転生したボクですが、姉さんたちが過保護すぎて辛いです 作:可愛い物を愛する淑女
ボクは今何をしているのでしょうか?
確か、椿さんのところへ、ボイストレーニングとボーカルレッスンするために、遮音性の高いトレーニングルームに向かっていた筈でしたが、何故、こんなに優しくて暖かい感触に包まれているのでしょうか?
「おかあさん?」
どことなく、武内さんの良い匂いがする気がするのですが…………
「申し訳ありませんが、私です」
「ふぇ?な、なんで武内さんがボクを抱いている………の?」
「覚えていないようですね。なら、思い出さなくても結構です」
武内さんの
「いやぁ」
「!? 大丈夫、大丈夫です。私は、私はユウさんを傷付けることはありません。だから、存分に頼ってください。怯えても構いません。しかし、ユウさんは私が守ります。だから、今は存分に甘えてください」
「ぁぅ」
武内さんから離れようとして押しても、それよりも強い力で抱き締められ、頭を撫でながら優しく宥められて、安心できて、心地好くて。千川さんみたいに頼もしくはないけれど、それでも、お母さんに包まれているようで、千川さんとは別の安心感があります。
「武内の奴、自分が矛盾してること言ってるの分かってんのか?」
「でも、武内さんはもう認められたみたいですね。少し羨ましいです。私たち芸能プロダクション業界の恩人である【真実を魅せる姫君】の内側に入れるのなんて、未だに圧倒的少数なのに…………。だけど、武内さんや千川さんだからこそ、内側に入れたのかもしれないですね」
「………はい。千川さんはとっくに認められたのに、武内P(プロデューサー)さんが内側に入れないで完敗ではと思い、危うく二人の仲を引き裂かなければならないかと思い冷や冷やしてました。今夜は秘蔵の獺祭で乾杯です♪」
「いつの間に来たんだよ………」
「武内P(プロデューサー)さんが来る前からです」
「それなら、早く宥めてくださいよぉ。………減給されなきゃ良いんですけど」
「そんなの、優が望むわきゃねぇからされねぇよ」
「その通りですよ、メグちゃん」
「その呼び方止めてくださいよ、先輩」
段々と周りが騒がしくなり、この格好で居るのが恥ずかしくなってしまってきたのですが、武内さんが離してくれません。
離れようと再度押しても、『グッ』と抱き寄せられてしまい、離れようにも離れられず遂には呼吸ができなくて意識が暖かくて心地の良い奈落に落ちてしまったのでした。
ーーユウの寝顔を見ながら少々お待ちくださいーー
三途の川のような場所で優しい神様と再会して、今までのことを話ながら一緒にお茶を飲んでしばらく過ごしていると、神様が「また会いましょう」と言って手を此方に振ってきたと思ったら、美城本社にある特設医務室──通称【(姫様の)休憩室】にある、明らかにブランド物の最高級ベッドで寝かされてました。たまに疑問に思うのですが、社長室よりも豪華な個人専用の医務室って社内に設置するのは大丈夫なのでしょうか?もし、経費で落としていたのなら、流石のボクも怒らずにはいられません。
この医務室には、監視カメラが窓や入り口、通気孔等、外部へ繋がる場所全てに仕掛けられて、他には四方の壁や天上、床だけを写して、室内は写さないようにプロの警備会社や角度等を計算する為の専門的な教授等を芸能プロダクションの殆ど総てがコネを使って子供みたいに大袈裟な計画を建てるという始末。そのせいで、ボクの胃には穴が開き、更に大きな騒ぎが起こってしまいました。
………神様、嬉しいのですが、少し自重してください。そうでないと、いつか必ず気が滅入って倒れてしまいますから…………
「この度は本当に申し訳ありませんでした!………危うく死なせてしまうところでした」
「いえ、懐かしい方に会えたので嬉しかったです。お花畑で小川を見ながらお茶を飲んで、色々とお話ししてましたので問題ありません」
「………本当に、申し訳ありませんでした」
武内さんが、今度は優しく抱き締めて頭をを撫でてきました。擽ったくて、心地良いです。
千川さんとは違い、包まれているような感覚になるのは、やはり、武内さんの身長のせいでしょうか?
