リア充系女子だって多難な恋をするんですっ!   作:BLACK CAT ~黒猫~
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6話 【ミッション】

____________「カプチーノ1つとナポリタン1つ」

「あっ!私はカフェラテ1つと
 サンドイッチでお願いします」


店員さんにパパッと注文を済ませる。

さすが羽沢さん、頼み方まで丁寧。

現役店員さんだからなのかな?


「あの、神崎さん。
 ブラックコーヒーじゃなくて良かったんですか?」

「あぁっ!それですか?
 あの、実はブラックを飲むのは、
 羽沢珈琲店と結愛ねえのって決めてるんです。
 あ、あはは。幼稚っぽいですよね?
 す、少し恥ずかしいです……」


実は少しどころじゃなかったりする。

だいぶ恥ずかしいっす、はい。

な、なんか、やること幼いよね。


「そうなんですね。なんだか、嬉しいです。
 数少ない中、
 私の家のお店が入ってるなんて光栄です。
 きっと、父や母に伝えたら、
 凄く喜んでもらえると思いますよ」


少し照れくさそうに小さくはにかみながら、羽沢さんはそう言った。

~~~~っつ!!!

羽沢さん、可愛すぎっ!!

そんな反応されたらこっちだって照れずにいられない。

現に私は口元を手で覆い隠し、目線をそらすというあからさまな行動をしてしまっている。

でもそうしてしまうほど、羽沢さんが可愛らしく映って、凄く胸にズキューンっと来てしまったのだ。

だからそういう意味では、私は正しい反応をしたのだっ!

寧ろ、この反応が普通でしょっ!!


「お待たせしました。
 カプチーノとカフェラテです」


なんともまぁっというタイミングで店員さんがやって来て、注文した品々を置いていった。

コトンと私の目の前にカプチーノが置かれた瞬間、ふと1週間と1日前のことを思い出した。

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_____________「そんなのデートするしかないでしょっ!!」

「で、デデデデデートっ!!?」


これは、私がひまりさんにこれからについて相談をしたときのことである。


「うじうじしてても仕方ないでしょ?
 だったら、手っ取り早く
 デートすれば良いんだよっ!
 もちろん、二人きりでね?」

「ふ、ふふふふ二人きりっ!?
 む、むむむむむ無理だってっ!!!
 き、緊張で何も話せないよっ!!」

「……………へたれ…」


ぐはぁっ!!

蘭の一言が私の心を貫いた。

わ、私だって自分で何となく自覚してたけどさぁ……っ!!

こんなにはっきり言わなくても良くない……っ!?

うぅ~っ!酷いよっ!!蘭……っ!!

唯一無二の親友なのに……っ!!

そんな私の心の声が通じたのか、蘭が私を更に冷たい目で見つめてくる。

………………私、よく思うんだよね~。

蘭ってツンデレで可愛いって。

でも、私に対してのツンが強いかな~っとも思うんだ。

私の目がだんだん虚ろに変わっていってることを、私自身把握できていなかったが、それを見た蘭が哀れみの目で見てきたのはわかった。

哀れみは哀れみでも蔑みを入れた哀れみだったことを、私は今でも覚えている。


「ちょっ!!神崎さんっ!?
 こっちの世界に帰ってきてっ!!?
 話が進まないんだけどっ!!?」

「……ん?あれ?私は今まで何を…?」

「……」


ハッと思考の世界から現実の世界に返ってくると、蘭から無言の視線が突き刺さった。

妙に痛いのは気のせいだと思いたい。


「っもう!とっ!にっ!かっ!くっ!
 つぐをデートに誘うことっ!!
 良いっ!?わかったっ!!?」

「わ、わかりましたっ!!!」


上原さんの勢いに圧倒され、思わず敬礼までしてしまった。

イエスっ!マアムっ!!


「わかったら、とっとと行くっ!!!!」

「は、はいっ!!!」


またもや上原さんの気迫に押されて立ちあがりはしたものの、羽沢さんの元へ向かう勇気がでない。

その結果、立ちすくんで硬直状態に。


「もうっ!!良いから行ってっ!」

 ドンッ!
「う、うわぁっ!!!」


上原さんに背中を押され、丁度エプロン姿で空いているテーブルを拭いていた羽沢さんの目の前に放り出された。


