誰だよこいつこの教室入れたヤツ   作:パリの民

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これでこの作品は終わりですが、次回作の内容が決まりましたので、後書き見てね!


最終回、畑さんは永久に不純です。

【4日目】

 

サバイバル生活も、各々が順応してきた。人とは慣れるものでありどんな過酷な環境でも生きてさえいれば順応するだろう。だが、それでも慣れないものは誰にもあり、櫛田桔梗にとっての畑ランコとは、まさに慣れないそれであった。

 

「櫛田さーん」

 

「なにかな?畑さん」

 

「ほらー、私他クラスの動向を見る必要があるじゃないの」

 

「誰も頼んで無いね。むしろ頼むからクラス全員が失格になるような事は」

 

「そこで」

 

「話聞けや!」

 

 

櫛田は畑のお陰?で最近は自分の悪い部分を隠そうとしなくなった。具体的にいうと、人前でも口が悪くなる。ただし畑に対してのみだが。

 

 

「綾小路さん、堀北さんが2人でいる時は見張っていてほしいのです」

 

「なんでなの?」

 

「あの2人、怪しいんです!」

 

「あー」

 

 

これには櫛田も身に覚えがある。そもそも、堀北と仲良くなろうとして、その仲裁役として仲のいい綾小路に頼んだほどなのだから、2人の仲は例え堀北が否定したところで揺るぎない。それこそ恋愛に発展しても、なんらおかしく無いと櫛田は考えている。

 

 

「あの2人...2人ともあまりエロ本に興味無いようなのです...」

 

「いやどっからその話に辿り着いた!?」

 

「いや〜、まず綾小路さんですが、私が櫛田さんの水着姿だとか、堀北さんの水着姿とか見せた時にもっこりしなかったのですよ」

 

「うん、まずいつ私の水着姿撮ったの?」

 

「あの年頃の男子ならば櫛田さんの水着姿を見ただけでズボンを突き抜けるほどに勃◯してもおかしく無いのにも関わらずですよぉ!?」

 

「畑さんの想像してる男子の股間強すぎじゃない!?」

 

「まぁ、冗談ですがね」

 

「そ、そうだよねー」

 

「うちのクラスでそれができるのは高円寺くんぐらいですので」

 

「なんで知ってるの!?」

 

「なに言ってるんですか?媚薬飲ませたと言ったじゃ無いのー」

 

「あれみんなが高円寺くんを責めないようにする為の配慮かと思ったら、まさかの事実だったぁー!?」

 

 

櫛田桔梗は、畑ランコには慣れない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

畑に慣れないのは、櫛田だけではない。Cクラスからはぶられた伊吹もまた、畑との接し方に困っていた。

 

 

「伊吹さんは状況から考えていじめられてハブられたのですよね」

 

「貴方には関係ない」

 

「伊吹はクラスで輪姦されていたっと」

 

「貴方は何をメモしているの」

 

「インタビューに答えて頂いたのでそのメモを」

 

「まず答えてない。あと質問の内容とメモが全く関係ない」

 

「では次の質問です」

 

「無視していい?」

 

「沈黙は是なりっと」

 

「なんだこいつ、誰だよこの教室、ひいてはこの学校に入れたやつ」

 

「はいはーい、タイトル回収しなくても結構ですよー」

 

 

伊吹の前に木製の椅子を持ってきて、畑は彼女に座るように促す。

 

 

「どぞどぞー」

 

「勝手にクラスのポイント使って交換していいの?」

 

「それ私が作りました」

 

「え!?ど、どうやって...」

 

「素手で」

 

「す!?ゴッホッ」

 

 

どうやら畑を前にして平静を保てる者はいないようである。

 

 

「おや?椅子よりもベットの方が落ち着きますか?」

 

 

伊吹は心の中で思った、違う、そうじゃないと。

 

 

「まさか!?三角◯馬の方が落ち着くと言うのですか!そ、それは流石に用意してないですね...」

 

「違う、そうじゃない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、龍園翔は横島ナルコと無線で連絡を取っていた。

 

 

「おい、今Bクラスはどの位置にいる」

 

