お気に入りが増えてきて嬉しいです。
神装機竜のアニメ放送から、もう二年も経ってしまうんですね。早いものです。好きなアニメがどんどん古い物になってしまっていく……。
ダカーポとか、知っている人いるのかな? 今時。
【ノエル】
「なんか、不思議な子だったなぁ……」
夜架が町中に歩いて行く背中を見届けた後、ノエルも自身の家への帰路に着く。もう日暮れだ。日が落ち切る前に、少し急ごう――。
†
ロードしますか?
→はい。
いいえ。
……。完了しました。
†
駅を後にし、街に出る。この時間ともなれば、賑わいは幾らか薄れていた。
まぁ、それでも雑貨店や飲食店の客足は他国と比べて少なくはない方だろう。その辺りは建国間もないとはいえ、流石大国といったところか。
小腹も空き、看板が出ている小さな出店に寄ってしまいそうにもなるが、寄り道をせず、真っ直ぐに我が家へと向かう。
もう、家では夕飯の準備が進められているだろうしな。
暫く大通りを歩き、商業区画を抜けた。
店の数は徐々に減り、変わって閑静な住宅街が見えてくる。大道から数本に分かれる小道の一つに曲がり入ること数分。一つの家の前で足を止めていた。
【ノエル】
「……久しぶりだな」
三年振りの我が家。特に変わった様子は見えない。
外観は周囲の家々と似通う二階建ての西洋風な造り。玄関先には母の趣味、数本のトレリスに蔦を巻き付き、春の花が咲いていた。
玄関の扉に手を掛けて、開くと中に入る。久々の慣れ親しんだ香りに浸りながらも、帰宅を知らせる言葉を口にした。これも久々に家に響く声となるのかな。
【ノエル】
「ただいまー」
【母】
「あら、お帰りなさい、ノエル。見ない間に少し大人っぽくなったかしら?」
ノエルの声に反応して、リビングからエプロンをする女性の姿が現れた。出迎えでくれたのは俺の母、クレア・アルオリス。
ちなみに“アルオリス”は母方の姓。親父の方が婿入りしてきたらしい。
【ノエル】
「うーん……別に変化はないと思うけどな。そう言う母さんは何も変わってないな」
【クレア】
「そんなことないわよ。少し老けたって自分でも思うわ」
――とは言うものの、この辺りは定番として、母は年の割に若々しい容姿をしている。肩にかかる金に近い、亜麻色な髪。澄んだ湖のような、透き通る淡い色の瞳。
童顔という部分が、若く見える印象を与えるのだろう。
【ノエル】
「そう言えば、アイリは?」
【クレア】
「アイリなら自分の部屋にいるわよ。恥ずかしがって降りて来ないだけなの。もう夕飯も出来ているから、顔見せるついでに呼んで来て頂戴」
【ノエル】
「あいよ。じゃあ、荷物置いてくるよ。ああ、俺の部屋って……」
【クレア】
「ちゃんと掃除してあるわ」
【ノエル】
「ん、あんがと」
母は笑顔を浮かべ、リビングの方に戻って行った。
俺は階段を上がって二階に移動する。
部屋の数は三ヶ所。階段を上り、少し左に見えるのが俺の部屋。向かいにあるのが妹のアイリの部屋。廊下の突き当りが両親の部屋となる。
自室のドアノブに手を掛けて開けた。母の言っていた通り、特に変わりはない。腰の高さほどの本棚に机、タンスにベッド。質素な雰囲気の部屋。
あまり物を置かないのは俺の趣向。すっきりしている方が好む。
三年も使用してない部屋。――でも、人の匂いがする。最近誰かが出入りしていたのか?母が掃除をしていたからかな?
ベッドの横に革鞄を置く。
その時、ふと視界に入った僅かな疑問。
【ノエル】
「あれ?」
……少し、不自然だった。
視線の先はベッド。毛布が……捲れている? 誰も使っていないのなら、畳んで置かれているはずなのだ。片付けた母の性格からして。
でも……じゃあ、これは?
ノエルは口元に手をあて、小首を傾げていた。
【ノエル】
「うーん? まぁ、気にすることでもないか」
夕飯も出来ていることだし、あまり時間を掛けるのは良くない。鞄を開け、服の上に乗っていた物を机に置き、あっちでも使用していた軽装に着替える。
自分の部屋を出て、向かいの部屋へ。
ドアの前に立ち、軽くノックをした。すると、中から「いいですよ」と部屋に入ることへの許可が下りる。取っ手を下げてドアを開けると、妹に姿が目に入った。
【ノエル】
「ただいま、アイリ。久しぶりだな」
【アイリ】
「そうですね。お帰りなさい、兄さん」
素っ気のない様子。椅子に座り、机で本を読んでいたのか、パタンッと閉じる。
俺の妹、アイリ・アルオリス。銀髪に髪色と同じ銀の瞳。三年もの空白な記憶の間に身長が伸びていた。……小柄なのに変わりはないけどな、胸囲とか。
【アイリ】
「何をじろじろと見ているんですか? 少し見ない間に兄さんは変態にでもなったんですか?」
【ノエル】
「ああ、悪い。三年も見てないと……色々とね」
【アイリ】
「色々って何ですか、まさか失礼なことは考えてないでしょうね?」
ジトッと目を細めるアイリ。
思っていることが筒抜けのような気がした。
流石は妹か。ジト目にノエルは悪戯な笑みを見せる。
【ノエル】
「それはないから安心しろ、きっと」
【アイリ】
「きっと、って何ですか?」
【ノエル】
「まぁ、気にしない、気にしない。母さんがもうご飯だってさ。行こう、アイリ。食べながら、俺がいなかった間の話でも聞かせてよ」
ノエルは背を見せ、アイリの部屋を出た。
後ろから椅子を立つ音が聞こえてくる。階段に差し掛かった辺りで、後ろを振り返ると、アイリは意外にも近くを付いて来ていた。
そっと、頭に手を伸ばして撫でてみようとしたが、振り払われた。
【アイリ】
「兄さんの背中、大きくなりましたね」
ノエルが残念そうにしていると、変わりにというように、ぽつりとそんなことを呟いていたように聞こえたのだった。
†
セーブしますか?
→はい。
いいえ。
……。完了しました。
次回、ひたすらアイリとイチャイチャするお話。
次回予告は激アツ! それはもう昔のお話。
評価、感想もらえるとモチベ上がります。