GGOで好き勝手書いてみた短編集   作:rockless

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18話

 翌2月8日、SJ本戦日

 

「いぃたぁ~敵めっけ!」

 

 2人組チーム『PM』は森からスタートした。そこからビル街へと向かい、森とビル街の境界で敵チームを発見した

 

『もうすぐスキャンが始まる。詳しい情報をくれ』

 

「えっとねー、私のいる位置の道路挟んだ向かい側。確認できる人数は5人。全員マシンガン装備」

 

『わかった。スキャンの情報を確認する』

 

「撃つ?ヤッちゃう?」

 

 先行しているピトフーイは敵を発見したことに、興奮した様子でもう1人のメンバーのMに問いかけた

 

『・・・今ビル街に複数の敵チームがいる。迂闊に出て行くと、人数が少ない俺たちが集中攻撃を受ける可能性もある。精々潰し合ってもらおう』

 

「チッ・・・りょーかい・・・っ!」

 

 Mの行動方針に、ピトフーイは舌打ちしつつも受け入れる・・・が、そんな彼女に向かって複数のバレットラインが伸びる

 

「おっと・・・ねぇー、仕掛けてきたわよー。撃っていい?」

 

『距離があるのに無駄なことを・・・まぁ、撃たせておけ。太い木の裏にでも隠れていれば当たることは無い、そのうち他のチームがやってくれるさ』

 

 っとMが言うと同時に、敵チームの1人が狙撃で死亡する。別チームからの襲撃にマシンガンの乱射が止まり、ピトフーイが木の裏から顔を出してみると、もう1人のメンバーが狙撃を受けて死亡した

 

「ヒュ~♪ヘッドショット決めたわ。いい腕してるわ」

 

「スナイパーの場所はわかるか?」

 

「あんたいつの間に・・・いんや、わっかんない」

 

 ピトフーイは後方から追いついてきたMに驚くも、淡々と質問に答える

 

「場所がバレるような素人ではないということか・・・いたぞ。あのビルの上」

 

 次々に倒される目の前の敵チームに、相手の狙撃位置を発見するM。Mが差す方向のビルには、外壁をロープで降下するプレイヤーが2人・・・

 

「あのラペリング・・・スキルだけじゃなさそうね」

 

「あぁ、それに始まってすぐにチームを割る思い切りのよさ・・・というよりは、統率の取れた分隊行動。ホンモノか?」

 

「専用のエアガン使って訓練やってる連中が・・・専用の仮想空間組んでやってればいいのに」

 

「平和ボケのこの国じゃ、そんな予算は組めそうにないがな」

 

 Mの言う『ホンモノ』の意味を理解したピトフーイは、つまらなさそうに言い捨てる

 

「でも、ま・・・ホンモノとやり合える機会なんて、そうあるものじゃないものね・・・ヤるわよ」

 

「ハァー、了解」

 

 

「おーおー、この国の軍人もやるじゃねーの」

 

「軍じゃなくて自衛隊。日本はそういうトコうるさいのよ」

 

 一方、ビル街の中にいるブラックアローも、PMが目を付けたチームと同じチームを観察していた。ラッシュの言葉に、シノンが注意を入れる

 

「でも自衛隊が出場してるなんて、マジなのか?」

 

「さぁな、でもシステム上のスキルじゃなく、プレイヤースキルでゴリ押ししてる感じは、他のプレイヤーとは明らかに違うがな。あれだけ撃って動けてなら、リアルでも同じことやってる人間だろ。警察の特殊部隊とかもありえたが、射殺が許されない日本の警察がこのゲームで訓練して、なにが身に付くって話だしな」

 

 自衛隊の出場を疑っている店主に、ラッシュは観察して得た情報から推理していく

 

「アメリカとかだと、軍の航空機や戦車の操縦訓練は、専用の仮想空間を作って、そっちに移行し始めてたりするらしいわよ。もちろん、だからといって現実での訓練がなくなってはないのだけれど」

 

「イメトレ感覚で本物飛ばしてるのと同等に近い訓練ができるのは大きいはずだ」

 

 ジェーンの情報にラッシュが言葉を足す

 

