Another Trainer   作:りんごうさぎ

5 / 146
やっとらしい戦闘が出てくる……
今まで自分が戦闘仕掛けてましたからね
今回も普通の戦闘とは言いませんが
あと後書きの補足説明が長いです


4.喧嘩上等 最初の戦闘

 グレンを鍛えながら西へ進み、かなりタマムシの近くまで来た。そろそろ戻るか。まだ育成は完了していないが、かといって長期間あの基地を留守にしたままにもしたくない。大金を抱えることは出来ないので、そのほとんどをトランクに入れたまま3人組にも内密にして基地に埋めてあるからだ。大金っていうのはどうにも人を不安にさせるものらしい。

 

「ここはもうタマムシに近いな。ここらの野生も狩りつくした感があるし、一旦3人組の様子を見にタマムシに行くか」

「ガウ?」

 

 考えをまとめているとグレンがもの聞きたげなので説明してやった。

 

「俺のいたところだ。あの町は嫌な奴ばかりだが、少しは味方もいるんだよ」

 

 しかし、基地に戻ると半月前と打って変わって滅茶苦茶に荒らされていた。爆弾でも投げ込まれたかのような有様。やっと住みやすくなっていたのに! きのみなども保管していたのに持っていかれている。何者かに襲撃されたのは明らかだ。

 

「おい……おいおいおいおい!! ふざけんなよっ……誰だ! どこの誰だっ! こんな舐めたまねしくさった野郎はよぉ!!」

 

 怒りながらも頭の中では冷静に思考を続けていた。今は状況把握に努めるべきだ。

 

 まず、トランクを掘り返して中身を確かめた。生命線のこれがやられたらおしまいだ。だが、さすがに地面を掘り返すことまではされておらず無事だった。ひとまず最悪は回避したか。これから現金はパソコンにしまうことにした。ここに預けとけばパソコンさえあればいつでも俺だけが引き出せるからな。これでマネーロストの危機は去った。一安心だ。パソコンはどこにあるものからでもいいし。

 

 次に状況を把握するため3人組を探すがなかなか見つからず、チビの自宅へ赴いてようやくコンタクトをとれた。出かける前、一応呼び出しの時のためにと思って自宅を聞き出しておいたのが幸いした。身だしなみが整えば自分から呼びに行きやすくなるからな。

 

「レイン、やっと帰ったのかい。もう野生のポケモンにやられたのかと思っていたよ」

「俺がそんなヘマするかよ。つまらん冗談を言うな」

「君の場合冗談じゃ済まないはずなんだけど……。ずいぶん恰好が変わって見違えたね。へー、こうしてみるとけっこうイケテルと思うよ。オシャレかい?」

「ハッ、それこそ冗談。変装に決まってるだろ。わざと地味な色選んでんだよ。町の奴に気づかれると面倒だからな。前がボロくて小汚い恰好だったしこれなら一目じゃ気づけないだろ。この町をうろつくときはこのサングラスもかけてる」

 

 黒の薄いタンクトップみたいなやつの上からグレーでファスナー式の上着を前を開けっ放しではだけさせたまま羽織っている。当然暑いのでこれも薄手。暑いなら脱げよと言えばその通りだが、まだ春先だし露出が多いのはイヤで何となく上着を羽織っていると落ち着く。大きめのポケットが付いていて遊ばせている片手を入れておけるし。

 

 ズボンもハーフは気持ち悪いのでロング。これもブラック。黒は日光を吸収するから白の方がいいけど、白より黒の方が好みだから仕方ない。

 

「サングラスだけなんで黄色なのさ。しかもその帽子なんなの?」

「黄色が好みなんだよ。ミスマッチで悪かったな。帽子はまぁ、特徴的なくせ毛を隠すために……」

「あぁ、あのアホ毛か」

「アホ毛言うな!」

 

 ちょっとクセではねてるだけだ!

