レイオニクスウィーズ   作:暗愚魯鈍

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はい、結構雑くなってしまいました…ちなみに主人公が使う技は「ブラッククローバー」「ロクでなし魔術講師と禁忌経典」等を参考にしております、他にもポケモンの技(に似た技)やら、オレカバトルやらが混じっておりますが(今回はまだ無い)気にせずお読みください


四十五話神殺しの魔王と神殺しの竜神

ここでは落雷が降り注ぎ、暴風が吹き荒れ木々が吹き飛び、豪雨が弾丸の様に降り、地面に当たる度に地面に穴が開く、そんな地獄絵図な光景が広がる場所に二つの動く影があった、一人はアジ・ダハーカを殺しカンピオーネとなった神無と神王ヌアダを殺した神殺しの竜神、クロウ・クルワッハだった

 

クロウ・クルワッハ「どうした神殺し?避けてばかりでは小生には勝てぬぞ?」

 

神無「だったら、この落雷と暴風、豪雨を止めてくださいよ!というかクロウ・クルワッハにこんな能力てありましたか?」

 

クロウ・クルワッハは落雷を神無に落とし続け、暴風で動きにくくし、豪雨で視界を悪くする…まさに神無にとって不利なフィールドと化していたが、クロウ・クルワッハにこんな能力があったかと疑問に感じる…

 

神無(そもそも、クロウ・クルワッハはケルヌンノスと同じケルト神話でも神話エピソードがない神で、ケルヌンノスと同一視されている事もある…でもクロウ・クルワッハもケルヌンノスも…嵐を呼ぶ能力なんて無い…じゃあこれは一体…?)

 

神無はクロウ・クルワッハの能力には嵐を呼ぶ力はない為、この嵐に不審がる…

 

クロウ・クルワッハ「ほう?考え事をする程余裕があるのか!」

 

クロウ・クルワッハは神無に落雷を落とし続け神無はそれを必死に避ける…とは言っても神無の足では避け切れるわけがないので、風を纏って避けたり、魔術を使って落雷と相殺して防ぎきっている

 

神無(とは言え…ドラクエのボスじゃないから呪力切れがなぁ…それに燃費もあまり良くなさそうだし、威力は…試してみるか)

 

神無「じゃあ…光魔法 神罰の光芒」

 

すると目の前に光が集まりクロウ・クルワッハに放たれる

 

クロウ・クルワッハ「…ほう…」

 

だがその光の柱をクロウ・クルワッハは尻尾を光の柱にぶつけ破壊する

 

神無「やっぱり、言葉を出すとイメージした通りの魔術…いやこの場合は魔法が出せるのか…なら土魔法 大猪猛激進、鉱石魔法 ハルパー、雷魔法 雷鳥戦騎・裂空魔弓の装」

 

次に神無が聖句を口ずさむと大地から土出てきた猪が現れクロウ・クルワッハに突進し、神無の周りに鉱石…恐らく金剛石と見られる物体がナイフの形になり回転しながらクロウ・クルワッハに向かっていき、クロウ・クルワッハは猪に向かって突進し尻尾で叩き、それで猪はバラバラになって落ちていき、ナイフは口から炎を吐き溶かし尽くした、だがこの隙に神無は雷で作った弓と鳥を生み出し空を飛び矢を放つがクロウ・クルワッハの体に当たっても矢は弾かれるのみで傷を負わすことすら叶わない

 

クロウ・クルワッハ「ほう…その魔術…技として放つだけでなく、先程の猪やその鳥の様に生物としても生み出すことが出来るのか!成る程!面白いではないか!」

 

神無「…お褒めの言葉ありがたいです…ですがこれでも元ネタより威力が高いと思ったのになぁ……それを無傷とか…流石としか言えませんね」

 

実はこの魔法は神無が生前読んでいた本(主に小説や漫画)等を参考にしているのだが…カンピオーネの呪力と言うのは並みの魔術師の数百倍の呪力を持つ為神無が放った魔法は威力がかなり高いのだが…それを無傷で済むクロウ・クルワッハの防御力は凄まじいと神無は思っていた

 

クロウ・クルワッハ「ハ、当たり前だ、小生の身体はあらゆる武器も通用せぬ不死身の肉体…確かに貴様の魔術は威力も高く使いやすい…だがその様な物で小生を倒せると思ったなら大間違いだぞ?」

 

そう言うが早いが、クロウ・クルワッハは落雷を落とし神無を狙う、神無は雷鳥に命じて落雷を避けつつ硬度と威力を上げた矢を放つがクロウ・クルワッハは暴風を纏い矢を吹き飛ばす…これで矢は暴風の鎧にはばまれクロウ・クルワッハの身体に届かない…

 

神無「…チィ…鋼魔法 施貫の激槍」

 

