誰だよこいつこの教室入れたヤツ   作:パリの民

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無視出来るのならば。





最初は歌の歌詞を書いていたのですが、それはダメらしいのでその部分を全て消し、それだと文字数が少ないので色々書き足しました。

歌詞を書いてしまい申し訳ありません。


畑さんは無視するに限る。

テストが帰ってきた。

 

一番危うい須藤の英語ですら39点と赤点を回避できた為に、クラス全員で喜んだ。まぁ、特に喜んでない人もいるが。彼らは知っている、こんなに甘い訳がないと。彼女は知っている。金が手に入れば、夜遊ぶ人が増え、スクープが待っていると。

 

いや、知っているのは彼女だけだし、そんな事は起こり得ないのだが。

 

 

「これがお前ら全員の点数だ。そして」

 

 

そう言って担任の茶柱が須藤の名前の上に赤線を引く。

 

 

「これが赤点のラインだ」

 

「な!?」

 

 

須藤が驚く。当然だ、前回の赤点の点数より10点程上がっているのだ。

 

 

「どうやら畑はギリギリ合格ラインだが、残念だが須藤。お前はだめだ」

 

 

前回と違う点数に当然の質問がされた、それに茶柱は続けた。

 

 

「今回のテストの学年平均は79.4点。これを2で割り、39.7。小数点以下は切り捨てて、39点。これが赤点ラインだ」

 

「そんな...」

 

 

クラスが静まり返り、その隙に茶柱は外に出て、その後に綾小路と堀北が追いかけた。

 

堀北が去り際に須藤に任せてと言った。そのせいで須藤の堀北好きに拍車をかけた。チョロインは須藤かもしれない。

 

ちなみに、畑のとった点数は40であり、赤点ギリギリだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

屋上にて、茶柱はついてきた二人に何の用だと聞いた。

 

 

「須藤のテストの点数を買いたい」

 

「ほう...」

 

「貴方はこの学園ではなんでも買えると言った。最初は半信半疑だったが、畑の質問で確信した」

 

「なんだったか?」

 

「茶柱先生を買えるか、と言う質問にあんたはYesと答えた」

 

「あぁ、はぁ、あいつは自由すぎる...。まぁいいだろ。10万だ。1ポイントもまけない」

 

「わかりました」

 

 

綾小路の残高ではギリギリ払えない額に何か言おうとした所に代わりに堀北が言った。

 

 

「綾小路くん、私が半分だすわ」

 

 

ポイントの支払いが終わり、茶柱が去った後、ひょっこりと畑が顔を出す。屋上をかこう柵の外から。

 

 

「堀北さん、撮影会はいつにします?」

 

「はぁー...出来れば忘れて欲しかったわ...。ていうかここ屋上よ?」

 

「記者ならば、如何なる場所でも現れます!ゴキブリのように!」

 

「自分で言うのね」

 

「名前つきスク水にビキニは勿論、V字水着マイクロ水着、貝殻、手ぶら...」

 

「まって、手ぶらは水着じゃないわ」

 

「堀北、ツッコむ所違うぞ」

 

「何を言っているんです。女の子の突っ込む所なんて4つしかないんですから、間違えようがありません」

 

 

綾小路のツッコミにすかさず下ネタを挟む畑。

 

 

「...ん?4つ...?待てよ...下に2つ...口で...あと一つどこだ?」

 

「ふん!」

 

「グハッ...」

 

 

綾小路が堀北に聞いたところ、帰ってきたのは堀北の肘だった。腹に突き刺さった彼は膝から崩れ落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テストが終わり、畑は櫛田にカラオケに行かないかと誘われた。畑は断る理由も無いので、一緒にいった。そこにはクラスの殆どが集まっており、いないのは堀北だけだろう。と言う事は無く、意外な事に彼女も参加していた。

 

そして、更に意外な事に説得したのが櫛田である。

 

内容はこんな感じ。

 

 

「堀北さん!みんなで打ち上げパーティーみたいなのやるから、堀北さんもこない?」

 

「有り得ないわね。ただでさえポイント不足なのに反省もせずまた遊ぶの?一生治らないわね、あの連中」

 

「堀北さん来ないの?」

 

「行くわけないでしょう。メリットなんて皆無じゃない」

 

「でも、堀北さんだけいないなんて寂しいよ...堀北さんも可哀想だし」

 