『Bクラスの男子なら私が食べてる所よ』

 

「お前いい加減にしろよ、なんの為にこんな事をしていると思ってやがる」

 

『え?私が色んな男子食べれるようにサポートしてくれるって話じゃなかった?』

 

「ちげーよ!なんでてめぇの童◯狩りのサポートしなきゃならねーんだ!お前が俺のサポートをするのが目的だろ!」

 

『ほぅ、言うようになったわね、チェリーボーイ』

 

「あん?」

 

『仕方ない、今から向かうから居場所教えなさい』

 

「Bのポイント付近の森の中だ、なんでこっちくるんだ?」

 

『そんなの...』

 

「よく聞こえないぞ」

 

「お前を(性的に)食べるためしかないだろー!」

 

 

突如龍園近くの草むらから飛び出す横島、そんな彼女に反射的に別のアニメで聞いたようなセリフを残し逃げ出す龍園。

 

 

「くんじゃねー!クッソ!なんでうちも教師はこんなやつになっちまったんだー!俺の高校生生活は不幸すぎるー!」

 

 

「任せなさい、お姉さんが全力であなたの性生活サポートしてあげるわー!ぐへへへっへ!」

 

「うぉぉぉおおおお」

 

 

 

 

貞操を守る為に、男は走った。

 

愛する者はいなないけど、

 

それでも未来の自分を思い、

 

終わる(卒業)はいますべきではないと信じ、

 

男は走り続ける。

 

エロスは走った。あ、龍園だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4日目夜、横島の襲撃を恐れたDクラスは、テントで男たちが震え、外で女子たちが厳重に警備していた頃。夜の森では、未だに終わらない命(童貞)がけの闘争劇が繰り広げられていた。

 

 

「くっそ!なんなんだ、あいつのスタミナは!はぁ、はぁ!」

 

 

木を背に隠れて息を整える龍園。だが、その木を背に化け物がいる事を彼は知らない。

 

 

「ゲヘヘへ、大丈夫。私テクニックは凄いから、2分で終わらせてあげる!」

 

「ぎゃーあーーーあ!!!!?」

 

 

珍しくとんでもない悲鳴を上げた龍園はさらに逃げ出す。当然追おうとした横島を、別の生徒が呼び止めた。

 

 

「おや、奇遇ですね」

 

「ん?あなたは確か...」

 

「畑です、新聞部の」

 

「あー、なんか色んな子のエッティー写真集めてるんだっけ?私のいる?」

 

「いえ、貴方のは売れなさそうなので」

 

「ひっでぇーな、おい!で?何の用?」

 

「はいはい、前回の取材は色々慌しかったので、取材の続きをしたいのですが大丈夫でしょうか」

 

「ん?私は人を追ってるから、これでも忙しいのよ。教師は」

 

 

教師にあるまじき行為をしている事に突っ込める人はいない。

 

 

「ほい」

 

「ひゃー!ビール!ビールよー!最近禁止されてたからやったー!!」

 

「へぇ、そうなんですか。是非とも一杯言っちゃってください。ついでにべろんべろんに酔って洗いざらいびしょびしょに全部出しちゃってください」

 

「その為のビールか!汚いわね!でも飲むしかねー!!ビールに悪いよね!」

 

「では最初の質問です。ずばり経験人数は?」

 

「ふん、お前は今までに換えたパンツの数を数えた事があるのか?」

 

「換えのパンツ使い切るまでっと。では、テクニックは凄いと言っていたのですが、何かコツは無いのでしょうか。次回の新聞の題材にしますので」

 

「うーん。大事なのは経験を積む事ね、セ◯レだけじゃなく、セフ◯の◯フレのセフレにまで手を出す事ね」

 

「友達の友達はセ◯レって事ですね。そう言えば、この合宿が終わったら先生はこの学校から出て行くらしいですが本当でしょうか?」

 

「...もう知ってるのね。えー、そもそも私は政府が換えの先生を用意するまでの繋ぎ、この合宿が終わったら前の学校に帰るわ。だからその前に、ここにいるイケメンを全員食べるつもりなのよね...じゅるり」

