とある海賊の奇妙な冒険記   作:解放したPNTマン
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主人公日記 十一ページ目

 ¥月る日

 

 城に侵入し、メアリー達への連絡を試みたが……繋がらなかった。電伝虫が『え? 何言ってんの?』みたいな顔をしていたのが印象的だった。まるで、存在しないモノを聞かれて困っているような……。

 

 それと、この国は結構ヤバイ所だった。偉大なる航路(グランドライン)特有の生物かと思っていたあの動植物。アレは、この国が作った人工生物だった。盗み聞いた所、ケットウやらベガパングやらよく分からない単語を使っていたが、どうやら他所から盗んだ技術で戦力強化を狙っているらしい。そして、実験対象はこの国の民たちも含まれている、と。いや正確には他所から誘拐して来た人間が……だ。

 吐き気がする。

 メアリー達と合流するのはもう少し後になりそうだ。

 

 

 ¥月を日

 

 現在、オレは革命軍と一緒に居る。

 というよりも、先日襲って来た奴らが革命軍だった。あの時は変装していたため、この国の兵士だと思って襲って来たらしい。偶然にも、近くにこいつらの拠点があったからだ。

 そして、戦闘の際に見た能力からオレの正体を見破った彼らは、こちらに接触しに来た。城の中でいきなり名前を呼ばれた時は驚いた。城の中を探っていたら、背後から名前を呼ばれるんだからな。

 

 それにしても、まさか真正面から協力してくれと頼まれるとは思わなかった。いくら支部の奴らを結果的に助けたとはいえ、海賊のオレに頭を下げるか? まぁ、仲間のために頭を下げる事ができる男は嫌いじゃねーが。

 それに、メアリー達と合流する為に船を出してくれるらしいしな。連絡が取れない以上、アイツらと合流するにはこれしかない。取引って奴だ。

 

 さて、そろそろ寝るか。明日はサボの野郎と城の中で暴れなくちゃならないからな。体力は温存しねーと。

 

 

 ¥月わ日

 

 サボと共にこの国の王を倒し、研究施設を破壊し、最終兵器だというキマイラを倒してこの国は革命軍によって救われた。現在は革命軍が呼んだ仲間と共にそれぞれ故郷に連れて行っている最中だ。

 

 オレもメアリー達とようやく連絡を取る事ができ、合流する為の島に向かって船を進めている。向こうでも色々とあったみたいだが、詳しい事は合流してから聞こう。

 

 それにしても……あの科学者が言っていた事が気になるな。

 ジョン・スター。星の一族。ケットウインシ。Dを滅ぼす者。

 聞き取れた言葉を適当に書いたが……よく分からない。オレに流れる特別な血とやらが関係するみたいだが……。

 サボは気にしても仕方ないと言っていたが……何故だろうな。奴の言葉が頭の中で響きやがる。

 自害するのを止める事ができれば、もっと話が聞けたんだがな。

 

 そういえば、サボやコアラから革命軍に誘われた。しかし当然断った。するとコアラが不思議そうに「革命軍の方が合ってると思う。考え方とか行動が海賊らしくない」と言い出し、サボも何故海賊に? と尋ねてきた。どうやら、あの科学者の言葉から何かしらの理由があって仕方なく海賊を……みたいな事を考えているらしい。

 

 別に隠す事でも無いし、妙な勘違いを解く為にもオレはシャンクスに憧れて、海賊王を目指す為にこの海に出たと答えた。すると、コアラはシャンクスと知り合いだという事に驚き、サボは……何処か呆然としていた。

 頭を押さえて、オレの言葉に聞き覚えがあると言い出す。コアラが心配する中、サボはオレに「何処かで会った事があるのか?」と聞いていた。どうやらサボは記憶喪失で、革命軍のトップであるドラゴンに助け出される前の事を覚えていないらしい。唯一覚えていたのは家に帰りたくないという気持ちのみ。そして、ドラゴンに拾われたのは東の海。だから、先ほどの言葉を聞いて記憶を失う前のサボは自分の事を知っているのでは、と思ったとの事。

 

 しかし残念ながらオレの記憶にサボの姿は無く、力になる事は出来なかった。それにサボは少し落胆していた。コアラはサボを励まし、今日は休むようにと言って遠慮するサボを寝室に投げ込んでいた。今も隣の部屋から二人の声が聞こえる。聞く感じ、サボも調子を取り戻しているみたいだ。

 

 だが、妙だな。記憶を失っても尚家に帰りたくないと強く思うのに、サボは誰かを探している。最も親しい存在である家族がいる家以外の繋がり。彼はそれを無意識ながら気にしているように見えた。

 何か大切な約束でもしていたのだろうか。

 

 

 ¥月か日

 

 コアラにオレの能力でサボの記憶喪失を治せないか聞いてきた。

 オラオラの能力はオーラ……生命力を操る力だ。その中には他者のオーラを操り、活性化させて回復する力を高めるものがある。以前CP9のシガンで負わされたクルー達の傷を治したのもこの力だ。しかし、あくまで本人の生命力を使うので、死にかけだったり寿命だったり生命力が衰えている時はこの方法は使えない。その場合はオレの生命力を分け与えれば使えるが……サボの場合はどうだろう。

 あまり詳しくないが、記憶喪失は記憶の怪我だと思えばできるかもしれない。サボの生命力を活性化させて失った記憶を取り戻させる。……やった事が無いのでどうなるか分からないが。