 

「あっははー、そんなに気にすることないと思うけど……ってそういえば変装なんだったね。僕が言いたかったのはそのりんご……いや、りんごうさぎのデザインの方なんだけど」

「これ? かわいいだろ。人のファッションなんだからほっとけ! あのな、俺はこんなつまらんファッションショーをしにきたわけじゃない。単刀直入に聞くが、あの基地でいったい何があった?」

 

 さっきから妙につっかかる。こんなどうでもいい話ばかり続けてまるで話したくないことでもあるかのようだ。どうも嫌な予感がするのでばっさりと本題を切り出した。案の定チビは顔をしかめた。

 

「ッッ! もう見たのか。……実はあれは暴走族の仕業なんだ。ここの西の橋の向こうの奴らがこっちにやって来て、最近タマムシ周辺で暴れまわっているんだ」

 

 暴走族だと?……そういえばゲームでサイクリングにわんさかいたな。あれかぁ。嫌な予感が的中。やはり敵襲か。それで言いづらかったのだろう。

 

「サイクリングの奴らか」

「あれ、知ってるの? そいつらさ。元々そのサイクリングを主に縄張りにしている連中だったんだけどね。突然そことタマムシを結ぶ橋が閉じてしまった影響でこっちに締め出されているんだ。それで広いサイクリングを自由に走り回れなくなった腹いせにこっちで無茶苦茶しているんだ。おかげであの基地もやられて僕以外の2人は喧嘩でボコボコにされて病院行き、今は自宅療養。僕はバトルしたけど全く歯が立たずにポケモンはセンター行きだ。もうどうしようもないんだよ」

 

 まただ。また俺は虐げられるのか。やっと道が拓けたと思った矢先にこのザマか。

 

 ……いや、違うっ。俺は変わった。もう何物にも屈しない。どんな奴だろうがねじ伏せる。ここで一度後ろに引いたら俺は一生前に進めない。このゴミだめのような場所から抜け出すためには勝つしかない。勝って勝って勝ち続けて、俺が全ての頂点に立つまで勝ち続ける!!

 

「お前、それで諦めておめおめ引き下がれってのか? 認めねぇ、認められねぇよ。そいつらはお前らだけじゃねぇ。俺にも喧嘩を売ったんだ。俺の前に立ちはだかる奴は容赦なくぶっ倒す!! 俺は勝って未来を勝ち取る!」

「む、無理だよ。そりゃレインは強いし敵は討ってほしい。でもやっぱりダメだ。腕っぷしは強くってもポケモンがなきゃ勝ち目がない。やられちゃうよ!」

 

 こいつは臆病なのかと思ったが、頭が回る分慎重になるだけなのかもしれない。クリムガンとつるんでいたのも、そろばんを弾いた結果強い者に従って取り巻きになっていたのかと思いきや、今みたいなお人好しな発言をする。俺が暴走族にやられたら厄介者が消えるのに……変な奴。

 

「ふふ、ははははは!」

「ちょっ、何笑ってんのさ!? 笑い事じゃないよ!?」

 

 いきなり笑われたらそらそうなるわな。でも、今はこいつに救われた気分だ。

 

「いやなに、お前も変な奴だと思ってな」

「え、なんでそうなったの!? 何も変なこと言ってないよね?!」

「そうだな。とにかく俺は行くぜ。要は、ポケモンバトルでその暴走族を全員倒せばいいんだろ? いいぜいいぜ、喧嘩上等! 丁度いい経験値稼ぎになる。最初の戦闘にはもってこいだ。そうだろ、グレン?」

「ガウガッ!」

 

 呼びかけると息ぴったりでボールからグレンが出てきた。

 

「ガーディ! ゲットできたのっ!?」

 

 あえてその言葉には答えず代わりに指示を与えた。

 

「お前らは急いで暴走族の居場所とか情報を集めとけ。俺はまだやることがある。明日夕方に基地にいる。その時報告しろ。お前らもやられっぱなしで終われねぇだろ? 男見せろよ」

「あっ、ちょっと!」

 

