それ逝けあんちんマン!   作:アビャア

33 / 42
三拾鐘 彼が辿った『安珍清姫伝説』と『安珍日記』

○月×日『何度も死んで甦る』

天気 晴れ

 

早朝に目が醒めたらあの事件から一ヶ月以上経っていた。

左腕は骨折はしてないのに包帯で凄いぐるぐる巻きにされてるし身体中が痛かったけど、きよひーが隣で寝ていたから無問題です。

 

『うわぁ身体動かないなぁ、ヤバイなぁっ、ってかここ安部家の屋敷やん。ナンデェ?』って考えていたら戸が開いておしぼりを持ってきた安部家の狐従者と目があって従者が慌てて何処かに消えたあと、小雪さんがなんか凄い顔をして来たからちょっとビビった。

 

とても重い空気になり普通におはようと答えたら『好きだ、結婚してくれ』と言われ強く抱き締められた上でガチのキスをされた。

何かもう凄かった頭の中でオルフェンズの涙が流れたよ。例えるなら、殺せんせーのビッチ先生のキス方法にエグゼイドの多段ヒットからの究極の一発で完全勝利な奴を加えられたようなそんな衝撃的な一撃だった。

 

多分生きてきた中で初めてのガチキスに困惑した俺だったが、小雪さんの今まで見たことのない泣き顔を見て察した俺は無言で彼女に優しくキスをして彼女の頭を自分の胸に寄せた。

 

驚く彼女だったけど、次第に涙を浮かべ『生きてて良かった』と震えながら泣きじゃくる。

強者も微塵もなく自分を愛する一人の女として泣く小雪さんに俺は、蛇のように睨んで羨ましそうに見るきよひーと、ひょっこりと見ながら暗黒笑みを浮かべる安部夫妻と、小雪さんの告白の成功にバレないように喜ぶ葛の葉専属狐娘達の生温かい眼差しに耐えながら彼女の背中を擦った。

 

 

まぁそんなこんなで時間は流れていき、安部保名さんから俺の身体についての報告をされた。

何でもこの時代の医学、魔術的見解から見ても『えっ何で普通ならほぼ死亡確定で、生き返ったとしても魔術回路のイカれ具合から廃人確定なのに健康状態なの?マジで怖い。』らしい。

 

そうなった原因は、鍛えすぎた俺の肉体と精神の頑丈さ、左腕に封印した『龍』の力によって寝ている間に身体が少しずつ修復されたお陰で廃人にならなかったというのが今の見解らしい。

しかし、完全には癒えることはなく魔術回路と変異回路はまだ使えるが殆どの回路が焼ききれ、前のように魔術とかをバンバン使う事が不可能になり、身体を動かして戦う事は出来るが少し鈍くなり激しい動きはしたらぶっ倒れてしまう可能性がありかなりの弱体化を喰らった。

 

例えるなら、ガンダムバルバトスルプスからのバルバトス第一形態、仮面ライダードライブからのプロトドライブにデチューンした状況だ。

 

それでも俺は今の方が幸せだ。以前のように上手く翔べなくなったけど、以前の頃の俺と比べて失った人間らしさを取り戻した気がする。

それにこんな俺でもきよひーと小雪さんという二人の女性が愛してくれたのだ。ならば、この幸せを護る為に頑張らないと。

 

p.s.一ヶ月振りにこの日記を書いたのだが、とても久し振りに思えてしまう。何故だが分からないが3ヶ月振りに日記を綴ったようなそんな不思議な気持ちだ。何故だろうか?

