――って、今更この裏話の完結を待ってくれている人がどれくらいいるのでしょうか?
待ってくれていた方……お待たせしました。
次がラストエンド……今週中にはあげたい……と思っています!
「仏殿、どうで……ッツ!?」
私が仏の喫茶店に入店して見たのは、白き廃人と化した仏殿であった……あっ、申し遅れました。私オルコット家執事長のウォルターで御座います。この度――っと、これはまだ言わない方がいいですね。
さて、これはどうしたものでしょうか……
「あれっ? ウォルター入り口で立ち止まってどうしたの?」
「あぁ、マスター、丁度いいところに!」
マスターが来られて、店内を見て、固まられました。
「えっ? あれなんで? チェルシーさんは?」
白き廃人と化した仏殿を指差し、チェルシーの名前を出したところで、仏殿がビクンと反応をする……
「チェルシーさん――嗚呼ァァァ! チェルシーさぁぁぁぁぁん!?」
突如暴走し始めた仏殿を糸で縛り、落ち着いたところでマスターが質問を問い掛けました。
「で? 何があったわけさ?」
マスターの質問に対し、仏殿が静かに話し出した内容によると、告白自体は成功したらしい。しかし、その後が問題で……仏殿としては「この喫茶を二人で運営していきたい」と言ったらしい。しかし、チェルシーは「セシリア様の側を離れる事は出来ない」と言ったらしい。
仏殿は「遠距離でも構わない」と言ったが、チェルシーは「……考えさせて下さい」とそのまま帰ってしまったらしい。
「マスター……仏殿に伝えて無かったのですか?」
「ウォルターこそチェルシーさんに伝えて無かったの!?」
「「…………」」
「??」
何が何だか分からず困惑する仏殿の隣で、罪をなすりつけ合う私とマスターでしたが、今はそれよりも仏殿への説明が先と判断――っと、メールですか?
「急用が出来た為、先にイギリスに戻ります。セシリア様を宜しくお願いします。 チェルシー」
メールを見た私とマスターは、自分たちの失態に改めて冷や汗を流す。
「ウォルター、仏を乗せて空港まで全速力だ! 説明は車の中でしろ! ここに来る連中には俺から説明しておく!!」
「御意。行きますよ、仏殿!」
「えっ? えっ――ノワァァァァァ!?」
糸で縛ったままの仏殿を担ぎ上げ店を出て、目の前に駐車させていた車の後部座席に仏殿を放り込み、車を急発進させる。
「しっかりつかまってて下さいね」
「せめてこの糸解いてぇぇぇぇぇ!!」
よし。アッチはウォルターに任せて……取り敢えずチェルシーさんの出航を止めるのが一番か。
私はチェルシーさんへと電話を掛けた。
「ハァ……」
こうなることは分かっていたのに……例え遠距離になっても仕方ないと思っていたのに……なのに何故、最後躊躇してしまったのだろう? 「……考えさせて下さい」と言った時の仏さんの顔が脳裏に浮かぶ。
相思相愛。告白も受けたのに最後がこれじゃ仏さんも困惑してるでしょうね……私は結局どうしたかったのだろう?
空港のロビーに座り一人考えていると、ケータイの着信音が鳴る。
「これは……仏さんのマスターさん?」
予想外の方からの電話に驚きながらも、私は着信ボタンを押し、話す事にした。