レイオニクスウィーズ   作:暗愚魯鈍

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等々あの子が登場、ではどうぞ


外伝二話始原の精霊

ミライ「おじさん何時ものカレー大盛りで!」

 

「あいよ!兄ちゃん朝昼夜毎日ここでカレー食べるけど飽きないの?」

 

ミライ「?飽きる?何でです?カレーが飽きるなんてあり得ません、カレーこそが地球人が生み出した最高傑作の料理です」

 

「兄ちゃんぐらいだよ?そんなこと言うのは…まあ食べてくれるならこっちも嬉しいしそんなに嬉しそうに食べてくれておいちゃんも嬉しいよ!」

 

ミライはもう十年以上この地球に滞在していた、時々来る怪獣を倒しては色々なカレー屋でカレーを食べて過ごしていた…、ミライは街を転々としては人助けをして滞在している町ではヒーロー扱いを受けその町の治安が良くなっているのだが本人はそれに気づいていない

 

ミライ(…時々怪獣が来る以外は平和だけど…何処かにハヌマーンの気配がする…急ぎで探さないと…)

 

ミライ「ご馳走様です!また来ますね!」

 

「はいよ!またご贔屓にね!」

 

ミライは一瞬でカレーを食べ終わり店を出る…そこで今日も平和だなぁ…とミライが微笑んでいると…急に悪寒が体を走り、ミライはハッと振り返る…そしてその莫大なエネルギーの流れに気づく

 

ミライ(なんだこのエネルギーは…?この莫大なエネルギー…怪獣じゃない…でも…これは不味い)

 

ミライは一瞬で光の速さで動き、異変が起きている場所まで走る…そのミライが異変を感じ取った場所には、青年の姿になったアイクとエリオット、エレン、カレンが何かの術式が描かれた魔法陣に魔道具が置かれ何かを生み出そうとしていた

 

アイク「これで…生まれるぞ…世界を書き換えるために生み出される超越生命体が!」

 

アイクは今にもマナから誕生する超越生命体を前に興奮していた…あれ以来アイクは自分の性癖を隠そうともせず、精霊と仮定した存在を生み出すことに夢中になり、等々それを召喚することにした…その光景を他の三人は複雑な表情でアイクは見ていた

 

カレン「エ、エリオット…?本当にいいのかな?」

 

エリオット「……誕生の時に起こる空間震なら護符で防げる…まあユーラシア大陸は壊滅するがな…」

 

カレン「ち、違うよ……私が言いたいのは…」

 

エリオット「……分かっている…こんなことをしていいのかだろ?…俺だって…したくない…がアイクを裏切るわけにもいかない」

 

エリオットとカレンはそう呟いた後儀式の成功を祈る…そしてマナのエネルギーが高まり今にも誕生しそうになったその時

 

ミライ「君達!何をしているんだ!」

 

エレン「……貴方は…!?」

 

アイク「…ほう?これはいい、久しぶりですミライさん」

 

ミライが息を吐きながら漸くこの場にたどり着き、エレンはミライの姿を見て驚き、エリオットとカレンも同じ表情だ…まさかあの時助けてくれた青年が未だ歳をとっていないとは思わなかったのだろう…だがアイクはミライを見て笑う

 

アイク「見てください…この超越生命体…その名も精霊…!貴方の巨人の力を…美しい光を元に生み出したんですよ」

 

ミライ「……ウルトラマンの力を……?やめるんだ!誰もウルトラマンの力を使いこなすことはできない…あのヤプールでさえ完全再現は無理だったんだ…やめるんだ!」

 

アイク「そうはいきません!それが僕の願望、この力を人間達に見せつければ…人間は恐怖で怯える!その顔を見たい!」

 

ミライ「……それよりも言いたいことがある」

 

アイクにミライはウルトラマンの力を使いこなせないと強い声で言うがアイクには届かない…だがミライは一番気になっていたことをアイク達に言う

 

ミライ「………君達は…誰?」

 

エリオット・エレン・カレン「「「忘れてる!?」」」

 

アイク「……あの三体の化け物から貴方が助けてくれた子供達ですよ…」

 

