とある海賊の奇妙な冒険記   作:解放したPNTマン
<< 前の話 次の話 >>

5 / 52
番外・奇妙な主人公の妹(書き足し済み)

 皆さんこんにちは! 私、メアリー! 

 現在私は――

 

「オラァ!!」

「何が『オラァ!!』だ! 気合じゃなくて覇気を込めろ!」

 

 ――爆心地の近くでダウンしています。

 目の前で繰り広げられる人外二人によるラッシュ比べ。ガキンだとかゴインだとかあり得ない音を立てて、衝撃波が私の長い髪をぐしゃぐしゃにする。

 でも、こんなの新世界じゃあ当たり前の風景なんだろうなー……此処東の海なんだけどね!

 

 私は転生者だ。ネット小説でよくあるトラック事故でひき肉にされちゃって気が付いたら神様の所に居た。あ、でも別に神様のミスだとかそういう事じゃない。

 ただ、私には転生する権利があって、私はそれを行使してこの世界――ワンピースの世界に来た。

 子どもの頃から大好きだったワンピース。その世界に行けると聞いた瞬間、私はいの一番にそこを希望した。もしその世界に行ったらやってみたい事がいっぱいあったからね! でも、普通に転生したらすぐに死ぬことは分かっていたので、強くなれる環境と私の考えた悪魔の実、才能を神様に特典として貰った。

 そして私は、無事にこの世界に転生した。しかも、金髪美幼女として! 前世が平凡な容姿で友達に『モブ子』なんて言われていたから嬉しかった~。おかげで私を見つけたパパ(こう呼んだら喜んでくれる)に気に入って貰って養子にして貰い、将来有望そうな男の子と兄妹となってこれからが楽しみだ!

 そんな風に思っていた時期がありました。

 

「――これで満足かくそ親父!!」

 

 パパの挑発に苛立った兄ジョットの腕が黒く染まり、さらに体から飛び出したオーラが第二の腕となって、パパの顔面へと強く叩きつけられる。

 空間を震わせるほどの威圧感……というか覇王色の覇気が爆発して、島全体が揺れたかのような錯覚に陥る。

 それにしても、相変わらず凄いなぁコレ。こんなの受けたら普通気絶するよ。私が初めて受けたあの時……シャンクスとジョットの覇気のぶつかり合いを間近で受けた時はしばらく起き上がれなかったし。

 

 さて、私が現実を見る羽目になった原因だが……それは兄、ジョットの存在だ。

 

 兄は強い。生まれつき体が強く無意識に覇気を使うほどに才能がある。パパは特別な血が二つも流れているからと言っていた。

 兄は運命に愛されている。私が見つける前にオラオラの実を食べて、何度も遭難しても生還する。

 兄はこの世界で生きている。原作主人公のルフィのようにシャンクスに感化され、海賊王を目指し、『待っている』と期待されていた。

 

(それに比べて私は……)

 

 もうね。スタート地点から突き離されている。勝てないと見て取り入ろうとしても全く靡かないし。それどころか間近で規格外な所を見せつけられて、私は争うという気持ち自体をへし折られた。

 

 そしてそんな兄に劣等感を感じて焦った私は、時期を見てこの海で起きる一つの悲劇――サボの失踪を防ごうとした。転生者だから悲劇を改変できるって考えていた。

 パパに頼み込んでようやくドーン島に行ったけど……結局私は何もできなかった。

 ルフィとは友達になれたけど、エースとサボには信用されなかった。何か企んでいるだろって。でも正直に言う事ができずそのままズルズルと過ごし、結果私はブルージャムに捕らえられてパパに助けられただけだった。それどころか、ルフィとエースを喧嘩させてしまい無駄な怪我をさせてしまった。

 そして致命的なのは――サボの救出失敗。いや、それどころか私のせいで本当に死ぬところだった。舟が無ければ航海しないと思って壊したけど、私たちの舟を盗られて結局海に出て……原作通りに天竜人に撃たれた。しかも、私たちの舟は丈夫に作られていて滅多なことでは壊れない。それによって天竜人は何度も何度も舟に砲弾をぶち込み、徹底的に破壊した。

 

 あの時、私は怖かった。私のせいでサボが死んでしまうって。

 でもその後ドラゴンさんがサボを助けている所を見てホッとして――自分の醜さに気が付いた。

 私は、誰かを助ける事ができる人間じゃない。

 全部自分の好きな事を、やりたい事をして、それに綺麗な理由を取って付けた――モブ以下の三流クズだった。

 

