転生したボクですが、姉さんたちが過保護すぎて辛いです 作:可愛い物を愛する淑女
短編部門のランキングで日間2位と週間4位に選ばれました!
評価してくださった
送検美茶様・天菊月様・形見様・日本兵様・速川渡(wTVの人)様・酸化二水素様・TOアキレス様・bram様・クズ魔様・ケチャップの伝道師様・ntsk様・hrau様・銀蠱様・箱男様・フリークスわん様
本当にありがとうございました。
現在の高垣楓の年齢は21歳です。高垣優姫とは1歳差になっています。
原作開始まで後4年ありますが、細々としたモノは省いていく予定です。まあ、それでもまだ暫くは原作に突入しないので、生温かい目線で優のことを見守ってください。
※3話に掲載していた容姿を一部変更しました。
未だに腰が抜けて動けず、武内さんにおぶってもらっているのですが、武内さんにおぶってもらっていると、やっぱりお母さんのことを思い出してしまい、安心してしまいます。そのせいか、眠くなってしまい、意識が朦朧としてきました。
「~♪~~~~~♪~~♪~♪ ………あっ」
「少々愁哀の雰囲気がありますが、良いメロディではないでしょうか?」
朦朧とした意識の中で、生前気に入っていた『もう恋なんてしない』のメロディーを奏でてしまったみたいですが、幸いなことに武内さんには好評みたいでした。
しかし、武内さんはあの一部分だけで曲の雰囲気を感じ取るなんて、流石は武内さんです。
最近アイドルとしてデビューした楓姉さんが初めての担当アイドルなんて信じられないくらいに優秀で、お仕事も下積み時代に築いた良好な人間関係によりすぐに取ってくるとのことですし、武内さんはすごいです。
「こちらM。姫様を襲った野蛮人の処理が終わりました。周囲の安全を確保し次第帰投します。本人の安全は武内Pが確保しているので、我らは邪魔物であると思われるます。なので、至急P(ポイント)αの安全確保に任務を変更します」
『こちらK。了解した。姫様が危険に晒されたのは我々の過失だ。今後姫様のガードをプライバシーを損害しない程度に強化しろ。本邸は会長がアリも這い出る隙間がないくらいの完全防御だが、外に出てしまえば姫様を守れるのは我々くらいだからな。だが、仕事を放り出して来たNとSは覚悟しろよ。会長から直々の説教が待ってるからな』
『『………………』』
一瞬だけ、河住家長女でダンスレッスン担当の
「武内さん武内さん、蛙屋さんの温泉街限定で売り出されている蛙温泉饅頭が食べたいです」
「わかりました。蛙屋には元々用事がありましたし、千川さんとは蛙屋で合流しましょう。ユウさん、もう立てますか?」
………もしも、千川さんがボクを助けに来ていたら、先程の方は精神的に死んでしまっていたのではないでしょうか?
千川さんは346の職員からは『鬼!悪魔!ちひろ!』と三大恐怖の代表格として挙げられています。ですが、ボクから言わせていただけるのなら、悪事を働かない限りは千川さんが鬼神になることはありません。普段の千川さんはおっとりとしていて、優しく包容力のある近所のお姉さんみたいな方です。だから、怖くなんてありませんよ。………ええ、怖いことなんてありませんとも。
「た、たぶん大丈夫です。………まだ少し怖いので、出来れば手を握ってくれませんか?」
「……………わかりました」
武内さんの手は、女性らしい柔らかさと武道を修めているときに出来たと思われるマメの堅さを共に感じて、不思議な気持ちになります。……たぶんですが、これが安心感というのではないでしょうか?