「?どうしたんですか?神崎さん。
 何かありました?」


テンパっていると、突如羽沢さんに声をかけられた。

当たり前のことのはずなのに、そんなことまで頭が回らなかった私は凄く驚いて頭が真っ白になった。


「あ、あの……?」


少し不安そうに首をかしげる羽沢さんを目の前で見て、私の中の緊張が爆発した。

変な方向にテンションが上がって口元が震えてしまった。

それがきっかけとなって、つい………


「わっ、わわわわ私とっ!
 で、デートしてくでゃしゃいっ!!」


その勢いのまま腰を曲げて礼をしたのは良いものの、
思いっきり噛んだ&デートしてくださいなどと突っ走ったことに恥ずかしさがじわじわとわいてきて、顔が熱でヤバイことになっていた。

な、なんて事をしてしまったんだぁ……っ!!

『くでゃしゃい』ってなんだよっ!?

『くでゃしゃい』って!!?

盛大に噛んでるじゃんっ!!!

そ、それにっ!!べ、べつにデートじゃなくて、一緒に遊びにいきませんか?でも良かったじゃないか……っ!!!!

もっとスマートに出来なかったのかぁっ!!私は……っ!!!!!

 あ、ああぁぁぁぁあああ………っ!!!!!!

 ど、どうしよう……っ!!?

 絶対に引かれたぁ……っ!!!

 もうおしまいだぁ……っ!!!!


「クスッ。神崎さんってやっぱり面白いですね?
 ふふっ。良いですよ。デート、行きましょうか?」

「や、やっぱりダメでs、ん?
 い、今なんと……?」


き、聞き間違えだよねっ!

デ、デート行きましょうか?なんてっ!
は、ははは羽沢さんが私なんかに言うわけが……


「デートに行きましょうっ、神崎さんっ」


ふわりと笑って羽沢さんが言った。

えっ……?まじで……?

ほ、ほほほほ本当ですかっ!!?

えっ!?現実ですかぁっ!!?

マジと書いて本気のやつですかっ!?!?

本気と書いてマジのやつですかっ!?!?

えっ?う、嘘じゃ、、、ない、ですよね?

今日ってエイプリルフールでもない、、よね?

『トリック オア トリート!』とか言われて、
イタズラとしてやられてたりしないよね?

まず、羽沢珈琲店に飾ってあるカレンダーで日にちを確認する。

…………うん、4月1日でもなければ、10月31日でもない。

ふむ。

では次に現実がどうかを確認しよう。

思いっきり自分の頬をビンタしてみた。


 バチーンッ!!!!!!
「いっっったぁああああああああっ!!!!!!」

「えぇっ!!?か、神崎さんっ!?
 な、何やってるんですかっ!!?!?」


う、うむ。犠牲は大きかったが、これが現実だということは分かった。

私の右頬に大きな紅葉型と、ジンジンとした痛みがこれは現実だと今もなお知らせてきている。

次に再確認をしよう。


「あ、あの、ほ、本当に、
 で、デートしてくださるんですか?」

「は、はい」


 っということは、これは…………


_____________現実だぁあああああっ!!!!

ガチでデート行けるんだっ!!!

やったぁああああああああああっ!!!!!

バンザーイっ!!バンザーイっ!!!

今すぐ声に出して叫びたいけど、さすがにそれは羽沢さんに引かれるので止めにした。

その代わりに大きなガッツポーズをする。

くぅ~~~っ!!!!

この15年間の人生で、こんなに嬉しいことが起こったことはない。

じわじわ溢れてくる感動を噛み締めて、喜びを爆発させるかのように大袈裟と言われるぐらいのガッツポーズをとった。

すると上原さんとパチリと目があった。

その瞬間、よくやったと言わんばかりに、満面の笑みでサムズアップをしてくれた。

ありがとうございますっ!!!上原さんっ!いえっ!師匠っ!!

これは師匠が私の背中を精神的にも物理的にも押してくれたおかげですっ!!!!


「あ、あはは。そんなに喜んでもらえるなんて、
 思ってもみなかったです。
 私なんかで本当に良いんですか?」

ガシッ!!
「いえっ!!羽沢さんでないとダメなんですっ!!!!」


ガシッと羽沢さんの手を両手で包むように握り、
グッと顔を近づけて真剣な眼差しで羽沢さんにそう言った。

羽沢さんでないと意味がないんだっ!!

羽沢さん以外じゃダメなんだっ!!

羽沢さんが良いんだっ!!

