3/14に急ぎ足に書いたものでした。
ホワイトデーのお返しをどうしようと皆でドタバタなな感じです。
なお作者のホワイトデーは…察してください。

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白猫 -ホワイトデイスクランブル-

ここは飛行島、時期は日が沈む時も少し遅れてきた三月でありそんな中飛行島の主で色々と思い出せてきたRASN(主人公君)が悩んでいた。

 

「………。」

 

彼の手には紙がありそこには20名程の名前が書かれていたのであった。

 

「ん?よぉ!赤獅子!」

 

「…!」

 

そうして呆けてるRASNの元にオウガがやって来たのであった。

 

「どうしたんだシケた面しやがってよ…?」

 

「…、…!」

 

RASNは持っていた紙をオウガに渡し、その紙に書かれてあることを説明したのであった。

 

「ほほぅ…バレンタインで贈り物をくれたヤツのリストね…赤獅子、お前モテモテじゃねぇの?」

 

「…?」

 

オウガが脇を小突いてきたがRASNは首を傾げていた。

 

「んで…アレか?こうも沢山いちゃお返し考えるのも集めんのも大変って感じか?」

 

「…!(コクッ)」 

 

「成る程な、まぁ赤獅子らしいな。しゃーねなこの金獅子か一肌脱いでやるか!」

 

胸をドンと鳴らしながらオウガは声高らかにそう言った。

 

「…!」

 

「…とは言ったが、流石に俺と赤獅子だけじゃこんなには難しいな…ホワイトデーはもう数日もねぇしな。」

 

「あー…それなら僕に任せてよー?」

 

すると何処からともなく以前バレンタイン前日にてRASNと会ったデザートンが現れたのであった。

 

「んぉ?!なんだこいつは!?」

 

「あぁ、僕はデザートンって言うんだ。それでRASNホワイトデーでお困りなんでしょ?」

 

「…!(コクッ)」

 

「そうだよねー、だから僕は君をスィー島に招待してあげるよ。」

 

「スィート?なんじゃそりゃ?」

 

「スィー島だよ、島中がお菓子でねそこのお菓子とかをバレンタインのお返しってのはどうだい?」

 

「…!」

 

RASNは力強く頷いたのであった。

 

「分かったよ、それじゃ明日の朝にまた迎えに行くからねー?」

 

そう言うとデザートンはポヨンポヨンと跳ねながらその場を去ったのであった。

 

「ほう…何か面白いことをしてるな…?」

 

「…!?」

 

そしてそれに変わるようにバイパーが二人の後ろに現れたのであった。

 

「ん?おお、バイパーじゃねぇか何時からだ?」

 

「ついさっきだな、あのよく分かんないのが跳ねてるのを見て急いだんだがな…タイミングが悪かったか…。それで何を話してたんだ?」

 

「…!」

 

RASNはバイパーにデザートンとの話の内容を話したのであった。

 

「成る程な…面白そうだから俺も参加させてもらおうか。」

 

「…!」

 

「おぉ!助かるぜ!」

 

「それに…俺達三人だけじゃ…な?」

 

「…?」

 

「フッ…確か明日だったな、それじゃ行ってくるか…」

 

バイパーはそう言うとそさくさと去り、RASNは首を傾げていた。

 

「…おっと、そういやこれを返さねぇとな!ホレ!」

 

「…!」

 

オウガはハッと気付くとRASNから渡されていた紙を返したのであった。

 

「…にしても赤獅子よ、よくもまぁこんなに貰えるもんだな…。」

 

「…?」

 

「あ?俺か?俺は一応御子様から貰ったな、まぁあの御子様には珍しく手作りみたいだったがな。」

 

「…?」

 

「お返しか?そりゃアイツが喜びそうな霜降り牛をもう用意してあるぜ、御子様はお菓子よりかそっちの方がいいんじゃねかなってな。」

 

「…!」

 

「ヘッ!ありがとな赤獅子、そんじゃ…明日まで暇だしよーちと鍛練に付き合えや!」

 

「…!!」

 

そうして駆け出したオウガにRASNは付いていったのであった。

 

 

…そして翌日同じ場所にて。

 

「やぁやぁ二人ともお待たせ…あれ?君は?」

 

「君がデザートン君だね、初めましてライフォードだ。」

 

やって来たデザートンに対し手袋を外し握手を求めたのは嵐の国の騎士のライフォードであった。

 

「あー…これはどうもご丁寧に…」

 

「…!」

 

「えっ、まだいるのかい?」

 

「あー済まねぇなデザートン、もう少し待ってくれねぇか?ツレがまだでな?」

 

「んー、そうなのかー。」

 

