竜の大陸―――。そう呼ばれるようになったのは、いつからだったろうか。
数多くの国からなるその大陸の中心に位置するのはアティスマータ王国。

この国にはある「伝説」が存在していた。
伝承や空想の話では無い。実際に目にした国民もいるのだ。

―――「黒き英雄」の伝説。

十数年前、他国との争いが勃発。国は戦火に包まれる。
長きに渡り続くと思われた戦は、たった一頭の竜により終止符を打たれた。
漆黒に染まった大翼を広げ、空を舞い、国を救った黒き竜のお話。

国が平和を取り戻すと、その竜は人知れず姿を消した。
まるで神の使いだったかのように。
人々の記憶に残る姿は、翼を失くし落ちていく竜たちの灯す業火で照らされた暴竜の姿。
国民は敬意と畏怖の念を込め、その竜を「英雄」と呼ぶ。
それが「黒き英雄」の始まりだった―――。

父の仕事の関係で国を離れていた主人公・ノエル。
春を迎えるのと同じくして、三年ぶりに母国へと帰国することが決まる。久々に目にする故郷の景色は離れる前に見た最後の記憶と変わり映えのないものだった。
懐かしさに浸りつつも、ノエルは我が家への帰路に就く。

国に帰って来たことにより、出張先で通っていた学校を転校。新たな学園へと編入することになる。そこは貴族の跡取りたちが数多く通い、この国を担う士官を育成する場所。王立士官学園、通称アカデミー。

新学期の到来と共に訪れた少女たちとの新たな出会い。そして再会。

翼を広げ空を舞う、竜たちの向こう。
それは止まっていた運命の歯車が動き出したようにも感じた。

この国に伝わる「伝説」へ触れる時、明かされる真実とは―――。
これは翼を失くした少年と、羽根を持つ少女たちにより綴られる、新たな物語。

Act.0 Prologue。
  Act.0‐1()
  Act.0‐22017年11月30日(木) 07:30()
  Act.0‐32017年12月07日(木) 07:30()
  Act.0‐42017年12月14日(木) 07:30()
  Act.0-5()
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