って、もうなんでもアリね。それ誰が気づくの?」
「しかもジムの表から死角になる裏手に用意しているから本当に徹底している。運の悪いことにここから正反対だから遠いしな。ワンチャン灯台下暗しで近場に、なんて考えていたが甘いか」
最初に裏手に回っていれば気づいただろうが、そんな奇特な人間いないだろうしな。そもそも入る前はカラクリ満載とは思わなかったし。
「外にはどういくのよ?」
「隠し扉だろうな。ある前提で探さないと見つけられないからオーソドックスだが効果的。あとはここを超えるだけ。壁で仕切られてないからユーレイで飛んでいけるが、やっぱりこれは罠だな。ゲンガーは想定されている気がしてきた」
「なんでよ。今まで使い放題だったじゃない?」
「今まで全てが伏線だな。まさにそう思わせる罠だ。そもそも仕掛け人は絶対にゲンガーを知っている。それどころか熟知している可能性が高い。そのことを今思い出した。だからゲンガーで簡単に攻略はできないはずだ」
気になった切欠はユーレイをしてよくわからないと言わせしめた謎の罠。今までとタイプが違う罠があったなら、それはゴーストタイプなどで浮いて行こうとする人間を狙い撃っている気がする。
そもそもこの罠を作ったのは誰かってことを考えてみたら、間違いなくジムリーダーのキョウ。奴の専門はどくタイプ! ならゲンガーもその範囲内だ。だから想定されていないはずはない。今までは偶然何もなかっただけ。それが今後の保証になるわけはない。なら罠はあるとして、どう仕掛ける?
……罠は空中にあるな。間違いない。浮いて進んだところに恐るべきトラップを用意する。ユーレイがよくわからないといっていた罠。それが起動するはず。そしてそれを使えば恐らく真ん中に追い詰められると見た。あのポケモンの密集具合は今まで楽した分ツケを払わせようって魂胆だろ。落とし穴もあるから一階からやりなおし、それも迷宮の中からってことにもなりかねない。
「まさかそんなっ! でもシショーがあると読み切ったならそうなんでしょうね。じゃあどうするの?」
「おそらく空中に何かある。それを解除すればいい」
「空中ですって? 何も無いところにどうやって罠なんか仕掛けるの? そんなことあるわけないわ」
「視認できない空中の罠といったら、これはもう見えないピアノ線としか考えられない。ま、ピアノ線までいかなくても、糸かなんかあるのは間違いない。それが罠のトリガーになるんだ。割とよくある定番だろ」
「定番? 忍者の定番ってこと? シショーはなんでそんなこと知っているのかしらねぇ。それじゃ、その定番の罠の対処方法はどうするの?」
「わかっていれば簡単。軽くて目につくものをばらまけばいい。水でもまけば十分。水のしずくが残って反射するから見やすくなる。ピアノ線がありそうな場所もだいたい見当はつく。このフロア、なんでこんな小部屋に仕切られていると思う?」
「吊り天井のためじゃないの? 屋根全部落とすわけにいかないし。あとさっき言っていた見えない壁も」
「その辺はカモフラージュだな。本当の目的はピアノ線を張るためだ。その辺の罠は仕切りがなくても問題はない。なんとでもなる。だが、ピアノ線は違う。この大部屋を横断するような長い仕掛けを張ると他の仕掛けとミスマッチになる。罠の配置に制限ができる」
「じゃ、細かくピアノ線を張るために部屋の区切りがあるのね。つまり部屋と部屋の境界のところに注意すればいいってこと?」
「そういうことだ。簡単な推理だろ? 念のため俺が先に行く。お前は後だ」
「簡単……?」
用心しながら水をまいて進むとちょっと気が緩みそうな頃に唐突に仕掛けが現れた。最初の目に届く範囲はピアノ線がないのがいやらしい。見えない壁で進路を曲げたのは遠回りさせるためというより、反対側へ行く経路を直線から外すためだったのか。ほんとに考え込まれているなぁ。
ブルーも同様にして連れて来て、反対側の壁の前に立った。隠し扉探しはユーレイのおかげで階段の位置がわかっていたので、その周辺を徹底的に調べた。壁の厚みからして罠はないから遠慮なく調べて回り、やはり隠し階段の近くで隠し扉を見つけた。
「なら階段の横のこの辺りに……あった、隠し扉」
今度はスライド式だ。取っ手もなし。これじゃあることを確信していないと一生見つかりっこない。1階でスライド式じゃなかったのはここで取っ手を探させるためか。まともに見つけるとなればいったん外に出て屋敷の周りをグルっと一周するしかない。そんなことにならずに済んで良かった。
「めっちゃ開けづらいわね。これ、あるのがわかってないと気づかないでしょ」
「そういうことだな。うわぁ、本当に外だな。おそらくこの隠し扉は階段の位置を裏に回って確認することが前提で作られているんだろうよ。あるいは壁を叩けば厚みはわかるから、薄いところをしらみつぶしに開けようとするとかかな。スライド式であることに気づくのしんどいけど」
「常人の考えることじゃないでしょ。そもそも外に階段っておかしくない?」
「たしかに、よくこんな場所に階段作ったなとは思う。というか、ここからも階段まで若干距離があるんだが」
「飛び移れる距離でもないわね。中からだとジャンプしにくいし。落ちたら……高っ! ここめっちゃ高いじゃない! 落ちたらただじゃ済まないわよ!」
ブルーの言葉に違和感を覚えた。確かにかなり高いのは見たらわかるのだが、なんか変な気がする。何か忘れている?
