俺の...まぁ名前はいいか、俺は輝日東高校の二年生だ。
俗に言うコミュ障というやつで俺には友達が一人もいない、つらい。
しかし、そんな俺にも最近楽しみができたのだ!
教室の後ろの方で喋っているアイツ、橘純一。正直めっちゃイケメンだ、なんで彼女が居ないのか不思議だったんだが、そんなアイツに今、春が来ている!
突っ伏しながら、超絶美女、高橋先生のお声を反芻していると声がかかった。
「おーい、もう授業終わったぞ〜!」
「はぇっ!?あっ、、あぁ、う、梅原くんか、あ、、ありがとう」
「おう!」
この爽やかイケメンは梅原正吉という、こんな根暗コミュ障の僕に話しかけてくれる数少ない人、つまり神だ。
話を戻そう
神から聞いたのだが、アイツは中学のときこっぴどいフラれ方を経験して、恋愛がトラウマになって居たのだが、最近吹っ切ってそういうことに前向きになって来たらしい。
そして俺の最近の楽しみは
教室の隅で突っ伏しながら、橘純一のまさにギャルゲーのような青春を盗み聞きすることである!!!
フフッ怖いか?
あ、今アイツと話している黒髪ロングの裏表のなさそうな素敵な超絶美女は、絢辻詞さんという
ふつくしい...
アイツはあたふたしながらも楽しそうに会話をつないでいるようだ、あっ絢辻さん笑った
ニヤニヤが止まらない
次の日も俺は、学校でアイツの恋愛を傾聴している
今話しているのは、ウェーブのかかった黒髪と快活な性格のこれまた超絶美女、棚町薫さんだ。
声が可愛すぎる、ふつくしい...
棚町さんと話している時のアイツは、なんというかとても自然体である、こういうのを気のおけない間柄というのだろうか?
なんとなくだがアイツは楽そうだし声も楽しそうに聞こえる。あっ昼休みだ。
昼休みの俺は、いつものように三年生トイレの個室にいた、ベストプレイスである。押入れといい、トイレといい、僕は薄暗いところが好きなのかもしれないな!
ここで食べる食事はいつもほのかにしょっぱい味がして俺好みだ。な、 泣いてなんかないんだからねっ!
「まいったな、美也のハンカチ」
!?
廊下からアイツの声がした、ついでに隣の個室もガタン!っと音がした、こわかった。
「あっ橘くん、何してるの?」
!?
こ、この声は!?
声フェチの俺にはすぐわかったね、これは森島先輩だ。
黒髪のロングヘアーにカチューチャ、黄金比を体現したそのご尊顔は、もはや綺麗、とか可愛い、とかでは表せない、三年生で一年先輩、神と同様俺に話しかけてくれていたB組のカズさんを見事にフッたお方、それが森島先輩だ。
去年は森島先輩を見にミスサンタコンテストに行った。
ふつくしい...
そんな高嶺どころか天界に咲く花のような森島先輩とアイツは話している、自分のことではないのにどこか、誇らしげな気持ちになる。
どうやらアイツは妹のハンカチをなくして探していたようだ、それで見つけてくれたのが森島先輩。良いなぁ
今は森島先輩がだっ君というものの話をしているところだ、主人公はタジタジだがなんとか話を合わせよう、先輩を楽しませようと頑張っている、良いぞ!
あっ森島先輩笑った。
鼻血出た。
放課後になりいつも通り一人で帰ろう、と下駄箱に行くと、前の女の太ももをガン見している男、じゃなくて
アイツと誰かの話し声が聞こえた。
「最低ですね」
「うっ」
ご褒美である、なんと羨ましい、アイツは水泳部期待の新星にこんなご褒美を貰っているのか...
あ、今アイツと話していると思われるのは、水泳部の七咲逢という子だ。
ショートカットでキリッとした目にクールでなおかつ幼さを残した容姿は、とてもかわいらしいし美人だ。
アイツはずっと四つん這いのままだったようだ。
えっ?
次の日の昼休み、俺は最大のピンチに陥っていた
トイレの個室が空いていない
俺はドッキドキのまま屋上でお弁当を食べることにした。
おかずの冷凍食品には、母の愛が詰まっている。ありがとうお母さん。
「中多さん」
「えっ、橘先輩?」
えっ?
俺はどうしたら良いのだろうか
とりあえずバレないようにお弁当を食べよう…
ふぅ、多分アイツと話しているのは、一年生の転校生中多紗江さんだ、ツインテールのとてもかわいらしい顔をした超絶美人だ。 そのバストは豊満であった。
ふぅ...
どうやら中多さんは、友達が少ないらしく、妹にも言われたことだし声をかけてみたということらしい。
さて、放課後になったし帰るか!
「純一っ」
「おう梨穂子か、帰るのか?」
「うん、純一も今帰り?」
最近ドンドン自分がストーカーになっているような気がしている。まったく、俺は変態ではないというのに。
あ、今アイツと話しているのは、桜井梨穂子という子だ、ほわほわしていてマイペース、聞いているだけで心が落ち着くような声をしている。そのバストは豊満であった。
見ただけでわかるが、桜井さんはアイツに惚れている。
もうベタ惚れって感じだ。とても羨ましい。
というか、アイツは一気にモテすぎじゃないだろうか?ひょっとしてギャルゲーの主人公かなにかなのだろうか?
頭が痛くなってきた。
えっ?
二人が帰っていった後、茂みから女の子が出てきた。
目があった。
えっ?
「わ、わ、私はっ!上崎裡沙」
名乗られた。ならば俺も名乗り返さねばならないだろう。
「ぼ、ぼ、僕はっ!」
俺の勇気は、飛行機にかき消された。
「「…………」」
沈黙がつらい。どうしたら良いのだろうか?
彼女はなんで茂みの中から出てきたのだろうか?
疑問符ばかりが浮かぶが、どうしたらいいかはわからない。しかし!勇気を出さねばっ!
「「あっあの!」」
被ってしまった。
「そ、そちらからどうぞ?」
「あっ、じゃあお言葉に甘えて、」
「なんで茂みの中なんかに居たんです?」
すごく答えにくそうだ。
上崎さんは冷や汗をダラダラながし、目線をあっちこっちさせたあと、覚悟を決めたのか口を開いた。
「あのひゅっ!」
噛んだ、かわいい。
「あ、あの人はきっと騙されてるから!私が!あの人のい、一番になるの!」
「えっ?」
ようするにこういう事らしい。
この上崎さんは、むっかーしからアイツのことが好きだったのだがうまく言葉にできず、気が付いたら今アイツはモテモテで、どうしたらいいかわからない。
えっ?
上崎さん、はとても美人だ。もうこれ告白したらいけるよ、きっと
アイツのモテっぷりと自分とのギャップに現実逃避していると、上崎さんはとんでもないことを言ってきた。
「私と彼が結ばれるために!協力してほしいの!」
ギャルゲーの端っこの風景は今、登場人物の一人になった。
高校時代国語がほぼ赤点だった俺には荷が重かった。
誰かこういうの書いて