 チビの返事を待たずにサングラスをかけて変装しデパートへ向かった。まずはきのみの取り寄せなどここでしかできないことをして必要なものを買い足しておく。随分と時間がかかり夜になってしまった。だがその間に面白いものも見られた。

 

 お嬢様トレーナーが買ってすぐにポケモンにタウリンを使っていたのだが、それがすでに100以上努力値が入っているのに有効だったのだ。試しにガーディにも使うと成功し、あっけなく金の力で難航していた努力値の割り振りは終わった。確かに考えてみればドーピングは100が限界というのは変な話だ。固定観念の罠だな。今では限界まで振れるのが当たり前という感覚になっていた。

 

 ◆

 

 次の日は技の習得に専念した。どうもわざマシンなしでも覚えること自体はできるらしい。俺がはっきり技のイメージを知っているおかげかどんどん覚えていった。予測だが、技教えの人とかが教えられることと同じ理屈なのだろう。思い出し屋も「全てのポケモンの覚える技を把握していて~」とか言っていたし、覚える技を分かっていれば可能なのかもしれない。わざマシンと違って時間はかかるが、少しずつなら技は確実に増やしていけそうだ。

 

 そうなるともう進化してもいいかもしれない。この世界では進化後でも進化前の技を覚えられたりするみたいな雰囲気もあるし。これならすぐにでも暴走族をとっちめてやれる。考えもまとまり、意気込んで基地で待つがなかなか3人組が来ない。おかしいと思い路地裏を探し回ると暴走族に3人組が囲まれていた。そっちから出向いてくるとは丁度いい。

 

「こんなところにいたのか。探したぞ? 張り切るのは結構だが、さすがに暴走族と直接コンタクトをとるのが早過ぎないか、お前ら?」

「「レイン!」」

「助かった~」

「ああん?」

「誰だてめえ、こいつらの知り合いか?」

 

 ノッポだけ気の抜けた声出してもう助かったつもりらしい。能天気というか、あいつの性格が出ているな。俺が負けると微塵も思っていないところだけは評価してやるよ。さて、この下っ端どもを、ちゃっちゃとこらしめてやるか。

 

「悪いがこっちもいい加減好き放題されてイライラしてんだよ。お前ら全員ぶちのめしてやるから覚悟しな」

「ぶちのめすだぁ? へッ、笑わせやがる。お前みたいなゴフッ!?」

「キンジ! てめえ……! いきなり何しやがる!」

 

 俺の文字通りの先制パンチで1人はノックアウト。これであと3人。

 

「なんだ? 殴ります、とでも言ってから殴った方が良かったのか? チンピラ相手に、わざわざしゃべり終わるのを待つ気なんざねえんだよ。バーカ!」

「こいつっ! ぶっ殺す!……おい、やるぞ!」

 

 残りは3人。向こうも怒り任せにいきなりポケモンを出してきたな。うまく怒らせることができた。グレンは相手がポケモンを出したのを見て何も言わずとも自ら出てきてくれた。ありがたくその間にアナライズを使った。相手はエビワラー、ドガース、ウツドン。能力は壊滅だな。かなり低い。レベルは25程あるが敵じゃない。3人相手でも勝てる。ウツドン、エビワラーは防御、ドガースは特防がかなり薄い。“いかく”で攻撃を下げた後、すぐに指示を出した。

 

「エビワラー5、ウツドン3、2」

「は? あいつ何をぶつぶつ言ってんだ」

「レインッ、技の指示を出すんだ! じゃないとポケモンは戦えないよ!」

 

 チビは俺がポケモンをゲットしたてなのを知っているから、バトルの仕方をわかってないと思ったらしい。それを聞いて暴走族は頭に血が上っていたのが一変、笑い転げだした。

 

「おいおい、こいつ初心者かよ。そんなこともわかんねえとは、恐れ入ったぜ」

「典型的な喧嘩はつえーがバトルはからっきしなタイプだぜ、これは。くひひ」

「それはどうかなぁ……」

 

