どっかの誰かのゲームの世界で   作:クリネックス

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報われない恋愛はあまり好きではないので、現状主人公への好感度は梨穂子を含めて友達止まりという設定です。

……スト子どうしよ。


day3  一年生 11月

 自分の通う公立輝日東高校には屋上が存在している。それだけなら当たり前のことで済まされるのだろう。しかし、大抵の学生にとって屋上とは学生生活と縁のない場所なはずだ。

 前世の自分もそうだった。漫画やドラマなどでは屋上が舞台となるシーンはよく見かけるだろう。小学生だった自分は、中学に入学すると屋上で好き勝手できると思い込んでおり、屋上で昼寝をして授業をサボる姿や屋上の貯水タンクの上から街を見渡す姿などを想像して悶えていた。しかしまぁ、入学したのはごく普通の公立中であり、イジメや自殺などに世間が過敏になり始めていたご時世で屋上の自由解放などはもってのほかなのであった。

 話を戻すが、とにかく屋上とはほとんどの学生にとってフィクションの中の存在であり、長い学生生活の中でそこに辿り着ける回数は限られたものなのだろう。

 

 しかし、輝日東高校に通う学生にとってはその限りではない。なんと、この高校は屋上が自由解放されているのだ。解放されている時間も限定されておらず、用務員のおじさんが仕事にきてから帰宅するまで、つまりは朝から夜まで鍵は開けられている。

 それを知った時は思わず言葉を失うほど驚愕した。なんたって憧れの屋上に自由に出入りできるというのだから。

 だがまぁ、そのような考えを抱いた人物はどうやら自分だけだったのだろう。他の生徒にとっては屋上とは大して魅力のない場所のようで、多くても10人程度、誰もいないという状況の方が多い物静かな場所というのが、この高校に通う学生の屋上に対する共通の認識であった。

 

 さて、今の時間帯は放課後。自分はそんな屋上を訪れていた。隣には友人の梅原正吉の姿があり、ここにやってきたのも彼に連れられてきたからだ。

 なぜわざわざ人気の少ない屋上をチョイスされたのかというと、当然人に聞かれたくない話をするためだ。具体的には彼の恋愛相談を受ける約束をしていた。

 梅原の想い人とは1つ上の先輩であり、剣道部に所属している。入学してすぐの部活勧誘で彼女に一目惚れした彼は、意気揚々と剣道部へと入部したは良いものの一向に距離を詰められずにいた。

 最近は不貞腐れ気味で部活もほとんど幽霊部員のようになっている。今彼が話している内容も、要約すると振り向いてくれない先輩と運動部としてそれなりにキツイ練習に対しての愚痴がほとんどだ。

 まともに相手をするのも面倒というか、そもそも彼もこちらの反応などは求めておらず、自分は適当に相槌を打ちながら聞き流している。

 

 そんな中、梅原は一通り思いを吐き出せたのか、大きくため息をついてからこちらに話しかけてきた。

 

「はぁ〜……しっかし、大将はいいよなぁ……」

「ん? 何がだよ」

「何がって、そりゃお前女の子に恵まれてて羨ましいって言ってんだよ!」

「はぁ? どうした突然」

 

 突如として彼から妬みの対象として矛先を向けられ困惑する。

 女の子に恵まれていると言われても心当たりがない……というわけではないが、人に妬まれるほど深い関係の相手などはいないのでどうも実感がわかない。

 そんなわけで自分は特に言い返すわけでもなく、次の言葉を求めて彼の方向を向いた。すると、彼はその反応も気に障ったのか一気にまくし立ててきた。

 

「突然もクソもあるかってんだ! かわいい妹に幼馴染までいて、その上学園のアイドルにまで手を出そうってか!? ええ!?」

「ちょ、おま……落ち着けって」

「いーや、落ち着いてなんていられねーな! 大将? お前はもうちょい自分の立場ってのを自覚するべきだ。自分は全然モテないですよーって顔しやがって」

「……色々ツッコミてぇけど、とりあえず全部聞いてやるよ」

 