「あぁ、急な事で済まないがお菓子の島と聞いてとても気になってね。」

 

「いやいや、別に大丈夫だよ。それに沢山いた方がわいわいとして楽しいからね?」

 

「…!」

 

「おっと、噂をしたらなんとやから。」

 

そうして話しているとバイパーがこちらにやって来たのであった。

 

「間に合ったか?」

 

「大丈夫、僕も今さっき来たばかりたがらさー?」

 

「そうか、だがまだ他の面々が来てないな?」

 

「…?」

 

「まだ来るんだね、何人ぐらいかな?」

 

「…俺が声を掛けたのは…おっと来たか。」

 

バイパーが横を向くとそこには六人の男性がいたのであった。

 

「…!」

 

「主様申し訳ありませんこのブラッドを起こすのに少し手間取ってしまいまして…」 「…ニィさん…だからと言って耳元で大声出さないでくれよ…まだ耳がキンキンするぜ…。」

 

「そりゃ起きねぇテメェが悪いんじゃねぇのか?あァん?」

 

「うっ…そうですね…」

 

まず寄ってきたのはブラッドとヴィンセントで、次に来たのはギュスターヴであった。

 

「すまぬな、アグリオスが中々起きなくてな…」

 

「って!?兄ぃ!逆でしょ逆!?兄ぃが中々起きなくて俺が無茶苦茶して起こしたすんよ?!」

 

「そうか…?してアグリオスよ、余の飯はまだか?」

 

「さっき朝飯に肉まん10個食べたろうが?!」

 

「…アグリオス…余に対してタメ口か?」

 

「いっ…そんな訳ないっすよー?!」

 

「そうか…ともかく、RASNよアグリオス不甲斐ないばかりに遅れた…」

 

「…!」

 

「そうか、して余のおやつは…?」

 

「…!」

 

「よし、分かった待とう。」

 

「…へぇ…中々やりそうなヤツじゃねーか…?」

 

そうしてギュスターヴはオウガの横に座り、オウガはギュスターヴを見てニィと笑うとそう呟いた。

 

「…RASNよ、発つ時にシオン達が弁当を作るといってな…。」

 

次にハーヴェイがやって来た、ハーヴェイは厳つい顔を済まなそうにしていたのであった。

 

「…!」

 

「そうか…済まないな。」

 

「RASNさんすいません!姉貴を振り切るのに少し遅れましたっ!」

 

そして最後に来たのはショウとヨシュアであり、何故かヨシュアは背に鞄を背負い手には。

 

「…?」

 

「あっ、僕は少し朝起きれなくて…それにこれもありますかね…」

 

ヨシュアはそう言うと背負っていた鞄をドスンと下ろしたのであった。

 

「…?!」

 

「中々重いですよ…ヒジョウヨウ食料に水筒が二・三本…ハンドエイドとかの救急セットに着替えにと…山籠りに行く訳じゃないのになー…」

 

「すげぇな…」

 

「…!」

 

ショウとRASNはそれを見てあっけからんとした顔をしていた。

 

「はい…それに何とか抜け出してこの荷物ですから…」

 

「え…?」

 

「…?」

 

「ともかく早くしましょう!皆を待たせてま…す…しぃ…!」

 

ヨシュアは下ろした鞄に肩を通し歯を喰いしばってどうにかして持ち上げたのであった。

 

「…えっと、これで全員かい?」

 

「ああ。」

 

「オッケー、それじゃこっちだよー?」

 

そうしてデザートンは10人と一本を連れて展開した魔方陣と共にスィー島に向かったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-スィー島 クラッカー広場-

 

「よーし、到着だよー?」

 

「へぇ…本当にお菓子まみれだな…」

 

「いや、まみれと言うよりかはお菓子で出来上がってるな。ここの地面を少し掘ってみたがクラッカーの下はクッキーだったぞ?」

 

「本当ですね…さっき少し先を見て行きましたがチョコが流れている川もありましたし…」 

 

スィー島へとやって来た冒険家達は辺りを見渡していたりしたのであった。

 

「ふむ、魔物などもお菓子なのか…レナに話したら喜ぶだろうな。」

 

「…うむ…美味であるな…!」

 

「ちょっ!兄ぃ?!俺が刃物だからって包丁代わりに使わないで下さいよー?!」

 

「だがこうも甘いものばかりだと甘さで中々来るな…」

 

「そうだな、んでこの辺り菓子を適当に取っちまってもいいのか?」

 

「いやいや、その辺のじゃなくてとても良いのある場所があるんだー。」

 

「へぇ、どんなのがあんだ?」

 

「マカロンにクッキーにキャンディーだよ、どれも絶品だから詰め合わせで贈ると喜ぶと思うよ?」

 

