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「────急げッ!客は待ってはくれないぞ!」
「そんな事はわかってます!てか、あのピンク!何処ぞの桃色玉じゃあるまいしバキュームなんてしてんじゃねーですよッ!!?」
「本っっっっ当にウチの幽々子様がすいませんッ!!!」
「喋る暇があるなら手を動かしなさい妖夢!!」
「くっ!いったいあの体のどこにあんな量が入るんですか!?」
「幽々子様の胃の中はブラックホールみたいなものなんです!!気にしたら負けです!」
「あぁもう!!少しは遠慮してくださいよあの底無しピンク!!?」
────現在、ベディヴィエール・アーチャー・キャスター・妖夢・咲夜の5人は必死の形相で料理を作っていた。何故か?それは今朝まで遡る────
───────朝 慧音宅
「────宴会、ですか?」
「あぁ、異変が解決したら博麗神社で盛大に宴会を開くのが此処のやり方なんだ。お前も異変の解決に一役買った訳だしな。参加しても悪い様には扱われないだろうさ」
「モードレッド卿達は?」
「勿論参加する・・・というか既に博麗神社に行って飲んでる事だろうな。あぁ、安心しろ。経費は全て永遠亭持ちだからな。遠慮することは無いぞ」
「そうですか・・・なら、是非参加させていただきます」
「なら準備して向かおうか」
「そうしましょうか」
そう言って慧音と共に博麗神社に向かったベディヴィエールなのだが────
「何・・・だと・・・」
────目の前の青い着物を着た桃髪の女性が大量の宴会料理を吸い込んでいる。食べているのではなく、〝吸い込んでいる〟。次々と運ばれていく料理は7割近くが彼女の口の中に消えていった。(ちなみに、モードレッド達は既に酒盛りも真っ最中)信じられない面持ちでベティヴィエールが見ていた。隣で慧音も絶句している。ふと、件の女性がこちらに振り向き、食事の手を止め、話しかけてくる。
「貴方が、ベディヴィエールさん?」
「え、えぇ・・・ベディヴィエールと申します・・・」
困惑しながら自己紹介するベディヴィエール。そんな様子を女性はクスリと笑い、
「私は西行寺幽々子。紫の親友よ♪」
「・・・彼女の?」
「えぇ♪」
ニコニコと笑いながら自己紹介する幽々子。ベディヴィエールは彼女に得体の知れない何かを感じ取っていた。その事について指摘しようとしたところで料理の山(文字通り)が妖夢に抱えられ運ばれて来た。そこで妖夢と目が合い、
「ベディさん!!?助けて下さい!!!?」
「・・・は?」
そして冒頭に戻る────
「青椒肉絲十人前仕上がったぞ!持っていけ!」
「はいっ!」
「カルボナーラ二十人前仕上がったわ!!持っていきなさい妖夢!!」
「は、はいっ!」
「刺身の盛り合わせ十五人前も出来たから持っていってください!あとあのピンクに自重するように言ってくださいっ!」
「無理です!!」
「鶏肉の香草焼き十人前仕上がりました!妖夢殿、お願いします!」
「〜〜〜〜〜〜!!!!あぁもう!!いい加減にしてくださいよ幽々子様ぁ!!!??」
────二時間後、ようやく満足した幽々子は食事の手を止め、ベディヴィエール達は宴会料理にありつくのだった。
「────久しぶりね、ベディヴィエール卿」
「レミリア殿・・・ですか・・・」
「・・・疲れてるようだけど大丈夫かしら?」
「はは・・・まさか料理がこんなにも疲れるものだとは思いませんでしたよ・・・」
「本当にお疲れ様。ワインがあるけど・・・どう?」
「ありがとうございます、頂きます」