そんな思いを眼差しに乗せて、羽沢さんを見つめた。


「か、神崎さん……っ!
 ち、ちちちち、近いですっ!!」


羽沢さんが顔を真っ赤に染めて、目線を少し泳がせながら、私に伝えた。

……ん?近い?

………………はっ!!

我に返った私は慌てて手を離し、羽沢さんから離れた。

かぁあっと顔の温度が上がっていき、私の顔が熱に包まれた。

恐らく、今の私は顔が真っ赤だ。


「ご、ごごごごごめんなさいっ!!!」

「い、いえ、だ、大丈夫ですよ」


お互い顔を赤く染めて、少し目をそらしているというちょっと気まずい空気が流れた。…

わ、私のせいだよね?

ど、どうしよう。


「あ、あの、その、い、いつにしますか?」

「えっ?」

「そ、その、で、デート…」


頬を赤く染めたまま、羽沢さんがそう言った。

か、可愛い……

って!見惚れてる場合じゃないっ!!

い、いつにするか決めないと……っ!!

で、デートに行けることにはなったけど、日にちを決めないと意味がないっ!


「は、羽沢さんはいつ頃空いてますか?」

「……来週の日曜日辺り、ですかね?」

「じゃ、じゃあ、そ、その日にしましょうかっ!!」

「は、はいっ!」


お互いに目を泳がせながら、予定を決めていく。

う、うぅ~。

何かそわそわして落ち着かない……


「じ、時間は……?」

「そ、そうですねっ!
 11時で良いんじゃないでしょうかっ!!?」


時計をチラッと見て、目に入った数字を言った。

い、いろいろ考えて決めるほど、余裕なんて残ってないし、べ、べつにこんな決め方でも良いよねっ!?


「わ、わかりました。
 そ、そうしましょうか」

「は、はいっ」


ぎくしゃくと機械のような動きをする私と羽沢さん。

う、うぅ~。き、気まずい…

と、とりあえず、ここは……


「そ、それじゃっ!」

「あっ、はいっ」


____________退散っ!!

こうして私は脱兎のごとく上原さんたちのところに帰還した。


「っふぅ~」


気まずい緊張空間から脱出できたことにより、変な安堵がこぼれる。


「とりあえず第一ステップは
 クリアーしたねっ!神崎さんっ!」

「ん?第一ステップ?」


第一ステップってどういうこと?


「次のステップ………いや、
 ミッションは今回のデートの最後に
 次のデートの約束をすることっ!!」


ドドンッという効果音が入りそうな勢いで、上原さんがそう言った。

次のデートの約束までするのっ!!?

ま、またこの緊張をあじわらなければならないということかっ!!

わ、私の胃が耐えられるかどうか心配だよ……


「あっ!それと私のことはひまりって呼んでね!
 もちろん、敬語もなしだよっ!」

「あっ、はい。ひまりさん」


先程のインパクトが強すぎて、特に何も考えずにポロリと名前で呼べてしまった。


「じゃあ、私は"かんちゃん"って呼ぶねっ!」

「「え"っ!?」」


今まで沈黙状態だった蘭と声が被った。

えっ?何そのネーミングセンス。

かんちゃんって………

名前の中に"かん"が入ってるならまだしも、名字の中からとって"かんちゃん"だなんて……

もっと良いのがあったでしょうに……

私と蘭はそのネーミングセンスに哀れみの視線を送った。


「えっ!?何その反応っ!!?
 かんちゃんって良くないっ!?
 可愛いじゃんっ!」

「「………」」

「ちょっとぉっ!?」


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っとまぁ、そんなこんなで私のファーストミッションが始まったのであった。



《零の姉》
神崎 菫

少女漫画作家
(作家ネーム:イア)
※スミレとギリシア神話から

上から3番目の三女

年齢、23歳

金色の髪をボブカット
(所々はねてる)

紫色の瞳
(少し隈がある)

少女漫画オタクなら知ってて当たり前の超新星作家
(数ヵ月前に出したものが大ヒットし、
テレビでもちらほら名前が上がった)

一人称 私

にひっと笑うタイプ

良いか~?零~?よく聞けよ~?系の
ちょい悪オヤジ系の姉ちゃん

少女漫画のイケメンを零に吹き込み、
零の内面のイケメン力を作った張本人

仕事の忙しさ故に家事は零に投げ出してる