 笑いたいのはこっちだ。もうグレンは攻撃準備に入っているのにこいつらは指示も出さずに笑っているのだから。それに……ここでは喧嘩は強いが~、みたいな風潮はあるのだな。ゲームで暴走族を見たらよく思ったが、この場合も言った本人に強烈なブーメランになっている。

 

「なにィ? ……な、こいつ攻撃してきたぞ!?」

 

 エビワラーは“おにび”を受けてやけど状態。ウツドンは接近しながら“ひのこ”と“かえんぐるま”の連続攻撃で倒れた。波状攻撃にすることで“ひのこ”を囮にして“かえんぐるま”を当てやすくする狙いだったんだが、そこまでする必要はなかったか。相手のレベルが低過ぎる。色んな意味で。

 

「ドガース1」

「チッ、れいとうパンチだ」

「たいあたりだ!」

 

 愚かだな。エビワラーはやけどで攻撃力半減の上、“れいとうパンチ”はいまひとつ。ドガ―スは“かえんほうしゃ”の中に突っ込む形になってしまいまともに攻撃が届いてない。

 

「どうなってる、なんで効いてねえんだよ!」

「喧嘩だけなのはどっちの方なんだろうな? エビワラー2」

「てめえ、言わせておけば!」

 

 ウツドン使いは2体目のウツドンを出し、エビワラーは“かえんぐるま”でやけどのダメージと合わせて倒れ次のサワムラーに交代したところで、ドガース使いがとんでもない指示を出した。

 

「こうなりゃ道連れだ、“じばく”しろ!」

 

 ヤバい! “みがわり”は発動に時間が掛かるし“まもる”はまだ時間の都合で習得できていない。かくなる上は……。

 

「あいつを盾にしろ!」

「てめっ、俺のウツドンの背後に隠れる気か!」

 

 だが、暴走族が俺の言葉に気を取られている間に指示が遅れ、ウツドンはされるがまま盾になり、結果グレンのダメージはかなり減って暴走族の手持ち3体のみが倒れた。とはいえダメージは決して小さくはない。特性の“いかく”がなければやられていた。このまま後続が来ると少々厳しいか。

 

「おいおい、これじゃ文字通りじばくだな。このまま手持ちを全員倒して、身ぐるみ全て剥いでやる。どうやらこいつの出番はなさそうだしな」

 

 空のモンスターボールを握りながら、まだ余裕があるという空気を装った。これは賭けだったが暴走族は簡単に逃げ腰になった。

 

「げっ、あいつまだ強いのがあんのかよ。もしかしてヤベーんじゃねえのか?」

「元はと言えばてめえが考えなしにじばくしたせいだろうがダホがっ!」

「るっせえ、てめーらがよえーからやったんだろうがっ!」

 

 とうとう仲間割れまでし始めたので遠慮なく畳みかけた。

 

「グレン、あいつらを消し炭にしてやれ」

「ガアッッ!」

「やべえ、逃げろっ!」

 

 これ以上やってパンチで伸びているこの男みたいになりたくはなかったらしくさっさと逃げて行きやがった。仲間を置き去りにして。

 

「すっげえぜ、レインお前すげえよ。3人がかりのあいつらに勝つなんてよ。俺らのヒーローだ」

「なあ、今追っかけたらあいつらも倒せるんじゃねえの? 思いっきり仕返ししてやろうぜ!」

「むやみに逃げる敵を追いつめれば手痛いしっぺ返しをくらう。窮鼠は猫をも嚙むというからな。それにもう手持ちはないしグレン、このガーディも限界だ」

「え、でもさっきはよぉ、まだ何かあるみたいなことを」

「あれはハッタリ。正直限界だった。こんな道半ばでこいつに無理させるわけにもいかないし」

「あ、あれがハッタリだったとは、恐れ入ったよ。まさかここまですんごいなんて、もうなんか、胸がスカッとしたよ」

 