今現在、ベディヴィエールは紅魔館の面々と会っていた。レミリアを筆頭に先程までベディヴィエール達と料理をしていた咲夜、普段図書館から出てこないパチュリーと小悪魔、門番の美鈴、そして何処かベディヴィエールに引き気味のフランドールと紅魔館組が全員揃っていた。無人の紅魔館は結界を張って侵入者が入れない様にしているらしい。暫くするとおずおずとフランドールが話しかけてくる。
「あの・・・お兄様」
「・・・お兄様?」
「あ、うん。その・・・ダメ?」
「いえ、構いませんが・・・何故?」
困惑するベディヴィエール。
「えっと・・・なんかお兄様って呼びたくなっただけなんだけど・・・ダメ・・・かな?」
怯えたように言葉を発すフランドール。まるで拒絶されるのを恐れるかの様に。横目でレミリアを見ると懇願するような目でこちらを見ている。ベディヴィエールに向き直り、
「────分かりました。では、私もフランと呼んでも構いませんか?」
その言葉を聞くとフランドール────フランは喜色満面の笑みを浮かべ、ベディヴィエールに抱き着いてくる。
「ありがとうお兄様!」
そのまま猫のように頬ずりしてくるフランに苦笑を浮かべる。レミリアも微笑んでいたが突然真面目な顔になり、
「────フラン。ベディヴィエール卿に何か言うことがあるでしょう?」
その言葉聞き、ハッとなったフランは彼から離れ、向き直る。
「あの・・・お兄様、この前はごめんなさい!」
そう言って頭を下げるフラン。よく見るとその小さな身体は少し震えている。ベディヴィエールは微笑みながらフランの頭に手を乗せそのまま頭を優しく撫でる。
「あっ・・・」
「気にしてませんよ。フラン、頭を上げて。今はこの宴会を楽しみましょう?」
そう言って頭を撫で続ける。
「ふわぁ・・・んにゃあ・・・」
だんだんとフランの顔が蕩けてきている。流石に不味いと思ったのか咲夜が止めに入る。
「ベディヴィエール卿、ワインをどうぞ」
「あぁ、ありがとうございます咲夜殿」
最後に軽く一撫でしてフランから手を離し、ワインを受け取るベディヴィエール。手が離れる際、「あっ・・・」と寂しそうな声が発せられたが誰も気付かなかった。そしてベディヴィエールがワインを飲む度に、
「べ、ベディさん!どうぞ!」
「ありがとうございます美鈴殿」
無くなる度、
「どうぞベディヴィエール卿」
「すいませんレミリア殿」
無くなる度、
「はいっ!お兄様!」
「フラン、ありがとうございます」
と、カパカパ飲まされる。レミリア達がこんな事をしているのには理由がある。それはフランの一言が切っ掛けであった。
「酔ったらお兄様ってどんな風になるのかなぁ?」
そんな風に漏らしたフランの言葉を聞き、レミリアの脳裏に面白い考えが浮かび上がる。
────ベディヴィエール卿を酔わせてみたい
あわよくば酔いつぶれた彼を介抱してそのまま一緒の布団で────などと考えついたレミリアは美鈴とフランに協力させベディヴィエールにワインを飲ませ続ける事にしたのだ。美鈴も、そして恐らくフランも好ましく想っている男性のお世話(?)が出来るのだから断らないだろう────と見事にレミリアの考え道理になっていた。
ちなみにパチュリー達は巻き込まれちゃ叶わんと少し避けたところで呑んでいる。既に彼らの周りにはワインのビンが数十本程転がっていて、そのうちの九割がベティヴィエールが飲み干したものである。が、一向に酔った様子が無い。流石に焦り始めたレミリアはベディヴィエールに聞いてみることにした。
「ベティヴィエール卿?もうそろそろ酔ったのでは無いかしら?良ければ「いえ、〝この程度〟なら大丈夫ですよ」・・・えっ?」
────明らかにとんでもない量を呑んでいるのに〝この程度〟?一体どういった肝臓をしているんだ?
