円卓の騎士が幻想入り   作:日本人

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すまない⋯⋯番外編なんだ⋯⋯本当にすまない⋯⋯しかも短いんだ⋯⋯本当に済まない⋯⋯


今作品における設定と番外編

まずこの作品におけるベディヴィエール達の扱い、幻想郷で起こった事件の詳細。そして追加スキルなど。

 

 

・ベディヴィエールは第六特異点後、マーリンの手によって幻想郷に送りこまれた。理由は不明。モードレッドと転輪する勝利の剣の幻想入りはマーリンにとっても完全なイレギュラーで原因は不明。原因は不明だが受肉(恐らくマーリンの仕業と思われる)しており、健康体な上、銀腕アガート・ラムを所持している。ただし、素材には永久に遥か黄金の剣が使用されており、宴会後にマーリンと遭遇した際に本来の約束された勝利の剣を使用した銀腕と交換されている。ヒロインはまだまだ増える予定。ステータスはFGOと同じ。だがいくつかのスキルが追加されているが詳しくは後述。ちなみにマーリン曰く、送り込んだ理由は「面白そう」だとか。それが真意かどうかはわからない。

 

・モードレッドは第四特異点の記憶を保持。Apocryphaの記憶もうっすら。この作品ではベディヴィエールに対して恋心を抱いているが本人はそれを認めようとはしない。第六特異点後にカルデアに召喚されたのでアーチャーやキャスターとも面識がある。こちらも受肉しており、原因は不明。ステータスはFGOと同じ。こちらもいくつか追加スキルがある。

 

・玉藻前はEXTRA、CCCの記憶を保持。FGOの記憶は無し。理由としては月で岸波白野に召喚されていた最中に無理矢理召喚された為。マスターである八雲紫には「まだまだ岸波白野には及ばない」と突き放している。その一方で彼女の恋を応援する一面もあり、今作品では九尾状態で召喚され、立場は姉御的な感じになる予定。同位体ということで八雲藍と仲が良く、橙の事は文字通り猫可愛がりしている。

ステイタスは筋力D

耐久D

敏捷B+

魔力EX

幸運D

宝具EX

詳細としては九尾状態になった事で魔力が急激に増加し、それに合わせ宝具も本来の使用法で使うことが出来るようになったが本人が使いたがらない。ついでとばかりにいくつかのステータスも向上している。尻尾は本体から分離して九人の玉藻ことタマモナインに変化が可能。さらに九尾になった事によって封印していた神性が抑えられなくなり神性EXを獲得してしまった。

 

・エミヤシロウはstaynightにおける衛宮士郎としての記憶、FGOにおけるエミヤとしての記憶を保持。今作品のエミヤシロウは聖杯戦争後、正義の味方として世界を巡っていた。基本はアーチャーと変わりないが、体内に全て遠き理想郷を保持。理由は後述とする。

現在のヒロイン予定キャラは霊夢、紫、守矢神社組となっています。え?何でかって?女たらしで有名なエミヤにヒロインがいないのはおかしいでしょ?ステータスはFGOと同じ。幻想郷の女性達のプライドを尽くへし折る程の料理の腕前を誇る。

 

・建御雷神は今作品でのオリジナルサーヴァントである。ちなみにFGOで本人が出ても全く関係ないのであしからず。見た目はISの篠ノ之箒を大人っぽくした感じでCV沢城みゆき。武装は軽装の戦甲冑で、布都御魂剣を所持。イメージはベルセルクのガッツの大剣。正確はギルガメッシュを薄くした感じで結構傲慢。だがギルガメッシュとは違い、それ相応の実力を備えている。性知識は皆無であり、〝そういう本〟を見ると真っ赤になって気絶するレベルで初心。モードレッドといい勝負である。

なおステータスは筋力EX

耐久A+

敏捷B+

魔力B-

幸運C

宝具EX

保有スキル

・対魔力A ・天性の肉体EX ・神性EX ・カリスマA- 直感EX

固有スキル

・武神EX⋯⋯あらゆる武具の扱いに大きな補正。例え初めて扱う武器であろうと自らの手足のように振るう事が出来る。

・神武討征EX⋯⋯国譲りの偉業がスキル化したもので、国津神に対しては絶対的な効力を発揮するスキル。具体的にはステータスへの超補正など。

 

宝具《布都御魂剣》

ランクEX

対国宝具

最大レンジ 約四千km

・建御雷神が親友である経津主神から譲り受けた神剣。その宝具としてのランクは天叢雲剣や乖離剣エアにも劣らない。ちなみにベティヴィエールには真名解放を行っていない状態で使っている。