 グレンも俺の意図を汲んで、ハッタリに合わせてまだまだ戦う余裕があるというポーズを見せてくれた。おかげでなんとか凌げたが、次も上手くいく保証はない。4人以上が相手になったら対処しきれないだろうしな。もう悠長なことはしていられない。進化する必要があるか。

 

「ガウ」

「おつかれさん、よくやってくれた。攻撃も全部ばっちりだった。これで回復しろ」

 

 グレンを労い、おいしいみずを渡しながら今の戦闘を振り返った。俺の考えた、技名を言わず番号で伝える方法。相手に悟られず、かつ普通より早く連続で伝えられる。複数相手の戦闘でも指示がしやすい。結果、やはり効果はてきめんだったな。グレンはしっかり指示に応えてくれたし、連携に問題はなかった。恐らく今後も使っていけるはずだ。

 

 これはまだドーピングが限界まで使用できるとわかる前に野生ポケモンと戦いまくっていた時。ついでに連携なども練習する際に早く指示を伝える方法を考えて思いついた。番号はアナライズしたときイメージすると技に数字を割り振ったり順番を任意に変更できたりして、それが番号を使う大きなきっかけとなった。

 

 普通は手持ち6体の常にレパートリーの変わり続ける技の番号を1人で覚えきるのは難しい。だが、分析能力を使えば見ながら言えるので簡単にできる。

 

 結構意表も突けるだろうし悪くない。強いて言えば練習に時間がかかるのがネックか。

 

「おいしい?」

「ガウ!」

 

 頭を撫でながらグレンにおいしいみずをあげた。同時にHPを見ていて気づいたが経験値が入ってレベルが上がっている。格上補正はつくみたいだ。もしかすると雑魚狩りしていた時は格下補正的なものもあったのかもなあ。けどたったレベル5の差でこれだけ補正がつくなら一気にレベル上げができる。進化して暴走族を狩って一気にレベルを上げてやるか。回復し終わったグレンにその考えを言うと一も二もなく頷いてくれた。さっきの戦闘でグレンも進化の必要性を感じたようだ。

 

「進化すればもう戻ることはできない。それでもいいな?」

「ガウッ」

 

 再度確認すると「当たり前だっ」とこづかれた。愚問だったな。こいつも目指すのは頂点のみ。ためらうわけがなかったか。バッグから“ほのおのいし”を取り出し、グレンに与えた。石は一応デパートで取り寄せを待っている間に全種買っていた。

 

「俺、進化なんて初めて見るぜ」

「ウインディは見たことないなあ」

 

 グレンの体を白い輝きが包み込む。

 

 テケテケン! テッテッテッテッ キュイーン テンテンテン …… キュピーン ピコピコン テッテッテー テケテテッテテー

 

 ガーディは ウインディに 進化した ▽

 

 神聖な進化の儀式がイメージを文字に起こした瞬間急に安っぽくなったな。

 

 ……気をとりなおして、どの程度能力が上がったか見ておくか。

 

 アナライズ!

 

 グレン Lv22 むじゃき

 実 77-74-45-53-39-73

 技 1かえんほうしゃ 

   2かえんぐるま 

   3ひのこ 

   4みがわり 

   5おにび 

     ………… 

    しんそく

 

 よく見ると技も増えているな。最後にある技……“しんそく”はウインディの時にしか習得できなかったはずだ。今使えるということは進化によって覚えるものなのかもしれないな。ゲームではレベルが合ってないと覚えないが、こっちでは必ず覚えるのかも。試し撃ちしとくか。

 

「新たに技を覚えているな。試しにあの男の前までしんそく」

 

 殴られてまだ伸びている暴走族を指さしながら言うと、一瞬でその場に移動した。本当に一瞬だ。これは相当強いな。けどおそらく……。

 

「次はしんそくからかえんぐるま」

 

 続けて指示を出すと2つ目の前に長いラグがあった。やっぱりそうか。努力値振りの際にわかったことだが、先制技など特定の技には他の技よりも目立つほど大きな技後硬直が存在する場合がある。

 