ミライ「……!ああ!アイク君とエレンちゃんにカレンちゃん、エリオット君か!忘れてたよ…ゴメン!」

 

ミライは少年時代とはすっかり変わっていたアイク達の顔を忘れ三人が転ぶとアイクが少し呆れた目でミライを見る

 

ミライ「ごめんごめん…!すっかり忘れてたよ、人間は成長するのが早いてことを…僕らの種族は18,000歳でこの星で言う高校生だから…いやぁ歳はとりたくないなぁ、地球に来るのは二万年近く来てなかったから…」

 

エレン「……貴方は何歳なんです?」

 

ミライ「て!それどころじゃないよ!そんな危ないことはやめるんだ!」

 

アイク「やめませんよ…それにもう誕生しますから…」

 

ミライはテヘヘと言うと、急に真面目な顔になりやめるんだと叫ぶが時既に遅し、マナが集まり周囲の空間が震える…これが空間震だ…これ程の大きさなら…ユーラシア大陸を一瞬で消し飛ばすだろう

 

アイク「さあ!誕生の産声を上げよう!ユーラシア大陸を滅ぼして!さあ控えろ人類!神の降臨だ!」

 

ミライ「……そんな事はさせない!」

 

アイクは原初の精霊の誕生の瞬間が始まると知り大喜びするがメビウスがそのエネルギーの前に達メビウスブレスを展開し周囲に結界を張る…それで空間震を防ぐ気だ…そして周囲が眩しい光に包まれる…空間震、護符がある4人は無事だがミライにはそんなものはない…空間震が終わり、アイク達はミライはもう死んだと思っていると…ミライは五体満足で平然とその場に立っていた…

 

エリオット「…あの威力を至近距離で食らっても…無傷…しかもユーラシア大陸ごと守って…?規格外だ…」

 

アイク「……くく…やはり貴方は僕の予想を超えてくる…だがこれで終わりだ…もう神は誕生した!」

 

ミライ「……これが…」

 

ミライが見たその先には…光を纏った少女が空に浮かんでいた…全裸の少女を見てエリオット達は目を逸らす中、ミライだけはその少女を眺めていた…正確にはその少女から放たれる…莫大なエネルギーにだ…これだけのエネルギー…まるで無限…いや実際無限なのだろう…この子がもし光の国にいればプラズマスパークのエネルギーを軽く凌駕しもっと光の国は発展していたかもしれない…ミライはこの少女が危険と思うと同時に美しいと思った

 

アイク「さあ…その子を渡して下さい」

 

ミライ「……断る、この子を悪用するわけにはいかない」

 

アイク「……そうですか、エリオット、エレン…やれ」

 

ミライはアイクの言葉を断るとアイクは指を鳴らし世界最強の魔術師であるエリオットとその次に強いエレンをミライの前に立たせる…無理矢理にでも奪い取るつもりだろう

 

エリオット「すみませんがその子は…渡してもらいます」

 

エレン「…すみません」

 

ミライ「そうですか……シェア!」

 

ミライはその2人の覚悟を見た後、人間は成長するんだと再確認しメビウスブレスから光弾を放ち地面に当て砂煙を起こさせてその少女を抱えてミライはその場から逃げ去る

 

アイク「……追え」

 

アイクはそう言うとエリオットとエレンはミライを追いかける…途中でエレンがへばって倒れて、エリオットが背中に背負ったせいで見失った

 

 

ミライ「ここまで来れば…大丈夫だろう…目を覚まして」

 

少女「……う?」

 

ミライ「良かった…無事かい?自分のことは分かる?」

 

少女「……………………………」

 

ミライは光の速さで走った後、廃れた小屋に入り、直ぐに少女の服を街で買って来てミライが着替えさせた…全裸のままではいけないと思うところまではいいのだがミライが自分で服を着替えさせるのはアウトだと思うがメビウスは純粋かつそこまで気づいていないのでセーフだろう…ミライは少女に呼びかけ少女が目を覚ますと自分のことはわかるかと言うが少女は首を傾げたまま動かない、丸で何も知らない赤子…実際赤子なのだろう、今しがた産まれたばかりなのだから

 

