それぞれの憂鬱~深海棲艦大戦の軌跡~《完結》   作:とらんらん

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いつもの後始末回です。

そしていささか唐突になりますが、長らく連載していた本作は、今回で最終回にするつもりです。



それぞれの憂鬱外伝最終話 深海棲艦大戦の軌跡・終

 2051年春のある日の昼下がり。伊豆諸島にある鎮守府の執務室で、秋山は慣れた手つきで書類に向かってペンを走らせていた。執務机には書類が整然と積まれているが、その高さは10cmにも満たない。彼は瞬く間に書類の束を片付けていき、

 

「良し、終わりっと」

 

 最後に自分のサインを書くとペンを置いた。その様子を見た本日の秘書艦の叢雲は、決裁した書類を受け取り、ファイルに詰めていく。

 

「お疲れ様。早かったわね」

「朝からやってれば、そりゃな」

「それもそうね」

 

 肩を竦める秋山に、叢雲も小さく笑った。

 一時期と比べれば、今の鎮守府の仕事は呆れるほどに暇になっていた。昔は大量にやってくる深海棲艦の攻勢を捌くのに忙しかったし、それに伴い書類の数も増えていたのだが、今や鎮守府の主な仕事は周辺海域のパトロールと艦娘たちの訓練、後は偶に現れる偵察目的の深海棲艦の小艦隊の相手程度。鎮守府内の雑務系の書類を含めても、秋山がやらなければならない仕事は大分少なくなっていた。

 

「時間もいい頃合いだし、間宮さんの所に行かない? 今日新作が出たって話だし」

「ああ、行こうか。……食い過ぎるなよ?」

「分かってるわよ」

 

 そんなやり取りをしながら執務室を出る二人。彼らは30年以上歩きなれた鎮守府の廊下を、談笑を続けながら歩いていく。その様子は第三者が見れば、いささかを通り越して大分気が緩んでいるようにしか見えないのだが、鎮守府には身内しかいないという事もあり二人とも欠片も気にしない。

 

「そうそう。戦艦組から今度、大規模演習をしたいって要望が出てるわよ。最近は大した敵もいないから、身体が鈍るって」

「あー、基本的にここまで辿り着けるのって、補助艦艇系か潜水艦程度だしなぁ」

「最近は大体一方的に倒せる敵しかいないのよね。それで、どうするの?」

「許可」

「了解よ」

 

 こうして鎮守府が至って平和になっているのも、深海棲艦側に有力な生産拠点が残っていないのが要因だった。

 インドとオーストラリア、北アメリカの2つの1級拠点を撃破、そして南米の特級拠点の親玉を世界で初めて確認された提督とその初期艦が撃破した事により陥落。今や一定レベルで勢力を保っている海域は大した生産能力を持たないミクロネシアしか残っていない。

 そしてそのミクロネシアもオセアニアに配属されている海自の戦力が順調に攻略中。他の深海棲艦の出どころは、人類が見落とす程に小さい島にある小さな吹けば飛ぶような程に小さな深海棲艦の拠点が点在する程度。もはやまかり間違っても深海棲艦が逆転出来るような戦況ではない。

 つまるところ日本本土の防壁の一つとしての役割を持つ伊豆諸島鎮守府が、緊張を強いられるような事態はまず起こりえないのだ。昨年までの大きな戦いの反動で気が抜けてしまうのも、仕方のない事なのだろう。

 

「そういえば」

「ん?」

 

 甘味処への道中、叢雲は何かに気付いたのだが、小さく首を傾げた。

 

「今年も米作りするの?」

「? いや、当然だろ? 恒例行事なんだから」

「んー、それって大丈夫なのかしら?」

「どういう事?」

「もし軍縮で私たちが退役する事になったら、この鎮守府も閉鎖になるわよ? 仮に鎮守府が残るとしても、私たちがここでお米を作る事なんて出来ないわ」

「あー、そのことかー」

 

 戦争が終われば軍縮が始まるのは、世の理と言っても過言ではない。深海棲艦の脅威がほぼ去った以上、日本は軍縮を始めるのは誰もが察していた。そして軍縮の対象が、対深海棲艦戦の主力である艦娘戦力にも及ぶ可能性は十分あり得る事である。そんな背景もあり、各地方隊(日本領の激増により滅茶苦茶増えている)に属する提督、艦娘のここ最近の話題の中心であった。

 

「まあ、当面大丈夫なんじゃないか?」

「そうなの?」

 

 もっとも、当の秋山はそこまで気にしてはいなかったりする。

 

