嬉しすぎるッ!
あと今回は日常回になります。
「はァっ!?アイツに恋人ォ!?」
太陽の花畑で転輪する勝利の剣を回収して3日程経った。相変わらずベディヴィエールは教師、モードレッドは居酒屋の看板娘として働いている。そして今モードレッド、慧音、妹紅の3人は慧音の家で飲んでいた。所謂女子会というやつだ。ベディヴィエールは自警団の男達と飲みに行っている。そこで妹紅による特大の爆弾が投下された。
「もっ、妹紅?それは確かなのか?」
「本当だって!結構前からベディが私達以外の女の人と歩いてるのを見かけたってよく聞くんだよ!私もそれっぽいの見ちゃったし!」
「マ、マジか!?」
「マジもマジ、大マジだって!」
彼女らが何の話をしているのかと言うと〝ベディヴィエールに恋人がいるらしい〟と言ったものである。何でも同じ女性と何度も仲睦まじく歩いていたらしく、女性の方は顔を赤らめ、恋人同士にしか見えなかったという。
「うーむ・・・しかしベディに?何かの間違いでは?」
慧音がそういうのも無理は無かった。彼女らはベディヴィエールの鈍感&天然ぶりをよーーーーく知っている。これまでに里の女性達は大部分が彼に心を奪われているからだ。しかも本人はその事に気付いていない。某ワンサマー君並の鈍感野郎である。
「でもそれにしたって目撃情報が多すぎるんだよ。これはひょっとしたらひょっとするかも・・・」
「うーむ・・・」
慧音と妹紅が唸っているとモードレッドが一言。
「・・・ぞ」
「ん?」
「どうしたモードレッド?」
「アイツを尾行するぞ!」
「はっ!?」
「ちょ!?落ち着けモードレッド!」
「落ち着けるかよ!あの野郎、絶対に相手を突き止めてやる!」
憤慨するモードレッド。本人は気付いていないが、その目は嫉妬の炎で燃え上がっていた。
「モードレッド・・・気になるのは分かるが流石に尾行と言うのは如何なものかと思うぞ」
「ん。でも慧音は良いの?」
妹紅が突然そんな事を言う。
「どういう事だ妹紅?」
「え?だって慧音ってベディの事好きでしょ?」
「なっ!?」
「へっ!?」
「慧音ってよくベティの事目で追ってるよね?傍から見たら恋する乙女そのものじゃん」
「そっ、そそそそそうなのか慧音!?」
「そっ、そそそそそんな訳ないだろう!?」
二人とも動揺し過ぎである。更に妹紅が言う。
「慧音。このままじゃそのうちあのバカラスの新聞に載ってそれこそチャンスが無くなるよ?それにベディにそんな気は無いかもしれないけど既成事実作られちゃったら終わりだよ?」
〝既成事実〟という言葉に二人は反応し、顔を見合わせる。
「・・・モードレッド」
「・・・おう」
「明日、ちょうど寺子屋は休みだ。ベディが何処かに出掛けるようならやるぞ」
「わかった。隠蔽系の術はアイツには効かない。一発で見破られるだろうから協力者を使うぞ。目星も付けてる」
「え、早くない?」
「了解だ。ベディが例の女と接触した場合は?」
「協力者を使って介入するぞ。相手の女が何してるか分からねぇからな」
「ちょ、無視?無視なの?」
「それはいいな。だが協力者は信用できるのか?」
「安心しろ。余計な事をすれば即刻始末するから」
「成程、それならば安心だな」
「ねぇ話し聞いて?それと全然安心じゃ無いからね?」
妹紅は後悔するが時すでに遅し。少女達の追跡計画は着々と進行していった。
翌日の昼食後、
「それでは行ってきます」
「行ってらっしゃい。気を付けてな」
「・・・行ったか?」
「・・・行ったようだな」
「よし、なら始めるぞ霊夢、バカラス」
「・・・何で私が・・・」