 学園のアイドルとは森島先輩のことだろう。梅原達には幾度となく彼女との噂に対しての弁解を述べたのだが、未だに納得してもらえていないようだ。

 すぐにでも心外だという意思を伝えたいのだが、彼の様子的に途中で言葉を挟んでも火に油を注ぐだけだろう。

 そう思った自分は諦めて聞き手に回ることにした。

 

「いいか。お前は知らねぇかもしれねーけどよ、普通の男子高校生にとって女の子と会話するってのは一大イベントなんだよ」

「おう」

 

 おうじゃないんだが。確かにこの年頃の男にとって女の子と会話は、特別なものだと感じてしまう気持ちはわからなくはないのだが。それにしても「普通の男子高校生にとって一大イベント」は言い過ぎだろう。それが適用されるのは色々拗らせた奴だけなはずだ。

 そんなんだから憧れの先輩も振り向いてくれないんだぞ。

 

「それなのに、だ。大将? ちょっと自分の胸に手を当てて考えてみろ」

「おう」

 

 おうじゃないんだが。まぁ抵抗しても面倒ごとが増えるだけなので、大人しく両手を胸に当てて目を瞑る。

 雰囲気的にすぐには解放してもらえなさそうなので、何か考え事をすることにした。

 そういえば薫のバイト先のJoestarというファミレス、あれも自分の前世のパチモンだったのだろう。おそらく、元ネタはジョナサンというファミレスチェーン店のはずだ。ジョナサン→ジョナサン・ジョースター→ジョースター→Joestar、みたいな。

 それに気づいたのは今日の授業中であり、あまりにもな改変内容に危うくため息が漏れるところであった。なんだろう、この世界の神様ってジョジョのファンだったのだったのだろうか。

 

 そんなくだらないことを考えているうちに、30秒は経過しただろうか。ポンと肩を叩かれたのでゆっくりと目を開ける。

 

「……どうだ大将。思い当たる節があるだろう」

「ねーよ」

 

 しまった。つい本音が。

 まぁいくら彼に問い詰められたところでないものはないのである。これ以上無意味な問答を続けるのも面倒だし、そろそろ反論することにしよう。

 そう思い立った自分は、彼が口を開くよりも先に言葉を発した。

 

「なあ梅原? そろそろ俺の方からもいいか?」

「お、おう。かかってきやがれ!」

 

 梅原は仁王立ちのポーズで腕を組み、こちらを睨む。

 一々大げさなやつだ。まぁそういうところが面白いというか、愛嬌があり好かれているのだろうが。

 自分もせっかくだから梅原のテンションに合わせようと、彼に相対するように立ち上がり睨みを効かせるように向かい合う。

 目線を合わせて数秒が経過したところで、ゆっくりと口を開いた。

 

「ま、ようはお前は俺がそれなりに可愛い女の子と会話してんのに嫉妬してんだろ?」

 

 挑発するように直球の言葉を投げかける。

 すると、彼は怯んだように吃りながら口を開いた。

 

「いや、女の子と話をすること自体に文句を言うつもりはないんだが……もうちょいありがたみを感じて欲しいというか……」

 

 返答の内容的に、自分に対する攻撃の意思は見られない。だが、この際だから童貞を拗らせかけてる友人に色々と言っておこう。

 心を鬼にした自分は、ゆっくりと彼に向かって言葉を投げかけた。

 

「そのありがたみを感じるってのがそもそも間違ってんだよ。いいか? 結局のところ俺もお前も絢辻も森島先輩も、立場っつーのは対等なんだよ。そりゃあ世間一般からしてみりゃ女子高生ってのは価値のある存在だぜ? でもよ、女の子の立場に立ってみろよ」

「お、おう? 女の子の立場か?」

「そうだ。お前が女だったとしてだ、一々会話するたびにときめいて欲しいか? 自分が気になる相手にじゃねぇぞ。普通のクラスメイト対して、だ」

「えっ? そりゃお前……モテるってのは嬉しいことなんじゃねぇか?」

 

 ダメだこいつ。思わずため息が出る。

 

