GGOで好き勝手書いてみた短編集   作:rockless

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ちょっと文字数少なめ


17話

 2月7日SJ予選日

 当日0時になると同時に締め切られたエントリー受け付け、参加チーム数は最終的には120チームにまで上った。出場者待機エリアになっている酒場に、ラッシュたちが現れると同時に、酒場の空気がピンと張り詰めた

 

「おーおー、注目されてんねぇ」

 

 ラッシュたちに向けれらる数百のプレイヤーの視線、それらを先頭で真正面から受け止めたラッシュがニヤリと笑った。入り口から歩いていくラッシュに、シノンやレンたちが落ち着いた表情で続く

 

「お前らよくこれだけの視線を集めて落ち着いてられるな・・・俺、一瞬思考が止まったぞ」

 

「僕も・・・」

 

 周囲からの視線に呑まれている店主やユウキが、その後をおっかなびっくりといった様子で付いて行く

 

「前のBoBがこんな感じだったから慣れたわ」

 

「私もBoB優勝してから、街を歩けばこんな感じだし・・・」

 

 っと返すシノンとレン。ちなみに今回の大会中も、詩乃は香蓮宅にお泊りである

 

「あらあら・・・」

 

 最後に微笑みながらジェーンが入ってきた

 

「ってか、酒場のキャパに収まる人数じゃねぇだろコレ・・・座るトコがねぇ・・・」

 

「ホント、早く予選始まらないかしら?」

 

 適当な場所に陣取り、立ったまま待機するブラックアローの面々であった

 

「よう。堂々の御入場、流石だな」

 

「お、闇風か。まさかお前さんも参加するとはな」

 

 っとそこに、闇風が近付いてきて声を掛けてくる。それによって周囲のプレイヤーたちはさらにザワつく

 

「誰と組んだんだよ?」

 

「秘密だ。こっちは挑戦者だからな。手の内は晒さんさ」

 

 ラッシュの質問をさらりと受け流す闇風

 

「BoBの借りは返させてもらうぞ、レン」

 

「受けて立ちます」

 

 闇風はレンに視線を移し、火花を散らすような視線を交わして、真っ向勝負を宣言した

 

「ねぇラッシュ・・・この人、すごく強いよね?GGOに来て、まだ日が浅い僕でもわかる・・・」

 

「当たり前だろ。ピラミッドの頂点にいるヤツだ。前のBoBでレンが勝ったのは、その頂点にいる者としての心構えを利用した作戦がハマったからだ」

 

 闇風の強者としてのオーラを感じ取ったユウキは、そんな闇風と普通に話しているラッシュやレンが異様に見えた

 

「謙遜すんなよLUK型の。ステで不利なLUK型で戦ってるお前のプレイヤースキルが1番ヤバイのはわかってんだ。今回の大会で機会があれば、後学(・・)のために一戦よろしく頼むぜ」

 

「勘弁してくれよ・・・」

 

 ラッシュの肩をポンと叩いて去っていく闇風に、ラッシュは肩を竦めた

 

「僕、もしかして入るチーム間違えた?」

 

 

 予選第13組

 フィールド:山林

 

 SJの予選はBoBと違い、複数チームでのバトルロイヤルによって行われる。今回の参加チーム数と本戦枠から、1試合当たり4~5チームで予選は行われる

 

「さて、予選フィールドは共通して直径2キロの円形、中心付近100~300メートルが山や建物、池など通り抜けが不可能、または困難な地形やオブジェクトになっているらしい」

 

「要はそれより外の周囲で戦えってことだな」

 

 試合開始直前の準備エリアの中で、公開されていた予選フィールドの共通情報を確認するブラックアローの面々

 

「BoBの予選と同じで、各チームは最低500メートルは離れた場所でスタート・・・となると自ずと個々のスタート地点は予測できる。フィールドに飛ばされて、端末にマップが出たら、すぐにマップ中央を向いて正面を確認、スキャン情報がなくても、そこからだいたい10時と2時の方向に近い敵チームはいる」

 

「なるほど・・・速攻仕掛けるのか?」

 

「それがいいだろう。こっちは一応優勝候補扱いされてるわけだから、待ちはカッコ悪いしな。俺とレンで回ってくる。待ってる間の行動は任せるが、襲撃されんように警戒はしとけよ」

 

「わかってるよ」

 

 作戦会議も終わり、試合開始時間となって準備エリアから試合フィールドに転送され、予選が始まった。同時に、チームリーダーの店主が端末でマップ構成を確認した

 