「あやや、乗り気でないですね霊夢さん」
「当たり前じゃない・・・ていうか何であんたが?」
「私が追跡役だからですよ。いや〜最近はスクープの種が多いですね〜♪」
「余計な事をしたら即刻斬り捨てるからな」
「わ、分かってますよ〜・・・、だからその剣下ろしてくださいよ・・・」
「・・・なんかごめんね二人とも」
「あんた・・・妹紅だっけ?あんたが気にすることじゃ無いわよ。それでこのバカラスはともかく何で私が?」
「以前幻想郷演義を稗田家で見させてもらった時に博麗の巫女が持つ陰陽玉には通信機能があって映像も送ることが可能だと書いていたのを思い出してな」
「あの阿求・・・余計な事を」
「さて、射命丸。お前は陰陽玉を持ってベティを追え。霊夢は陰陽玉での通信役だ。成功すれば報酬は弾むぞ」
「早速やるわよ文。持っていきなさい」
流石霊夢。報酬が絡むと別人の様である。
「わかりました!それでは行ってきます!」
「くれぐれもバレるんじゃないぞ」
「もちろんです!」
そう言って文は飛び去った行った。
『ベディさんを発見しました!』
数分後、文からそんな声とともに映像が送られてくる。
「ふむ・・・今の所は普通だな」
「見たいだな」
「な?もう止めよう?ベティに限って何も無いって」
「何言ってる妹紅。まだ始まったばかりだぞ」
「・・・」
モードレッドは既に画面(?)に集中している。霊夢は報酬に釣られて既に堕ちた。この場に妹紅の味方はいない。妹紅が「何とかして終わらせないと!」と悩んでいると、文から報告が来る。
『ベディさんが誰かと接触。これは・・・チルノさん、大妖精さん、ルーミアさん、リグルさん、ミスティアさんですね』
「「・・・!!!」」
慧音とモードレッドは画面に鼻先が触れそうな勢いで近づく。表情には鬼気迫るものがあった。隙間から妹紅も映像を除く。
『あー!ベディせんせーだー!』
『こ、こんにちはベディ先生』
『こんにちはー』
『こんにちは』
『こんにちはベディさん』
『こんにちは皆さん』
全員朗らかに挨拶を交す。
『うーん、彼女達はシロ見たいですねぇ。手を出してたらやばい人ですけど』
文から実況が入るがそんな事聞いちゃいない慧音とモードレッドは怪しそうな、具体的に言えば『ベディヴィエールに落とされた』者はいないかチェックする。
「どうだ?」
「今の所1番危ないのは大妖精ぐらいか?それも大した事は無いから大丈夫だろ────」
『あやや、これは・・・』
画面を見るとチルノとルーミアがベディに抱きついている。そんな様子を見て躊躇いがちにベディヴィエールの服の裾を摘む大妖精とリグル。ミスティアは何故か1人余裕の表情。そんな光景を見て慧音達の目が光を失い、空気が重くなる。「ヒッ!」という悲鳴を無視して空気は重さを増していく。チルノとルーミアはまだ良い。⑨だから恋愛についてはわかっていないからだ。それでも彼女達にとってはベディヴィエールに抱きついている時点で嫉妬の対象だが。更に大妖精とリグル。あれは完璧に惚れている。更にミスティア。彼女は5人の中で最もベディヴィエールとの交流が大きい。彼女の店が彼の行きつけの場所だからだ。あの顔は恋敵に1歩リードしているという優越感から来るものだろう。
『あ、あの〜?何か禍々しいナニカが陰陽玉から漂ってるんですけど〜?』
射命丸の声も耳に入らない。モードレッドは「どうやって消してやろうか・・・」などと呟いているし、慧音は「次の授業では覚悟しておけよ・・・最も次があればの話だが」と、完全に殺る気スイッチオンになっている。するとようやくベディヴィエールが彼女らと別れ、空気が多少軽くなる。