「それは貴方の思い違いよ。私は1人でも楽しいわ」

 

「お願い!堀北さん!畑さんが来るから暴走しても止めれないの!」

 

 

櫛田は幾ら誘っても無理だとわかり、方向を変える。

 

 

「堀北さんだけだと思う!彼女を止められるの!」

 

「はぁ、それなら仕方ないわね...」

 

 

 

 

 

 

 

 

全部畑のおかげである。だが、櫛田が彼女に感謝する事はなかった。

 

 

「最近思うのですが、皆さん私に対する扱い酷くないですかね?別に虐められて感じるような性癖無いのに…あれですかね。勘違いした結果ですかね。皆さん私をドMだと勘違いし、わざとこんな事を...じゃあ、演技でも喜んだ方がいいのでしょうか?」

 

「やめなさい」

 

 

堀北はちゃんと機能した。と言うより、有能である。ツッコミが無いのがかなり残念であるが。

 

津田が欲しい...(願望)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、クラスメイトがそれぞれ自分の歌唱力を披露している中、彼女の番がやってきた。

 

 

「えー、それでは聞いてください」

 

「オリ〇ン座の下で」

 

 

 

 

〜〜〜♪

 

 

 

 

その歌は、ひたすらセッ〇スと連呼するような内容であった。

 

その結果、当然カラオケ部屋の雰囲気は一変する。

 

楽しかったカラオケの雰囲気が、明るかった部屋の人々は、ただただ静まり返っていた。彼女を止める為に用意された堀北ですら、動けずにいた。

 

どうやら彼女を止めれる者はいないらしい。

 

 

「あれ?お皆さんお静かになっておどうしたんですか?お生理ですか?」

 

 

お前のせいである。

 

ちなみに、彼女の歌っている歌にのりのりだった男子生徒が数名いたが、現在は白い目を女子生徒から向けられて、賢者タイムである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは彼女らがカラオケに行く少し前の話である。

 

時はテスト返却の後、須藤が何故か退学せずにすんだのでその『祝いのパーティin綾小路部屋』が終わった後まで遡る。

 

当然畑もいる。

 

全員帰ったあとあと片付けを綾小路がしていると、自分の部屋に櫛田の携帯が忘れられていた事に気づいた。当然彼は櫛田を追って届けに行くが、櫛田が向かったのは自分の部屋があるフロアではなく、外であった。

 

何をするのか気になり、綾小路は彼女の後をつけていた。

 

素人である櫛田に見つからないように後をつけるのは簡単であった。"彼は作られた"人間である。素人に遅れをとるほどの男では無い。

 

だが、素人でない彼であっても、その後をつけている畑に気づけずにいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ...最悪。死ねばいいのに...あのクソ女!クソ堀北!」

 

 

後をつけた綾小路が見たものは川の柵を蹴りながら堀北に対し暴言を吐いている櫛田であった。

 

 

彼は目を疑った。

 

あれほど明るく、友達集めを頑張り、クラスメイトに人気が高い彼女がこんな事をすると思えなかったからだ。

 

彼女の姿に戸惑っていると、なんと彼女にバレてしまった。

 

不可抗力である。櫛田の携帯が鳴ったのだ。

 

 

「誰!?...そこにいるのは...?」

 

 

誤魔化せないと判断した綾小路は仕方なく出ていく。

 

 

「俺だ、綾小路だ。櫛田、携帯忘れ」

 

「ぺっ......聞いたの?」

 

「聞いてないって言ったら、信じるか?」

 

 

櫛田は綾小路の目と鼻の先まで顔を近づける。キスしそうなほど近いが、雰囲気が明らかにそれではない。櫛田の目がそう言っている。

 

 

「誰かに話したら...容赦しないから...」

 

「もし話したら?」

 

「あんたにレイプされたと言いふらしてやる」

 

「冤罪だし、それ」

 

「大丈夫、これで冤罪じゃない」

 

 

そう言って櫛田は綾小路の手を自分の胸に持ってくる。

 

 

「これであんたの指紋がべっとりついたから、証拠も」

 

 

パシャ!