 

 

 

[杖] 月 [忠誠]日『ねごしえーしょん』

天気:曇り

 

俺が目覚めて二人と結婚すると決めた日以降、俺はある決意をした。

 

それは俺と清姫の死亡偽造、何故かというと今はバレてはいないが俺の左腕に封印された龍と、蛇よりだが龍としての力を覚醒させた清姫を狙ってくる輩がいる可能性(確定)があるため、安部一族に無理矢理頼んでその権力の力であの戦いで死んだ事にしてもらった。

 

清姫の両親もこの時に合流して話し合いという名の交渉が始まった訳だがいやぁ心臓が何回か止まりそうだった。あの肉おじ似腹黒の安部保名さん、その妻の陽気ながらとんでもないブラックホール級の黒さをちらつかせる葛の葉さん、熊野の血は伊達ではない庄司夫妻相手に、此方も小雪さんと清姫含めた三人で挑んだが胃痛がマッハでヤバかった。

 

庄司夫妻は事情が事情だった為か時間を掛けて頑張ったお陰で何とか了承したが安部夫妻は別、ハイパー無慈悲で容赦なくぶちこんでくる。それを凌ぎながら反撃する静かで激しい攻防戦の末、俺は吹っ切れて『今までやってきた極秘任務ばらす』と言ってみたら夫婦揃ってキョトンとして大きく笑いだした。どうやら俺の彼女たちに対する愛が何処まで本気か試していたとのことで少しの条件付きで了承してくれた。

 

心臓に悪すぎるわぁこれ将来的に安部晴明も腹黒くなるわぁこれ........。

 

その日に、俺の身に起きた一連の事を手紙に綴り故郷の村に送ったら数時間後には返事が来たのだが、内容は短く『お前だけ村総出で説教』と書かれていた。

 

.........お土産あげたら軽減されるだろうか?

 

 

 

 

 

◎月●日『前を向いて』

天気:晴れ

 

死亡偽造を行って俺と清姫は死んだ事になり、新しい人間として安珍改め『加賀乃 鐘彦(かねひこ)』、清姫は『加賀乃 お清』として生きることにになり、加賀さんも『加賀乃 小雪』に改名してからはや二ヶ月経過、やっと故郷に戻る日がやってきた。

 

清姫の両親と安部夫婦とその眷属、天空寺の皆と別れを告げ小雪さんの大鷹に三人乗って空を飛び故郷に戻っている最中なのだが、今振り替えってみると怒濤の日々だったなぁ。

 

天空寺の皆に結婚したお祝いと俺がかなりの無茶をしたことによる説教を喰らったり、今にも力が溢れそうな左腕の力を封じ込めるタイツ状の特殊な素材を用いた長手甲をはめたり、身体が動けるように小雪主導のリハビリ(地獄)を必死にやったり、偽造工作における殆どの書類とかを書いたりと忙しい毎日だったけど、お清と小雪で精神を癒していたお陰で切り抜ける事が出来た。

 

村総出の説教が待っているから切り抜けるかどうか問題だけど。

 

 

まだ、村まで着くのに時間が掛かるし、あの『村おこ手紙事件』の事を詳しく書いておくか。

 

事の発端は二人と結婚と『安珍』が死んだことを報告、事前説明するため、二週間前に清姫龍化事件から解決後からの事後処理を数枚に分けて書いた手紙を毬尾兄弟に託して飛ばした訳だが、僅か半日で返事が帰って来た。

 

兄弟が恐怖で顔が青くなる通り越して燃え尽きたかのように白くなっていたから恐る恐る手紙を開くと、『事情は分かった。清姫を受け入れるがお前は説教。』と達筆で書かれた手紙と『安珍、秘孔フルコース』と唐の国で使われる文字で書かれた手紙が帰って来た。

故郷に帰ったら、確実に激おこ師匠と祭星の秘孔フルコースが待ち構えているけどまぁどうにかなる...よね?

 

 

 

 

p.s.この後俺だけ村総出で滅茶苦茶怒られて秘孔フルコース喰らった後、三人の結婚を祝った祭りを滅茶苦茶行った。

皆に無茶しすぎだと滅茶苦茶怒られたのが俺を心配した上での説教で、俺が今まで出会った色んな人達に『愛されていた』ことに気付いて説教中に仏頂面でホロリと涙を流してしまった。

突然の事に慌てた皆に涙を流した理由を流すと頭を撫でられた。

 

.....俺は頭を撫でられながらも、自分が他の人に支えられたお陰で此所までこれたのだと今日改めて実感した。

 

 

 

 

 

○月○日『平穏で平和な日々』

天気:快晴

 