先程の恐怖が、武内さんと共に居るとゆっくりと解れていきます。武内さんと居ると、心が満たされるように温かくなって、幸せな気持ちになります。前世の
そんなことを考えていると、目的地まで後僅かになり、武内さんの手を思わず『キュッ』と握りしめてしまいました。
武内さんはボクが握った手を痛くないけど、それでも少し強いと感じてしまうくらいの強さで握り返してくれて、安心して笑みが溢れてしました。
ーーユウの微笑みを観ながら少々お待ちくださいーー
ボクと武内さんが訪れた蛙屋さんは、全国展開されている和菓子屋さんで、その中でも、蛙饅頭は数ある蛙屋さんの商品の中でも群を抜いて人気が高い商品なのです。
そして、蛙屋さんの2号店(元々は本店)がある箱根の温泉街でのみ売り出されている『
「はぐれてしまってごめんなさい」
「ユウちゃん、頭を上げてください。私たちの方こそ、申し訳ありませんでした。私たちが付いていながら、ユウちゃんに怖い思いをさせてしまいました。それに、私は私で蛙温泉饅頭を沢山食べれたので」
先に蛙屋さんに来ていた千川さんが頼んでいた『蛙温泉饅頭』の数は50皿(一皿2個)という、一人で消費するには多過ぎる数な筈なのです。………筈なのですが、ボクと武内さんが到着する頃には千川さんは既に50皿目を完食して玄米茶を飲んでました。
千川さんの体は筋肉で構成されているという噂があり、どのような暴食を行おうと筋肉と
しかし、千川さんは実際に鍛えているのかどうかが怪しいくらいに女性的な体をしています。手やお腹も柔らかいですし、腕もぷにぷにです。力を入れてもらっても硬くなくて、柔らかいです。
そのことから、ボクの中では美城プロダクションの七不思議に認定されています。
「あ、あの。蛙温泉饅頭と抹茶ミルクのホットをお願いします」
「かしこまりました。蛙温泉饅頭を1つと抹茶ミルクのホットが1つですね?」
「は、はい。………お願いします」
「では、少々お待ちください」
外食なんて両手で数えられる程しかしたことがないので、やっぱり緊張します。確りと注文できたでしょうか?
外泊もあまりしたことがないんですよね。したことがあるのは、楓姉さんと一緒か家族全員とでの外泊しかありませんから、誰かと外泊するのは武内さんや千川さんとが初めてです。
そういえば、武内さんは何処へ行ったのでしょうか?千川さんは座って玄米茶を飲んでいますが、武内さんは見当たりません。もしかして、お手洗いでしょうか?
「おませしました。こちらが蛙温泉饅頭と抹茶ミルクのホットでございます。以上でよろしいですか?」
「はい」
「それでは、何かご用件がありましたらお近くの店員にお申し付けください」
「わかりました。ありがとうございます」
やっぱり、何処かおかしいのでしょうか?
どこのお店に行っても店員の人が微笑ましそうに視てくるのですが、ボクの対応は間違っているのでしょうか?
ですが、普段から美城本社でしているように対応しているのですから、おかしいところはない筈なのですが………。
………あっ。お饅頭と抹茶ミルク美味しいです。
「お待たせしました」
「遅かったですね、
武内さんの名前は、外見に似合わず可愛い名前です。ただ、武内さんは恥ずかしいから呼ばないで欲しいみたいなんですが、千川さんは武内さんのことをよく名前で呼んでいます。
「名前で呼ばないで戴けないでしょうか?」
「嫌なんですか?」
「嫌いと言うほどではないのですが、少し恥ずかしいです」
このやり取りは美城本社ではよく見掛けるものです。
ただ、武内さんは外見だけ見れば
その対応を千川さんがこなすことが多く、その関係から、今のように親しい関係になったみたいです。
そろそろお昼時ですし、お腹も減ってきましたからお昼御飯が食べたいですね。
そうですね、お蕎麦が食べたいです。
箱根の湧き水を使ったお蕎麦は絶品だと聞きました。ですから、武内さんや千川さんと一緒に食べたら、きっとすごく美味しいと思います。一人よりも皆で食べた方が、美味しいんです。一人で病院食を食べるのは味気がなかったですが、皆で食べるのは、とっても美味しいです。ですから、今度は楓姉さんも連れてご飯を食べに行きましょう。皆で楽しく食べれば、寂しさや不安なんて飛んでいきます。
ボクは今、とっても幸せです。