「はぁ……あんな、お前がそう思うのは相手のルックスが優れてるっつー前提条件を勝手に作ってるからだろ?」

「いや、そんなこと……」

「いーや、そんなことあるね。なぁ梅原、想像してもみろよ。お前が女でさ、委員会の仕事だとか係りの仕事だとかで仕方なく伊藤ちゃんに話しかけねーといけねー状況があったとするじゃん? そん時にさ、義務的に会話をしてお世辞笑いを浮かべるだけで惚れられんだぜ? 地獄だろ」

「……そりゃまぁ」

 

 伊藤ちゃんと言うのは自分達のクラスの古典の教科担任だ。

 小太りの中年男性であり、女生徒だけでなく男子までもが生理的嫌悪感を抱くようなルックスに無駄にねっとりとした話し方が特徴ということで皆から疎まれていた。

 彼には申し訳ないのだが、気持ち悪い男性像という具体例で話に出させてもらった。恨むなら俺じゃなくて梅原を恨んでくれ。

 

「あんな、女も男も関係なく、好きでもねー奴に惚れられるっつーのは複雑な気持ちなわけだよ。しかもよ、何かイベントを挟むならまだしも話しかけられるだけでだぜ? ふざけんなって感じだろうよ」

「うっぐ……いや、でもよ大将。俺が言いてえことはそういうことじゃねーんだ。お前が美人と会話する機会が多いことにもうちょいありがたみを感じろって……」

「話は最後まで聞け。お前の美人相手にどうのこうのってのはこっちの価値観だろうが。俺はよ、相手の立場に立って考えろっつってんの。好きでもねぇ男に勝手に美人と話せるありがたみを感じられて嬉しいと思うか? しかも日常会話程度でだぞ? クソうっとうしいだろうがよ」

「……はい」

 

 ぼそりとそう返事をした梅原は、心なしか眦に涙を浮かべているようだった。

 なんだろう、だんだん楽しくなってきた。正論の押し付けなんて非生産的な行為であると思っていたのだが、それなりに快感を得られるのだな。どっかのフランス人女子高生の気持ちが初めてわかった気がする。

 

「な? 俺がそういう気持ちを持つと相手に迷惑がかかるんだわ。そりゃ俺も男だからよ、美人と会話できるのは嬉しいぜ? でも相手を不快にさせたくねーから理性で抑えてんだよ。万年発情期のてめーとは違うんだわ。そんなんだからお前は先輩に振り向いてもらえねーんだよ。わかったら寿司屋は寿司屋で大人しくマンボウとでも盛ってろ」

「……はい、ごめんなさい……って!  最後!  ただの罵倒じゃねぇか! バカにしてんのか!?」

 

 しょんぼりと俯いていた彼だが、自分の言葉の意味に気づいたのか抗議するようにこちらに顔を寄せてきた。

 その様子に思わずニヤリという嫌らしい笑みがこぼれる。

 

「なんだ、やっと気付いたのか。これでまた1つ賢くなったな兄弟?」

「あーもう!  お前とは絶交だ! 俺は家に帰ってトロ子に慰めてもらう!」

 

 そう言い残すと梅原はチクショーと大声で叫びながら屋上を去っていった。

 少しいじめすぎてしまっただろうか?思わず軽い罪悪感が自分を襲うが、すぐに考えを改める。

 まあいいか。梅原はあれでいて結構逞しい男だ。家に帰ってお宝本(エロ本)読んで出すもの出したらすぐに立ち直るだろう。たぶん。

 

 梅原が去って一人になった自分は、近くのフェンスに腕と顎を置いた。

 ふと目線を下にやると、校庭では陸上部が元気の良い掛け声をあげながらトレーニングに励んでいた。

 眼下に広がる光景を目に収めながら、先ほどの梅原の言葉を思い出す。

 

 トロ子って一体なんなんだ?