 

宝具《?????》

ランク不明

対界宝具

最大レンジ不明

・全てが謎に包まれた建御雷神本来の宝具。唯一わかっているのは乖離剣エアと同じ対界宝具である事だけである。

 

補足説明⋯⋯筋力EXという完全脳筋型な上、その他にもランクEXを連発しているもはやチートなサーヴァント。ちなみに直感EXとは軽い未来予知が行えるレベルである。今現在確認されているサーヴァントで彼女を倒せる可能性があるのはほんの数名程度である。

 

・銀腕の解釈については、この作品ではベディヴィエールの魂を燃料に稼働しているある種の超エンジンで、事実銀腕を装備したベディヴィエールの魂を燃料として使うならば、彼の体の事を無視すれば事実上の永久機関が創り出せる、といった解釈。銀腕を真名解放すればするほど彼の体は滅びて行き、使いすぎれば体は崩壊する。が、聖剣による呪いのお陰で肉体の崩壊が留っており、銀腕がある限り事実上の永遠の苦しみを味わう事となる。が、当初銀腕に使用していたのが永久に遥か黄金の剣だったのが幸いし、本来の銀腕の使用の際に発生する魂を焼き尽くすような痛みは発生しなかった。それを彼が疑問に思わなかったのは返還したはずの銀腕があるなら何があってもおかしくないよネ!と言った考えから。

 

・転輪する勝利の剣は本来ガウェインにしか使いこなせないが、銀腕の原材料である約束された勝利の剣と同調させることにより無理矢理使っている状態。聖剣集う絢爛の城を出す事が出来たのはこの為。(この作品ではCCCでレオが使ったものはガウェインの術式の再現であり、転輪する勝利の剣があるのでベディヴィエールにも使えているという事になっています)え?聖剣集う絢爛の城を出した理由?かっこよかったからですが何か?

 

・ベディヴィエール、モードレッドの二人はスキルとして魔術B、B+をそれぞれ持っています。モードレッドの方が高いのはモルガンの血を引いているため。

 

・アーチャーことエミヤシロウは全て遠き理想郷を所持。恐らく聖剣の気配に引かれたことによるもので、エミヤシロウを依代として呼び出されたと見られる。

 

・セイバーこと建御雷神、キャスターこと玉藻の扱いについては、まず並行世界とは別に各世界に置いて〝神〟と呼ばれる者達がいる空間が存在し、そこにある建御雷神の本体から切り放された子機が各世界においての建御雷神という扱い。玉藻は自身の事を天照大神の子機と言ったが、正確には天照大神の子機の子機という扱いになる。なお、東方Projectの世界の建御雷神、天照大神の記憶を聖杯を通じて僅かに所持している。

 

・弾幕ごっこを彼らが行わない理由は殺傷力が高すぎる為。例えばアーチャーなどが放てば串刺し死体の出来上がりである。

 

・ベディヴィエール、モードレッド、セイバー、キャスターは空を飛べるが、基本地上にいた方が強い上に、その気になれば斬撃などを飛ばせるので飛ぶ必要が無い。アーチャーは赤原猟犬だの偽・螺旋剣がある上これらは事実上どの弾幕よりも射程が長く、多少離れた程度なら余裕で一撃必殺なので飛ぶ必要が無い。

 

・太陽の花畑での戦いについて。風見幽香は花妖怪という特性を利用し、植物にとっての恵みの一つである太陽を司る転輪する勝利の剣の力を吸い取り、一時的なパワーアップを果たしていた。花畑の向日葵達もその影響を受けており、聖剣がつきたっていた方向を向いていた。幽香本人や向日葵達は聖剣の力を吸いすぎるあまり(本人の自覚のないまま)死亡する寸前だった所をベティヴィエール達に助けられた。

 

永遠亭の綿々が起こした異変については原作とは違い幻想郷を特殊な結界で覆い亜空間に転送、月人達から身を隠すという荒技を実行。その際何らかの原因で幻想入りしていた英霊召喚システムの原型を使用しセイバーこと建御雷神を召喚した。そしてベディヴィエールとセイバーの戦闘の余波で結界が破壊され元の空間に戻ったタイミングで月人達が輝夜達を捕捉し、襲来した。(この際宝具の撃ち合いで相手が神霊とはいえベディヴィエールが撃ち負けたのは銀腕が本来のものでは無かったため。)なおその際に建御雷神が依姫を攻撃しなかったのは依姫を幻想郷がある世界の建御雷神が守護していたため。余談だが、異なる世界の神同士の間では互いに深く関わらないという不文律が存在する。この不文律によりセイバーは依姫に手を出さなかった。ちなみにこの事は宴会後に輝夜達には話している。

