今回からはとうとう異変に直接関わっていきます。後、完全に独自設定ぶち込んで行きますんでよろしくお願いします。ちなみに、回収した転輪する勝利の剣はベティに装備させてます。
「────困ったものね」
空を見上げ、霊夢が一人呟く。その空は星々が輝くまさに満天と呼ぶにふさわしい。だがその満天にポッカリと穴が空いている。〝月が消えている〟のだ。今夜は丁度満月、
決して月が消えるなどということはありえない。そう────これはまさに〝異変〟であった。
「────おーい、霊夢!」
異変を嗅ぎつけたのか魔理沙が霊夢の元にやって来る。これがこの二人の異変時のお決まりのパターンである。
「魔理沙、この異変の主犯に心当たりは?」
「うーん・・・紅魔館の連中は無いだろうし・・・」
「当たり前じゃない」
「とわっ!?咲夜かよ・・・脅かさないでくれ・・・」
「咲夜、何でここに?」
「お嬢様の言伝をね。『私は今、美鈴と共に異変の主犯と思われる者がいる場所を目指している。パチェの分析によるとこの異変は何者かが大規模な術式を使って起こしている可能性が高い。そしてその術式の発生源、およびこの異変の主犯が居ると思われる場所は────』」
「────遅くなりました!」
「ごめんなさい、遅れたわ」
咲夜が場所を言おうとした瞬間、妖夢とアリスがやって来る。
「遅くなったって・・・別に待ち合わせしてた訳じゃないんだけど・・・」
「別にいいだろ?戦力も充分に揃ったし、これなら異変解決も楽勝だろ!」
「霊夢さん。幽々子様から言伝が」
「幽々子から?」
「はい。何でも今回の異変がちょっと洒落にならないとか。紫様と行動を共にするとおっしゃってました」
「アイツらは・・・何考えてんのかしら?・・・まぁいいか。咲夜、説明の続きをお願い」
「わかったわ。『場所は────』」
「『────迷いの竹林』」
「これは・・・」
霊夢達が集まっている頃、ベディヴィエール達も空の異常に気付き、これが異変であることを察知していた。更にはベディヴィエールとモードレッドはその超人的な察知能力から、発生源と思われる気配も感知、特定していた。
「これが異変って奴か?にしても随分と地味だな」
「地味でいいだろう・・・紅い霧とか冬が終わらないとかよりは・・・」
「お陰で私なんか吹雪の中、雪を溶かすために一日中燃え続けてたんだから・・・」
「まぁこのまま何も無ければいいのだが────」
「────そういう訳にも行きませんね」
既に空の異常に気付いた人里の住民達が騒ぎ出している。この異変を放っておく訳にもいかず、慧音達は今回の件の方針をまとめる。
「よし!じゃ、オレが行って異変の元凶ぶっ飛ばして終わりだな!」
モードレッドが胸を張って自信満々に言うが、
「「「駄目だ(です)(でしょ)」」」
「何でだよ!?」
3人から速攻でダメ出しを食らう。
「モードレッド。まず、異変の主犯が何処にいるかもわからないのにそんな事を行っても虚しいだけだぞ?」
「何か任せたら任せたで異変越えの大惨事になりそう」
「前科があるので駄目です」
ボコボコである。
「ちょ!?大惨事なんて起こさねぇよ!てかベディ!前科って何だよ!?」
モードレッドが抗議すると、ベディヴィエールから疲れ切った雰囲気が漂い出す。
「過去、貴女の暴走で私がどれほど苦労したとお思いで?」
「うっ」
彼らが円卓の元一つに纏まっていた時代、ベディヴィエールはモードレッドのお目付け役として彼女の仕事に同行する事が多かった。その際、例えば野盗の討伐などではモードレッドは部下を置いて暴れ回る事が多かった────周辺の村などに被害を及ぼして。そういった事後処理をベディヴィエールは一手に引き受けていたのだ。ぶっちゃけ彼の胃に穴が空いたのも10や20ではきかない。
「いや・・・それは悪かったけど・・・」
「ですので、今回モードレッド卿は人里の防衛に徹して下さい。この混乱に乗じて妖怪が襲ってこないとも限りませんから」
「だったら私も残ろう。私の能力はこういったことにうってつけだからな」
「じゃ、私はベティと異変の解決に廻るよ」
「わかりました。モードレッド卿もいいですね?」
「わーったよ・・・」
そのような会話の後、ベディヴィエールは転輪する勝利の剣を携え、妹紅と共に飛び去っていった。
────彼らが向かう先には竹林が広がっていた。
「ここね」
迷いの竹林の上空に霊夢達はいた。あきらかに通常時ではありえない程強大な力が竹林内から発せられている。それは異変の元凶が此処に居ると言う事だ。
「パチュリーの思った通りってことか」
「どうしますか?この人数ですし別れましょうか?」