「ま、日本はこういう技術を公的機関で取り入れるのは、決まって先進国の中じゃ最後だからな。政治家共の頭の固さは世界でもトップクラスだしな」

 

「あぁホントにな」

 

 店主の言葉に、ラッシュはやや実感の篭った声で返した

 

「えっと、それで、これからどうするの?」

 

「その自衛隊チームと戦う?」

 

 レンとユウキがラッシュに問いかける

 

「ま、GGOはリアルとは違うってことを、先達として教えてやろうじゃないの」

 

 

「敵全滅を確認、クリア、損害無し」

 

『了解。現在地でスキャンを受ける。周囲を警戒されたし』

 

「了解」

 

 ビル街にて、3チームの争いにグレネードでピリオドを打った自衛隊チーム。リーダー役の隊員の指示に他隊員が周囲を警戒する

 

「確か、2チームほど付近にいたはずだ。見張りを厳に」

 

「「「了解」」」

 

 前衛の上官役が注意を促し、スキャンが始まる

 

『スキャン結果・・・南西の1チームが近い位置にいる。恐らくこちらを狙って接近していると思われる』

 

「了解、現在位置にて迎撃する」

 

『スキャン結果は高さが表示されない。上下方向からの襲撃に注意あがぁっ?!』

 

 リーダー役の男の通信が途中で切れる。その1秒後、重く響く発砲音がビル街に轟く

 

「狙撃?!」

 

『1名死亡!どこからだ?!』

 

「着弾と発砲音の聞こえた時間からして、結構な距離なのは確かだ。安心しろ。どうせシステムアシストを使っての狙撃だ。2発目はラインが見える。落ち着いて対処しろ」

 

『・・・了解』

 

 前衛の上官役の男の言葉に、後衛に1人残された狙撃手は深呼吸をして落ち着きを取り戻して返事をした

 

「訓練だからシステムアシストに頼るなって話では?」

 

「意図しなくても見えてしまうものは仕方が無い。それを無視するのは逆に不自然だ・・・っ?!」

 

 っとそのとき、狙撃手が待機している建物の壁が砕け、穴が開く。同時にチームメンバー欄の狙撃手の欄がDEAD表示に変わる。そしてまた1秒後に先ほどと同じ発砲音が轟く

 

「なっ・・・どうなってる?!距離からしてラインが見えてからでも十分回避可能なはず・・・」

 

「!・・・今はその疑問は捨て置け。目の前の敵に対処するぞ」

 

 動揺を見せる残された隊員に、敵の接近に気付いた上官役が指示する。隊員はそれぞれ建物の壁や放置されている廃車などに身を隠す

 

「この本戦に1チーム・・・遊びに水を差す荒らしがおる」

 

 コツコツ・・・っとわざとらしく靴音を鳴らして歩いてくるスーツ姿の男が、呟いた。隊員たちが体を半分出して銃を男に向ける

 

「お前らだろ?」

 

 『いえ違います・・・』っと上官役は心の中で答えた

 

「√3の語呂合わせを言ってみろー!!」

 

 男、ラッシュは叫び、右手にM320グレネードランチャー、左手にデザートイーグルを構えた

 

「えっと、1.7320508・・・ヒトナミニヤレレバ・・・あ」

 

「お前らやー!!」

 

 ラッシュが廃車に向かってグレネードを撃つ。吹き飛ぶ廃車に、隠れていた隊員が慌てて回避し体を晒してしまい、デザートイーグルで頭を撃ち抜かれる

 

 ともあれ、開戦のゴングは鳴らされた

 

「チクショウが!・・・っ!」

 

 建物の陰からラッシュを撃とうとした隊員をデザートイーグルで牽制する。一度引っ込む隊員だが、そこに路地裏を通って背後を取ったレンが・・・

 

「俺だけに注意向けてていいのか?!俺たちはチームで戦ってんだぞ!!」

 

「っ?!」

 

「とぉーう」

 

「ウガッ?!」

 

 レンのAGIで速度の乗ったドロップキックが決まり、建物の陰から蹴り出される隊員。そしてラッシュに撃たれて死亡する

 

「クソッ調子に乗るな!!」

 

 生き残っている隊員がラッシュに向けて発砲するが、死亡した隊員を片手で支えて盾にして弾を防ぐ

 

