報せたがりな神様になりまして   作:夕凪煉音

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神と呼ばれる

この世界には神という存在がある。

普通の同朋達とは一線を画す能力を持った存在であり、システムのことである。

 

この概念を文字通り創ったのが概念をも生み出す大蛇、創造神“祭礼の蛇”である。

そのことを世界中に広く知らしめたのが揺蕩う神霊“覚の嘯吟”であり、そのあり方を以て導きの神と称され、一方では有り難がられ、一方では煙たがられている。

 

いつしか大蛇は、神の権能を補佐する存在として“眷属”という概念を創り出し、自らの眷属を3体生み出した。

そして神霊はそのことを世界に伝えると共に、自らを補佐する存在を同朋達の中でも特に情報収集に長けた者の中から選んで、“眷属”に任命した。

 

と、言うのがこの世界の文字通りの神話の一部分とでも言うべきものである、と言うことになっている。

勿論導きの神の“眷属”の部分は彼らくらいしか知り得ないことではあるが、勿論例外もある。

と言うよりも、文字通りの真実を知る者がいるのであるが、何を隠そう私のことだ。

 

始まりは本当に気紛れだったのだ。

私が生まれたのは世界の黎明期とでも言うべき時代だった。その世界でどう生きるか考えた私はまず知を求めた。

そしてその後様々な同朋達に相談を受けて智を授けた。

そこで止まっていればよかったのだろうが、何を血迷ったのか文字通り世界中全ての同朋達に様々な知恵を発信してしまったのである。それだけのことを行えるだけの知識も術も有った。そして発信する際には偽名を名乗った。則ち“覚の嘯吟”である。

ここまで言えば後はもう分かるだろうが、情報を粗方発信し終わった頃に神という概念が出来、それをも発信したら、神の一柱として“覚の嘯吟”という架空の同朋が宛がわれたのである。

そこからはまあ大変。導きの神を探して自らの陣営に率いられようと画策する同朋達の増えること増えること。

私は自分が導きの神であることを隠すために発信の頻度を落とし、特に重要な事柄を知らしめるのみに止めるようになった。

そんな時に都合良く“眷属”という概念が出来た。これ幸いと私は情報を世界中に発信するための術を神の儀式という形に昇華させた。後は簡単で、私は導きの神の眷属と偽り、導きの神の眷属を任命した。彼らは嬉々として命を犠牲に儀式を執り行った。私はその様子には若干の恐怖を覚えたが、私は対外的には導きの神の最初の眷属である。ある意味では関係のないことと考えることにした。

 

 

この世界の神たち、断罪を司る炎の巨人からは異色の神と評され、概念の創造を行う大蛇からは「珍しがり」と評されている。その外の神々とは未だに会ったことはないので定かではないが、覚の嘯吟としての私を神扱いしているのは伝聞に聞いたことがある。

 

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