故郷に返ってから俺達の新婚生活が始まってから一ヶ月が経過した。

俺はいつも通り畑仕事や薬屋の手伝いをしながら、頻度は減ったがたまにくる任務を行う毎日を送っている。

今日も近くで暴れていた妖怪を退治しに出向いて五分で終わり、その帰りにまた妖怪に襲われたが拳一つで30匹いた集団を全て全滅させたくらいだ。

 

村に到着すると、米粒位に離れていた清姫が俺に気付いたのか見事なフォームで全力で走り、走り幅跳びの要領で飛び上がり、俺に抱き付いて頬を擦り寄せてくる。

彼女もこの生活に慣れて逞しくなったなぁ。

結婚すると女は逞しくなるというのを頭を撫でながら思っていると、後ろから害獣狩りを終えた小雪さんが、妖術で雲を作りそれに乗りながら両肩に手を乗せて今回仕留めた獲物を自慢していた。どうやらかなりの大物を仕留めたらしい。

 

清姫を姫様抱っこし歩きながら三人で楽しく談笑し家に帰る。

 

 

今日も異常はない平穏ながらも平和で幸せな非日常(日常)である。

 

 

 

 

 

 

 

Fin.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー謎の男、安珍の経緯ー

 

 

平安時代において謎が多い人物がいる。その名は安珍と呼ばれる男で紀州道明寺に語り継がれている『安珍清姫伝説』の主要人物の一人である。

この男は武術に長け拳と薙刀と剣で妖怪を断ち、清めの力がこもった掛け声一つで悪霊を滅する力を持った人物だが、資料が非常に少なく本当にいたかのか信憑性に欠けているが実際に彼が生きていた資料や証拠があるため実在に生きていた僧侶である。

 

 

 

彼は推定903年の奥州白河、現在では福島県白河市で百姓の家に産まれたが、八歳の頃に凶作による飢餓により両親が死亡し村も滅んだ。安珍は十歳になるまでの二年間は浮浪児としてさ迷っていた。

彼の容姿が整っていたことから、常に人拐いや貴族に付け狙われていたが、逃げ足がとても早く、誰も捕らえる事が出来ず、風のように駆け抜ける姿から一部の人間から『風逃げ童』と呼ばれていた。

 

十歳の頃に山に逃げた際に安珍を付け狙っていた貴族達が部下を用いて捕獲し洞窟の中に連れていこうとした瞬間、大きな獣が現れ貴族達と部下達は次々と喰われていく。

その間に安珍は洞窟から抜け出し数日間走り続け、身も心も衰弱していた所住職に拾われた。

彼の事情を知った住職は涙を溢し、安らかに過ごせるように『安』、子供にしてはかなり大人びているという珍しさから『珍』『安珍(あんちん)』という名前を付けられ坊主として寺に住むようになった。

 

 

彼が拾われた初夜、獣に喰われ悪霊となった貴族達によって眼がめ目が覚めると目の前にその悪霊達が存在し安珍は襲われてしまう。

安珍は恐怖のあまり大声で叫ぶと、その声が浄化の言霊となり貴族達を退散させた逸話があり、これ以降、安珍が叫び声が悪霊を退散させる言霊に変貌する力を得ることとなる。

 

 

安珍は、子供ながら大人びており、勉学や武術も優秀で一部の修行を免除される程の文武両道だった。

安珍は悪霊を成仏させる言霊の力や武術を鍛えながらも、薬屋を営む薬師として働いていた半治丈児の所で薬草を中心とした薬学を学びながら助手として働いて毎日を過ごしていた。

資料によると、彼とは仲が良かったのか師匠と弟子の間ながら親友として交流があったとされている。

 

鍛え始めたお陰か十歳の頃には、米俵一つを軽々と持ち上げ、妖怪に襲われた老婆を担いだまま逃げ切ったりと彼の成長は止まる事は知らず、12歳の頃には妖怪退治や悪霊払いに参加する等、武人としての側面を開花させていく。

 

17歳の頃に師匠でもあり親友だった半治の死に安珍は狼狽し、自暴自棄になる程に悲しむが親友の死を乗り越えると19歳には妖怪、悪霊退治において地元では少し有名な僧侶にまで躍進した。