 

「そちらの学校はいい所でしょうか?」

 

「ええ、少なくともここよりは下ネタに寛容よ。あなたも来る?」

 

「...えぇ、考えておきます」

 

 

 

 

 

 

 

長い夜がようやく終わる。

 

 

【5日目】

 

 

畑による取材以降、横島が生徒を襲う事は無かった。

 

Bクラスは男子の大半がリタイヤした為、これ以上継続は無意味と判断し全員リタイヤ。ちなみに半数以上は貞操を守れたようだ。Cクラスの龍園はトラウマを抱えそのままリタイヤ。残るは伊吹だけであると5日目になって知った彼女はどうすればいいか分からず、呆然としていた。残るはAクラスとDクラスという意外な結果で合宿は継続していく。

 

 

ちなみに、畑の取材を声は聞こえなかったが、遠くから取材のために明るいライトを置いていた畑を見ていた平田はますます畑が好きになった。そして、彼はほんの少し変わった。

 

具体的に言うと。

 

 

「ちょっと男子!なんで勝手に私たちの水飲んでるのよ!」

 

「間違えたんだから仕方ないだろ!」

 

「やめたまえ!そんなギスギスしていては、交尾する段階まで持っていけないじゃないか!」

 

「え、ちょっと平田くん?どうしたの?」

 

「そうだぜ平田、お前落ち着け。畑に毒されてるぞ」

 

「僕は普通だ。畑に犯されてなんかいないよ」

 

「いやおかしいだろ!あんた誰だよ!」

 

「畑さん説明して!」

 

 

呼ばれた畑が登場し、女子たちに連行される。

 

 

「昨晩彼の趣味嗜好にあった写真をプレゼントしたのですよ」

 

「きゃー!?平田くんが性に目覚めた!」

 

「いや、むしろありなんじゃね?顔はいいし」

 

「うん、アリだな」

 

 

一方当の平田は男子に説教していた。

 

 

「いいかい?僕の経験上この頃の女子は半分顔、半分金及び優しさを重視しているんだから、もしヤりたいならまずは優しく接する事が大事」

 

「おーい、博士。平田が壊れた」

 

「ふむふむ、エロ漫画などでよく気持ちよくなって落ちる女子がいるのを見るのだが、そういうのは現実でもいるのかね?」

 

「いる。が、彼女たちは気づいてない、もしくは頑なに認めないだろう。だから顔を言い訳に使う女も何人か見てきた」

 

 

この男、貞操を守るぞと言っておきながら童貞ではないのだ。

 

そんな彼をアホを見るような目線で見るものが数人。主に畑と深く関わっている者たちだ。いや、変な意味ではなく。

 

「平田くん、何があったのかしら」

 

「畑さんが好きなんだと」

 

「うへぇー、まともだと思ってたのにー」

 

「彼も櫛田さんに言われたくないと思うわ」

 

「ほりちゃんひどーい」

 

「何?その呼び方」

 

「だって堀北さん下の名前で呼ばせてくれないんだもん。ならほりちゃんになるよ」

 

「そんな名前だと畑が反応するから今すぐやめなさい!」

 

「確かにな、あいつの事だから掘られた時の鳴き声が鈴みたいな音だから堀北鈴音って名前何ですか?とか言いそう」

 

「綾小路くん、殺すわよ?」

 

「うっ、す、すみませんでした」

 

 

綾小路はつくづく思う。最近堀北が怖いと。

 

 

「仕方ない、いいわ。櫛田さんに鈴音と呼ばせてあげる」

 

「わーい!やったー!鈴音ー!」

 

「くっつかないで」

 

 

ここぞとばかりに抱きつく櫛田。鉄の柵を蹴りながら愚痴を言っていた彼女には思えないほどだ。

 

そして、堀北も嫌そうにするが、なされるがままである。

 

畑と同じクラスになった者たちは、畑と深く関われば関わるほどに変わっていく。良い方向に変わっているかは綾小路には分からないが、それでもクラスの笑顔が、演技ではなくなっていくのは日に日に感じていた。