美鈴とフランは驚愕するレミリアを他所に、ベディヴィエールに酌をし続ける。美鈴はワイン以外が原因で顔を赤く染め、フランは無邪気な笑顔を浮かべている。そのまま暫く飲み続けていると彼らに近づいてくる人物がいた。
「────こんにちはベディヴィエールさん。少しよろしいかしら?」
ベディヴィエール達はそちらを向き、
「・・・永琳殿」
今回の異変の主犯の一人である八意永琳がそこに立っていた。
「姫様が、貴方に会いたいと言っているのだけど・・・いいかしら?」
「・・・わかりました」
ベディヴィエールはレミリア達に礼を言うと輝夜達のところに戻る永琳の後をついて行った。なお、悔しがるレミリアが自棄飲みして翌日二日酔いに悩まされるのだがそれは別の話────
「────貴方がベディヴィエール?」
「はい、ベディヴィエールと申します」
「うーん、長いからベディって呼ぶわね。私は蓬莱山輝夜。そっちが永琳でその隣が因幡てゐ。最後にその子が鈴仙・優曇華院・イナバよ」
「改めてよろしくね」
「よろしく〜」
「・・・・・・」
普通に挨拶する三人に対し、鈴仙はこちらを警戒しているのか睨んでくる。ベディヴィエールふと、セイバーがいないことに気づく。
「・・・彼女は?」
その一言で察したのか、宴会場の一角を指さす輝夜。その方向を見ると、
「〜〜〜〜〜っくはぁ〜〜〜〜〜うめぇ!お前もいい飲みっぷりじゃねぇか!」
「全く・・・少し頭を冷やせ。酔っ払い構うほど我は暇ではない」
「あ〜〜〜〜ん?そう言うお前こそ酔ってんじゃねぇかぁ〜〜〜〜?」
「ふん・・・我がこの程度で酔う筈が無いだろう」
「ほ〜言うねぇ〜。じゃあ、飲み比べと以降じゃねぇか!」
「断る。なぜ貴様如きに付き合わねばならない?」
「ん〜〜〜?何だぁ?怖いのかぁ?」
「────貴様が潰れるまで付き合ってやる」
「ハハっ!そう来なくちゃなぁ!」
「・・・・・・」
ベディヴィエールは何も見なかったことにして輝夜に向き直る。輝夜も察したのかベディヴィエールと同じように向き直る。
「先ずは謝罪を────この度は私の従者が貴方の友人を傷つけたことを詫びるわ、ごめんなさい」
そう言って頭を下げる輝夜。永琳も同じ様に頭を下げている。
「ちょ、姫様!?師匠!?何で・・・!」
「必死だったとはいえ、私達がやった事は外道と罵られても文句は言えない事よ。そして支持したのは私達────だから彼に謝罪するの」
そう言って頭を下げ続ける永琳達。鈴仙は納得がいかないようだ。やがてベディヴィエールが口を開く。
「・・・謝罪ならば彼女らにしてください。そしてこちらの要求をひとつ飲んで頂きたい」
「なっ!?」
「構わないわ」
「姫様!?」
「鈴仙、少し黙っていなさい」
輝夜はとっくに覚悟を決めていた。輝夜は自身の容姿が優れている事を自覚している。そして過去、彼女に求婚した者達は彼女を〝そういう目〟で見ている者が大半であった。────身体を差し出せ────そう要求されると思っていた彼女は────
「────人里の病人の方々の治療を請け負って頂きたい」
「・・・え?」
ベディヴィエールの要求に目を丸くする。思わず彼女は問う。
「そ、そんな事で・・・?いいの・・・?」
「寧ろこれが最上だと思うのですが?」
ベディヴィエールはそんな風に問い返してくる。その言葉を聞き、輝夜は呆気にとられた後、思わず声を上げて笑う。
「くふっ・・・!あははははははははははっ!!」
「ひ、姫様?」
「どうか・・・されましたか?」
腹が痛い。一頻り笑ってようやく収まってくれた。輝夜は改めて彼に向き直る。
「いいわ。その要求受けましょう。永琳、いいわよね?」
「えぇ、構わないわよ」
よく見ると永琳もクスクスと笑っている。何となくほっこりした気持ちになった。
「それじゃあ改めて・・・よろしくね、ベディ」
「こちらこそ」
ベディヴィエールもニコリと微笑む。それから暫くの間、彼らは会話を楽しむのだった。
「────それじゃあ改まして、私達サーヴァントの事について話したいと思いますけども・・・構いませんね?マスター」
「えぇ、お願いするわキャスター」
「て事でよろしくお願いしますねアーチャーさん」
「やれやれ・・・」
先程の賑やかな雰囲気と一変して、宴会場は静まり返る。何故こんな事になっているのかと言うと、紫がキャスター達に彼女らの事の説明を求めたからである。キャスター達も「今後の事を考えたらそうした方が良いでしょう」との事だったのでとりあえず宴会に集った面々に説明する事になったのだ。最初にアーチャーが口を開く。
