「バナナエナジー!」
「変身!」
「ロックオン!」
「リキッドソーダ! バナナエナジーアームズ!」
「アーマードライダーガイセン、推参!」
◆
私達の暮らす世界は、混沌の最中にあった。各国が覇権を争い、平和な場所などどこにもなかった。世界中の土地が戦禍に飲まれ、穀物は枯れ、民は次々と死に絶えた。
そんななか、新種の植物と生物が発見された。そしてそれらと一緒に、私達の文明とは少し違った技術で作られた機械が発見された。
機械の中には様々な情報が記録されていた。この機械は「パソコン」と呼ぶらしいこと、新種の植物は「ヘルヘイムの植物」、新種の生物は「インベス」と呼ぶらしいこと。そして、本来ヘルヘイムの植物から生る果実を直接食べてしまうとインベスへと変貌してしまうところを「戦極(せんごく)ドライバー」と「ゲネシスドライバー」というベルトを介することで無害で果実から養分を摂取できる機構が開発されていたこと。その情報や技術はどれも、私達の世界にはそれまで存在していなかったものだった。
私達の住む国「アマドラス」の技術者はそれらの技術を応用し、私達の世界の住民の体に合わせて新たなベルト「戦爛(せんらん)ドライバー」と「ゼネラルドライバー」を開発した。もちろん、くだらない世界戦争を終わらせて、食物不足の問題を解消するためだ。
けれど、この二つのベルトの出現が、新たな戦いの火種となってしまった。
ベルトを軍事兵器として使おうとする周辺国が、私達の国に武力行使をしてきた。私達の国は絶大な損害を受け、多くの犠牲者を出し、たくさんのベルトが他国の手に渡ってしまった。
◆
「王様! しっかりしてください!」
「あ、あぁ……。……ガイセ、娘を……娘を……頼む……」
焼け崩れる城の中で、王様へ駆け寄った私に王様は一本のゼネラルドライバーと、果実が変化した道具「ロックシード」を手渡してきた。
「王様、これは……」
「……ワシのために、作られたベルトじゃ……。城の守衛として優秀なお前になら、娘を任せられる……。城が完全に崩れる前に、娘だけでも……」
「王様…………」
「早く行くんじゃ!」
王様が私を突き飛ばした直後、王様の真上から大量の瓦礫が崩れ落ちて、王様はその下敷きとなった。
「王様……。……はい、私に任せてください!」
私はそう叫ぶと、姫様がいるはずの部屋へと走り出した。
◆
「ガイセ!」
私が姫様の部屋に駆け込むと、姫様は二人の他国の兵士に詰め寄られていた。姫様が私の名を呼び、二人の兵士がこちらへ振り向いた。
「……遅かったな。姫の命を奪い、この国を完全に掌握する!」
「貴様には死んでもらおう」
そう言うと二人の兵士は私の国から奪った戦爛(せんらん)ドライバーを腰に巻き付け、ロックシードを起動した。
「マツボックリ!」
「マツボックリ!」
「ロックオン!」
「ロックオン!」
「ソイヤッ! マツボックリアームズ! 一撃! イン・ザ・シャドウ!」
「ソイヤッ! マツボックリアームズ! 一撃! イン・ザ・シャドウ!」
兵士達はそれぞれ、ロックシードを戦爛(せんらん)ドライバーの中央に装填し、右手で刀状のレバー「カッティングブレード」を操作した。兵士達の頭上の空間に穴が空き、そこからマツボックリを模した物体が落ちて変身が始まった。
「女一人、我々にはどうってこと無い」
「この道具の試し切りに使わせてもらおう」
「ガイセ…………」
「姫様! 今参ります!」
私は兵士達を睨み付けたまま、ゼネラルドライバーを腰に巻き付け、右腕を横に広げて右手に持ったロックシードを起動した。
「バナナエナジー!」
「変身!」
「ロックオン!」
「リキッドソーダ! バナナエナジーアームズ!」
私の頭上の空間に穴が空き、そこからバナナを模した物体が落ちて変身が始まった。
「影松!」
「影松!」
「バナボウガン!」
兵士達は「影松」という長槍型の武器を、私はボウガン型の武器「バナボウガン」を構え、臨戦態勢をとった。
「アーマードライダーガイセン、推参!」
「お命、頂戴する」
「覚悟!」
「戦爛(せんらん)ドライバー」と「ゼネラルドライバー」。これらのベルトには、二種類の使い方がある。一つは、ロックシードを装填して養分を得るというもの。そしてもう一つが、さらに操作を加えて「アーマードライダー」と呼ばれる戦士へと変身するというもの。
私達三人はアーマードライダーとして対峙し、今、新たな戦いの火蓋が切って落とされた。