しかし、それでもまだ力不足と感じていた安珍は923年、20歳の時に己の精神と肉体を鍛える為、京(現在:京都)で二年修行に励んだ。

 

京に向かっていた旅の途中、任務の都合上で二年間、白河に長期滞在していた熊野国造の分家の『真砂の長者』こと真砂庄司の妻と娘が妖怪に拐われてしまう事件が勃発する。

その事件現場を偶然通り掛かった安珍に庄司は助けを求め、事情を聞いた安珍は彼の妻子を救うべく風の如く駆け抜け拐われた場所に辿り着くと見事その妖怪を退治し二人を救出した。

その御礼として安珍は彼の屋敷に泊まった以降仲良くなり、任務を終え紀伊国(和歌山県)に帰る途中、京から紀伊国にある屋敷まで護衛を任される程信頼も厚かった。

 

特に彼の娘である『清姫』に対し安珍は彼女を実の妹のように可愛がり、清姫もまた彼を兄のように慕っていたとされている。

 

修行を終え、故郷に戻る時には徳の高い立派な僧侶になり、薙刀や剣術、拳術を極めそれらを巧みに使いこなし戦っている姿を見た武人から『彼の武術、水のように変幻自在で苛烈なり。』と唸らせる程までに成長した。

 

そして修行の中で『加賀小雪』と呼ばれる妖狐を式神として携えると、彼女を使役しながら武術や清めの言霊を用いて数多くの悪霊や妖怪を退治していたことから『怪異殺しの安珍』と呼ばれるようになった。

それから五年後の928年の夏、安珍が25歳になった頃、彼は白河から熊野に参拝しに行った際に真砂庄司の屋敷に泊まったその夜、清姫に夜這いされる。

 

記述によると清姫は幼い頃に安珍に助けられて以降、安珍に恋心を抱き彼と一生を添い遂げる為に夜這いを行った訳だが、彼女を実の妹のように接していた安珍は困惑する。夜這いしようとする彼女を宥め、翌朝には道明寺から妖怪退治の依頼が来たため『返事は任務が終わってからする。』と彼女に言い残し逃げるかのように屋敷を去ってしまう。

 

約束をした清姫だったが、愛していた人の拒絶、逃げるかのように屋敷を去ったことから、清姫は彼の言葉は嘘だと勘違いしてしまう。

かつての愛は怒りと憎しみで満ち溢れ、その憎悪が次第に彼女の半身は蛇と化し、周囲の人間を気絶させる妖気を放ちながら屋敷を去ると、彼の討伐対象だった妖怪をいち早く殺した後、人間の姿に戻り彼が来るのを待ち続けた。

 

その夜、そんな事になっているとも知らずに安珍は上野の里辺りで清姫と再開し最初は喜ぶが何故彼女が此処にいるのか困惑し疑問を抱き始めた彼に詰め寄り結婚の返事を待つが安珍はある異変に気付く。

 

清姫に僅かだが濃い妖気を放っていたのだ。それを察した近付いてくる清姫に安珍は距離をとると、その行動が清姫の逆鱗に触れてしまい、あの夜にかわした約束は嘘だったと怒り狂い妖怪の姿に変貌し彼をを殺そうと襲い掛かり安珍は応戦する。

 

彼は彼女と戦いながら自分が昨夜、酷い拒絶をした故に彼女が傷付いて嘆きこの姿になったと酷く後悔し、自分が犯した罪を償う為、彼女を狂わしている妖気を自分の身体に封印し彼女を元の姿に戻す為に戦う。

道明寺には彼が討伐する筈だった妖怪を捕らえる為の結界を準備しており、安珍はそれを利用するため時間を掛けて清姫を誘導させる。

しかし、妖怪となった清姫の強さは凄まじく安珍は苦戦を強いられるがその最中、安珍は熊野権現に助けを求めると彼の偉業を知っていた熊野権現は清姫を金縛りにする。

安珍は自分より大きい清姫を抱えると全力で走り、道明寺の階段につくと足に力を込め跳躍し道明寺上空まで飛び上がった。

 