「まずサーヴァントについてだが・・・サーヴァントとは人類史において何らかの偉業を果たした偉人や、神話の英雄達が精霊へと昇華したものだ。これらを纏めて英霊と呼ぶ。偶に神話上の神々がサーヴァントとして召喚される事があるがそう言った場合はサーヴァントクラスまで力が制限される。彼らは神霊と呼ばれているな」
アリスが手を挙げる。
「神話の英雄達と言うけれど彼らの大半は存在しないのではないの?」
「ふむ、いい質問だ。彼らの中には確かに存在が危ぶまれる者達もいる。が、彼らの名は人類の多くが認知しているだろう?間違いも多くの人々がそれを真実と思えばそれが真実と成る。ある意味人々の思いが形を成した者が英霊と呼ばれる存在だ」
「成程ね・・・わかったわ、ありがとう」
「では続けるぞ。サーヴァント達は規模の大小の差はあれど必ず宝具と呼ばれるものを所有している」
「宝具と言うのは?」
「聖杯戦争においてサーヴァント達が有す切り札だ。そのサーヴァント達の正体を掴む上で重要なキーでもある。アーサー王のエクスカリバー、クー・フーリンのゲイ・ボルグ等だな」
「その聖杯戦争と言うのは?」
「聖杯と呼ばれる万能の願望器を巡って七人の魔術師達がセイバー、ランサー、アーチャー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカーの七つのクラスに当てはめられた七騎のサーヴァント達を召喚し、戦わせるものだ。まぁ、速い話ただの殺し合いさ」
「クラスってのは?」
「クラスはサーヴァントのカテゴリーの事だ。基本サーヴァントの正体を隠す為サーヴァント達の本名である真名の他にクラス名で呼ばれる。先程述べた七騎以外にもエクストラクラスと呼ばれるものもある。聖杯戦争に以上が発生した場合に召喚されるルーラー、復讐者が適性を持つアヴェンジャー、と言ったところだ」
パチュリーが手を挙げる。
「私から質問。貴方達は幻想郷でその聖杯戦争を行うつもりなの?」
「いや、そもそも今回の召喚自体がイレギュラー過ぎる上にマスター今の所全てのマスターが聖杯戦争の存在自体を知らないからな。争いはこちらとしても望むものではないのでね。セイバー、及びキャスターとは既に相互不可侵という事で話がついている」
「ふん・・・」
「ま、そゆ事ですね」
「そう・・・、ならこちらとしても安全を期したいから貴方達の真名、及び宝具について教えてもらえる?」
「私は構わないが・・・構わないか?セイバー、キャスター」
「そうですねぇ、私は構いませんけど・・・」
「我は断るぞ。何故このような連中に我が真名と宝具について話さねばならん?」
あんまりな物言いにキャスターがセイバーをジト目で睨む。
「セイバーさん?話聞いてました?それとも理解できないほど頭が残念なんですかね?」
「やかましいぞ引きこもりが。貴様なんぞに指図される筋合いは無い」
「あぁやだやだ。これだから話の通じない斬殺狂は」
「遊び半分で国を滅ぼす貴様が言えた口ではなかろう?」
互いに毒を吐き合うセイバー達。話にならないのでアーチャーが止めに入った。
「そこまでにしておけ二人とも。キャスター、君はセイバーとは知り合いなのか?」
「えぇ、勿論。ウチの駄弟以上の戦狂ですよ」
「男漁りを繰り返すお前が言えた口か?」
「生憎私は既にご主人様に操を捧げておりますので。いつまでも未通の行き遅れ処女の貴方よりはマシですから」
「────斬るぞ貴様」
「────やって見なさいこのおこぼ」
「だから落ち着けと言っているだろう」
ヒートアップする二人を宥めるアーチャー。この時、ベティヴィエールや幻想郷の従者含む苦労人達はアーチャーに妙な共感を得たとか得なかったとか。
「セイバー、君も面倒は望まないだろう?余計な凝りが残る前に折れてはくれないか?」
「・・・・・・ッチ、面倒だが仕方ないか。いいだろう、貴様の言うとうりにしてやる」
「感謝する」
「ふん・・・、よく聞くがいい。我が真名は〘建御雷神〙。この名を魂に刻んでおくが良い」
「「「「「「・・・・・・は?」」」」」」
一同から間抜けな声が上がる。それほどその名は衝撃的だったのだ。輝夜が震えながらセイバーに問う。
「え?何?てことは私って神様呼び出しちゃったって事?え?マジ?」
「ふん、やっと我の偉大さがわかったか?」
────つまりは私は神様をパシってたの!?