ミライ「……やっぱり…セブン兄さんに子育てのことを聞いておくべきだったかな…あ、セブン兄さんは子育てしてないか…あぁ…どうしよう」

 

「………………?」

 

ミライ「う〜……そうだ!」

 

ミライはセブンに子育てのことを聞いておこうと思ったがセブンが子育てしていないことを思い出し如何すればいいのか途方に暮れる…それを精霊は首を傾げて見ている…するとメビウスは何か思いついたのか小屋から出て10分後にすぐ戻って来た…手に本やペン、ノートを持って…これらは今までメビウスが不本意ながらも強盗を捕まえたり、人助けをして他者からもらったお金だ…自分はカレー代にしか使っていなかったがこの子に勉強を教える為に教材を買ってきたのだ

 

「………………?」

 

ミライ「これはノート、これはペン…80兄さんの代理で学校の教師をしてて良かった…読み書きくらいは出来るから…じゃあ教えるよ」

 

「……………………(コクッ)」

 

精霊はミライの言葉に理解していないが頷きミライは80に習った通りに精霊に時の読み書きや発音の練習をさせる…その時ミライは一年くらいかければ文字の読み書きとか発音ができるかなぁ〜と軽く考え、夜になるとカレーを買って来て精霊にスプーンの使い方を教えて食べた後寝る…精霊は寝ることなくボーとしていたがふっと何か思いついたかのように本を手に取り月の薄明かりで本を読んだり文字を書いたりする…そして翌日

 

「起きて……起きて…」

 

ミライ「ん……?え!?喋ってる!?」

 

「……ん、喋れる」

 

何と精霊はたった1日勉強しただけで完全に発音できる様になり文字の読み書きもできる様になっていた…ある意味ミライよりも喋れる様になっていたかもしれない…ミライはそれに驚いていた

 

「…持ってきた本…全部読んだ…全部覚えた…次は何するの…?」

 

ミライ「そっか……じゃあ次は…いや、待ってそう言えば君名前がないな…」

 

「?…名前?」

 

ミライはこの少女(精霊)に名前がなかったことを思い出し目を瞑って彼女の名前を思案する…そして思いついたのか目を開ける

 

ミライ「うん…そうだな…今日は…30日…そうだ!澪…てどうかな!」

 

澪「みお……うん!それでいい!」

 

ミライ「そっか良かった!僕はヒビノ ミライ…本当の名前はメビウス…宜しくね澪ちゃん」

 

澪「うん、メビウス!」

 

澪はそう言って笑うとミライも笑う…そしてミライは街に出て色々な本を買うと澪に教える…驚く事に数学を教えるとそれだけで難しい問題も楽々解いてしまい、気まぐれにメビウスが買ってきたヴァイオリンに至ってはプロ級の腕前を見せつける…正に神童…いやそれすら生温い…全知全能の神とでも言うべき澪の才能にメビウスはもしこの子が悪用されたらと心配すると同時にその素晴らしい才能を賞賛していた

 

ミライ(…この子は…凄い…もしこの子が普通の人間なら…世界を変えかねない……もしこの子が悪用されると世界が終わりかねないが…平和の為に使えば…もしかしたら…)

 

澪「ねえねえミライ!次は何するの!?」

 

ミライ「そうだねぇ…次は…」

 

ミライに澪が次は何をするのかと朗らかな笑顔で言うと、ミライも何か答えようとした時爆音が聞こえ二人が振り返ると、そこには首のなくなったディノゾールが立っていた

 

ミライ「ディノゾール!?…まさか何年もかけて蘇ったのか!?」

 

そう、あの時メビウスが倒した三体のうち一体は首を切り落とされただけで、何年もかかって復活(リバース)して動き出したのだ…そしてディノゾールは自分からこけると極性を反転させ(リバース)二つの尻尾を体内に入れる…そして体内から尻尾が頭部に進化し二本の首が生えた

 

ーーーギャバァァァァァ!ギャバァァァァァ!ーーー

 

ミライ「ディノゾール……リバース…!」

 

