リア充系女子だって多難な恋をするんですっ!   作:初羅 柊羽

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3話 【助っ人参る】

_______________あれから約20分後……

 

 

 

「ちょっ!!蘭っ!『どうせ暇でしょ?』って

 どういうことっ!?

 言葉が断定系なんですけどっ!!?」

 

「…………でも結局暇だから、

 来たんでしょ?」

 

「うぐっ!そ、それはぁ~……」

 

 

目の前で漫才みたいなやり取りをする、若き高校一年生の少女たち。

 

ポカーンとしてる私をよそに話が進んでいく。

 

 

「…………なら、別に良いじゃん」

 

「よ、良くないのっ!!

 わ、私の尊厳に関わるんだからっ!」

 

 

涙目で抗議をする上原(うえはら) ひまりさん。

 

不覚にも可愛いと思ってしまった私を誰か殴っていただけませんか?

 

私には羽沢さんという心に決めた方がいるというのに、他の女性に目が向くなんて……っ!!

 

切腹だぁ……っ!!

 

頭の中の私が一人切腹をしていると、まだまだ話が続いていった。

 

 

「そもそもひまりに尊厳なんてあるの?

 どうせ、もうないでしょ?」

 

「ひ、ひどい……っ!!

 もぉ~っ!ら~~ん~~っ!!」

 

 

もう止めてっ!上原さんっ!!

 

これ以上はもう勘弁して……っ!!

 

私のライフはもう0だよっ!!

 

 

「……………何やってんの?零…」

 

 

突如、蘭から冷たい一声が降りかかった。

 

そんな蘭の目線の先で頭を手で抑え、悶絶してる私。

 

 

「えっ!?か、神崎さんだよねっ!?

 だ、大丈夫っ!!?あ、頭、痛いの?」

 

「だ、大丈夫、、だよ……」

 

 

私を心配してくれる上原さんが天使に、

私をひたすら冷たい目で見てくる蘭が悪魔に見える。

 

まさに天国と地獄が目の前にあった。

 

 

「だ、大丈夫、です……

 ちょ、ちょっと、自己嫌悪しただけですから…」

 

「じ、自己嫌悪?」

 

「………馬鹿」

 

「うぐっ!!」

 

 

ズバッと刺さる蘭の一言に、私は胸を抑えて机に伏せる。

 

チーーン。

 

 

「ちょっ!蘭っ!!何言ってるのっ!!」

 

「良いんだって、これで。

 零にはこれくらいが丁度良い」

 

 

あぁ………上原さん、

そんなに私に優しくしないでおくれ…

 

また切腹しないといけなくなるから…

 

 

「っていうか、なんで私呼ばれたの?

 まだ何も話聞いてないんだけど…」

 

「…………零が恋愛相談したいんだって」

 

「れ、恋愛相談っ!!?」

 

 

恋愛相談だと聞いた瞬間、上原さんの目がキラキラと輝きだした。

 

あぁ~……これは恋話大好き系女子の傾向ですな……

 

 

「か、神崎さんっ!!

 す、好きな人いるのっ!!?」

 

 

蘭の隣にいつの間にか座ってた上原さんが、凄い勢いで私の顔に接近した。

 

 う、うわっ!!ち、近くないですかっ!?

 

 お、おーーい……上原のひまりさーん?

 

 

「…………ひまり、がっつきすぎ…」

 

 

蘭が上原さんの首根っこをつかんで、元の席へと座らせる。

 

お、おぉ~。これぞ、真の上原さんマスター。

 

さすが幼馴染みだなぁ……

 

略して、さすおさ。

 

……………ダサっ。

 

うん、究極的にダサかったね。

 

今のを有栖ねえに聞かれたら、冷たい目で見られそうだよ……

 

 

「っで、っで!!だ、誰なの?」

 

「え、えっと、そ、その、

 わ、私の好きな人っていうのは…」

 

「あっ!ちょっと待って!!

 ドキドキしてきたから、

 先に飲み物をもらっとこ!!

 まずは落ち着かないとねっ!」

 

 

え、えぇ~?

 

今、私、腹括ったのになぁ~……

 

そりゃないよ~、上原さ~ん。

 

 

「ってことで、つぐ~!