「それがいいかもね。魔理沙、あんたは私について来なさい」
「へいへい了解、っと。お前達はどうする」
「私が一人で行きます」
「妖夢?良いの?」
妖夢の発言に思わずアリスは聞いてしまう。
「大丈夫よ。その子分身出来るから」
「分身!?」
「分身って・・・あれは半霊ですからね?」
妖夢がとる戦法の一つに自身の半霊を人型に変化させ、攻撃するといったものがある。確かに傍から見れば分身であろう。
「取り敢えずは異変の主犯を見つける事が最優先よ。何かあったら・・・そうね、空にスペカでも撃って知らせなさい」
「「「「了解」」」」
「それじゃ、行くわよ!」
霊夢の号令に合わせ、3組の少女達は竹林内へバラバラに別れて行った。
霊夢達から遅れる事数分後、ベディヴィエールと妹紅も竹林に辿り着いていた。
「ここか・・・てことは〝彼処〟の連中かな?」
妹紅は何か知っている様だ。
「何か心当たりでも?」
「此処の奥に〝永遠亭〟って言う所があってさ。ここが異変の発生源ってならアイツら位しか居ないだろうって思ってね」
「ではそこに行ってみましょうか」
「私が案内するよ。此処に迷い込んだ人間の案内とかを良くやってるしね」
妹紅の本業は迷いの竹林に迷い込んだ外来人などの救出、および案内であり、竹林内の事に関してはかなり詳しい。ベディヴィエールに異存は無かった。
「行こうか」
「そうですね」
それだけ言って歩き出した妹紅にベディヴィエールはついて行く。その足取りは迷いの無いものであったが、妹紅の顔がやけに暗い事に気付く。
「妹紅?どうかしたのですか?」
「・・・何でもないよ」
妹紅はそれだけ言って歩き続ける。何でもない筈が無かったが、あまり聞くのも失礼と思い、そのまま無言で妹紅について行く。やがて数十分程歩いたであろうか。ベディヴィエールは自分達で無い二人分の足音を聞き取る。
「妹紅、誰か来ます」
「・・・早速お出ましかな?」
妹紅から殺気が放たれ始める。その尋常ではない────いっそ憎悪と言ってもいい程の殺気にベディヴィエールは一瞬驚くも、すぐに臨戦態勢に移る。やがて姿を現したのは二人の少女────十六夜咲夜とアリス・マーガトロイドであった。その姿を見て妹紅が殺気を収める。
「何だあんた達か。悪いね、異変の元凶と思わしき奴と面識があってね。そいつかと思ったんだ」
咲夜は人里へよく買い物に来るし、アリスは人里で子供達の為に人形劇をよく開いている。妹紅が彼女らと面識があってもおかしくは無い。妹紅は彼女らに気軽に近づくが、彼女らは無言で微動だにしない。流石におかしいと思ったベディヴィエールは彼女らの顔を見て────
────その顔に〝感情〟が一切無い事に気付く。
「妹紅!!」
慌てて妹紅に呼びかけるも────
「ベティ?いったいどうし────え?」
────既に遅かった。妹紅は自身の腹部を見る。そこにはナイフが根元まで刺さっていて────
────瞬間、妹紅の周辺に大量のナイフと武器を持った人形が出現し、その全てを彼女に突き立てる。
「がっ!?ァアッ!ぎっ!?」
無慈悲な殺意の塊は妹紅の身体をズタズタに引き裂き、貫く。アリスが手を伸ばし、その手から伸びた糸が妹紅の首にかかる。
「よせっ!!!」
ベディヴィエールが手を伸ばす。その声も虚しく────
「ア゛ッ」
────アリスの腕が振るわれ、ゴキンッという音と共に妹紅の首が折れ曲がり、ベディヴィエールの方向を向く。その目は何も映していなかった────
「妹紅ォォォォォオ!!」
ベディヴィエールは剣を振り抜いて糸を切断、妹紅を抱き寄せて二人から距離をとる。
「妹紅ッ!?妹紅!!」
ベディヴィエールは必死に呼びかけるが妹紅は答えない。彼にはわかった────わかってしまった。幾度も、それこそ数えきれない程戦場で死ぬ兵達を見てきた彼にはわかった。妹紅は、もう、〝動かない〟のだと。完全な致命傷であった。
「ッッ!よくもッ・・・!」
ベディヴィエールは憤怒の表情で咲夜達を見る。二人は無言で戦闘態勢をとる。その目に光は無い。〝何者かによって操られている〟のだとベディヴィエールはあたりをつけた。
「楽に死ねると思わない事だな・・・!」
ベディヴィエールは異変の元凶に怒りを抱きながら剣を構える。此処に、一つの悲劇と共に戦いが幕を開ける────
どうも日本人です。え?なになに「こんなのベディじゃない!」?はい、自分でも書いててそう思いました。すいません・・・。
感想、批判、評価、誤字脱字報告など、お待ちしております。
2017/12/17 lumi27さん。誤字報告ありがとうございます。