 

 あいつ実は彼女いたのだろうか。だとしたらなんだか腹立たしくなってきた。人に言うだけ言っといて自分には相手がいるってか。

 確かに、自分には美人の知り合いは多い。しかし所詮知り合い止まりだ。

 こちとら転生してから15年間陰キャ極めてるんだぞ。彼女以前に帰りに一緒に寄り道するような友達すら存在しないのだ。

 恵まれているのを自覚するのは彼の方だろう。友達も多く、沢山の人に好かれていると言うのに意識が薄すぎる。

 あと家が寿司屋だ。就職先にも困らないだろう。

 

 そんなくだらないことを考えながらぼーっとしていると、突然後ろから声をかけられた。

 

「橘くん?  何してるの?」

 

 一度聴いたら決して忘れないような、透き通るような声色。なぜ彼女がこんなところにいるのだろう。そう思って振り向いた先にいたのは、案の定森島先輩であった。

 長く綺麗な髪を風になびかせながらにこやかにこちらを見つめる姿に一瞬見とれてしまったが、それを誤魔化すように慌てて言葉を返す。

 

「いえ、ちょっと人生ってものについて考えてましてね……」

 

 自分としてはジョークのつもりで答えたのだが、彼女には伝わらなかったのか真剣な表情でこちらを見つめてきた。

 

「ふーん。ところで、さっき泣きながら階段を駆け下りていった男の子って、きみの友達?」

「ええ。親友も親友、いわば心の友ですね」

 

 そう答えると、森島先輩は目線を外して考え込むような仕草をする。

 なんだろう、ホラを吹いたのがバレたか?

 少々不安になったので、ジョークだと告げておどけようと考え、言葉を発しようとした。しかし、それよりも先に先輩が顔を向けてきてしまったので言いそびれてしまう。

 この妙な空気をどうしようかと頭を悩ませたところで、彼女はクスリと笑みをこぼしながら話しかけてきた。

 

「ふふっ、橘くんも結構青春してるのね?」

「えっ? え、ええ。まぁ、人並みには……」

「そっか。色々あると思うけどさ、不貞腐れずにそれを楽しみなよ」

 

 そう告げると彼女は自分の目の前まで近づいてきた。それは、まるでキスでもするかのような、恋人以上の関係でしかありえない距離感だ。

 先輩の予想外の行動に、早鐘のように心臓の鼓動が高まる。

 これは一体どういう状況なのだろうか。困惑する自分の表情を数秒眺めた彼女はおもむろに人差し指を立てると、その指先で一回、ツンと自分の額をつついてきた。

 

「……えっ?」

 

 先輩からのアプローチはそれっきり。満足したかのような表情を浮かべた彼女は、何も言わずに自分の元を離れる。

 そのまま、まっすぐと屋上の出口へと歩いた彼女だが、自分の視界から消える直前でこちらを振り向いた。そして、からかうような笑みを浮かべて大きな声で一言。

 

「せいぜい悩みな、男の子!」

 

 それだけ言い残すと、彼女はこちらの返事を聞かずに立ち去って行った。

 

「…………えっ?」

 

 ただ一人残された自分は、ひたすら困惑するしかないのであった。

 

 

 

 

 

 ♢♦︎♢

 

 

 

 

 

 時計の時刻は5時を回っただろうか。屋上を後にした自分は、自教室へと戻り一人本を読んでいた。

 しばらくの間梅原と戯れていたのは、もちろん彼のためではあったのだが、こちらにも時間を潰すという目的があった。

 

 そろそろ、待ち人との約束の時間だ。そう思ったところで、目線は本に向けたまま意識を外へとむける。

 しばらくすると、静まり返った廊下を誰かが歩く音が聞こえてきた。やがてその足音は自分のいる教室の前で止まる。

 ガラガラと引き戸が開く音が聞こえたので、本から目線を外しそちらの方向に目を向けた。

 

「ごめんね。少し遅くなっちゃった」

「お疲れさん。学級委員ってのも大変だね、絢辻」

「ええ。でも、好きでやってることだから」

 

