ナギルート最新話……シリアス回になります。
IS学園寮内自室にて……現在私、布仏海人は頭を地につけております……部屋には本音に虚姉さん、そしてナギさん…………
扉を閉めた後、まるで意識が飛んだ如く扉の前に突っ立っていた俺を、本音が呼び出したのか虚姉さんが来て、俺の肩をガシリとつかみ意識を取り戻させた。
「……虚姉さん」
「詳しい話しは中で聞くわ」
そう言って、虚姉さんは扉を叩き、本音に入って大丈夫かの確認取った後、俺の手を引っ張り中に入った。
「取りあえず、状況説明してもらえる本音?」
「うん。分かったよ~」
虚姉さんは「余計な行動はとるな」と言わんばかりに、こちらを一睨みした後、本音と話している。
……ナギさんは、着替えたのか部屋着姿で本音のベッドに座り、体を抱き締めるようにしながら俯いている。そんなナギさんを見て、俺が取るべき行動は一つだった。
俺が動いたのを見て、止めようと虚姉さんが手を伸ばしてきたが……
「誠に申し訳御座いませんでした!!!!」
ナギさんの前に膝を着き、ガン!! と音が鳴り響く程に頭を地面に叩きつけ、ナギさんに謝罪の言葉を言う。
場に静寂が訪れる…………しばらくして最初に口を開いたのは……ナギであった
何が起きたのか最初は分からなかった……後ろを振り返ると開いた扉の先に海人さんが居て……私を見てすごく驚いた表情をして、扉を閉めた…………
扉が閉まり、海人さんが見えなくなったところで、落ち着いた私は現状を理解した。
「キッ……キャアァァァァァ~~!!!!」
無意識の内に私は悲鳴をあげていた。海人さんに見られた? そう分かった段階で私の頭の中はパニックに……そして再び悲鳴をあげそうになったところで本音ちゃんがやってきて、私を優しく包み込んだ。
「ごめんねカガミン……お兄ちゃんがバカやらかして……本当に、ごめんなさい…………」
「え……うっ…………」
そういって、より一層強く私を抱き締めて、まだ頭の中がパニック状態の私の背中を本音ちゃんが撫で続けてくれた…………
「ありがとう本音ちゃん……取りあえず落ち着いた」
「うん。じゃあ~取りあえず服着ようか? このままじゃカガミン風邪引いちゃうよ~」
しばらくして落ち着いた私は、本音ちゃんに感謝の意を伝え、服を着ることにした。シャワーの途中だったけど、今更入り直す気になれなかったから。
「えっと~カガミン……さっきの事なんだけど……」
「えっと、その……あれは事故なんだよね?」
「うん。お兄ちゃん的には普通に部屋に帰ってきた感じだったんたろうけど……まさかカガミンがシャワー中だとは思いもしなかっただろうし、それに同室が妹の私なのもあって、普段からお互い気にせず入ったりしてたから……」
「うん。海人さんに悪気が無かったのは分かってる。けど…………」
「けど……?」
「海人さんに裸を見られたって考えると……恥ずかしくて、これから海人さんの顔見れる自信が無いよ~~」
「あぁ~~」
顔を耳まで真っ赤にし、体を抱き締めるようにしながらクネクネと悶えるナギを見て「これは……一歩前進か後退か」と、悩む本音であったが、取りあえず落ち着くようにとナギを自分のベッドに座らせたところで、援軍の到来を告げる扉を叩く音とともに、虚様が海人を引き連れ、二人の前に御光臨なされました。
場面は海人が土・下・座をするシーンに戻り、静寂の中、ナギが話し出すところへ。
「……あ、頭を上げて下さい海人さん! その海人さんに悪気がなかったのは分かってますので」
「私布仏海人、決してやましい気持ちがあってこの様な事態を引き起こしたわけでは御座いません!!」
変わらず頭を地面にこすりつけ、謝罪の姿勢から変わらない海人に対して、虚様が行動に出る。
「海人、鏡さんもこう言って下さっているのだから、取りあえず頭をあげなさい。そして後の話しをしましょう」
「お兄ちゃん、このままじゃ話しが進まないから」
姉妹二人に言われ、取りあえず頭をあげるものの……ナギの顔を直視出来ず、同様に下を俯いた状態になっている海人。
虚様は取りあえずそれは置いて、話しを進める事にされました。
「こうしてお話しするのは初めてでしょうか? 海人と本音の姉の布仏虚と申します。」
「は、はい! 鏡ナギです(海人さんの……お姉さん)」
「早速ですが、今回の一件……鏡さんの見解を聞かせて頂いてもよろしいでしょうか?」
「……さっきも言いましたように、海人さんに悪気がなく、不慮の事故だったのは分かっていますので、事を大きくするつもりはありませんし、特に責任を求めるつもりもありません」
「寛大な処置なのは大変にありがたいのですが……本当によろしいのですか?……私も一人の女性として、赤の他人の異性に裸を見られる事がどれほどの事かは理解しているつもりです」
「…………(……赤の他人か)」
虚姉さんの発言に体がピクリと反応する……ナギさんがその後に押し黙ってしまったのを見ても、優しさに甘えて、このまま終わるのは俺として納得がいかなかった。
「ナギさん。不快な気持ちにさせた事は何度でも謝ります。殴って気が済むならそれも構いません。俺に出来ることなら、罪は償う覚悟はあります」
「…………」
「……お兄ちゃん」
「……不快にならなかったと言えば嘘にはなりますが、私はそれ以上に海人さんに感謝していますし……その……大切にも思っていますから、そこまで深く考えないで下さい」
「うっ…………」
ナギさんが真剣な強い瞳でこちらを見てくる……その時、俺の心臓が激しくドクンと鳴った気がした。
「……海人」
虚姉さんが俺の肩に手を置き、再び一歩前に出る。
「取りあえずの話しはまとまりましたし、今日はこれまでにしましょう。さすがにこれ以上は寮長の織斑先生がやって来かねませんし」
「うわっ! もうこんな時間になってたんだ~」
「鏡さんも部屋へ戻られた方が良いでしょう。途中までご一緒しましょう」
「は、はい!」
そう言って、虚姉さんはナギさんを連れ、部屋を出て行く。
「おやすみなさい海人、本音」
「おやすみなさい本音ちゃん……海人さん」
「おやすみ~☆カガミンまた明日ね~」
「……おやすみなさい」
扉が閉まり、事は取りあえずの解決をみた。新たに揺れ動く海人とナギの二人の心。それはまた次回!