「マジで弾が貫通しねえのな。爆発も防げたりするのか?」

 

 BoBでは意識することのなかった死体の破壊不能特性に感心するラッシュ。LUK補正もあり、盾にした死体に弾が集中し、ラッシュにダメージを与えることができない

 その隙にレンが隊員を撃ち殺し、残されたのは上官役の男が1人。訓練の継続は不可能と判断し、戦う構えを解いた

 

「な、なんなんだお前たちは・・・?」

 

「俺たちか?俺たちはただのゲーマーだ。楽しくゲームを遊ぶ一般人だよ。この世界じゃ、ちょっとばかし強いかもしれんが、リアルじゃ平々凡々だ」

 

 『い、一般人・・・?』っとレンが疑問に満ちた視線をラッシュに向けた

 

「システムを無視してゴリ押すのは本当のプレイヤースキルじゃない。システムを利用し相乗効果を出す、あるいはシステムの足りない部分を補うのが本当のプレイヤースキルってモンだ。リアルじゃ役には立たんがな」

 

「・・・そうかい」

 

 ラッシュのお説教に、上官役だった男は少しの間呆気に取られた後、吹っ切れたように短く言葉を返してリザインの操作をして本戦から去った

 

 

 戦闘後、集合してスキャンの結果を見ているブラックアローの面々

 

「結構減ってるな・・・隣の住宅地エリアとの境界に1チーム、沼地と砂漠と山岳地帯に1チームずつか・・・」

 

「BoBと違って生存を示す点がどのチームなのかわからないのが痛いわね・・・」

 

 付近に敵がいないと言うことで、端末をプロジェクターのようにして壁に結果を映し、チーム全員でそれを見ている

 

「ま、通常ならここは住宅地エリアのチームを狙うのがセオリーか」

 

「そうなんだが・・・他の3チームがどう動いてるか・・・三つ巴で睨み合っててくれたらいいけど、こっちに来られて三つ巴四つ巴になったら面倒だぞ?」

 

 店主の意見に、ラッシュはふむと考え込む。ラッシュが気にしている3チームの周りには、それぞれ全滅を示す白い点がいくつかあり、激戦を潜り抜けたことが想像できた

 

「でも結構距離あるよ?」

 

「敵の移動が徒歩ならな。BoBでも乗り物は用意されてたが、乗り物はチーム戦でこそ活きる。次のスキャンまでに近くまで接近されてる可能性もある。俺らのいるビル街や隣の住宅街のような整地は乗り物での移動もしやすいから、不利になる」

 

 SJの本戦はBoBの本戦と同様に各所に乗り物が用意されている。個人戦だと1人で運転と警戒、または戦闘をこなさなければならなくなるため、使用にはリスクも大きいが、チーム戦ならば複数人でそれを分担できるため、使用しない理由が存在しないのだ

 

「じゃあ、どうするんだ?」

 

「俺としては、森を抜けて山岳地帯にいるチームを狙いに行きたい。森は乗り物では入れんし、徒歩ならジェーンのトラップが活きる」

 

「だが、俺らも徒歩では10分で山岳地帯までは行けんぞ?」

 

「そりゃそうだ・・・が、そこでまたチームを2つに分ければ、奇襲ができる。まず自分で弾を携行していて、単独での継戦能力があるレンとユウキが先行して森を一気に抜ける。残ったメンバーは次のスキャンはこのビル街で受けて、スキャンが終われば残ったメンバーも森を抜ける。先行した2人が戦闘を始めて、俺らが後詰として加わる・・・こんな感じだが、どうだ?」

 

 ラッシュが作戦を説明し、キーとなるレンとユウキに判断を振る

 

「うん、いいよ」

 

「僕もやる」

 

「他は?」

 

 ラッシュがレンとユウキ以外の面々を見る。異論はなく、シノンたちはコクリと頷く

 

「よし、なら移動を始める」

 

 

「森を抜けて敵チームと当たっても、俺らが着くまで無理はするな。耐えられんと思ったら、森へ引き返せ」

 

「次のスキャンまで、あと6分だ!」

 

「よし、行け!」

 