 そう、自分の待ち人とは絢辻であった。

 先日約束した本の貸し借りを果たすために今朝声をかけたところ、可能であれば委員会の仕事が終わるまで待っていて欲しいと頼まれたため、時間を潰していたのだ。

 こちらの方に歩いてきた彼女は正面の席の椅子を引き、自分に向かい合うように腰掛けた。

 その様子を見計らい、カバンから二冊の本を取り出し彼女に手渡す。一冊は図書室で借りた本。本来又貸しは許されない行為なのだが、自分が早々に読み終わり返却期間までだいぶ余裕があるのと、相手が信用に値する人物であるということで、その行為に及んだのである。

 

「ありがとう。えーっと、まずはこっちを読んだ感想を聞こうからしら」

 

 そう言って彼女が持ち上げたのは東野圭吾の「秘密」。自分が彼女より先に借りた本だ。

 さて、尋ねられたからには感想を答えなければならない。

 

「んーと、まずはじめに聞いておきたいんだけど、それってお世辞で聞いてる? それとも俺の本心で答えていい?」

「そうね、後者でお願いするわ。もちろん、ネタバレしない程度にお願いね?」

 

 そう言うとイタズラっぽい笑みを浮かべる絢辻。

 放課後の教室に二人きりという状況も相重なり、どこか怪しい魅力を放っている。

 思わずドキりと心臓が脈打つが、頭を落ち着け、いたって冷静な表情で彼女に話しかけた。

 

「率直な感想を言うとすれば、普通の一言かな」

「へぇ。それはマイナスの意味で?」

「いや、どちらかと言うとプラス寄りだね。つまらなくはなかったし良いところも多かったよ。ただ……」

 

 自分は一呼吸置いてから、また言葉を繋げる。

 

「終盤の失速具合がね? 文庫本一冊で収めなければならないって制約からか、割と投げやりなオチに思えたかな」

 

 あくまで自分にとってはね、と付け加える。

 すると、彼女は特に表情を変えずに話しかけてきた。

 

「ふーん、そうなんだ。まぁこの話は私が読み終わってからまたしましょ。それで、こっちが橘くんのオススメの本?」

 

 そう言って彼女が持ち上げたのはもう片方の本。タイトルは「コンチキ号漂流記」。

 正直、女の子に勧める本ではないとはわかっているのだが、彼女の嗜好がわからない以上、自分が純粋に面白いと思えているものを渡すのが一番だと考え選んだものだ。要は名刺代わりのような感覚だ。

 

「まあ、タイトルから大体想像つくと思うけど冒険小説だよ。ノンフィクションのね」

「そうなんだ。ちなみにどんな話?」

「それをここで聞くのはやめた方がいいよ。たぶん、次の日の朝まで語り続けることになるだろうから」

「あはは、それはちょっと困るわね」

 

 お互いに顔を見つめ合いクスクスと笑うと、彼女は両方の本をカバンにしまって立ち上がった。それに合わせて自分も帰る支度を済ませる。

 こちらの用意が整ったタイミングを見計らい、彼女は話しかけてきた。

 

「それじゃあ二冊とも有り難く読ませてもらうわ。私のオススメの本はこれを返す時に一緒に渡すから、楽しみにしてて」

「うん。それじゃあ絢辻、また明日」

「ええ、橘くんも。また明日ね」

 

 そう言い合うと、彼女は軽く手を振ってから教室を出て行った。

 この程度で済ませられるというのであれば、別に放課後まで待つ必要はないと感じられるかもしれないが、彼女はクラスではそれなりに有名人なのだ。森島先輩の一件で参ってしまっていた自分は、二人で本の貸し借りをしているところを見られて変な噂話を広められたら面倒だという要望を聞いてもらい、今日の放課後に時間をつくってもらった。

 

 絢辻が去り適当な時間が経ったのを見計らい、自分も教室を後にするのであった。

 

 

 




沢山の感想ありがとうございます。数年ぶりにアマガミの話題で盛り上がれた気がしてきて、とても楽しみながら読ませていただきました。

今後の展開なのですが、サブキャラの掘り下げが終わり次第一気に時間を進めるつもりです。ですので、突然キングクリムゾンを使われてもあまりツッコまないでいただけるとありがたいです。

後、誤字脱字報告ありがとうございます。とても助かっています。

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