「ふむ…それでそれはどこにあるんだ?」

 

「あぁそれはね…」

 

「おっと!そこまでだー!」

 

デザートンが話そうとしてると冒険家達の元に三つの影が襲来したのであった。

 

「ふっふっ…ここに来るのは計算通りだったさ…!」

 

「やぁ久しぶりだね子猫ちゃ…って…んん?」

 

「…!なっ…何ですか?!」

 

「子猫ちゃんかと思ったら男かよっ…?!」

 

「えっ…?!」

 

「…!?」

 

「ん?赤獅子、知ってる顔か?」

 

「…!………!」

 

RASNは冒険家の皆にやって来た三人について説明していた、彼ら三人は以前この島に召喚された時に相対したデザートンの願望が生み出した分身であった。

 

「ふーん…んでそんなヤツが俺達に何の用だ?」

 

「もしかして邪魔しに…?だったらよ…!」

 

すると冒険家達はガトリングの銃口を向けたり赤黒い竜の様なオーラを出したり拳を構えたりしていた。

 

「まっ…待ってくれ!?暴力は良くないぞ!?それに暴力をすれば望みの物は手に入らないよ?!」

 

三人は慌てると皆にお菓子の様な形をした石を見せたのであった。

 

「…?なんだそれは…?」

 

「見た感じ…さっきの三つの菓子に似ているな…?」

 

「もしかしてよそれらがその絶品な三つの菓子のあるとこに行く為の鍵とかじゃねーんか?」

 

「「「うっ…。」」」

 

すると三人は同時に冷や汗を垂らして息を飲んだのであった。

 

「だったら…壊さないようにぶんどるしかないですね?!」

 

そう言うとヨシュアは出していたオーラを右手に纏わせたのであった。

 

「ハカセ…流石にこのままいたらマズイのでは…?」

 

「う…うむ…!ここは戦略的撤退だ!」

 

三人はヨシュアを腕を見てその場から三方向にへと散ったのであった。

 

「…行ってしまったか…。」

 

「…?」

 

「えっ?まぁこちらが作り出した分身だけどさ…最近になって勝手に出ていったんだよねー?」

 

「そんなもんなのか…?」

 

「だが現実こう起こってんだしな…んでどうするよ、あっちは三手に分かれたが…」

 

「そうなると…私達も三手に分けて彼らを追うしかないようだね?」

 

「うむ、それが得策だろう。だがどう分ける?三手に分けるとしても我々は10人だぞ?」

 

「だったらよ、俺様と赤獅子で1にすればちょうど9人じゃねぇか?」

 

「ふむ…そうだね、RASN君を三人に分けるって案よりかはいい感じだね。」

 

「…?!」

 

「ハハハ、冗談だよ。それじゃここは公平にじゃんけんで決めようか。」

 

そうして冒険家達はじゃんけんによって三組に分かれたのであった。

 

「そんじゃ行くか。」

 

「…!」

 

「ショウさん一緒に頑張りましょう!」

 

「あぁ!」

 

 

「…やっぱニィさんとか…」

 

「何?不服?」

 

「いや、ニィさんとなら安心だって事さ。」

 

「へっ…。」

 

「…アグリオスよ我では不服か?」

 

「まだ何も文句言ってませんよ兄ぃ?!」

 

 

「君達とか、よろしく頼むよ?」

 

「あぁ、こちらこそよろしくな。」

 

「うむ、よろしく頼む。」

 

そうして分かれた三組は逃げていった三人を追っかけたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-スィー島 飴の森-

 

ハーヴェイ達がやって来ていたのは樹木が飴で出来ていた森であった。

 

「やぁ!やって来たようだね!」

 

そして待ち構えていたのはバラを持っている二枚目のハンサムであった。

 

「…俺達の相手はこいつか。」

 

「そうみたいだね、それでは覚悟して貰おうかな?」

 

「うむ、突破するぞ…!」

 

そう言って三人は各々武器を取り出し構えると周囲の木々が震え始めたのであった。

 

「まっ…待って?!暴力反対!!そんな事するとこれを飲んじゃうぞ!?」

 

ハンサムは慌てると持っていたキャンディー状の石のような鍵を自身の口元にちらつかせながら見せたのであった。

 

「むっ…それは困るな…」

 

「そうでしょ…?!そうでしょ…!!」

 

「…腹に入ってしまったら…そうだな…バラすしかないかな…?」

 

「…ヒィッ…?!」

 

ライフォードは剣をザグッと地に突き立てニタリとハンサムに笑いかけたのであった。

 

「そうだな…だが腹に行く前に切り取って取り出すという手もあるな…」

 

「…えっ?!ちょっと…!?」

 