 ゲームにはなかった要素なので実際に実験する中でなんとなくにしかわからないが大まかな傾向はこうだ。

 

 まず強力な技ほど時間が必要で威力の低い技の方が小回りが効く。そして先制技は高速で移動できる代償なのか技後硬直は大きい。

 

 そして技の完了は遠距離技ほど遅い。対象に届くのに時間がかかるから当たり前だ。逆に自分に使う技や補助技などは相手に攻撃するよりも速く決まる。

 

 だが“みがわり”はそうでもなかった。この法則だと自分に使うから速そうに思えたが格別速くはなかった。法則には付き物の例外ってやつだ。相手の補助技より速く使えれば凄かったのになぁ。世の中簡単にはいかないようになってるよなぁ。世知辛い。

 

 力のある技にはリスクが伴う。安易に強い技だけに頼ることはできない。

 

「ヴォウッ!」

「!?」

 

 い、今“しんそく”してすぐに“かえんほうしゃ”を使ったぞ? どうやったんだ?

 

 俺が1人で考え込んでいた間にもグレンは技の試行錯誤をしていたらしい。よくこんなこと自力で見つけたな。

 

 詳しく調べると足は動かないが逆に足を使わない遠距離技などはすぐに使えるらしい。これは強い。強過ぎる。え、リスク? 安易に頼れない? 今時強いのは理不尽に強いからねぇ。世の中力こそ全て!(手のひら返し)

 

 すっかり実験にとりつかれていると3人組からは尊敬の眼差しを向けられて感心された。こいつらの存在なんてすっかり忘れて技の考察に夢中になっていた。そういえばと思い返し、ふと見ると伸びていた暴走族はいなくなっていた。目が覚めていたようだ。まあどうでもいいか。

 




言いたいことは知っています
数字は分かりにくいんでしょ?
正直書いてる本人が1番めんどくさいんでよく分かります
どの技が何番とかの把握もしんどい
まぁ相手に悟られにくくするための戦術なんで当然ですが

ここは賛否あるでしょうが先に明言します、これは変えない譲れない
自分はこう考えます、技名を声高に宣言するのは敗退行為以外の何者でもないと
なので技名唱えること自体理解しがたいです
フリー勢みたいな人達が気にしないのは別にいいですけどね

一応理由をつけてレイン以外の人はできないことにしてますが別に訓練すればできるでしょうし、やらない理由も本当はないです
実際にみんな数字しか言わなくなったらカオス過ぎるのでそこまではしませんけどね


あと先制技に硬直時間とか身代わりは発動が遅いとかはバランス調整です
補助技の出が早いのは攻撃より動作が簡単になるのでリアルなら速そうと思ったからです

バランス調整に関してはちょっと考えればわかるはずです

例えば先制技
でんこうせっかが無制限に使えたら相手は一生攻撃当てれません
どく盛ってでんこうせっか連打で逃げれば勝ちが確定します

アニメとかでなぜしないかは不明ですが、交換が全て無償降臨なのに苦手タイプにつっぱする変人さんしかいないので考えるだけ無駄です


身代わりはもっとヤバいですね

実は調整なしで一度リーグまで本編を書いてしまいました
結論から言うとレインさんはみがあくバトンをする機械になりました、むしろこれをしないのが敗退行為のレベルなのでどうしても身代わりバトンに収束する
もうタイトルがアナトレじゃなくてみがあくバトンでいいレベル
当然闇に葬りましたが
なのでこの変更はやむなしです

身代わりの仕様については、分かるか知りませんがロックマンエグゼのバリア100とかが攻撃を肩代わりする感じ
変更理由は人形が攻撃を肩代わりするのは無理があるからです

まず本体と人形が一緒にいて両方に全体技(じしんとか)が当たらないのはおかしい
さらにいうとゲームじゃないなら身代わりでなく後ろから本体を狙えばいい
下手すると眠り粉とか流されて飛んできて本体被弾までありえます
よ、弱すぎ……よって変更します

長くなりましたが要するに設定には理由があります、という話
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。