「……おい、ここ2階じゃなかったか?」
「あれ? そういえばそうね。でもけっこう高いわよ?」
「錯覚させるために裏側だけ地面が異様に低くなっているのか? いや、そんなことすれば入る前に目立つんじゃないか? 多少は地面を低くしてそうだがここまで落差があると全部そのせいとは考えにくい。もう1つ、もっと簡単なトリックがある気がする……あ、錯覚というより屈折か!」
「いきなり何わけわかんないこと言ってるのよ」
「光の屈折だ。お前、水の中に物を置いた時とか、水中って思ったより浅く見えたことってないか?」
「ああ、あるある。わたしプールが浅く見えて溺れかけたことがあるのよね。水に文句言ったから覚えてる。それが光の屈折と何か関係あるの?」
そういえばブルーはまだ中学生ぐらいの年だっけ。今は学校にも行ってないから知らないのか、物理は。常識として知っていてもおかしくないかと思ったが、賢いブルーが知らないってことは教えてもらったことがないんだろうな。水に文句言う奴は初めて見た。
「俺達が見た時の浅い深いの感覚は光が曲がってない時の感覚をそのまま感じてしまう。だから光が水中で曲がった分浅いと錯覚する。同じ原理で今俺達の視線を特殊な透明なガラスかなんかで遮っているから屈折が起きて錯覚を受けているのだろう。下側がレンズになっているのかもしれない。だとするとここに足場が……」
「あ、危ない!」
「大丈夫、ホラ、ここにガラスがある。これに乗れば階段まで簡単に行ける」
「見えない壁の次は見えない足場? もう何でもアリね」
「けっこうこの足場広いから落ちる心配はなさそうだ。ユーレイの手を借りるまでもない。早く来い」
着いた着いた。ようやくここまで来たな。ここが目的地の最上階らしい。ここまで大変だったなぁ。最初はよくもやってくれたなという気分だったが、カラクリは元々キライではない性分で、仕掛けも闇雲でなく考え込まれて凝っているのが感じられたから案外楽しめるものだった。終わってしまうとそれはそれでちょっと残念に思える程だ。ホウエンでカラクリ屋敷を攻略したときもそんな感じだったな。最初はめんどいだけだったが最後は楽しくて、急に旅に出るとか言い出した時はガッカリしたものだ。
「着いたー!!……あれ、誰もいないじゃない」
「そういや何もないのはおかしいな。掛け軸に従ってここにきたのに。そういやユーレイ、ここにはずっと誰もいなかったのか?」
「ガー」
さっき見て回った時もいなかったらしい。ここじゃなかったってことか? ここまで仕掛けを用意してそれはないだろう、いくらなんでも。ならまだ何か見落としている可能性が高いな。ここは最上階屋上。上は空。下は床。周りは特になにもない。罠とかはある気配はしない。ならやることは限られるか?
「シショー、どうしよう。また戻るの?」
「いや、少し待て。まだ何かあるぞ」
――ファファファ――
「そこ! シャドーボール!」
「ガーッッ」
「おっと! 危ない危ない。お主、なぜ拙者が床下に隠れているとわかった?」
「出た忍者! ホントに床下とかに隠れたりするんだ!」
チッ! 間一髪避けられたか。もうあと何センチかで当たっていた。どさくさに紛れて本気で当てにいったのに。いや……ギリギリじゃない。身のこなしに余裕がある。わざと最小限の動きで躱したのかも。俺よりもかなりレベルが高そうだな。別にレベルなんか高くなりたくないけど。
懐かしくてカラクリ屋敷を思い出した流れで仕掛け人が床とかに隠れていたりしないかと思って注意してみれば本当に隠れてやがった。セリフもカラクリ大王みたいなこと言ってるし。
「なぜもなにも、あんた今思いっきり笑ってただろ。それよりもどういうことなんだ、ここの仕掛けは? ジムの歓迎にしちゃ、ちょっと本気過ぎないか?」
「何を言う、拙者の考えた仕掛けを次々とあっさり破っておいて。拙者の隠形を見破ったことといい、忍びの罠に精通していることといい、やはりただものではなかったようだな。サファリで見かけた時からそんな気はしていたが、久々に面白いトレーナーを見られた。愉快愉快」
愉快で片づけていいのか? 俺だからなんともなかったが他のチャレンジャーはどうしているんだ? まさかそろいもそろって忍者染みた化け物ぞろいってわけでもあるまい。
「こっちもこんなにエキセントリックなジムは生まれて初めて見たよ。随分と楽しませてくれるじゃないか?」
「ファーファッファッファ! このジムは拙者好みの忍者屋敷に改造してあるからな。なかなか趣向が凝らされていて面白いだろう?」