そしてバイパーもニタリと笑うと手に持ってるルーンジグソーを強く握りしめたのであった。

 

「……。」

 

「……。」

 

「…?」

 

だがその後二人はハーヴェイに目配せをし、それに気付いたハーヴェイは少し困っていた。

 

「(…ハーヴェイ、お前も何か言って脅せ…!)」

 

見かねた二人ははハーヴェイに近寄り小声で話しかけたのであった。

 

「(だが、脅すと言っても…)」

 

「(…そうだ!ならばハーヴェイ、彼に黙りながら見詰めつつにじり寄ってくれないか?)」

 

「(うむ…分かった…。)」

 

ハーヴェイはライフォードに言われた通りにじりじりとハンサムににじり寄ったのであった。

 

「なっ…何ですか…!?」

 

「…………。」

 

そしてハンサムはハーヴェイにそう問い掛けたがハーヴェイは言われた通りに黙って近寄ったのであった。

 

「あっ…あの……?」

 

「………。」

 

「そっ…そんな顔が近寄られても…!?」

 

「……。」

 

「ぼっ…僕はそんな気は…?!」

 

「…。」

 

「もっ…もう勘弁してくださいー?!」

 

ハーヴェイとハンサムがあと一歩で体を触れそうな距離で、ハンサムは泣き出し手に持ってるクッキー状の石のような鍵をハーヴェイに投げ渡して逃げたのであった。

 

「よし…作戦成功だな。」

 

「あぁ、少々おつむも度胸も足りなそうに見えた彼には悪いけどね…?」

 

「良いのか…?…ん?あれは…!」

 

ハーヴェイは申し訳なさそうな顔をしてハンサムの去っていた道を見たのであった、するとその先に何かが填まりそうな穴がある門のようなものがあったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-スィー島 マカロン草原-

 

一方ヴィンセントらはお菓子で出来ていた魔物がのんびり寝ていたりしている草原を歩いていた。

 

「いやー平和っすね兄ぃ?」

 

「…アグリオスよ、余のおやつは… 」

 

「だから待ってくださいよ兄ぃ!そうやってさっきちょっかい出して酷い目にあったでしょ?!」

 

「そうか…?」

 

「そうだろ…ケーキ背負った熊とかはもう勘弁してほしいぜ…」

 

「まぁ、スリルがあって俺は楽しかったぜ?」

 

「そりゃニィさんだけだろ…」

 

「ところでよブラッド、お前さんはお返しは何人…いや誰だ?」

 

「なっ…何でいきなり…?」

 

「いいじゃねーか?アタシ気になるのよねー?あっアタシはティナちゃんにファルファラからチョコを貰ったのよねー。」

 

「へぇー、ニィさんもか。でも数ならねぇちゃんの分もあるから…」

 

「へぇ……」

 

するとヴィンセントは冷ややかな笑みをブラッドに浴びせたのであった。

 

「…ニィさん…?」

 

「まぁいいぜ…?数ならジョカで世話した輩とかの分で余裕に越してんだよなぁ…?」

 

「そっ…そうですか…」

 

「あぁ、そういや前にブラッドと何か約束したっけなぁ…?何だっけなー?」

 

「………。」

 

ブラッドは口を閉ざし冷や汗をかいていたのであった。

 

「まぁーいいやー今は主様の願いを叶えるかねぇ…?当日になったら思い出せそうだしー?」

 

「はっ…ははは…ってなんじゃありゃ?」

 

ブラッドが苦笑いして先を見るとそこには草原には不揃いな机と椅子が三つ置かれていたのであった。

 

「んー?こんなとこに…?青空教室か?」

 

「いやっ!ここは会場さ!」

 

三人が不思議そうに机に近づくとフッと眼鏡をかけて本を持った如何にも博士っぽそうな感じをしたハカセがやって来たのであった。

 

「ほう?出てきやがったな、会場ってのは何だ?」

 

「ふふふ…よくぞ聞いてくれた!だがその前に着席してもらおうか!」

 

三人はハカセの言う通りに席に着いたのであった。

 

「席に着いてやったぜ?んでどうすんだ?」

 

「よし、それでは君達にはこれをやってもらおうか!」

 

するとハカセは三つの机の上に一枚ずつ紙を置いたのであった。

 

「ん…これは何だ?アグリオスよ…?」

 

「…やべぇ…。」

 

「だから何だアグリオスよ?」

 

「あっ…いやこれは…」

 

配られた紙には様々な設問がある紙でありアグリオスは剣さながら汗を垂らしていた。

 

「へぇー…」

 

「頭を使うのか…やべぇ…」

 