「確かに軍縮で艦娘戦力も縮小するらしいけど、まずは18歳未満や65歳以上の提督から退役、って聞いてる」

「ああ、なるほどね。確かに深海棲艦の脅威が去った以上、これまでの様に無茶をさせる必要性はないわね」

 

 「人類の勝利のため」との名目で、これまで日本を含めた世界各国は提督化した人間を若かろうが老いていようが例外なく強制徴用していたが、流石に人類の勝利が確定している現在でもこのような事をするのは不味すぎた。そのため未成年者及び高齢者の徴用の解除が決定されており、日本はこれをもって軍縮と言い張るつもりであった。日本の広がった領域を守るためにも、コストパフォーマンスに非常に優れた艦娘の削減を最小限に留めたいという防衛省の思惑が絡んでいるらしい。

 

「それじゃあ、私たちは当面安泰ね。アンタまだ50前だし退役には早いわね」

「そういう事。……ついでに言うと、俺の場合当面は自衛隊にいる事になりそうでもあるがな」

「どういう事?」

「どうも横須賀はウチの戦力を簡単には手放したくないらしい。この間横須賀の会議に行ったら人事部から暗に引き止められた」

「……そういえばここの艦娘って、外から見ればベテラン揃いの強力な部隊よね」

 

 実際、秋山を始めとした伊豆諸島鎮守府の面々は、30年以上の戦いにより数多の戦歴を重ねていた。2020年代から30年代中盤の東南アジアやオセアニアの戦いは余り関与はしていないものの、太平洋戦線では本土の盾の一つとして戦い続けていたし、オーストラリア陥落以降の攻勢ではハワイ、北アメリカ、南アメリカと転戦を続けている。傍から見れば秋山は歴戦の前線指揮官であるし、彼に付き従う艦娘たちも実戦経験豊富なベテラン部隊なのだ。自衛隊、正確には横須賀地方隊としても、そんな希少な部隊をそう簡単には手放したくはなかった。

 

「そうなるとよっぽどの事がない限り、定年まで安泰ね。やったじゃない」

「確か定年って昔より伸びてるんだったよな?」

「人員不足のせいでね。アンタの場合、確か60歳が定年よ」

「後10年かぁ。まだまだ先だな」

「安心しなさい。歳をとると時間の流れが速くなるっていうし、10年なんてすぐよ」

 

 そんな提督と艦娘の何気ない平和な会話が交わされつつも、とある鎮守府の平和は続いていく。

 

 

 

 多くの人々がようやく訪れた平和に享受している頃、防衛省庁舎の大臣執務室では、すったもんだの末に5度目の防衛大臣就任を果たした坂田が書類と格闘している真っ最中であった。

 

「戦争は終われども仕事は減らず、ですか……」

 

 彼は執務机に積まれた書類の山を前に、最近皺が多くなってきている顔にうんざりした表情を浮かべつつ、思わずため息を吐いてしまう。

 そんな提督の様子に、相も変わらず秘書を務めてくれている大淀は、苦笑しつつもお茶とお茶請けを差し出す。

 

「お疲れ様です。こちらをどうぞ」

「煎餅ですか。なら追加の仕事はないという事ですか」

「はい。今の所は、ですが」

「嫌なことを言わないで下さいよ」

「ふふ。でも今がとても重要な時期ですので、提督には頑張って頂かないといけませんし」

「長年、こんな世界にいますからね。それは嫌という程分かっています」

 

 民間は戦勝ムードで大いに浮かれているが、政治家にとっては今が今後の日本を左右する大事な時期でもある。そのため仕事が増える事があっても、減る事はない。

 

「世間や政府内では終戦ムードとなり、それに伴って軍縮の話が出ていますが、今の日本の領域を鑑みると下手に部隊削減をすると自国防衛すら覚束なくなりますからね。慎重に事を進めないといけません」

「本当に日本も広くなりましたよね。大東亜共栄圏どころの話じゃありませんし」

 

 大淀が語ったように、今の日本の領土は恐ろしく広くなっている。東南アジア諸島及びユーラシア大陸に属する東南アジアの一部。オセアニアもニュージーランドとオーストラリア大陸東部。北アメリカ大陸は旧アメリカ合衆国のロッキー山脈以西。南米もチリやペルーといった太平洋に面した地域。その他こまごまとした土地……。2051年の日本は見事なまでに環太平洋国家と化している。この恐ろしいまでに広くなった領土を守るためにも、軍縮する範囲は慎重に見極めなければならない。

 

「……改めて思い返すと、防衛範囲が広すぎますね」

「お陰でロシア世論は日本に対してかなり警戒していますがね」

 

