「――あっ!」
「ん? あぁ鏡さんおはよう」
「おはよう。ナギさん」
「お――おはようご、ございます」
教室の入口扉の前でバッタリと会った二人+一夏であったが、ナギは挨拶早々教室から飛び出して行ってしまう。
「なぁ? 最近二人おかしくないか? 妙に距離が遠くなったというか……」
「あはははは…………」
そんな一夏と笑ってごまかす海人の会話を聞きながら、危機感を募らせるナギを応援するクラスメート達。
「癒子隊長! これはもはや様子見など言っている状況では無いですよ!!」←さゆか
「私もそう思います! もはや強攻策も必要かと」←かなりん
「むむむ……しかしナギがあの調子では……」
「最近はライバル勢の活動も活発となり、更識会長が良く海人さんに引っ付いてるのを見かけます。その都度、織斑先生か布仏先輩に引きずられていってもいますが……」←静寐
「その織斑先生も最近海人さんの早朝鍛錬にほぼ毎日付き合って共に良い汗を流している模様です!」←清香
「ぐむむ……事は緊迫化していると……」「もはや一刻の猶予もありません! 動くべきです!」←理子
「「「「「御決断を!!」」」」」
「…………本音参謀長、寮部屋での海人さんの状況は? あと何か意見は?」
「もう……見ていられないんだよ!」
バン! と大きな音をたてながら机を叩き立ち上がる本音。
「……おにいちゃんもだけど、かがみんもなんだよ」
バンバン!!
「ほ、本音!? とりあえず落ち『フシャァー!!!!』」
「「「「「本音(ちゃん)がキレたぁぁぁぁぁーー!?!?」」」」」
猛獣化し、ナギの下へ突撃しようとする本音を横からすがりついて止めようとするが止められず、騒ぎに気づいた一夏と海人が止めに入るも、正面に入ったが為に邪魔な障害物と認定されたのか、見事に入ったアッパーカットにより一夏一発KO……海人が後ろから抱き止め、頭を撫でることでなんとか沈静化に成功することとなる。
普段のほほんとしているせいで気づかれないが、本音も対暗部用暗部更識家に使える布仏家の一員で、実は結構な実力者なのである。
因みに……誰が一夏を介抱するかで一夏ラバースが揉めてしまい、目を回し床に倒れたままの一夏である。哀れ……一夏。
海人です。本音と虚姉さんに呼ばれ屋上に来とるとです。大事な家族会議と言われ断れず、屋上の柵に背中を預け、グラウンドで部活に励む女生徒たちを眺めとるとです。陸上部……ナギさんはいないか……
ナギです。本音ちゃんに大事な話しがあるからと言われ、腕を引っ張られどこかに連れて行かれています。このルートだと……屋上?
屋上の扉前に着くと、腕をグッと引っ張られ先に屋上に入れられて背中を押し出すように中に入れられた――って!? 扉を閉められた! ガチャガチャとノブを回すが動かない!――って!? 鍵も掛けられた!? 開かない! 閉じ込められた?
現在、扉内側では鍵穴に鍵を差し、回らないよう押さえる本音とノブを握り扉が開かないよう引っ張る癒子。その後ろに虚とクラスメート達が続く。
扉が開く音がして、虚姉さん達が来たのかと思ったが、そこに居たのはナギさんだった。慌てて扉を開けようとするナギさんを見ていると虚姉さんからのメールが届く……
メール
「いい加減、はっきりさせなさい#」
「……そういうことか」
扉内側の気配を探ると見知った気配が多数ある……みんなに気を使わせてしまったんだね……
「ナギさん!」
「は、はい!? えっ? なんで海人さんが??」
「えっと……本音と虚姉さんに呼び出されたんだけど、実際は違ってたみたいで……」
「私も本音ちゃんに大事な話があるからと連れてこられて……」
「「…………」」
もう待ったは無しだよな。いかなきゃ男じゃねぇ!!