一方同様に紙を渡されたヴィンセントは不敵な笑みを浮かべ、ブラッドは頭をシャカシャカと掻いていた。

 

「そうとも、君達にはこのプリントを解いてもらう。そして合計が200行けたらこれを渡してあげよう!」

 

ハカセはそう言ってマカロン状の石のような鍵を見せたのであった。

 

「では時間は40分、不正は一切認められないからね?」

 

「えっ…ちょっと何を…?!」

 

そうしてハカセはギュスターヴの座る机の上にあるアグリオスを回収したのであった。

 

「何ってお前さんがギュスターヴに解法とか教えたらよ不正だろ?」

 

「いやでも兄ぃじゃ…」

 

「…アグリオスよ、心配するな余に任せよ。」

 

「いやだから兄ぃじゃ無理ですよ!?兄ぃ~!」

 

そうして三人は鉛筆を取り紙へと挑んだ、そして時間が経ち40分経ったのであった。

 

「さてと時間だ、直ぐ様採点だね。」

 

ハカセは三人に配られていた紙を回収しアグリオスをギュスターヴに返したのであった。

 

「あ…兄ぃ…?」

 

「心配するな余は昨晩一睡もしてないから余裕ぞ。」

 

ギュスターヴがアグリオスに対してグッと親指を立てた、するとハカセは赤ペンをカラリと置いたのであった。

 

「さてと…採点完了だ、まずはブラッド君76点!」

 

「へへっ…これぐらい余裕だって。」

 

「次にヴィンセント君、100点!」

 

「ふん、これぐらいは余裕なんだよ。」

 

「そして最後ギュスターヴ君は40点!」

 

「ええっー!?」

 

ギュスターヴの答案が返されアグリオスは叫んだのであった。

 

「うるさいぞアグリオス、余でもこれぐらいは出来る。」

 

「あり得ねぇ…あの兄ぃが…って、えっ…」

 

アグリオスは怪訝そうに戻ってきたギュスターヴが持っていた見て息を詰まらせた、なぜならギュスターヴの答案用紙はブラッドとやヴィンセントの記述式ではなくマークシート方式で黒い丸が一列に並んでいたのであった。

 

「…えっと合計は216点だね、悔しいけどこれは君達の物だ!それと、君達の探してる所はこの先だ。」

 

そう言い残しハカセはマカロン状の石な鍵をブラッドに渡して消えたのであった。

 

「おう、ってどこかにいっちまったな?」

 

「まぁいいじゃねぇか、そんじゃさっさと行こうぜ時間を大分削られちまったからな…」

 

「うむ、してアグリオスよ余のおやつは…」

 

「……。」

 

「…?アグリオス?」

 

「いくら運とはいえ兄ぃがあんな点数…あり得ねぇ…。」

 

アグリオスはそうブツブツと呟いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

-スィー島 クッキー河原-

 

RASNとオウガらがやって来たの砂利がクッキーで出来ていて川にはカフェオレが流れている河原であった。

 

「こっちでいいんでしたよね?」

 

「あぁ、だがどうも馴れないな…こう色んな物がお菓子に見えるのは…」

 

「そうだな…赤獅子は平気そうだな?」

 

「…!」

 

「ハッハー!そりゃRASN君だけは平気だろうねー!」

 

するとけたたましい声と共にマッハと呼ばれている健脚自慢そうで爽やかそうなスポーツマンみたいな男がやって来たのであった。

 

「この人さっきの…!?」

 

「あぁ!…今度は逃がさねぇ!」

 

そしてそれを見たヨシュアとショウは構えたのであった。

 

「待てお前ら、赤獅子だけはってのはどうしてだ?」

 

「簡単さ、RASN君は以前この島に来て昔に流行った病気にかかり、整備士ちゃんから真心こもったチョコを貰えたからねー。」

 

「……!」

 

マッハのその言葉にRASNはハッと何かを思い出したのであった。

 

「病気…?…赤獅子がか?」

 

「そうとも、けどもう治療法も確定してたし今はピンピンとしてる。」

 

「そうでしたね…ところでその石みたいな何かを渡してくれませんか…?」

 

「別に良いよ、君達にはある事に挑戦してもらう!」

 

「何だ?」

 

「…?」

 

「えっ?また競争かって?最初はそう思ったけど多分も何もそれじゃ君達には勝てっこないからね、僕が用意したコースを走ってもらってゴールしたらこれをあげるよ!」

 

「へっ!随分と温いな俺一人でも楽勝かもな!」

 

「そんな事はないさ!このコースは君達四人の結束が試されるコースだから一人じゃ走りきれないさ!ちなみにあそこの旗がゴールさ!」

 

ハンサムは先程渡ってきた川の向こう側の中洲の様な所を指差して言ったのであった。

 