ですが、他にも違いが有りそうな気がします。性格でしょうか? 武内さんは真っ直ぐで優しく、正直な方ですが、千川さんは強くて優しく、男前な方なのです。
普段は武内さんよりも柔和な感じですが、一度悪事を働けば、威圧で鎮圧し、それが効かないなら更に威圧し、最後は拳で鎮圧する方なのです。
基本的には初撃で自白して反省しますが、たまに二撃目を放ちます。因みに、二撃目を放ったときは連続殺人事件の犯人と遭遇したときで、武内さんが居なければボクも犯人みたいにお漏らししながら震えながら縮こまって泣いていたかもしれませんでした。…………千川さんを怒らせるのは一生しないと誓いました。
因みに、千川さんはダイヤモンドを砕いたことがあります。固定された電球位の大きさのダイヤモンドを素手で砕ければ、航空会社一社寄贈という大手航空会社が企画した番組に体調不良のボクの代わりに出たときがあり、そのときに正拳突きでダイヤモンドを粉々に砕いてしまい、大騒ぎになりました。その航空会社は、何故か名義がボクになっていたので問い質したところ「ユウくんの代わりに出たのですし、ユウくんにプレゼントですよ♪」とクリスマスプレゼントとなり、今では芸能プロダクション御用達の航空会社になってしまい、大手航空会社の社長が返還を土下座して懇願してしまった事件がありました。利益分配を6:4でその話を解決し、今でも芸能プロダクション御用達の航空会社として運営されています(利益分配の話は美城社長の秘書さんが代わりにしてくれました)。
脱線した上に千川さんに怒られそうなので本題に戻ります。
「大丈夫です!武内さんはボクのことを思って抱き締めてくれたのですし、それに、ボクの方が謝ってお礼を言わなきゃいけなくて………」
「ですが!私のせいでユウさんは心臓が一時的とはいえ止まってしまいました…………」
…………やっぱり、あの場所って三途の川だったんだ。
「ボクは大丈夫ですから、何時もみたいに前を見て確りとボクを導いてください。……いつもの武内さんが、ボクは好きなんですから」
「なっ!? ユウさん、貴方という人はどうしてこう誤解を生む言葉を言うんですか…………」
ボクは、特に誤解が生まれるようなことは言ってない気がするのですが、ここははっきりと意思を示して誤解ではないことを説明しなくては、今後も変な誤解をされるかもしれません。
だから、武内さんに確りと好き(※友愛)だと伝えなくてはなりませんね。
「いいえ、誤解ではないです。ボクは武内さんが好きですよ?」
「…………そうですか。私も、ユウさんのことは好ましく思います(※異性愛)」
武内さんも、ボクのこと友達と思ってくれていて、しかも、好ましく思っているということは、今後も仲を深めれば、ずっと友達でいられますよね?
「そうですか♪ でしたら、今度どこかへ一緒にお出掛けしませんか?」
〈これはデートのお誘いなのでしょうか?しかし、もしそうならば楓さんが出てこないのは可笑しいですので、これはそのままの意味と受け取っても問題ありませんね。それに、例の件以来外に出るのを拒んでいたユウさんが、自分から外に出ると言い出したのですし、これを期に私たちから外へ誘ってみるのも悪くありませんね〉
武内さんの返事が遅くて、とても不安になってきたのですが、やはり迷惑だったのでしょうか? もしそうなら────
「───すいません、考え事をしていました。先程のことですが、問題ありません。こちらの予定を確認し次第、ユウさんにお伝えするので、後程連絡します」
「ありがとうございます!一緒にお出掛けできるのを楽しみにしています♪」
武内さんの返事を聞いて安心し、安心したら嬉しくなってとても大きな声を出してしまいました。普段の自分からは想像できないくらいの大きな声で、自分でも驚いてしまいました。
ですが、武内さんとのお出掛けが今から楽しみになってしまい、もう既にワクワクして仕方がありません。
そうですね、千川さんも誘ってみましょう!
千川さんが言うには、休みは大抵家に要るとのことですし、武内さんにも聞いてみましょう。
「武内さん!千川さんも一緒に行っても大丈夫ですか?」
「はい。ちひろさんとは、此方で打ち合わせをするので、先程の通り、私から連絡させていただきます」
「はい!」
千川さんとも一杯仲良くしたいです。
だから、楽しんで貰えるような頑張ります!
主人公の容姿は
腰くらいまである艶々とした瑞々しい茅色の長髪・身長158.6cm・体重52.3kg・色白で張り艶がある肌・骨格が女性と殆ど同様(誤差の範囲内)・垂れ目が特徴の端正な顔立ち・私服は和装(青系統)を好む・年齢(本文時)19歳11ヶ月。以上
H29/11/27 文章を修正修正しました。
H29/21/29 本文を一部変更しました。