 それを自覚した私は、島に戻って引き篭もった。

 自分の小ささに嫌悪して、でも自殺する勇気が無かった。それに外が凄く怖くて、今出たら責められると思った。

 それと同時に私の事を心配してくれる兄とパパが嬉しくて、外に出ようと思うも結局自分勝手だと思って……。

 

 そんな風に悪循環に陥っていた私を救ったのは、兄が買い出し(遭難)する前に私に言った言葉だった。

 

『テメエは自分の事をちっぽけな存在だと思っているだろうが、オレはそうは思わねえ。テメエはテメエの恐怖を乗り越えようとしている。それってすげえ事じゃねえのか?』

 

 最初は分からなかったけど、兄が言ったのだと思うとすぐに分かった。

 ふざけて呼んだあのあだ名。しっくり来たからずっと呼んでいたけど……今では()()なのではないか? と思っている。

 とにかく私は、兄の言葉に背を押されて外に出る事を決意した。部屋を出て、家を出て、そして虚像の自分の殻を破って――私は、自分ができる範囲の事をしようと決めた。

 パパにその事を教えると『お前が決めたことなら、それでいい』と笑ってくれた。

 それが嬉しくて、私は兄が帰ってきたらこの気持ちを感謝と一緒にぶつけようと思った。

 

『ただい――』

『ジョジョーー! 私、今最高にハイッて奴だーー!』

『――いきなり何しやがる。愚妹』

『ぶへえ!?』

 

 ……まぁ、兄はツンデレだから躱されたけど。

 

 こうして私は、本当にこの世界に生まれたのでした。

 めでたしめでたし。

 

 

 

「……妄想は済んだか?」

「はっ! ジョジョ!」

 

 気が付いたら、兄とパパの修行が終わっていた。

 兄はこちらを残念そうな目で見ている。

 というか妄想って酷くない? ……え? 遠い目をして口を半開きにして涎垂れてた!? そう言われて口元を拭うと『マヌケは見つかったようだな』と言われた。くそ、ハメられた!

 

「というか、その『ジョジョ』って言うのやめろ。最近親父も真似して来やがる」

「えー、良いじゃん。『ジョン・スター・D・ジョット』のジョンとジョットを合わせて『ジョジョ』! カッコいいと思うよ? それに、パパがフルネームであまり名乗るなって言っていたじゃない」

「それなら普通にジョットで良いだろう。それに、オレはこの名前を隠すつもりもない」

「それだと何処かのマフィアみたいで……それにオラオラだし?」

「……? オラオラの実がどうかしたのか?」

「ううん。何でもー!」

 

 あながち、間違っていないと思うんだよねー。多分パパが言っていた特別な血ってアレのことだし。……なんでこの世界にあの血筋があるのかは知らないけど。

 まぁ、この世界を私の知っているワンピースと同じだと考えるのはやめとこうか。パパがこの海に居る時点でおかしいし。パパもパパで謎だよねー。

 

「おい。そろそろ飯だ。手伝え」

「はいはーい! ……あ、ジョジョ。海賊旗とか一味の名前って決めた?」

「ああ? それはちいとばかし気が早いんじゃねえか」

「良いじゃん良いじゃん。こういうのは大事だし、カッコ悪かったらシャンクスさんに笑われるよ?」

「ふん。だったらテメエが決めろ。そう聞いてくるってことは、もう決めているんだろう?」

「うん。オラオラの実を食べたジョジョにピッタリなもの。それの名前はね。ク――」

「おーいジョジョ。酒無くなったから買ってくるわぁ。ヒック!」

「飲み過ぎだ、くそ親父!」

「――ア……って聞いてよ!」

 

 パパを追いかけるジョジョを、私は追いかけた。その大きな背中を。

 ……いつか絶対に追いつくからね、ジョジョ!




首筋に星型の痣はありません(後々メアリーにタトゥーを付けられる)

はい、という訳で今まで伏せていた主人公の本名と悪魔の実を出しました。
やっと出せた

それはそうと、この小説ってクロスオーバータグを付けないといけない部類に入るのかな? と思って取説を見たところ書いた方が良いなーと思ったので、この話を投稿した時点で付いていると思います。
特典とか転移じゃなくても居るみたいですね。確認不足で後出しみたいになりました。クロスオーバーが嫌いな方は申し訳ありません。予想していた人はこれからも楽しんでください。
それにともなってタイトルも変えます。ここまでするならやるっきゃねえと。

おかしいな? 此処直した方が良いな。と思った所は是非とも指摘してください。
感想お待ちしております







感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。