 だから本人にどうするか聞いてみたところ、是非頼むと言われてしまった。昨日の件でサボは己が失った記憶が何なのか気になるらしい。故に取り戻せるなら……。

 

 コアラとサボ以外の革命軍の奴らにも頼まれて、オレは治療に取り掛かる事にした。しかしミスをしたら何が起きるか分からない為、近くの島で鎮静剤や薬などを補給してから取り掛かる事にした。

 

 

 ¥月よ日

 

 今日は疲れた……。スタープラチナが使えるようになって良かったと思う。

 

 現在、サボは眠っている。あれだけ暴れて苦しんだのだから当然だ。スタープラチナとオレの二人掛かりでようやく抑えつける事ができるほどの力だ。限界以上の力を使って自分と戦ったのだろう。オーラを見る限り、安定している為明日にでも目を覚ます。結果はその時だ。

 

 しかし、問題はコアラだった。苦しんでいたサボを見て責任を感じていた。あんなに苦しむのなら、頼むのは間違いだったのでは、と。革命軍の仲間が励ましていたが、未だに落ち込んでいる。今はサボの看病をしている。

 

 

 ¥月た日

 

 サボが目を覚ました。しかし、記憶は完全に取り戻す事は出来なかったようだ。

 だが、自分が何故家に帰りたくなかったのかは思い出したらしい。家に居てもずっと孤独で、頭が痛くおかしくなりそうで、そして町の人間に激しい嫌悪感を抱いていた、と。詳しい事はまだ思い出していないようだが、そう思うだけの何かがあったらしい。

 そして、サボには兄弟が居たらしい。それが兄か弟か、何人居たのかは未だに分からないらしいが、その兄弟だけは大切な存在だったのは確かだ。思い出せない事に苦しむくらいには。それこそ、治療の時よりも。

 

 もう少し治療を続ければ進展があるかもしれないが、残念ながら時間だ。明日、メアリー達と合流する島に着く。それに、サボ達も次の任務がある。

 

 あまり力になれなかったが……サボは大丈夫だと言っていた。

 何時か思い出す、と。

 

 

 ¥月れ日

 

 サボ達と別れ、メアリー達と合流した。全員無事で安心した。

 と思っていたら、向こうは向こうで大変だったらしい。

 海軍と戦ったり、オカマに遭遇したり、オリに閉じ込められたり。中々の波乱万丈な航海だったようだ。

 

 それと、オレが遭難する前に揉めていたオーラについてだが、折り合いが付いたらしく使っていく事にしたらしい。オレが居ない間の戦闘で頭が冷え、使えるものを使わないと生き残れない事を痛感した、と。しかしそれと同時に早く強くなって、この力を使わなくても良いようにするとも言っていた。

 メアリーもギンも賛同しているようで、後日検証しながら新しい武器を作成する予定だ。

 

 そういえば、メアリーが驚いていたな。オレが随分スタープラチナを自在に操っている事に。遭難してからも使い続けた甲斐があったものだ。

 

 それよりも、オレはギンの機動力が上がっている事に驚いたんだが。確か、ソルだったか? 足の速さなら、この船で一番だろう。速度を利用した新技も凄まじい力だった。敵の能力を攻略する為に頑張ったそうだ。

 

 オレが居ない間に随分と成長していたな。仲間として嬉しい。

 

 

 ¥月そ日

 

 今日は、最も驚いた日で最も笑った日だ。

 ベルメールさんの村を救った麦わらの一味だが、なんとエニエスロビーで大暴れして一味全員が賞金首になっていた。

 最初はまた暴れたか、とか。ナミは元気みたいだな、とかそう思っていた。しかし、二つの手配書を見た途端その考えは吹き飛んだ。

 一つ目は、懸賞金3000万ベリー、狙撃の王様そげキング。

 仮面で隠しているが一目見て分かった、こいつ、ウソップだ、と。まさか麦わらの一味に所属していたとは。立派な戦士になっているようで、兄弟として嬉しい。

 そう零すとメアリーが飲んでいたお茶を噴き出し、クルー達はオレに兄弟が居た事に驚いていた。問い詰めて来るので昔の事を話すと、手配者を見ながらクルー達は「やべーよ。船長の兄弟とか絶対強いよ」「世界政府の旗を撃ち抜いたらしいぜ? 普通できねーよこんな事」「そげキングやべー」と戦慄していた。メアリーは頭を抱えて「そんなの聞いてない」「やっぱジョジョはそういう星の下に生まれた」とブツブツと呟いていた。

 

 で、次が問題なのだが……サンジも手配書に載っていた。額も7700万と高く、一味として活躍しているみたいだが……写真が問題だった。落書きのような、しかし特徴を捉えた似顔絵で。オレとギンは思わず噴き出してしまった。ギンは恩人に失礼だと堪えようとしていたが、まぁ無理だよな。久しぶりじゃないか? 自分が声を上げて笑ったのは。

 クルー達がギョッとしてオレを見ていたが、そんなに意外だっただろうか。

 おそらく、ゼフさんもこれを見て笑っているに違いない。オレだって笑ったのだから。

 

 何はともあれ、アイツらが元気にやっているようで良かった。次に会える時が楽しみだ。

 




次回でグランドライン前半の冒険が終わります。
シャボンディ諸島編に入る前に色々と書くことがありますけど、ね







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