皮肉が通じてない。1番めんどくさいタイプじゃないか、もしかして。戦い方と同じだな。町ごと改造しようとするジムリーダーとかもいるし、案外ジムリーダーなら普通の感覚という説もあるが。
「チャレンジャーはいつもこれをやっているのか?」
「無論。しかし、最初の挑戦では最上階の屋上バトルフィールドはおろか、2階に辿り着いたものもおらん。最初は皆コンパンの小部屋で立ち往生するのが通例。運よくそこを越えても、見えずの間にて多くの者がリタイヤする。たいていは何度も繰り返して罠の場所を覚えて、仕掛けを理解し、苦難の連続に耐え抜いて、ようやく何人かがここに上がれるかどうかというところ。近頃は途中で音を上げる軟弱なトレーナーが多く、嘆かわしく思っていたところにお主の快挙だ。上機嫌にもなろうというもの」
コンパンの小部屋とかって、あれいちいち名前とかあんのかってのも気になったが、何度も繰り返すといったこと、これは大変なことじゃないか? 失敗を前提に組まれた試練ってポケモンではなかなかないと思う。ルネジムは初見では何をするのかわからなくていきなり落ちた記憶があるがそれぐらいか。もちろんこの屋敷が難易度ベリーハード通り越してルナティックっていうのは最初から分かり切っていたけど。
その割には1回でクリアするのを前提にした駆け引きもあったと思うけどなぁ。失敗前提なら、例えば最初の部屋は気配が読めなかったら全部1個ずつ覚えるとかいう感じに変わるのかな。それはそれでとんでもない忍耐が要求されそうだ。歩数で数えたりするのか? 完全に別の試練だな。
「それじゃ完全に覚えゲーと化してるのか。けっこう色々練られた罠だったしそれはそれで勿体ないなぁ。いかに罠を躱すかの駆け引きが面白いのに。……じゃあ、最近来た赤い奴と緑の奴はどうだった?」
こういう言い方だと別の人を思い浮かべそうだが、レッドとグリーンのことを指している。あいつらならなんとかしそうな気がするがどうか。
「お主よくわかっておるな。さすがノーミスクリアの実力者。赤と緑というのは、レッドとグリーンという名の少年か? それならたしかに来た。何回もやったあと屋上まで来たな。センスもあり、かつ久しく見ない根性のあるトレーナーだったぞ。ファファファ」
「久しくって、挑戦者は全員ここに来るんだろ?」
「まさか。ここに至るはほんの一握り。大多数は拙者に助けられ入口に戻されるか、これ以上進歩の見込みなしと判断すればそこまでで中断させて挑戦を認めている」
「……恐ろしいな」
やり直し前提どころか、リタイヤまで考慮されていたことが判明。こんなレベルのジムの試練をランク1から全員にこなさせるのはどう考えてもヤバイな。早々にトレーナー修行に絶望するだろう。あの2人でも1発はダメだったなら相当難度が高いと見ていい。
「むしろそれをあっさりとはいかなくても一発でクリアする人がおかしいんじゃない?」
「ブルーなんか言った?」
「別にー? それよりもさぁ、そんなえげつない仕掛けジムに作らないでよ! めっちゃ疲れたじゃない! わたしはシショーみたいに変態染みた読みとかないし普通のか弱い女の子なのよっ! あなた、今すぐバトルよ! わたしがボコボコにしてやるわ!」
疲れたっていっても、お前ほとんどついてきただけだろう? 精神的にってことなのか? 後、どさくさで人を変態呼ばわりするな。
「ファファファ、なかなか血気盛んなおなごだな。良いだろう。バトルフィールドをすぐに用意しよう。しばらく拙者の近くで待たれよ」
ここでやるのか。掛け軸でここに誘導したのはちゃんとフィールドの場所へ向かわせるためだったのか。観客席はないので離れた場所から立ったまま見ることにした。カラクリが動いて床が動き間もなくフィールドが現れた。
「では、改めて自己紹介致そう。拙者の名はキョウ! 得意とするはどくタイプ! 毒を食らったら自滅! 眠ってしまったら無抵抗 ……忍の技の極意! どくポケモンの恐ろしさ! 受けてみるがよい!」
いよいよジム戦開始だ!
ブルーが疲れたのは驚き疲れたからでしょう
先に戦ってほしかったからというのが本当の理由ですが
2階の部屋は特に名前を考えていないです
被るところなどもあって名前が付けにくいんですよね
名前を出さないことで解決しましたが
罠に関してはもう少し引っかかって悪戦苦闘するところなども見たいですがノーミスクリアしてしまったので見れずじまいですね
レッド達の挑戦記録を書いたら面白そうですね