 

 

シリアスな雰囲気にこの女が居合わせない訳がない。彼女はそういう生き物だ。

 

 

「な!?」

 

 

櫛田が酷く驚く。

 

今のは間違いない、カメラのシャッター音。今の写真が撮られていたら、間違いなく自分が綾小路の手を取り自分の胸に押し当てているシーンになる。これで逃げられて、クラスメイトに知られたらまずい。

 

彼女は何としてでも盗撮犯を見つけると決心したが、その必要はなかった。

 

盗撮犯は自分から出てきたのである。

 

普通こういった場面を見たものは正義感で助けに行くか、警察呼ぶか、真っ先に逃げるなりするだろうが、彼女は普通では無い。

 

 

「いぃやっほぉぉぉぉう!!!!やっと溜まった性欲を爆発してくれる人がいましたぜ!綾小路くんならやってくれると信じてた!あ、どうぞお気になさらずに続けて下さい。いやー、もはやクラス、いや学年のアイドルとなりつつある櫛田さんがこんなに積極的だとわ!自らその豊満なぼでぇを使って男を落としにかかる。その威力は核兵器にも匹敵する!そうか...!これが日本が核を持たない理由だったのか...!くぅー...私が男ならばすぐに襲いかかったものを......いや待てよ?むしろ女だから出来る事があるじゃあないか!そう!女の子同士ならでは...レズと言うジャンルを...だ、だが待て...私はノーマル...だっけ?いや、私の性別は記者でした、失敬した。だがそれでも.........」

 

 

その後彼女は1人で長々と何かを語っていたので、櫛田は彼女を無視した。

 

適切な判断である。

 

 

「綾小路くん、私が言いたいのは一つだけ。この事を誰にも言わないでくれる?」

 

「大丈夫、いいホテル知ってます。学園出ちゃダメとか私がハッキングしてちょちょいのちょいです!」

 

「...あ、あぁ」

 

 

取り敢えず綾小路を承諾させた櫛田は標的を畑に変える。

 

 

「畑さん、貴方もだよ。この事を黙ってないと容赦しないから」

 

「なるほど...レズなら大歓迎です!」

 

「そうじゃない!あぁもう!」

 

「大丈夫ですよ、つまり貴方の性格の話ですよね」

 

「そうだよ...もしクラスメイトにバレていたら...」

 

「大丈夫です!そんな性格でも好いてくれる人はいますから!確かに裏が濃い性格で世の中ではクズ女とか言われるかも知れません。ですが、そんな性格を好きだと言ってくれる人だっているんです」

 

「いる訳ないじゃない。だから隠してるのよ」

 

 

実際、多くの人は彼女の本性を知れば彼女を嫌いになるだろう。

 

 

「大丈夫、実際ここの作者は貴方のような性格の女の子が大好物ですから」

 

 

だが、それとは逆で彼女の本性を知って好きになった人もいるはずだ。

 

 

「とにかく!私の性格の話はしない!後写真も出せ!」

 

「じゃあ、写真出す代わりに私の前では本性で過ごすと言う約束で」

 

「はぁ!?!?」

 

「作者がもっと見たいんですよ。貴方のそういう所」

 

「あぁもう!じゃあわかったから写真消して!クソが!」

 

写真を渡せば終わる会話だが、何故かここで畑さんがキレた。

 

 

「なんなんですか貴方は!さっきからクソだのう〇こだの...スカ〇ロプレイが好きなのを私に言ってどうするんです!でも私はそういうのもちゃんと写真に収めますので任せてください!」

 

「言ってねぇから!クソしか言ってないし変な性癖付け足すな!」

 

「おっやぁ?ス〇トロプレイを知っているとは...おやおやおやおや、貴方もこちら側でしたか」

 

 

畑は櫛田がこちらに来るように手招く。

 

 

「ちが...わ、私は...」

 

どうやら彼女の前では必然的に素になってしまうらしい。それはあの生徒会長も同じだ。いや、素と言うより、変な自分が出てくる感じだろうか。もはや別人である。

 

 

「変な自分......櫛田さん貴方変態なのですね?」

 

「心読むな」

 

その後畑が彼女の目の前でカメラの写真を消して、2人は帰っていった。

 

それから櫛田がクソがと口ずさむ事はなくなった。

 

1人残された綾小路は、何がなんだかわからず、部屋に帰ってカップラーメン食べてシャワー浴びて寝た。

 

そして次の日になり気づいた。

 

 

「携帯返し忘れた」

 

 

 

 




次回は須藤のあれですかね。暴力事件?果たして畑さんがいると、事件の結末はどう変わるのか。

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