ディノゾールリバースは二本の断層スクープテイザーを操り山を同時に二つ斬り裂き、背中から融合ハイドロプロパルサーを放ち地面を焼き尽くす…丸で悪夢の様な光景を見て澪が怯えるとミライは澪の頭を撫でる

 

ミライ「……ここで待ってるんだよ…僕はあいつを倒すから」

 

澪「ミライ……?」

 

ミライは左腕にメビウスブレスを出現させサークルを回転させて腕を突き上げる

 

ミライ「メビウース!」

 

ーーーギャバァァァァァ!?ギャバァァァァァ!ーーー

 

ディノゾールリバースの目の前にメビウスが現れ、ディノゾールリバースは自分をかつて殺した奴と分かると憎しみの咆哮をし断層スクープテイザーでメビウスに斬りかかるがメビウスはそれを後ろへ向けて回転して避ける

 

メビウス「セヤァ!」

 

メビウスはメビュームスラッシュを放ち断層スクープテイザーを斬り裂こうとするが逆にディノゾールリバースはメビュームスラッシュを斬り裂きメビウスの体に鞭の如く断層スクープテイザーを打ち付ける

 

メビウス「く……はぁ!」

 

ーーーギャバァァァァァ!?ギャバァァァァァ!?ーーー

 

メビウスはディノゾールの断層スクープテイザーを掴むと引きちぎるように引っ張りディノゾールリバースも付いてくる…そこにメビウスはメビウスパワーリフトで肩に担ぎ上げ、一気に地面に叩きつけその後ヘッドロックでディノゾールリバースの両首を締め上げ二つの首から泡を吹かせる

 

ーーーギャバァァァァァ…?ギャバァァァァァ…!ーーー

 

ディノゾールリバースは必死に口をメビウスに噛ませ高速を緩ませ背中の融合ハイドロプロパルサーを放ち拘束から抜け出す

 

ーーーギャバァァァァァ!ギャバァァァァァ!ーーー

 

メビウス「く!」

 

澪「ミライ!」

 

ディノゾールリバースはメビウスに断層スクープテイザーをぶつけメビウスが後退し澪が叫ぶ

 

メビウス「……僕は負けない…あの子が見てる場所で…僕は……負ける事はない!」

 

ーーーギャバァァァァァ!?ギャバァァァァァ!?ーーー

 

メビウスはメビュームブレードで二本の断層スクープテイザーを斬り裂き、ディノゾールリバースが驚いた瞬間蹴りを入れディノゾールリバースを吹き飛ばす

 

メビウス「これで終わりだ!」

 

ーーーギャバァァァァァ!ギャバァァァァァ!ーーー

 

ディノゾールリバースは後ろを向き背中から融合ハイドロパルサーを放ちメビウスを攻撃するがメビウスはメビウスディフェンスドームを展開してメビュームシュートの発射準備中に邪魔されない様火球を防ぎ光線を放つ…ディノゾールリバースは敵からの攻撃から身を守る為に背を向けていたが、敵から背を向けて光線に当たると言う悲惨な結果になってしまい、そのまま双頭から悲痛な叫びが放たれる

 

ーーーギャバァァァァァ!?ギャバァァァァァ!?ギャバ……ァァ……ァァァ…ーーー

 

何年もかけて復活(リバース)したディノゾールリバースは前の方へ倒れ二つの首が地面に落ち下半身が前になると言うディノゾールだった頃の姿を再現する様に倒れ爆散した…メビウスはそれを見ると光の粒子となって元の姿へ戻り澪の元に現れる

 

澪「………ミライ凄い!カッコいい!」

 

ミライ「そうかな……でも確実にこの場所がアイク君達に見つかった…ここを離れるしか…そうだ…澪ちゃん!日本へ行こう!」

 

澪「日本?」

 

ミライ「そう!僕が一番よく知ってる国…そこならアイク君達にも見つからない!」

 

ミライはいい案を思いついたとばかりに腕を叩き、澪もミライと一緒ならと手を繋いでミライは人間サイズのウルトラマンとなって日本へ向かう…その背後にエリオットが見張っているのを気づかずに

 

 

 




ディノゾールリバースの詳しい設定がわからないので今回は説明はなしです、さて次回は日本編ですね

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