 巨大化した日本だが、一番警戒感を示しているのが隣国のロシアだ。彼の国からすれば、ただでさえ経済力、艦娘戦力で差を付けられて焦りを覚えていたのに、領土が急拡大したせいで、これまで手綱と思われていた資源や食料の供給も、今やロシアに頼らなくて自給できるようになっていて手が付けられない存在になっているのだ。(ついでにヨーロッパ各国とも連結しており、ロシアを介さずに貿易が出来るようになっており、手綱の効力が大いに減っている)

 

「やはり過去の対日融和外交は間違っていたんだ!」

 

 ロシア国内ではそのような声が多く上がっており、ロシア政府は対応に大いに苦慮している。また軍事面でも国民を落ち着かせるためか、それとも本当に日本を警戒してかは不明ではあるが、日本と隣接する領域に多くの部隊が展開していた。

 

「部隊の展開についてロシアは何かコメントを出したのですか?」

「外務省曰く、『現地の治安維持のため』の一点張りだそうで、交渉は難航しています。我々も動かざるを得なくなりましたよ」

「……面倒ですね。いっそのことロシアを出汁にして軍縮に反対しませんか?」

「気持ちは分かりますが、流石に無理でしょう。深海棲艦の脅威がおおよそ無くなり、国民は平和の配当を求めており、この流れを止める事は不可能です」

「目の前に脅威が現れたのですが……」

「それに新たに得た領土の開発もあります。有望な土地は多いですしいち早く活用するために、これまで軍事に投入されていた予算を開拓予算に回すことが決定さました。我々に出来る事は、冷戦後のヨーロッパ諸国のように行き過ぎた軍縮に歯止めをかけるくらいですよ」

 

 そんな事情もあり、通常兵器の縮小はある程度諦めるとして、コストパフォーマンスの良い艦娘戦力を出来る限り確保しようと、防衛省は必死だった。年齢的にいささか不味い提督を退役させるのは仕方ないにしても、それ以外の提督については、よっぽどの事情がない限りは現役続行させるつもりである。

 

「外交、というよりも国外で思い出しましたけど、ヨーロッパ諸国やロシアでは、植民地や併合された地域で独立運動が激化していると聞きましたが?」

「ええ、その通りです。特にアフリカでは独立運動が再燃していますね」

 

 坂田の言う通り、現地住民のいる植民地や併合地域では、騒乱が起こっている真っ最中だ。これまでは「深海棲艦からの保護」というお題目を全面的に推しだす事で宗主国も強く出ていたし、植民地側も深海棲艦から自身を守れないためある種の諦めに近い感じで不満を持ちつつも宗主国の支配を受け入れていたのだが、今や深海棲艦の脅威はほぼない。積もり積もった不満が爆発し、合法、非合法問わず独立運動が起こっているのだ。

 

「そうなると紛争となる可能性もあるという事でしょうか?」

「可能性はあるでしょうね」

 

 紛争勃発を予想する二人だが、実の所、これら植民地の独立運動は、ヨーロッパ諸国にとっては予想済みだ。多くの国では重要地域はともかく、大半は利権だけ確保したらさっさと放り出すつもりであった。(逆に言えば、一部の国が絶対に独立させたくないと断固拒否しているのだが) この数十年で植民地も安定しており、独立後は直ぐに国際社会の一員として働くこととなるだろう。なおマダガスカルやインドのように深海棲艦のせいで無人化した地域に関しては、絶対に手放さないと心に誓っていたりする。

 

「後、各国の元アメリカ系難民がアメリカ合衆国の再建を訴えているとの話もありますが」

「ああ、日本でも起きてますね。実現はまずあり得ませんが」

 

 世界各地に散っていった元アメリカ合衆国国民の中には、人類により奪還された祖国に戻り、そしてアメリカを再建したいと願う者も少なくはない。だがそれを各国が許すはずがなかった。

 

「自分の不手際を人に押し付けておいて、全てが終わったらまた独立したい? ふざけるのも大概にしたらどうだ?」

 

 アメリカは各国が多大な労力を費やして奪還した地なのだ。移住して復興のために働くならともかく、独立させるメリットなど欠片もない。各国とも南北アメリカ大陸の直轄統治は確定事項だった。仮に独立運動が起こったとしても即鎮圧が各国の共通事項である。元難民の間からこんな願望が出てくるのも、ある意味世の中が平和になったからであろう。

 

「そうそう、難民と言えば」

 

 そして平和にであると事は、これまで戦争を名目に放置されていた問題を解決できる、いやしなければならない時期とも言えたりする。

 

