転生したボクですが、姉さんたちが過保護すぎて辛いです   作:可愛い物を愛する淑女

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今後は更に技量を磨いて、優の可愛さを表現しきれるように邁進させていただきます!


転生したボクですが、温泉街の人通りが多すぎて辛いです

 まだ肌寒い新春から、麗らかな気候の春となったこの日、ボクは武内さんと千川さんと共に変態さんが沢山居る都心部へと向かう筈でした。

 しかし、楓姉さんがお仕事を放り出して付いて来ると言い出してしまったので、楓姉さんをお仕事の現場へ連れて行き、そのままの流れで箱根で泊まることになりました。

 もちろん温泉旅館ですが、名目上は楓姉さんの付き添いという仕事名義になってしまったので、あまり遊べそうにありません。

 

 

 ────このとき、ボクは気付いていませんでした。このときに少しでも疑問に思っていれば、無理矢理にでも日帰りで帰れましたが、気が付いたときには既に取り返しが着かないことになってしまっていたのです。

 

 

「ユウにゆうっちゃいますが、あまりはしゃがないでくださいね♪」

 

「………はい」

 

 楓姉さんがそれを言いますか………

 楓姉さんが駄洒落を言うときは決まって機嫌が良いときなんです。常に駄洒落を言ってたのですが、その駄洒落があまりにも笑えないので、楓姉さんに控えるように言ってからは殆ど言わなくなりましたが、機嫌が良いときだけはいくら行っても直りませんでした。

 ですが、楓姉さんの機嫌の良し悪しがわかるので、駄洒落については諦めました。しかし、駄洒落のセンスについてはなにもフォローできません。

 

「多田D(ディレクター)。私たちは周辺の撮影許可をいただきに回っても良いでしょうか?」

 

「かまわんよ。姫様とそっちの女性連れて行ってきな。それと、蛙屋(かわずや)餅箔屋(もちはくや)の撮影許可はなるべく取ってきてくれ」

 

「わかりました」

 

 多田D(ディレクター)さんに武内さんが話し掛けに行ってますが、ボクは千川さんと一緒に温泉宿【泉ノ湯】の手続きをしに受付に来ています。ですが、母子二人と勘違いされてしまい、少々手間が掛かりましたが、三人と告げた途端に凄まじい程の悪寒を感じたのですが、何だったのでしょうか?

 

「ユウさん。チェックインを終えたら、温泉街を回りましょう」

 

「はい!」

 

 ボクは千川さんがチェックインを終えるのを、前世で好きだった『粉雪』を奏でながら、うずうずとした気持ちで待っていたのでした。

 

ーー足湯に浸かりながら少々お待ちくださいーー

 

 硫黄の匂いが立ち込める温泉街に来たのは良いのですが、人が多くて武内さんや千川さんとはぐれてしまいそうになります。しかし、この年になっても手を繋いでもらわなくては迷子になってしまうような失態は大人としても社会人としても犯すことが出来ません。

 

「あれ?た、武内さん?千川さん?」

 

 …………考えを基に奮起しようとしたら、いつの間にかはぐれてしまいました。

 ま、不味いです。すぐに人通りの多いところから離れなくては、もしボクが男性であるとバレてしまえば、最悪の場合拐われてしまいます。

 

「ねぇ。キミって男の娘よね?こんな人通りの少ないところに居るってことは、合意ってことで良いよね?答えは聞かないよ♪」

 

「い、いや!………来ないで、ください」

 

 茶色で短い髪の女性がボクにジリジリと近寄ってきて、ボクに手を伸ばしてきました。

 それに対して、反射的に手を弾いて後ろに下がった結果、コンクリートの壁にぶつかってしまいました。

 

「……そうだね。うん、嫌だ♪」

 

「いやぁ‥‥‥‥こないでぇ」

 

 茶髪の女性は、もう既にボクの服を半分ほど脱がし終えていて、ボクは怖くて力が入らず、抵抗らしい抵抗は何一つできずに初めてを散らされてしまうのですね…………

 い、嫌です! こんな初めてなんて嫌です!!

 

「…………たけうちさん、たすけて」

 

「はい!」

 

「いったぁ!?」

 

 『………もうダメです』。そう思って、一瞬の間脳裏に浮かんだ武内さんの姿に追い縋る思いで助けを呼んだら、武内さんの声が聞こえたと思ったら、目の前の女性が武内さんに取り押さえられていました。

 

「たけうち‥‥‥さん?」

 

「はい。もう大丈夫ですよ、ユウさん」

 

 先程は怖くて力が入らなかったのですが、今は安心して力が抜けました。

 

「あ、あれ?な、なんでですか!?」

 

「腰が抜けてしまってみたいですね。背負うので掴まってください」

 

 …………お恥ずかしい話ですが、腰が抜けてしまって立てなくなってしまったようです。

 おぶって貰うのは恥ずかしいですが、これ以上迷惑をかけるのは流石に嫌なので、言われた通りに確りと掴まって落ちないようにします。

 

「………いつも迷惑をかけて申し訳ありません」

 

「いえ、迷惑ではありません。ユウさんは我々(芸能業界)の恩人であり、我々(346)が支えるべき一員(社員)ですから。

 ただ、人が少ない所へ行ったのは感心できません。ユウさんは男性で、体が弱く力もあまり無いのですから、人目が少ない所で襲われてしまえば抵抗出来ることは劇的に少なくなります。はぐれてしまわれたのなら、電話を掛けてくだされば幾らでも対処が出来るのですから、今度からはその様にしていただければ、今回のことはこれでお仕舞いにします」

 

 ………確かに、ボクに出来ることと言えば大声を上げることと泣き叫ぶことくらいですから、人目が少ない所に行ってしまえば出来ることは殆どありませんね。

 それにしても、電話ですか…………いえ、持ってない訳ではありませんが、楓姉さんの番号と346本社の電話番号、後は仕事用の電話番号しか入っていないのですよね。良い機会ですし、武内さんにプライベート用の電話番号とメールアドレスを聞いてみましょう。

 

「あ、あの。武内さんの電話番号などを貰えませんか?まだ交換していなかったので、この機会に交換しませんか?」

 

「すいません。………電話番号を交換していなくては、連絡をしようにも出来ませんね。完全にこちらの不手際です。申し訳ありません」

 

「武内さんは悪くありません!………ボクが勝手に路地裏に入ったのが悪いんですから、武内さんは自分を攻めちゃダメですよ。ですから、今後のためにも連絡番号を交換しませんか?」

 

「わかりましたり。ちひろさんにも後で交換するように伝えておきます」

 

 武内さんはどうやってボクの居場所を見つけたのでしょうか?

 まさか、楓姉さんのように発信器を仕掛けていたりしませんよね?………ですが、武内さんになら何をされても構わないと思ってしまうようになったボクは、やっぱり、どこか可笑しくなってしまったのでしょうか?

 

 ───このとき、ボクは自分の心臓が『トクン‥‥‥トクン‥‥‥』と高鳴っていたのには気が付かず…………いえ、心臓が高鳴ってたのには気が付いていましたが、襲われたせいだと勘違いをしていました。ですが、この勘違いがなければ、武内さんとお付き合いすることは無かったのではないでしょうか?

 今となっては『もしかしたらの話』ですが、これからのボクが何を感じて、何を思っていたのかは、今はまだヒミツです。

 

 

 




サブタイトルが役に立たないのはいつものことですが、今回ばかりは役に立ったのではないでしょうか?
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