「ナギさん……少しだけ話しを聞いてくれるかな?」
「……はい」
「ここ最近少しだけどお互いぎこちなくなってるよね」
「……はい」
「だけどそれは俺の本意じゃない。もっとナギさんと仲良くしたいと思っている」 「……それは私も一緒です! 海人さんとの距離が少しずつ離れていってる感じがして凄く嫌で、怖くて、だけど上手くいかなくて……」
「良かった……嫌われたわけじゃなくて」「私が海人さんを嫌うなんてありえません!!」
扉内側メンバー
「お前らさっさと付き合えや!」
「アツい……アツいったらありゃしない」
「「…………」」
「いいな~なんか俺も体がアツくなってきた!」
「「「「「(一夏の側には私がっ!!)」」」」」
沈黙の布仏姉妹に、静かに騒ぐクラスメート。成り行きに心熱くする一夏であるがラバースの熱視線には気づいていない。
「そっか。なら聞いてほしい……初めは本音の、妹の友達で仲良くなれたらって思ってた。だけど少しずつナギさんとふれあう内に、意識するようになっていってたんだと思う。なかなか話せない期間に入ってからしばらくしてある人にその気持ちを気づかされたんだ」
海人の言葉を黙って聞くナギ。
「だからこんなギクシャクした関係はもう耐えられない!」
「私も……前みたいに海人さんと話したい! もっと仲良くなりたい!」
「ナギさん……」
「海人さん……」
「「好きだ(です)」」
二人がお互いに愛を確かめ合ったタイミングで、待ってましたとばかりにドガン!! と屋上の扉が一気に開き、クラスメート達が一斉になだれ込む。
「ナ~~ギーー!! おめでとーー!!」
いの一番にナギの横っ腹に抱きつき祝福したのは癒子であった。
「えぇ~~!? 癒子ちゃん! それにみんなも!? えぇ~~!?!?」
クラスメートがナギを取り囲む中……
「……フゥ。居たのは分かってたけど、せめてもう少し余韻にひたらしてくれても良かったんじゃないかな?」
「いや~私としてはそうしてあげたかったんだけどみんながね~」
「私としてはもう少し甘い告白を期た……いえ、なんでも……」
「海人さん! 俺も凄くドキドキして心熱くなりました!」
「じゃあ、次は一夏君の番だね」
「俺の?」
その時一夏ラバースの視線が一斉に一夏君を突き刺す。
「いや~俺にはまだそんな相手がいませんから!」
笑顔で答える一夏君の後ろに見える五人の…………
「おにいちゃん……フルフル」
俺の肩に手を置き、首を振る本音を見て、俺もこれ以上の追求はしない事にした。
「海人さん!」
突如呼ばれ、振り返ると眼前に迫るナギさんの顔があり……
チュッ★
ナギさんに唇を奪われた。
「ヒューヒュー☆」
「ナギ……大胆な子!」
「やるわね」
周りの大騒ぎとは別に一人あたふたとなるナギ。
「ち、違うんです!! みんなに煽られて……ほっぺにするつもりが、海人さんが振り返ったから……口に……!?!?……キュウ」パタリ
耐えきれなくなったのか顔を真っ赤にしたまま倒れてしまったナギである。慌ててクラスメート達が駆け寄り介抱するが、幸せそうな顔をしたままナギが目を覚ましたのは保健室のベッドの上であった。
「おにいちゃん?」
「海人?」
「――はっ!? なんだろう? 一瞬とても幸せな何かが合った気がするんだけど、あれっ?」
「「あははっ……」」
【布仏家長男のIS物語】これにて本編完!
おまけの魂の叫び
「虚ちゃんは私の味方だと信じてたのに!!!!」
「私は海人の味方です」
「わ、私は出番なしですか!!!!」
「遠距離はツラいね~~クラ」
やっと本編完結できました……長かった……初めて書いたこの作品、無事最後まで書けて良かったです!! ここまでお付き合い頂いた皆様本当にありがとうございました!!
まぁ裏ルートはあと数話残ってますが……(笑)
今作で自分が一番好きだったところはクラ・千冬ルート八話+オマケ二話のところだったりします(笑)
今後ですが、今作のパラレルワールドでもある、既に作品紹介の予告00話をアップしている【~ツヅクモノ◆カワルコト~】のスタートと外伝の方もあと数話で完結なのでそれを急ぐところですね★勿論裏ルートも~
たまに気晴らしに【布仏家長男のイチャイチャ物語】にアフターを書くかもです☆
それでは! 良いお年をo(`▽´)oありがとうございしたm(_ _)m