「…!」

 

「へっ…わかってらぁ赤獅子。良いぜ俺達四人の結束を舐めんなよ!」

 

「協力なら任せてください!」

 

「…!」

 

「あぁ!やぁってやるぜ!」

 

「いい意気込みだ!その意気に免じて制限時間は無制限!まずはあの洞窟に行ってこい!」

 

マッハの快い掛け声と共に四人は駆け出しクッキーで出来ていた洞窟に入ったのであった。

 

「やるぜ!…っていきなり行き止まりかよ!?」

 

だが四人の前にはクッキーの壁が立ち塞がっていた。

 

「あれ?一本道でしたよね…?」

 

「…!」

 

「…そうだオウガさん!自慢の怪力でこんな壁ぶち破りましょう!」

 

「……俺様もそう思ったがよ…さっきアイツが言ってたろ?」

 

「えっと四人の結束でしたっけ?」

 

「…!」

 

「でも結束も何も行き止まりじゃ…下に狭い隙間があるぐらいですよ…」

 

「…ん?隙間?」

 

オウガはショウにそう言われ立ち塞がっている壁の下を見た、そこにはショウの言う通りにかなり狭く転がっても入りそうではない隙間があったのであった。

 

「…オイ赤獅子、名案があるんだが?」

 

「…?…!?」

 

そしてオウガはRASNに耳打ちし、RASNは聞かされた内容に驚いているように見えた。

 

「平気だ、俺を信じな!」

 

「…………!」

 

RASNは長考してから渋々とコクりと頷いた。

 

「よしっ!それじゃお前ら!一列に並びな!」

 

「えっ?…はい!」

 

「おっ、おう!」

 

オウガがショウとヨシュアにそう言って一列に並ばせたのであった。

 

「よーし!それじゃこれから何が起きても逃げんなよ?!」

 

「えっ…?」

 

「何か嫌な予感…」

 

「行くぜ!赤獅子!! 」

 

「……!!!」

 

オウガがそう言うとRASNは倒立な状態でオウガの背に回り足を掴んだ、そしてオウガは振り上がってるRASNの足を掴んだ。そうしてそのまま二人は背を曲げて球体状に丸まったのであった。

 

「えっ…?」

 

「へっ…?」

 

「覚悟しろやぁー!!」

 

「………!」

 

「のわぁぁぁ?!」 「うわぁぁ!?」

 

そしてRASNとオウガはそのままグルグルと転がりヨシュアとショウに向かって転がった、無論二人は逃げようと洞窟の出口にへと走り始めた。

 

「逃げんじゃねー!!おるぁぁぁぁ!!」

 

「…?!」

 

「えっ…?!体が…?!」

 

「オウガさんに引き寄せられる…!?」

 

逃げる二人を見たオウガは雄叫びとRASN共に飛び上がり縦回転を横回転へと変えた、するとヨシュアとショウはオウガへと引き寄せられていた。

 

「おるぁぁぁあ!!」

 

「…!」

 

「ひぎぃ!?」 「うぎゃぁ!?」

 

オウガとRASNボールは回転を戻すと引き寄せられて倒れていた二人を押し潰した、その後エッジを利かせて方向転換しボールになっていた二人は合体を解除したのであった。

 

「…!?」

 

「平気だよく見ろ動いてるからまだ生きてるぜ?」

 

RASNは潰された二人を見たがオウガの言う通りペタンコになりながらも動けていたのであった。

 

「RASNさん…オウガさんいくらなんでも酷いですよー…」

 

「そうっすよ…でもこんな状態で生きてるのは不思議だぜ…」

 

「…?」

 

「まぁともかく不思議は置いといてよ、その状態ならあの隙間に入れるだろ?」

 

「あっ…!そうですね!」

 

「確かに!…って戻し方とかは…?」

 

「あん?時間が経てば直るんじゃねえのか?またはジャンプ台に乗るとかよ?」

 

「…よくわかりませんがとにかく行ってきますね。」

 

「あっ…俺も!」

 

そうしてペタンコの二人はニジニジと隙間から壁を通り越したのであった。

 

「…?」

 

「こちらですか?見た感じは視線が低くて特には…んぁ?!」

 

「どうしたヨシュ…んぉ?!」

 

すると壁の向こうから二人の声と共にヒゲが茸を取った感じの音が響いたのであった。

 

「…?!」

 

「ん…RASNさん?こちらは大丈夫です…」

 

「…んぉっと?!体が戻ってるぜ!…ん?何だこりゃ?」

 

そして今度は二人の声と共にカチッと音が鳴ると二組を隔てていたクッキーの壁がガラガラと崩れたのであった。

 