「満州国が国連でいささか面倒な提案をしてきましたが、知っていますか?」

「満州国がですか?」

「『深海棲艦の脅威が去った今だからこそ、人類種の存続のためにも、そして未だに国家が崩壊し無秩序な環境に取り残されている難民のためにも、各国が協力して彼らを救出すべきである』とか、言い出したそうです」

「……また面倒な事を言い出しましたね。いえ、満州国の気持ちはよくわかりますけど」

 

 立派な物言いではあるが実際の所は、

 

「いい加減、中国と朝鮮の難民を何とかしてくれ!」

 

 という、難民の盾として作られた国による切実な悲鳴である。

 そんな本音が丸見えな提案ではあるが、建前が建前なのでいささか面倒な事になっていた。

 

「日本はこれまでは何かと理由を付けて朝鮮半島にも中国大陸にも手を付けていませんでしたが、そろそろ彼の地に残された宿題に取り掛からなければいけない時期に来てしまいました」

「では大陸へ進出すると?」

「各国と調整中ではありますが、ほぼ確実です」

 

 この提案だが各国ともいささか渋い顔を浮かべつつも、明確に否定する事は出来なかった。ヨーロッパ各国は「現地民の保護」を名目に植民地化を進めていたので今更中国大陸への介入を断る事が出来ないし、日本としても海を渡ってくる難民の対処に苦慮している。深海棲艦との戦争も終わり余力が出てきたという事もあり、介入すべき時期が来た事を各国とも理解していた。

 

「しかしあの地域に介入するとなると、各国協力の上とはいえ相当な労力が掛かるのではないですか?」

「その通りです。特に中国の場合は未だに億単位の難民が残っているのが予想されているので、介入は相当な出費になるでしょう。それに仮に上手くやった所で、すぐに独立するのがオチです。介入する側にリターンが少なすぎます」

「……厄介ですね」

 

 将来襲い掛かってくるであろう苦難に顔をしかめる二人。だが国家間外交の裏側では、この時点で彼の地への方針は大まかに決まっていた。

 

「労力が掛かるうえに、すぐに独立させろと喚く? ならお望み通り、すぐに独立させてやればいい。ただし――バラバラにした上で、我々に依存させる体制を作るがな」

 

 イギリスの外務大臣の言葉である。具体的には各国共同で一斉に彼の地に介入し、各々で担当地域を確保。そして2年程度の占領後、更に2年程度の保護国化を経た後、各種利権を確保してそれぞれで独立させる、というプランだった。

 おそらくそんな短期間では、インフラはボロボロのままなのは確実、産業も工業は絶望的、農業を始めとした一次産業が程度復活できれば御の字だろう。復興という意味では落第点もいい所である。

 だがそのような「小さな」事など、誰も気にはしない。彼らは復興が半ばであってもきっちりと期限通りに独立させるつもりであった。

 

「将来のライバルをわざわざ育てる必要性が何処にある?」

 

 この一言に尽きた。特に中国の場合、ポテンシャル的に世界のトップを狙える存在であるのは事前に分かっているのだ。(ついでに朝鮮半島も韓国の事例を見れば上位につけるポテンシャルはある) 折角世界を平和に導いたのに、後からやってきたライバルを復活させて競争するなど、誰も望んではいなかった。

 当然ながらこの方針には、日本も大いに賛同。各国と協議しつつ準備が進められていた。

 

「……まあ、当事者は私ではないでしょうし、後任に任せるとしましょう」

 

 そんな裏のやり取りを知らない坂田は、面倒事を放り投げる事に決め込んでいた。

 

「引退するのですか。よろしいのですか?」

「私のような老人がいつまでものさばる訳には行きませんしね。深海棲艦との戦いおおよそ終わりましたし良い機会です」

 

 すでに坂田は80過ぎ。いくら提督化して常人よりも頑丈になっているとはいえ、流石にこの歳になると体力的に厳しい。また政治的にも軍事閥系のトップとして長らく君臨しているせいか、派閥内部が硬直を起こしている。その解消のためにも、身を引く必要があった。

 

「そうですね。では立つ鳥跡を濁さずとも言いますし、さっさと残っている仕事を終わらせてしまいましょう」

「その仕事が大量な上にどれも重要ですので、中々に厄介なのですがね……」

 

 こうして坂田は苦笑しつつも、今後の国の将来を託すために、再度仕事に取り掛かった。

 

 

 