そのまま結界に彼女と一緒に落ちながら真上から神社に入る。入った瞬間、結界が発動し清姫の動きを封じ込める。

安珍は清姫の動きが封じられている隙に自分の左腕に術を描き発動すると、彼女の妖気が彼の左腕に吸収されていき、妖気を吸いとられ清姫の身体はみるみるうちに半分蛇だった妖怪の姿から元の人間にまで戻るが、蓄積した疲労と清姫の妖力に耐えきれず失敗してしまう。

 

自分を封印しようとした事に清姫の怒りは天を衝くまでに達すると、蛇身に化けその尾で安珍を吹き飛ばし結界を崩壊させそのまま安珍を吹き飛ばした。

吹き飛ばされた安珍は鐘楼にぶつかると身動きがとれなくなり、清姫は動けない安珍に近付き鐘の中に彼を閉じ込めるとその鐘に巻き付きいて自らの身体を燃やし安珍を焼き殺し始めた。

 

誰もがその様子を見て彼が焼き死んだと嘆いたが、安珍は燃える鐘の中で、愛してくれた彼女を救おうと最期まで諦めなかったがその努力は叶うことはなく鐘の中で安珍は焼き死んでしまう。

しかし、彼の意思だけは死なず、死んだ身体を燃やし炎で出来た龍に安珍は変貌し鐘を突き破った。

 

そのまま二人は空中で争いながら巻き付きそのまま近くの池に落ち入水するとその炎で彼女に纏まりついた妖気を焼き払う。

妖気を焼き払ったことにより蛇の姿のまま正気に戻った清姫だったが、自分が犯した罪に嘆き自殺しようとしたが、安珍は阻止し清姫にこの罪は二人で償おうと説得すると龍の姿のまま清姫を抱き締め愛の告白をする。

清姫は己の罪深さと彼の寛大な優しさに涙を流しながらそれを了承すると、そのまま人の姿には戻らず二人一緒に空を昇り天に召され成仏した。その後は、熊野権現と観世音菩薩の遣いとして夫婦仲良く見守ったとされている。

 

 

 

そんな波乱に満ちた25年間を過ごし歴史の闇に消えていった安珍だったが、ある資料の発見により一気にその名を広めることとなる。

 

1998年、海外に住む母娘の二人家族と冬木市在中の親戚の十二歳の少女の三人で京都に三泊四日の旅に出た。

その旅行中、山に遭難してしまいその道中廃墟となった年代物の小さな神社を発見する。

興味を持ち探索した所、頑丈な造りで出来た小さな木箱を発見し開けてみると、その中から書類や手紙等の資料が見つかる、

 

その資料の内容は歴史家達を大きく賑わした。

 

 

実は安珍清姫伝説の後に死んだと二人はされていたが、『加賀乃鐘彦』と『加賀乃お清』という名前に変え生き天寿を全うしたこと、陰陽師の中で有名とされている安部清明と彼の両親、妖怪退治等で名を馳せた藤原秀郷や源頼光と頼光四天王と深い関わりを持っていた。

 

そして、式神使いとして狐の大妖怪『加賀』を従え、安部清明に迫る実力を持ちながら、京の都を混沌に陥れた玉藻の前こと九尾の狐の封印において活躍した女陰陽師『加賀乃 白百合』の父親でもあり彼女の式神『加賀』は、安珍の式神『加賀小雪』であり彼女を第二妻として結婚していたのだ。

 

加賀乃白百合は推定942年~1032年、白河のとある村で産まれた可憐な少女で男子よりも喧嘩強く活発な幼年期を過ごしていた。この頃に加賀と契約を交わし使役し始め、動物や妖怪といったものに好かれる不思議な力を持っていた。

ある日、村に来ていた陰陽師を見て陰陽師に興味を持った白百合は、954年の12歳の頃に陰陽師を目指す為に京に赴くと直ぐ様その才能を開花させ、陰陽師として名を馳せた。

 

特に九尾の狐を討伐に参加した際には、彼女が使役している小雪が前線で活躍し、彼女が父から貰った槍を矢として放つと、その槍は九尾の狐を貫き要石で封じる隙を作ったり等安部清明と共に活躍した。討伐後は尼として一生を終えたが老いてもなお、百合の花のように綺麗だったとされている。