 

そんなクラスを見て悪くないと思う自分も、少なからず影響を受けているのだろう。最初は仲間だとか毛ほどにも思っていなかったが、今ではこの関係が好きに思える。

 

もう少し長く今の日常が続けばいいと綾小路は思う。今とても自由を感じるからだ。

 

だが、そんな日は長く続かない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6日目、畑によって料理に媚薬が入れられている事が判明。畑は堀北の折檻の刑に処されるのだが、Dクラスの夕食は食べれなくなった為、全員でAクラスに頼もうと言う平田。まぁ、元々の平田の意見は媚薬が入ったものとAクラスの料理を交換しようと言う最悪なものだったが。

 

そこから機転を聞かせた軽井沢の意見でお願いする事になる。本来の彼らならばそんな平和的な案など出るどころか女の過ちを庇う女と男の対立からの両陣とともにその日は我慢となるのだが、やはり畑の影響は大きい。

 

そして予めAクラスのキャンプ地を発見していた綾小路が場所を教え、交渉となったのだが、最初はAクラスも断っていたが、畑が媚薬を入れた事が原因とわかると葛城が災難だったなと言って承諾し、AクラスとDクラスは最後の夕食を共にした。

 

 

【7日目】合宿終了。

 

 

リーダー当て。

 

Dクラスのみ正解。

 

 

 

 

Aクラスの葛城は、Bクラスがリタイヤしたため昨晩の食事中に誰がリーダーか見抜こうとしていたのだが、最後まで見抜けずただ飯を食わせるだけの結果になった。

 

むしろ逆に綾小路にバレる事となった。

 

ちなみに、Dクラスのリーダーは堀北だと決まっていたのだが、直前に平田にお願いされリーダーは畑となっていた。

 

葛城が指名したのは堀北であった為、この平田の活躍がなきゃリーダーは割れていたのだが、平田は1人の畑に憧れる男子。彼はこの功績を堀北に譲り、そして目立つ事が嫌いな綾小路もリーダーを当てた功績を堀北に譲った。

 

帰りの船にいざ乗ろうとした時に、畑だけ茶柱によって止められ別の船に連れて行かれたのを綾小路が見た。

 

 

 

 

 

 

 

船に乗って数分後、綾小路は茶柱に呼ばれる。

 

 

「失礼します」

 

「ご苦労だった。君の活躍は知っている」

 

「いえ自分は」

 

「早速だが本題に入る」

 

「...」

 

 

綾小路はなんとなく気付いていた。自分の自由が崩れるのを。そして、それをする者にも見当はつく。(”検討”は、つけるものではなく、するものです)

 

 

「君に縁のある者の命令で、畑ランコは転校する事になった」

 

「...!」

 

 

綾小路は拳を握りしめる。

 

 

「本当は話してはいけないのだが、私は話すべきだと思ってここにいる」

 

「...」

 

「何にとはあえて言わないが」

 

 

茶柱にとって畑は多少ヤンチャではあるものの可愛い生徒なのだ。

 

 

「勝て、勝って敵をとれ」

 

 

綾小路は他人がどうなろうとどうでもいい。そしてクラスメイトは他人であり、転校しようが退学しようがどうでもいい。

 

だが、彼にわずかな間ではあるものの自由を与えてくれた、自由を身近な存在にしてくれた畑には感謝をしている。だから、

 

 

綾小路は茶柱を見据えて、今までの彼を知る彼女には見たことないような、なにかを決意した顔で言った。

 

 

「任せてくれ」

 

 

そう言って回れ右をして綾小路は部屋から出ていく。

 

 

「あぁ、畑ランコから伝言だ」

 

「...」

 

「私は横島先生のかつていた私立桜才学園に行ってきます。あそこの生徒はここと違って下ネタに寛容なので、きっと買い手も増えるでしょう。これは売れるぅー!だそうだ」

 

 

 

 

 

 

部屋を出る綾小路の顔は、わずかに笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「狙ってハメて、スクープ!私はやってきたぞ!桜才学園!うぉぉおおお!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






次回作「下ネタ教室」

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