ビビりまくる輝夜。
「という事はその剣がかの有名な〘布都御魂剣〙か?」
「あぁそうだ。これこそ我が友の半身にして日ノ本最高の剣である布都御魂剣である」
「はいはい剣自慢はそこまでにしてください。コホンッ、改ましてキャスターこと〘玉藻前〙です。そしてこっちがサーヴァント界でもっとも役に立たねー宝具ランキング上位の〘八咫鏡〙ですね」
「「「「「いやいやいやいやいやいやいやいや!!!」」」」」
「?どうしたんです?」
「ちょ、キャスター!?八咫鏡ってあの三種の神器の!?」
「えぇ、そうですけど?」
「何でそんなものを!?」
「あ、言い忘れてましたけど私って本体から分かれた子機みたいなものなんですよ。これは本体から派生した宝具ですから」
「待って待って待って待って!?てことは貴方の本体って・・・!?」
「天照大神ですけど何か?あ、でも私の事は玉藻かキャスターって呼んでくださいね?本体の事は嫌いなので」
「嫌いって・・・そんな事でいいの?」
「いいんですいいんです、どうせ人間を弄ぶ事にしか興味ないんですから」
「そんなんでいいのかよ日本の最高神・・・」
魔理沙が思わず零す。それはそうだろう。一般的な天照大神のイメージと違い過ぎるのだから。ここで藍が手を挙げる。
「ならば玉藻の前と言うのは?」
「ん?あぁ、ならばこちらの世界についても話す必要がありますね。てことでアーチャーさん」
「全く・・・まず前提として我々はこの世界の人間では無い。そして我々の世界では平行世界の存在が証明されている」
「つまりお前達は平行世界の住人だと?」
「ま、そういう事ですよこっちの世界の〝玉藻前〟さん?」
「・・・気づいていたか」
「そりゃ平行世界とはいえ自分の事ですし?私が玉藻前と名乗っているのは本体の子機である私が私たちの世界における玉藻前だから、という事です」
「そうか・・・感謝する」
「いえいえ」
「ふむ、大分長くなったが私だな。私の真名は〘エミヤシロウ〙。三流魔術師である現代の英霊さ」
「つまりほかの英霊達と比べて歴史が浅いってこと?」
「あぁ。そして私の宝具は〘
「「「はぁ!!?」」」
魔理沙、アリス、パチュリーの三人が叫ぶ。
「どうかしたか?」
「いやいやいやいやいやいや固有結界って!?」
「それこそ禁呪クラスの大魔術じゃない!!」
「そんなものが使えるのに三流魔術師って嫌味かっ!!」
「そういう訳では無いさ。私が使える魔術は解析、強化、投影の3つだけ。せいぜい────」
────投影、開始《トレース・オン》
そう言ってアーチャーは自身の愛剣でもある干将・莫耶を投影する。
「こんな風に魔力を編んだ武器を精製できる位だ」
「ちょ、ちょっと見せるんだぜ!」
魔理沙が干将・莫耶をアーチャーからひったくる。
「これは・・・嘘だろ・・・?しっかり固定化されてる・・・投影魔術でこんな完成度の高いものを・・・?そんなレベルの事が出来るのに三流って・・・」
みるみる落ち込んでいく魔理沙。だがそれより酷いのがアリスとパチュリーである。
「こんな・・・こんな事って・・・」
「私の・・・私の数百年はいったい・・・」
落ち込みようが半端じゃない。負のオーラが辺りに漂っている。軽く引きながらアーチャー、
「ま、まぁ取り敢えずはこんなところだ。それでは宴会の続きを楽しむとしようか?」
アーチャーの一言で再び宴会場には華やかな雰囲気が戻って来るのだった────
────深夜、皆が宴会場で酔い潰れている頃、ベディヴィエールは一人外にいた。
「────聖杯戦争、か」