『あの・・・まだやります?』
文は内心不安になりながら問う。早く終わってくれと内心叫びまくっているが、
「「行け」」
無情にもその一言で続行が決まってしまう。文は貧乏くじを引いたことを自覚し、ベディヴィエールの追跡に戻った。
『あ、また誰かと・・・。次は・・・あれは紅魔館の門番の?』
再び文から通信が入り、再び画面に接近する二人。もはや止められぬと悟った妹紅は諦めて画面を覗く。
『こんにちは美鈴殿。紅魔館の方々はお元気ですか?』
『!?こっ、こここここんにちはベディさん!お、お嬢様達は元気ですよ!?』
あきらかに顔を赤くしてどもりながらベディヴィエールと挨拶を交す紅美鈴。これまたわかりやすい程のベティヴィエールにベタ惚れの様だ。先程のように空気が重くなる。
『あの・・・その・・・』
美鈴が顔を赤らめ、俯かせていると、
『これは・・・失礼します』
ベディヴィエールはそっと美鈴の額と自分の額をくっつける。バキリと音がした方向を妹紅が見ると畳が真っ二つに割れている。割れた畳は二枚、その畳の上にいるのは慧音とモードレッド。どうやら踏み割ったようだ。妹紅はベディヴィエールにもう勘弁してくれと内心言うがベディヴィエールは止まらない。
『ん・・・。少し熱いですね。風邪かも知れませんから今日は帰って安静にしておいた方がいいですよ』
『・・・』
美鈴は放心している。
『美鈴殿?』
『はっ!だ、だだだだだ大丈夫です!?失礼しますっ!!!』
『あっ・・・』
美鈴は顔をもはや真紅に染めて走り去ってしまった。そんな様子を見てベディヴィエールは一言、
『風邪を移したくなかったのでしょうか・・・』
流石ベティ。これで彼も一級フラグ建築士の仲間入りだ。そんな事を思いながら妹紅が軽く現実逃避していると、軽く涙目なった文から
『・・・まだ続けるんですかぁ?』
「「無論」」
まるで死刑宣告を受けた死刑囚の様な足取り(?)で文は追跡を再開した。
『いましたよ・・・また女の人・・・もう勘弁してくださいよぉ・・・』
半泣きの文から報告がくる。画面には狐の尻尾を生やした女性が写っていた。
「あれは・・・スキマ妖怪の式か?」
「例のベディに釘を指したって言う奴の仲間か?」
「まぁ、部下の様なものだ。しかし何故・・・」
二人が考察していると画面内の二人は二言三言話したかと思うと二人して歩き出す。そう、〝二人して〟だ。
「!」
「これは・・・」
「まさかスキマ妖怪の式と?」
あきらかに動揺する二人。スキマ妖怪の式とは八雲藍の事である。そのままベディヴィエール達は人里のとある一角に歩いてく。
「あの方向は・・・まさか!?」
「何かあるのか?」
「宿屋だ」
「宿ぉ?ここに宿なんて必要無いだろ?」
「よく考えろモードレッド。成熟した男女、そして宿屋。この二つから導き出されるものを」
モードレッドはしばし顎に手を当てて考える。
大人の男+大人の女+そういう宿=そういう事
モードレッドの顔がボンッ!と音を立てて赤く染まる。
「なっ!?てことはアイツら・・・」
「そういう事だ!文屋!そのまま二人を見張っていろ!私達もすぐに行く。モードレッド、行くぞ!」
「おう!」
「えっちょ慧音!?」
飛び出す慧音とモードレッド。それを追う妹紅。ついでとばかりに霊夢もついて行った。
「ここで間違いないか?」
「は、はい」
文の案内の元、ベディヴィエール達が入っていった宿屋に辿り着く慧音達。店主を
『む・・・やはり何度やってもなれないな・・・』
『女性とはそういうものですよ。それでも緊張しないでくれた方がやりやすいですが』