 ビル街と森の境界でレンとユウキを送り出す。2人が幹線道路を超えて森の中に消えていった。続いてシノンとジェーンが森の際に移動する

 

「恐らく住宅地エリアのチームは次のスキャンまでは待ってくれん。ここで戦闘になるだろう。次のスキャン後、即行でトンズラするから、射撃は足止め程度でいい」

 

 住宅地のチームは乱戦を避けるならば、このブラックアローしか狙えるチームが存在しない・・・っとラッシュが考えていた

 

『50キャリバーで足止めとはね・・・別に倒してもいいのよね?』

 

「いいが、あまり高望みはするなよ。こういうのは欲張ったヤツから死んでいくんだ」

 

『LUK型に欲張るなって注意されるなんて、なんの冗談かしらね・・・』

 

 シノンはそう茶化しつつ狙撃の体勢に入り、ジェーンは森の際から少し奥のエリアにトラップを仕掛け始める

 

「いいか・・・下手すると、住宅地のチームを追って、沼地と砂漠のチームのどっちかがそのままここに雪崩れ込む可能性もあるんだからな?」

 

「ちなみに、そうなったらどうするんだ?」

 

「俺が森でジェーンの仕掛けたトラップを使いつつ殿をする。それで俺以外の3人だけで、先にレンとユウキのところに向かってもらう。俺とジェーンがこっちに残ってるのはそのためでもある」

 

「そうか・・・」

 

 ビル街の端に残ったラッシュと店主。ラッシュが適当なビルの1階の窓ガラスを割って、店主を中に隠す

 

「スキャンまで、あと3分だ」

 

「スキャン結果が出たら、すぐにレンとユウキに山岳地帯のチームの位置を伝えろ。俺らの周りはその次だ」

 

「わかった」

 

「っ!」

 

 っとそのとき、ラッシュの横のビルの外壁に、弾が当たる

 

「おっと、運がよかったな。対物ライフルならお前は外壁ごとぶち抜かれてたぜ」

 

「あぁ、ホントにな。お前も気をつけろよ」

 

「ハッ、いらんお世話だ」

 

 店主の入ったビルから離れたラッシュは、ステアーAUGを構えて狙撃のあった方向から身を隠す

 

「さて、敵チームの構成はどうだろうな・・・?後衛のスナイパーが最低1人、残り5人が前衛だと、ちとキツいか?」

 

 悲観的なことを言いつつも、ラッシュの表情は獰猛な笑みを浮かべるのだった




 本戦開始
 日程がズレたことで出場できたピト。開始位置は原作のLMと同じ

 ブラックアローの開始位置はビル街の南のほう。原作ではプロチームの中の人は警察や海保の特殊部隊の可能性もって言ってたけど、現実で射殺が許されないそれらは、射撃訓練程度にしかならないから、大会に出る必要がないよね
 先達云々・・・ラッシュとジェーンはキャーティアの軍の所属です

 自衛隊チーム
 アニメ見て思ったんだけど、システムアシストのオンオフが無いのわかってて、なんで大会出たんだろうね?

 この中に・・・
 チャラリ~鼻から牛乳~

 ラッシュは一般人か?
 GGOの中では一般人なんだよ!

 戦闘後のスキャン
 マップの東西南北と各地の地形は、ようつべに公式の5.5話があるので、LMと自衛隊チームの戦いの前か後に廃住居で床に映して見ているのを参考にしてます。レン側が北と捉えてます
 ザッと書くなら全体を3×3の9ブロックに分けて・・・北西が山岳地帯で、北と北東が森林、西が沼地、中央が住宅地、東がビル街、南は全体的に砂漠や荒野・・・っと思って書いてます(実際は違うところがあるかも)

 ブラックアローの次の行動
 とりあえず複数チームを同時に相手にするのは嫌なので遠くに逃げます。相手チームたちがこちらをブラックアローだと認識した瞬間にチーミングされるのを恐れての行動です。ま、残ってるチームはアレとアレとアレなんで、その心配はないのですが・・・

 行動開始・・・そして接敵
 対物ライフルなら云々で思ったのですが、原作でシノンのヘカートⅡ以外の対物ライフルってどうなってるんでしょうね?確かBoB編より前の時点で十数丁はあるって設定だったはず
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