 

そんな陰陽師において有名な彼女の父親でもあり、妖怪等の怪異関連で有名な人物達と関わりを持っていたことが判明したが、それに関する資料や彼についての資料が少ないことから、どういった関わりがあったかは不明。

 

平安時代において謎の多い人物の一人として安珍は、数多くのメディア作品に多く取り上げられる存在になった。

 

 

また、平安末期に出版され室町時代や江戸時代中期に人気があり、その生き様や派手な演出から歌舞伎や浮世絵にも取り上げられた現代における冒険活劇物のジャンルにあたる作品『鐘丸(かねまる)討魔伝』の物語や主人公である鐘丸のベース元でもある。

 

 

 

 

 

 

 

道明寺には安珍塚や清姫の墓、神の遣いになった二人を奉る小さな社が建てられている。社には毎年、恋愛成就や夫婦円満に御利益があるとされ今でも夫婦やカップルが祈願しにやって来ている。

 

近年、安珍の故郷にある白河市に木箱の中にしまっていた紙に記載されていた彼の最期の言葉が彫られた石碑が建てられた。

 

 

 

『人は愛がある故に人であり続けることが出来る。人を慈しむ、人を想う、人を愛する。愛がなければ人は生きてられない。そんな愛を私は護りたい。』

 

 

 

 

 

 

資料には彼等の死んだ時期も書かれており、清姫は915年の頃に産まれ978年、63歳の時に寿命で安珍と小雪、娘に看取られ死亡。安珍は994年、91歳まで生き続け彼女の墓の前に背中を預け、眠るように死亡したとされる。

 

 

 

 

 

2005年創刊『新説・安珍見聞録』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛を失い愛を得た男、安珍の物語は死んでもなお続いている事は誰にも知られていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To Be Continued.

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、安珍現世編終了です。
最初は息抜きでやり始めた作品ですが、今では沢山の人に親しまれる作品になるとは当初思っていませんでした。誠に有り難う御座います。

最初は『神様転生させて転生得点のオマケで安珍日記ゲット!』としようとしましたが、とても面白みがなかったので悩んだ結果、このようなfate臭漂う転生?方法と日記入手になりました。ゼルリッチおじさん便利すぎなんよ......
次回は『安珍、英霊になる』を間に挟みFGO編をやろうとおもいます。それまで時間はかかりますがゆっくりと待って頂くと有り難いです。それでは!






オマケ

加賀乃鐘彦(かがの かねひこ)真名:安珍
903~994年 91歳没
アラヤにショッカー的改造を2度され二回も迎撃された転生?サイタマ顔系寺育ち男であり、清姫&小雪と成し遂げた元僧侶。弱体化したと彼は言っているが長年の戦闘経験が豊富な為それでも強い。
鐘彦になった後もなんやかんやで巻き込まれ、セイメー、ライコーと四天王、トータとは顔馴染みレベルで会った。

加賀乃お清 真名:清姫
915年~978歳 63歳没
FGOでは顔馴染みのキャラ。この世界線では史実通り安珍インフェルノしたけど安珍が心火を燃やす系ANTINだった為結ばれたがマイルドなヤンは残っている。
姿は第三降臨みたいに白髪赤目なった。『好き!!』が最も似合う可愛いサーヴァント。


加賀乃小雪 真名:加賀小雪
推定???
相当昔に加賀で白い大鎌で大暴れ五尾の中堅妖狐、ベースがアズールレーンの加賀な為わりと戦闘凶。
安珍と結婚したお陰でマイルドになっているが獣の面を彼に見せる。
後に娘の白百合の式神となっているが、実際の所は契約しているがそうではらしい。

加賀乃白百合
942年~1032年 90歳没
清姫と安珍マンが生存し、彼等の間から産まれた娘。
男より喧嘩強く活発で妖怪とかそういったものに好かれるので式神として契約するサトシ系女子。綺麗な顔だちで老いても魔術で若さを保っていた。
のちに安珍マンに形見として白銘と雲斬りを渡された武器は、九尾戦においてその武器二つは壊れたが九狐に致命傷を与えたりと滅茶苦茶活躍した。




▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。