 いつものやつ、ちょうだ~いっ!」

 

「あっ!ひまりちゃんっ!!来てたんだねっ!

 いらっしゃいっ!

 ご注文はハーブティーでよろしいですか?」

 

「うんっ」

 

 

っつ!!?は、羽沢さんっ!?

 

そ、そりゃそうだよねっ!!

 

羽沢さんのところの喫茶店だもんっ!

 

あ、あはは~……

 

っとか、言いながら、ドキドキ止まらないんですけど……っ!!!?

 

好きって気持ちが溢れ出そうだよ……っ!!

 

あぁ……っ!!顔、絶対に赤いよねっ!!

 

だって、すっごく熱いしっ!

 

 

「あっ!神崎さん。

 コーヒー、無くなってるね!

 お代わり、いる?」

 

「は、ははははいっ!!

 お、お代わり、い、いりますっ!!」

 

「はい。ご注文、承りましたっ!

 それじゃあ、ごゆっくりどうぞ~」

 

 

そう言って、羽沢さんは厨房の方へと去っていった。

 

ふぅ~…緊迫していた心が落ち着き、安堵のため息がもれる。

 

………やっぱり、羽沢さんは頑張り屋だな~。

 

こうして自分からお客さんの状況を確認して、お代わりの有無を聞くなんて……

 

こういうところを見る度に、より一層好きが増していく。

 

…………一所懸命頑張ってる羽沢さんを私が守ってあげたい……

 

…なんて、私の中の願望が強くなる。

 

 

「ねぇ、神崎さん」

 

「ん?どうしたの?上原さん」

 

 

頭の中の回想から、ふと現実に引き戻される。

 

 

「もしかして神崎さんの好きな人って、

 つぐのこと?」

 

「ぶっ!!」

 

「ちょっ!零、汚いんだけどっ!

 急に吹き出さないでよっ!」

 

 

蘭のお怒りの言葉が私の耳から通り抜けるも、そんなこと気にしてる場合ではなかった。

 

な、ななななななっ!!!?な、なんで気づいたのっ!?

 

い、いいいいや、お、おおお落ち着け、

わ、わわわわわ私っ!!!

 

 

「………混乱してるところ悪いけど、

 零の反応見てたら、

 誰でもわかるに決まってるじゃん…

 馬鹿なの?」

 

「うっ!!だ、だって、そ、その、

 こ、心の準備が出来てなかったと言いますか……

 なんと、言いますか……」

 

 

だ、だから、し、仕様がないじゃん?

 

ど、動揺するのも無理はないよね?

 

む、寧ろ、普通の反応だよねっ!?

 

 

「あははっ!神崎さんって、

 面白いね~。

 それに分かりやすいしっ!

 思ってたより、話しやすくて良かったよ~!」

 

「そ、それは、ど、どうも、、です?」

 

 

な、何だか、全然誉められた(?)気がしないんだけど……

 

っというか、元の私のイメージって……?

 

気になるところは満載だが、今は置いておこう。

 

 

「さ、早速だけど、

 相談にのってもらえますか?」

 

「あっ!そうだねっ!

 じゃあ、まずはつぐを好きになった

 理由から教えてもらいたいかな~」

 

「え、えっと、わ、わかった」

 

 

な、なんか、あっちの方が聞きたいオーラが凄いのは気のせい…?

 

わ、私が上原さんに相談したいんだよね?

 

何だか、上原さんが私の恋話を聞きたいみたいな感じになってない?

 

ま、まさか、、ね?

 

そんなこと、、ない、よね?

 

いや、でも、このキラキラと光る目を見る限り………

 

えぇいっ!!!ままよっ!そんなことどうだって良いっ!

 

 

「私が羽沢さんのことを

 好きになったきっかけはですねっ!

 2ヶ月ほど前のことで_____________」

 




《親友》
美竹 蘭

基本的な設定はそのまま

辛辣度UP

零のクラスメート兼親友

零曰く、とりま悩んだらまずは蘭でしょ


《恋の師匠》
上原 ひまり

基本的な設定はそのまま

零の恋の相談相手兼師匠となる

零曰く、恋話大好き系女子

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