 こうなった原因はぶっちゃけネタ切れです。多少のネタの種自体は残っていますが、本文に昇華出来ずにいるものばかりで、今後続けたとしてもどこかで行き詰るのは確定。
 エタるぐらいなら、ここで最終回にして閉じた方がずっと良い、と判断しました。


今後の予定ですが、3,4か月休んだ後、以前から温めていたネタを書く予定です。また架空戦記になりそうですが。


オマケ。人物や国家の解説&出せなかった設定とか

〇秋山提督
現場視点の主人公。なんだかんだで生き残った。ただし退役はせず、戦後も定年まで自衛隊にいる事になりそうな人。最初期の東京湾の件やその後の各地の転戦もあって、Wikipediaに経歴が載ってたりする。
余談だが秋山艦隊の得意戦術は水雷戦隊による肉薄雷撃で、さらに白兵戦用艤装を持つ艦娘が敵の首を狩ってたり、北上がゼロ距離から一斉雷撃で姫級を一撃轟沈させてたりする設定がある。もっとも、、本作が戦略、政略、外交がメインであり、一部隊の戦術を登場させる余地はなかった。
ついでに言うと、序盤に出した「建造艦娘の傾向」は、当時は現場視点をメインに話を展開する予定であり、各提督の特色を出しやするするために作ったものの、結局、あまり意味がなくなってしまった設定。

〇坂田防衛大臣
政治視点の主人公。戦局の変化や政府内のゴタゴタによって、約30年で5回防衛大臣に就任する事になった人。21世紀の高橋是清枠。実は1度だけだが首相にもなっているが、1年で辞職している。多分後世の深海棲艦大戦を題材にした小説では必ず登場するネームドとして、大事に酷使されると思う。

〇終戦時の日本
いつの間にか環太平洋国家になった。ただし人間が残っている地域を殆ど採っていないので、人口はあまり伸びていない。そのため開拓はアンドロイドが中心。最近ロシアからの視線が気になって警戒中。

〇終戦時のEU
深海棲艦のせい&難民問題が本格化する前にそれどころではなくなったのでイギリスはEU離脱をしておらず、更に軍事力(艦娘戦力)でEUのリーダーはイギリスになっている。
色々あったが世界中に植民地を持っている。しかし最近は植民地の独立運動が激しくなっているので、さっさとパージする準備をしている模様。え、無人地帯? 現地住民がいないのに独立させてどうするの? という事で、インドやオーストラリア、南北アメリカ大陸は各国の取り分でモザイク状態。

〇終戦時のロシア
領土はソ連時代+αに加えて、アラスカ、カナダの一部、ついでに細々とした飛び地がある。戦力的には艦娘中小国だが大分頑張った。現在必死に開拓中。
最近はマジで手が付けられなくなった日本に国民がパニック。それの対応に追われている。なお政府の中の人的には内政をしたい模様。

〇中国大陸や朝鮮半島みたいな、最後まで手を付けられていなかった地域
満州国の悲鳴もあって戦後に介入される事となる。一部の国は永久確保も考えたようだが、どう考えてもどこかで独立運動が起こって赤字経営化&独立が目に見えていた。
そんな時に英国紳士が

「なに? 折角植民地にしても独立しそう? それは無理矢理植民地を維持しようとしているからだよ。 逆に考えるんだ 『独立させちゃってもいいや』と考えるんだ」

とか言い出したことにより、現地民の困惑を余所に、各国共同でバラバラにした上で超短期間で独立させるスタイルが実行される。(ちなみに統治期間は各国好き勝手やるらしい)
なお現地は、碌にインフラも産業もない状態で独立させられる上に、宗主国が色々と利権を握る事になり、非常に貧しい&宗主国に逆らえなくなる模様。多分中国大陸で一番国力があるのは満州国になると思う。

〇深海棲艦
本作では最後まで人類に敵対する謎の生物扱い。本作での深海棲艦の正体は、環境汚染に反応して出現した地球の免疫機能のような存在という、よくある設定だったりする。
最終話時点では完全殲滅された訳ではなく、各大洋に小さな拠点が所々に残っており、そこで細々と活動中。
なお深海棲艦は殲滅されたが、本来の目的を考えるとある程度仕事が完了している。(人類大幅減&国家消滅多数による汚染物質流出減など)

〇艦娘
人類に突然現れた新人種。本作では彼女らのお陰で死にかけの人類が逆転できた。そしてアメリカが自滅した原因でもある。
正体は分かりやすく言うと、型月のアラヤっぽいやつが産み出した付喪神。なおこのアラヤっぽい奴、結構選り好みがあり、提督として覚醒するのは、アラヤっぽい奴に好かれた人間のみだったりする。


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