「正面はこの方向・・・右、左、どっちからだ?」

 

「右!行くぞ!」

 

 店主の言葉に、ラッシュが勘で方向を選んで走っていき、レンが後に続く。2分ほど走ると、木々の間に敵影が見えた

 

「いた!予想通り!レン、左側に回れ。反対側に俺が回る。合図したら突っ込んで殲滅しろ。俺がALOに行ってる間に、どれだけ腕を上げたか、見せてみろ」

 

「うん、わかった」

 

 ラッシュの後ろを走っていたレンが、ラッシュを追い抜いて敵チームの左側に回った。AGIとDEXをフルに使って静かに速く、敵チームに接近する

 一方ラッシュは敵チームの右側の少し離れた距離に回り、挟撃の態勢となる

 

「さて・・・」

 

 ラッシュは新しい武器であるステアーAUGA3を構え、スコープで敵チームを観察した。始まったばかりということもあり、端末でマップの把握をしている6人組の敵チーム・・・その端末を持つプレイヤーにラッシュは狙いを定める

 

「まずはリーダーをってな」

 

 引き金を引き、発射された弾丸が端末を持っていたプレイヤーの頭に命中し、死亡した

 

「なっ?!敵だと?!スキャン前なのに、なぜ位置が?!」

 

「頭と足使って探すんだよ、ドアホ!!」

 

 残りの敵の目を引き付けるために、ラッシュが敵の前に姿を晒す。一斉にラッシュに向かって銃を向ける敵チーム。その1人の胸からビームナイフが生えた

 

「ゴフッ?!」

 

「もう1人だと?!ガッ!!」

 

 レンが敵プレイヤーに背後からビームナイフを刺したのだ。レンはその状態で片手でP90を持ち、近くにいる別の1人の頭を撃って死亡させる

 

「クソッ!!」

 

 一瞬でチームの半分の3人が死亡したことに毒づくプレイヤーを余所に、レンとラッシュがさらにそれぞれ1人ずつ撃ち殺す。そして最後の1人になったそのプレイヤーに、レンがP90を向けた

 

「ヒィッ・・・」

 

 ゴーグルで目元が隠れているせいで、レンの表情からは感情が読み取れない。そのため最後のプレイヤーには、レンが感情の無い機械のように見え、恐怖を感じた。短く悲鳴を上げ、そして撃ち殺された。最後にビームナイフを刺さっているプレイヤーから抜き、ドサリと倒れたそのプレイヤーからDEADの表示が上がった

 

「なんかお前さん怯えられてたぞ?」

 

「普通に集中して戦ってるだけなのになぁ・・・」

 

 レンは不思議そうに首を傾げる。ラッシュはそんなレンを見て、理由に気付きながらもあえて言わないのだった

 

 

 一方その頃スタート地点に残ったメンバーたちは・・・

 

「たーいーくーつー」

 

「我慢しなさい」

 

 ラッシュたちが行った方向とは逆の方向にヘカートⅡを向け、警戒をしているシノン。近くにはユウキが木に寄りかかって座り、詰まらなさそうに小さく声を上げていた。店主とジェーンは数メートルの距離を空けて別の方向を警戒している

 

『ん?・・・来たぞ』

 

 そんな中、外周方向を警戒していた店主の視界に人影が現れる。インカムでそれがシノンたちに伝わる

 

『外周から回り込もうってハラか。しかし3人だ。他の方向との挟撃だろうな』

 

「ユウキ、出番よ。コッソリ近付いて最低限の弾で倒しなさい」

 

「オッケイ」

 

 シノンがヘカートⅡを外周方向に向けながらユウキに指示を出す。ユウキは腰を上げ、低い体勢のまま茂みに隠れて敵チームを横から襲撃するために向かう

 

『私の分も残しておきなさいよ』

 

「それは保障できないかも」

 

 ユウキがポイントに着き、背負っていたHK417A2のカービンモデルを手に取り、セーフティを解除する。コッキングを行い、準備が終わる

 

「行くよ?」

 

『えぇ』

 

「っ!」

 

 ユウキが隠れてきた木からバッと敵に姿を晒し、適当に定めた1人を撃つ。7.62ミリの弾丸がアーマーを貫き死亡させる

 

「しまっ・・・」

 

 敵チームが待ち伏せに気付くも、それはもう遅く、シノンのヘカートⅡによる1発が同一射線上の2人の頭を貫いた

 

『2枚抜きイタダキ』

 

「あっ、ズルい!」

 