『善処しよう・・・。では頼む』
『わかりました。さあ、力を抜いて・・・』
『んっ・・・くぅ・・・あっ・・・』
『これは・・・随分と溜まってますね』
『し、仕方んっ・・・無いだろう!?前回から・・・つぅ・・・5日も経ってるんだから・・・ふぅあ・・・もっと・・・優しくぅ・・・』
『すぐに良くなりますよ。ほら、もうこんなに・・・』
『んァああっ!』
どう考えても〝そういう事〟をしているとしか思えない声が聞こえてくる。慧音とモードレッドは顔を見合わせ、部屋の襖をスパーン!と勢い良く開ける。
「お前達!何をやってる!」
「テメェら何してやがる!?」
「「なっ!?」」
そこには薄い着物のみを身につけ、頬を上気させた藍とコートを脱ぎ、藍の上に載っているベディヴィエールだった。あきらかに二人とも動揺している。(当然ちゃ当然だが)
「ど、どうして此処に?」
「それはこちらの台詞だ!お前こそこんな所に女を連れ込んで何をしている!?」
「あぁ・・・答えなくていいぜ?今すぐ剣のサビにしてやるからよォ!」
「ちょ、ちょっと待てお前ら!何か勘違いして無いか!?」
「「あぁ!?」」
剣呑な声をあげる二人に文が泡を吹いて気絶し、妹紅は悲鳴をあげ、霊夢は関係無いとばかりにそっぽを向く。そんな事を彼女らに藍は一言、
「私は彼の按摩を受けていただけだぞ?」
「「「「・・・え?」」」」
素っ頓狂な声をあげる4人。
「いやな・・・私は元々彼の監視を紫様から仰せつかっていたのだが・・・彼に見つかってしまった時に私が疲れ気味だという事を見抜かれてな。彼が〝まっさーじ〟してくれると言うので任せたら思いの他効いてな・・・たまにこうやって頼んでいたんだ」
「見た感じかなりお疲れの様でしたので・・・」
「・・・じゃあ何でここら辺の宿に?ここらの宿が〝そういう目的〟のもんだってあんたも知ってるだろう?」
妹紅が尋ねると藍は恥ずかしそうに、
「その・・・知り合いに見られるのが恥ずかしかったと言うか・・・紫様にバレて面倒な事にしたく無かったというか・・・」
「つまり噂の女の正体はベディさんの按摩を受けに来た藍だったと・・・」
「噂になっていたのか!?」
「そりゃ、外来人の男、それも有名な人が女と歩いてたら噂にもなるわよ」
霊夢が呆れたように溜息をつく。
「ま、何にせよこれで一件落着「「して無い」」・・・へ?」
見ると慧音とモードレッドがベディヴィエールに詰め寄っている。
「あの・・・二人とも?どうしたのですか・・・?」
「「やれ」」
「え?」
「オレたちにもマッサージしろっつってんだよ」
「まさかスキマ妖怪の式に出来て私達に出来ないとは言うまい?」
二人の謎の気迫に飲まれ、ベディヴィエールはタジタジになりながらも了承した。妹紅はようやく終わった事に安堵しながらもまたこんな事があるのかと胃を痛めていた。あまりのストレスに不老不死の再生力も追い付いていないようだ。そしてこの後モードレッド、慧音、妹紅、文、霊夢はベディヴィエールのマッサージを受けて完全にダウンしてしまった。その後、ベディヴィエールのマッサージが一部の少女達の間で有名になったという────
次回から永夜異変の開始となります。
ちなみに現在ベディヴィエールがフラグを建てたのは魔理沙、レミリア、美鈴(?)、藍(?)、慧音、幽香、バカルテット+α(?)で、メインヒロイン枠はモードレッドとなります。()がついてるキャラはこのあとの正妻戦争の準参加枠です。後これからもフラグは建ちまくります。・・・ハーレムタグつけた方がいいかなぁ?