「おっし!道が開いたぜ!」

 

「おっし!じゃないですよ!?あんなの協力なんですか?!」

 

「そうですよ!他に方法とかなかったんですか?!」

 

「……そーだな…一人がもう一人の頭に乗っかってドリルの様に回転して潜るってのもあったんだがなー…」

 

「えっ…」

 

「他にもハンマーで等身を低くするってのもよあるけどよ…」

 

「あの…もういいので先行きませんか?」

 

「そっ…そうすっよ!自分ら先行きますんで!!」

 

ショウとヨシュアは逃げるように洞窟の先に走ったのであった。

 

「……。(汗)」

 

「へっ、俺達も急がねぇとな行くか!」

 

「…!」

 

そして残された二人も追いかけるように走っていった。

 

 

以降四人にはかなり高い壁やらやたら広い崖などの障害物が立ち塞がった、だが四人は協力してなんとか切り抜けたのであった。

 

そして洞窟を抜けて河原の中洲の様な所に出たのであった。

 

「よしっ!出れたって事は…!」

 

「あぁ!旗が見えた!」

 

「おっし!ラストスパートだぜ!」

 

「…!」

 

四人が旗を確認すると猛ダッシュで走りマッハの元にへと駆け寄った。

 

「よくぞ来た!では約束通りにこちらを渡そう!」

 

「……!」

 

「では!さらばだー!」

 

マッハはRASNにクッキー状で石な鍵を渡すとやって来たときと同様にカフェオレの川の上を走って去ったのであった。

 

「…!」

 

「やりましたね!」

 

「…ところでその鍵ってどこの鍵なんでしょうね…?」

 

「さぁな、でもこの近くを探せば見つかるんじゃねぇか?」

 

「…!」

 

「そうですね…意外とさっきの洞窟にあったりとかしそうですね。」

 

「…戻んのは少しアレだけどな…」

 

そうして四人はまた洞窟にへと入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-スィー島 クラッカー広場-

 

「んー?そろそろかなー?」

 

クラッカー広場で待っていたデザートンがそう言うと三組が分かれた三方から冒険家達が戻ってきた、そしてそれぞれお菓子の山を台車やトロッコやソリなどで持ってきたのであった。

 

「イヤッホー!」

 

「ニィさん!?スピード出しすぎ!?」

 

中でも勢いが良かったのはヴィンセントが楽しそうに転がしてる台車であり、菓子共にブラッドとギュスターヴも乗っていた。

 

「みんな無事に帰ってこれたみたいだね?良かった良かった。」

 

「本当に無事で何よりでしたよ…本当に…」

 

「あぁ…」

 

「俺は楽しかったぜ?なぁ赤獅子?」

 

「……!」

 

「たまにはこういう不思議体験も良いものだな。」

 

「そっかそっか、それじゃあとは元の世界にへだね、よいしょっと!」

 

デザートンはそう言い魔方陣を展開させると飛行島へと向かったのであった。

 

 

 

-飛行島-

 

「それじゃまたねー!」

 

デザートンは冒険家達を飛行島で降ろすとまたスィー島にへと戻っていった。

 

そして降ろされた冒険家は三つのお菓子の山を見ていた。

 

「よし、それじゃ次はこれらを詰めるとするか。」

 

「…!」

 

「そんな事もあろうかと詰めれる用な箱を沢山用意してあるぞ。」

 

バイパーはそう言いながら装飾の入った箱や袋を沢山のせたリアカーを引いてきたのであった。

 

「流石バイパーさんだ…でもやるなら室内でやった方がいいのでは。」

 

「そうだな、それじゃ移動とするか。女子らには見つからないようにな…。」

 

冒険家達は周囲を警戒しつつ進み厨房にへと入っていった。

 

「とりあえずは平気だったな。」

 

「あぁ…特に要注意人物には会えなくて良かったな。」

 

「それじゃ早速箱に詰めましょう!」

 

そうして冒険家達は各々菓子を詰め始めた。

 

オウガとショウは一つヨシュアとバイパーは二つ作り、ブラッドにヴィンセントとハーヴェイは三つ作ったがライフォードとギュスターヴは一つも作らなかった。

 

「…?」

 

「ん?作らなくてもいいかって?大丈夫さ、それよりRASN君は…20人だったかな?そっちを手伝った方がいいと思ってね。それにもう渡すものは渡された時から既に準備してあるのさ。」

 

「…!」

 

ライフォードはRASNの菓子詰めの手伝いをしてギュスターヴはもくもくと菓子を食べていた。

 

「んくんく…中々の味だ…!」

 

「兄ぃも手伝ってくだ…って聞いてねぇか…」

 