魔術師達の我欲で引き起こされる戦い。それが幻想郷で行われる。つまり幻想郷に〝聖杯が存在〟するということである。アーチャー達は話が通じるから良かったがこれから会うサーヴァント、そしてマスター達は?聖杯を手に入れようとするのでは?彼の脳裏はそんな事で溢れていた。本来魔術師は自身のために行動するもの。ここにはいない正義の味方を志した少年、人の為に人を殺す覚悟を決め月の王となった少年/少女、そして彼と共にあった人類最後のマスターと言った者達は極小数の例外である。此度の聖杯戦争を起こしたものは恐らく魔術師だろう。
────もしその者が襲い掛かってきたら自分は大切な人達を守れるのだろうか
「────うん、悩むのはいい事だよベディヴィエール卿」
「ッ!?」
咄嗟に声がした方向を振り向く。そこには白のローブを纏った白髪の青年が立っていた。彼の足元には不思議な花が咲き誇っている。そう、彼は正しく────
「マーリン・・・殿・・・?」
「うん、久しぶりだねベディヴィエール卿。さて、何か聞きたい事があるみたいだけど何かな?」
「・・・第一に、何故我々を此処に?」
「うーん、君を送り込んだのは僕なんだけどね?モードレッド卿とガラディーンに関しては完全に予想外なんだよねぇ」
「つまり完全なイレギュラーだと?」
「うん、そうだね。理由に関しては────」
「関しては?」
「何となくかな?」
「・・・ならこの地で聖杯戦争を起こそうとしているのは貴方か?」
若干の殺気を滲ませて問う。もしそうならば────
「いやいや違うよ?だから殺気を収めて」
「・・・では誰が?」
途端にマーリンは真剣な表情になる。
「その事だよベディヴィエール卿。本来僕は出てくるつもりが無かったんだよ」
「ならば何故?」
「この地で〝聖杯大戦〟が行われようとしているからさ」
「聖杯・・・大戦?」
「七騎対七騎の聖杯戦争。本来行われるはずのない異形の聖杯戦争。それが聖杯大戦さ。それが行われると知った僕はここに来た」
「ならば手を?」
首を横に振るマーリン。
「残念だけど僕は手を貸すことが出来ない。だからこれを持ってきた」
そう言ってマーリンが差し出したのは────
「
それは彼の右腕となっている筈のもので────
「こういう事さ」
そう言って杖を一振りするマーリン。その途端、ベティヴィエールの右腕が消失し、何かが地に落ちる。
「これは・・・!?」
それは約束された勝利の剣と全く同じ見た目をしていた。
「
そう言った瞬間、約束された勝利の剣の贋作はゆっくりと消えていった。
「何故・・・これを?」
「本物の約束された勝利の剣で創った銀腕は負担が大き過ぎるからね。それで代用していたのだけどそうも行かなくなった。だからこれを持ってきたのさ」
もう一度杖を振るうマーリン。彼の手から約束された勝利の剣が消え、ベティヴィエールの右半身には先程と同じ様に銀腕が存在していた。マーリンは杖を下ろす。
「僕に出来るのはここまでだ。あとは頼んだよベティヴィエール卿」
「マーリン殿・・・ありがとうございます」
「うん、頑張ってね」
そう言って振り返るマーリン────
「あぁ、そうそう」
────突如振り返る。
「さっき僕が黒幕じゃないかって言ったけどあれは半分正解だよ」
「えっ・・・?」
「黒幕は〝僕であって僕じゃ無い〟それだけさ・・・」
マーリンが言い切ると一陣の風が吹き、思わず顔を庇う。顔をあげると既にマーリンの姿は無かった。
「・・・マーリン殿」
その声は夜の闇に呑まれて消えていった────
現在判明しているサーヴァント達+鯖達に作者が抱いてるイメージ
セイバー────建御雷神(性知識零のクーデレ)
ランサー────真名不明(無双)
アーチャー────エミヤ(Fateの女誑し達の原点)
ライダー────真名不明(MONKEY)
キャスター────玉藻の前・九尾Ver.(白野一筋純情狐)
アサシン────真名不明(MONONOFU)
バーサーカー────真名不明(純情ボーイ)