 

・ベディヴィエールとアーチャーは執事スキルEX持ち。

 

・マーリンがベディヴィエールの仮の義手として使っていた永久に遥か黄金の剣は、長い旅路の末に全て遠き理想郷へと辿り着いた衛宮士郎がいる世界の衛宮士郎に頼んで創ってもらったもの。マーリンが第二魔法使ってるけどグランドクラスのキャスターだから何も不思議は無いよネ!

 

 

 

 

──番外編・霊夢とアーチャー──

 

「んん⋯⋯」

早朝、霊夢は神社の中の一室で目を覚ます。服装はピンクの寝間着で、リボンは外して髪を下ろしている。

「ふわぁ⋯⋯⋯⋯もう朝なのね」

そう一人心地ると起き上がり、布団を押入れの中へしまう。そのままいつもの巫女服に着替え、朝食を作ろうと台所へ向かう。

廊下を歩いているとふと、鼻を刺激する香ばしい匂いに気がつく。匂いがする方向を辿ると、台所へ続いていた。

────一体誰が?

気になった霊夢は台所へと入る。そこには褐色の肌に白髪、黒のボディーアーマーを身に着けた男が食事を作っていた。霊夢はその姿を見て、彼がここにいる理由を思い出す。────彼の名はアーチャー。無論、本名は別にあるが、本人がそう呼んでくれと言うのでそう呼んでいる。彼は霊夢のサーヴァントとなり、博麗神社で暮らす事になったのだ。ふと、アーチャーが霊夢に顔を向ける。

「おはよう霊夢。もうすぐ朝食が、出来上がるから居間で待っているといい」

「⋯⋯そうさせてもらうわ」

霊夢はそう言って居間へと向かった。

 

────およそ4日前の異変の後、大きく変わった事が二つあった。1つは先程も言ったがアーチャーの事。未だ彼の事はよくわからないが、悪人ではないとは思う。そういえば、と宴会の時の事を思い出す。

「あの時ベディさん達と何を話していたのかしら?」

宴会中、外の空気に当たろうと庭に出た時、ベディヴィエールやアーチャーだけでなくモードレッド、セイバー、キャスターといった面々と何かを話していたようだった。よく聞き取れなかったが、「⋯⋯大戦が⋯⋯」とか、「⋯ーリンのや⋯⋯」などと誰かに文句を言っているように見えた。が、あまり気にしてもいられないので放っておいた。そんな事を考えている内にアーチャーが朝食を3()()()持ってくる。

「霊夢、()出来たぞ」

「⋯⋯気づいてたのね」

「何度もやられたら嫌でも気付くさ」

ニヒルな笑みを浮かべるアーチャーの横にスキマが開き、紫が出てくる。────そう、変わった事のもう一つ、紫が博麗神社へ朝食を取りに来るようになったのだ。アーチャーの作る朝食を食べに来る、というのは建前で、本人は自覚してはいないが、想いを寄せるアーチャーへと会いに来るのが目的である。────そう、紫はアーチャーに恋をしているのだ。あの胡散臭く、正体がしれない怪しさ満点の妖怪の賢者が、だ。理由としては異変の際にアーチャーに抱き上げられ、微笑まれた事なのだろが。それにしてもチョロいと思ってしまった。まぁ、本人も満更ではないみたいだし、一目惚れみたいなものだと納得する事にする。そう胸中で納得し、アーチャーの作った味噌汁を口にする。

「美味しい⋯⋯」

思わずうっとりと呟く。毎回彼の料理には驚嘆させられる。明らかに自分よりも、そして店などで食べる料理よりも美味い。自分としては料理で負けている事に悔しさを感じる。

「(今度咲夜たちに料理、習おうかしら⋯)」

そんな事を考えながら朝食を食べ終わる。紫はアーチャーに一言言って帰っていた。アーチャーは食器を片付け、洗濯物を干しに行っている。霊夢は特にやる事も無かったので居間でゴロゴロしていた。やがて数分後、

「⋯⋯⋯暇ね」

そう、暇、暇なのだ。家事はアーチャーがやってくれるし、腹立たしい事だがそもそもこんな神社に参拝客なんてやって来ない。つまりはやる事が無いのだ。暇だ暇だとうんうん唸っていると、洗濯を終えたアーチャーが襖を開けて入ってくる。