 そのとき、ユウキの位置からシノンを挟んだ向こう側、マップの中心方向で爆発が起こった

 

『あらあら・・・誰か引っかかっちゃったみたい・・・爆発物は補填されないから後で回収しようと思ってたのに・・・』

 

 っとジェーンの声がインカムから聞こえてくる。挟撃されようとしてる中で、シノンたちが落ち着いていられたのは、彼女たちの周りにはジェーンが仕掛けたトラップがあったからである。試合が始まってまだ数分ということもあり、時間的に全ての方向に仕掛けられてはいないが、それでも中心方向とラッシュたちが行った方向にかけては、いくつか仕掛けることができていた

 

『DEAD表示1つ確認。他敵影確認できず』

 

『敵影1つ発見・・・あ』

 

 店主がトラップの爆発跡で1人の死亡を視認する。そしてジェーンが別方向から接近してくる敵影を発見するが、その敵影は次の瞬間に爆炎に包まれる

 

『撃つ必要はなさそうね・・・』

 

『安くないから、あまり引っかからないでほしいわ』

 

 トラップの作動にジェーンが困った声で言うのだった。とはいえ、本来は補助であるトラップ系スキルを極め、また製作者としての高DEX値と合わさることで、ジェーンの仕掛けたトラップは、実質仕掛けた本人であるジェーン以外には発見や解除は不可能なほどのものになっているのである

 

「クソッ!なんなんだよ?!どうなってんだよ?!コイツらはよ?!」

 

「ホント、僕も割とそう思う」

 

「っ!」

 

 最後の1人が自暴自棄に叫ぶ中、いつの間にか隣にいたユウキが、同情しつつそのプレイヤーの頭にそっと銃を向けて1発だけ撃った

 

「最後の1人を倒したよ」

 

 

「おいおい、ブラックアロー開幕5分と経たず1チームやりやがったぞ」

 

「しかもラッシュとレンの2人だけでだ。開幕即行でチームを割るとは思い切ったな・・・」

 

 観戦エリアの酒場では、予選の全ての試合がモニターに映し出されていた

 

「あの速さでかつ無音って、忍者かよ・・・いや、女だからくの一か」

 

「待機してたヤツらも半端ねぇぜ」

 

「トラップなんて見えたか?」

 

「全然。センサー式かと思ったぜ。あれがアナログのブービートラップだとは信じらんねぇ」

 

 なんて話している間に、ブラックアローの勝利で予選13組は終了する

 

「しかし・・・こうして見てると、結構やりそうなチームはチラホラとあるな・・・」

 

「あぁ、始まる前はブラックアローと闇風んトコくらいかと思ってたが・・・」

 

「これは賭けが面白くなりそうだな・・・」

 

 他の組の試合でも、圧倒的な強さを見せて勝ち上がるチームがあり、観客は明日の本戦に期待を高めた




 一気に飛んでSJ予選日
 なおエントリー数120チームとはいえ、12月以降に組んだようなポッと出のチームが勝ち残れるのか疑問。闇風のような個人で腕の立つプレイヤーでもいない限り無理ちゃう?

 酒場でのやり取り
 王者のプライドを捨て、挑戦者となった闇風。泥臭く勝ちに行きます。ターゲットにラッシュを追加

 予選の試合形式
 原作SJ2とは違い、複数チームでのバトルロイヤル。運営主催のBoBとは違って個人スポンサーなので試合数を減らす狙い

 予選開始
 ラッシュの新メイン武器、ステアーAUGA3。ブラックアローでの売れ残り。LUK補正で短距離の狙撃もいける
 BoB以降のレンの実力。プレイヤースキルで忍び足を取得。ナイフの使い方が原作レンは切る感じだったのが、こちらは刺す感じに。ラッシュの影響で弾を撃ち過ぎることなく最少の弾数で相手を殺すスタイルになった
 ついでに忘れかけてたレンのゴーグル設定を描写

 居残り組みの戦闘
 ユウキの武器、HK417A2のカービンモデル。ラッシュのステアーAUG同様、ブラックアローの売れ残り品。レンが5.7ミリの拳銃弾、ラッシュが5.56のアサルトライフル、ユウキが7.62のバトルライフル、シノンが12.7ミリの対物ライフルとなんか揃った感
 ジェーンのトラップ。もう発見用のスキルを持ってないと発見不可能レベル

 ちなみに裏設定として、デスガン事件があったので、対MOB用の状態異常を起こす弾やガスの使用は対人戦の大会では全面禁止になったという設定
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