そうして時間は経ち日が沈みかけた頃厨房に残っていた冒険家はRASNとライフォードだけとなっていた。

 

そして調理台の上には菓子を詰めた箱や袋がたくさんあった。

 

「これで全員分かい?」

 

「……、…!」

 

ライフォードがそう尋ねるとRASNは手元にバレンタインで贈り物を贈られた人のリストを見た、そして紙に書かれている全員の名前の前にチェックマークが置かれていた。

 

「そうか、これで全部かお役に立てて何よりさ。」

 

「…?」

 

「礼?そんなのには及ばないさ…まぁ言うなればまた君と冒険がしたい、それだけでいいさ。」

 

ライフォードはそれだけを言うと厨房を去ったのであった。

 

「………!」

 

RASNは去っていくライフォードを若干遅れて見送るとまた厨房に戻って何かを準備し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして日は過ぎてホワイトデー当日となった。

 

「……、…?……!」

 

RASNは以前に皆で協力して作った菓子詰めを持ち数も確認するとリストを見ながら皆へと配りにへといった。

 

「あら、お返しかしら?ありがとね!本当は美味しいカニカマが良かったけど…まぁいいわ!ありがたくいただくわよ!」

 

「おやおやお返しかぇ?ふぇっふぇっふぇ…ぼんは優しいのぅ?」

 

「あら…何が御計略でも?…ふふっ冗談ですわ?美味しくいただきますわ。」

 

「オーララ!メルシーでござるシショー!今度何かお礼にデリシューな物を一緒に行きたいでござるな…」

 

「ピヨ…!ありがとうパパ!」

 

「わーい!ありがとうにーに!」

 

「えっ?!バレンタインのお返し!?あっ…ありがとう…どれも美味しそうね…!」

 

そうしてどんどんと配り回りアイリスの所にへとやって来ていた。

 

「あらRASN?」

 

「…!」

 

「ホワイトデー?そうね、ということは…」

 

「…!」

 

「ありがとう!どれも美味しそうね…そういえばRASN、他にも配っているのかしら?」

 

「…?…!」

 

「…そう…やっぱりRASNね?」

 

「…?」

 

「ううん、何でもないわ。それより少し用事があるから食べれるのは後になっちゃうけど…ごめんね?」

 

「…!(フルフル)」

 

「ふふっ…ありがとうRASN。」

 

そうしてアイリスはRASNの前から去り、RASNはスィー島から持ってき菓子詰めは一つ残らず無くなっていた。

 

「…!」

 

だがRASNはまだ人を探していたのであった。

 

 

そうして探し回り数時間RASNはようやく目当ての人を見つけたのであった。

 

「………、…!」

 

「ん?RASN君?どうしたのそんなに息を荒げて?!」

 

RASNが息を荒げながらも会えたのはユッカであり、自慢のハンマーを開いてティーセットを取り出していた。

 

「……!…!!」

 

「とりあえず落ち着いて…!?ふっー…ふっー…!…はい!」

 

ユッカはカップを一つ取りポットの湯を注ぎ息を吹いて少し冷ますとRASNに渡し、RASNは息を調えつつそれを飲んだ。

 

「どう?大丈夫?」

 

「………、…!」

 

「良かった…それよりどうしたの?」

 

「…!」

 

「えっ…お返し?でも私今年はRASN君には渡しそびれて…」

 

ユッカはそう言いながらお茶を淹れていたのであった。

 

「…!(フルフル)」

 

「違うの?それじゃ…何かな?あっ、よかったら飲んでね?」

 

「…!」

 

RASNはユッカから渡された紅茶を受け取ったが一旦置くと先程から皆へと配っていた菓子詰めと同様の袋を取り出し、袋を開いたそこにはスィー島で採れたマカロンと少し違う感じのマカロンが詰まっていた。

 

「…?」

 

「スィー島のチョコのお返し…?そういえばあの時に作ったチョコってまさか…」

 

「…!(コクッ)」

 

するとユッカは急に顔を赤らめたのであった。

 

「そっそそうなんだー…それで味はどうだったかなー?」

 

「…!」

 

「体が良くなるぐらいだったんだ…ありがとう…!それでまさかだけどこのお返しはもしかして手作りかな?」

 

「………!」

 

RASNも顔を赤らめて頬を掻きながら頷いたのであった。

 

「…?」

 

「どうしてって?ふふっ、だって焦げ跡とか形が歪なのが結構多いからね、すぐ分かっちゃったよ。」

 

「……。」

 

「だっ大丈夫だよ!それより一緒にお茶をしない?ちょうどティータイムだしさこれを茶菓子にしてさ?」

 

「……!」

 

そうして二人のティータイムは幕を開けたのであった。

 


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