「霊夢、洗濯は終わっ⋯⋯どうかしたのか?」

唸っているのを心配されてしまった。

「別に⋯⋯何もやる事が無いから暇なのよ」

「暇、か。ならば鍛錬でもしたらどうだ?博麗の巫女とやらは幻想郷の非常戦力でもあるのだろう?」

「嫌よ、めんどくさい」

アーチャーの提案をバッサリ斬り捨てる霊夢。その様子に、アーチャーは思わず苦笑する。

「何よ⋯⋯」

「いや、何、少しおかしかっただけさ」

そう言いながら笑みを浮かべるアーチャー。霊夢は少しその様子にイラつき、何かいい暇つぶしは無いものかと考えを巡らせる。ふと、アーチャーの事を何も知らない事に気付き、せっかくなので聞いてみようと口を開く。

「ねぇ、アーチャー。貴方って生前は何をしてたの?」

「どうした、藪から棒に」

「別に良いでしょ、気になったのよ」

「別に構わないが⋯⋯そうだな、何処から話そうか」

そう言ってアーチャーはポツリポツリと語り出した。

 

 

 

────とある少年の一番古い記憶、それは燃え盛る街並みだった。少年は歩いた。歩いて、歩いて、歩き続けた。やがて力尽きた少年はとある男に救われる。少年が運び込まれた病院にて、男は自分の事を魔法使いと名乗った。そしてこのまま施設へ向かうか、自分に引き取られるかと言ったので少年は男の養子として男に引き取られる事にした。やがて時が経ち、少年は義父から魔術を教わる。その中で、義父の夢を聞いた。

────僕はね、正義の味方になりたかったんだ。

なれなかったのか?と少年は聞いた。義父はコクリと頷き、

────正義の味方は期間限定でね、大人になると名乗るのが難しくなるんだ。

そう答えた義父の顔は寂しそうだった。少年は思わず言った。

────なら、俺がなってやる。正義の味方に。

そう言った少年を義父は驚いた様に見つめていた。やがて、

────あぁ、安心した。

それだけ、言った。やがて、義父は息を引き取り、少年は独りになった。それでも少年の周りには自分を助けてくれる人が沢山いた。少年はやがて成長し、18歳になった。その時、少年は巻き込まれたのだ。魔術師達が聖杯を巡って争う戦い────聖杯戦争に。少年は、金の髪を持つ美しい騎士王と共に戦い続けた。時に友人と、時に義姉と、時に最古の英雄王と、そして────未来の自分と。その自分は己の全てを否定し、絶望した。己と戦い、腹を貫かれてもなお、少年は己の理想を貫き通した。

『誰かを助けたいという想いは!決して、間違いなんかじゃ無いから!!』

そう未来の自分に告げ、少年は未来を打ち砕いた。

聖杯戦争を終え、正義の味方として活動した後、少年は息を引き取った。

────その後、彼が呼び出されたのはかつての故郷だった。己が愛した、しかし変わってしまった少女を守る為、かつての自分と同じ色の髪をした少女と、自分の後輩に似た薄い紫髪の少女達の前に立ち塞がった。

結果として、少女達に敗北した。少女達と違い、信念も何も無い彼が勝てる筈が無かったのだ。その後、少女達によって召喚され、人理焼却を防ぐ為の長い旅路へと少年は旅立った────

 

 

 

 

 

 

「────と、こんなところか」

「⋯⋯⋯」

話し終え、一息つくアーチャー。反対に霊夢は無言だった。それはそうだろう。人生の密度が違い過ぎる。魑魅魍魎が跋扈する幻想郷であってもこのような人生を送るようなものはいない。アーチャーは霊夢の様子に少し後悔する。

「(やはり、この年頃の少女にはキツかったか)」

そう思い、謝罪しようとすると、

「一つ、聞かせて」

霊夢が口を開く。

「貴方は────後悔してるの?」

その問にアーチャーはフッと笑い、

「愚問だな────無論、後悔はしているさ。助けられなかった命も多い。が、だからこそ後悔は無い。大事なのは私が救えた命もある、という事だけだ。それを否定するのは彼らの“今”を否定する事。今はこれで────充分さ」

一見矛盾しているとも見えるその答え。霊夢は何も言わずに「そう⋯⋯」とだけ呟いた。それきり両者の間に会話は無かった。

 

────今日も、一日は過ぎて行く


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