鋼の激しく回転する槍をクロウ・クルワッハに放ち暴風の鎧を貫通しクロウ・クルワッハの身体を抉る…ほんの僅かだが皮膚を削り取りクロウ・クルワッハの表情が強張る

 

クロウ・クルワッハ「……我の身体に傷をつけるとは…中々やるな!ならば此方も全力でいかせてもらおうか!」

 

するもクロウ・クルワッハは尻尾で地面を三回叩く…すると地面から二メートル程はある穂が5つに分かれた槍が現れる、そしてその五つの槍先から光を放ち神無に向かってくる

 

神無「鋼創成魔法 鋼城の鎧壁!」

 

咄嗟に鋼でできた壁を作るがそれを光は打ち破り、神無はそれを雷矢を連射して相殺させる

 

神無「…さっきのはクロウ・クルワッハにそんな能力ないぞ…でもあの槍何と無く見覚えが…五つに分かれた槍…ああ!ブリューナクか!…てあれはルーのだろ…」

 

そう先程の槍の名はブリューナク…太陽神ラーが持つ槍で五つに分かれた槍先から五つの光を放ち敵を五人殺した、その他の能力は「必ず勝利をもたらす」「投げると稲妻となって敵を死に至らしめる灼熱の槍」等と言われ、「イヴル」と言うと自動的に敵に向かって飛んで行き、再び「イヴル」と言うと手元に返って来る能力があり、また投石器もしくは投石器から発射される弾だったという説もあり、ルー自身の祖父である 魔眼のバロール の目を貫いて倒したのもこのブリューナクであるとする解釈もある。

 

 

 

……………………とあるが言及される事があるが…ケルト神話内にはその様な記録はない、確かにルーの槍は四秘宝に数えられるが「ブリューナク」と言う名前などどこにも載っていない、これはヌアダの剣の「クラウ・ソラス」も同じだ…余談だが同名の剣が現地の民間伝承に存在するがそれとは全くの別物である…まあこれは当時の北欧神話の研究者が混合させただけだが……

 

ちなみに「ブリューナク」という名前が最初に登場したのは健部伸明・怪兵隊の著作 虚空の神々 と言う本なのだが、当時の日本で確認できた海外の資料や説に乏しく下記のように多作品において「出典も確かな神話の武器」として使われてしまっていた事が原因と見られる(この本ではレーヴァテインもスルトの持つ剣と同一視されており、日本におけるレーヴァテイン=燃える剣と思われるのはこの本が原因と思われる)…とまあブリューナクは本来はケルト神話に登場しない日本人が生み出した物だ…だがそれをクロウ・クルワッハが生み出したのだ…いったい何故?と神無は考える

 

クロウ・クルワッハ「確かにな…確かに…小生がただの【クロウ・クルワッハ】であればな…そうただの【クロウ・クルワッハ】であれば…な?」

 

と意味深げな言葉を言いつつ落雷を落とし神無を攻撃する

 

神無「ただのクロウ・クルワッハなら…?一体どういう事だ?…まさかケルヌンノスと複合してる…とか…でもケルヌンノスにブリューナクを作る能力なんて…いや今はそんな事を考えている暇はない…炎と氷の双嵐」

 

炎と氷という相反する属性の嵐をクロウ・クルワッハにぶつけ、暴風の鎧で威力は弱められたが皮膚を焼き焦がしたり、凍てつかせることは出来た

 

クロウ・クルワッハ「どうした?この程度で小生を倒せるとでも?」

 

神無「思わないですよ…大技ないんだし…」

 

実はこの権能、一見万能に見えるが…多彩な代わりに火力が足りない…その上クロウ・クルワッハの防御力は凄まじく高く、魔法攻撃よりも物理の方が効くかも知れないが…残念ながら物理攻撃は出来ず、精々鋼魔法 施貫の激槍で肉を抉る程度であり、それすらもクロウ・クルワッハにとって人間で言う、毛を数本抜いた程度の痛みに等しい

 

クロウ・クルワッハ「確かに貴様の魔術は多彩だ…だか…小生の肉体を滅ぼす事は叶わぬぞ…小生を殺せるのはルーのみ!ルー以外には何人たりとも小生を殺せる者などいる者か!」

 

神無「ルー…?クロウ・クルワッハはルーに殺される描写はない…それ程ルーが強いて言いたかっただけか…もしくは単なる例えか」

 

だが神無はその「ルー」という言葉にどこか引っかかる…まるでクロウ・クルワッハにはルーと因縁がある様な…その様な感じがしたが…ルーとクロウ・クルワッハが争った痕跡は神話内には無い…気のせいと考えるがどうも気になってしまう

 

クロウ・クルワッハ「考えるのもいいが…小生を忘れるな!」

 

神無「ク、フリージング・ヘル!」

 

空気をも凍らす超低温の冷気がクロウ・クルワッハに向かうがそらをクロウ・クルワッハは口からの業火で相殺し…だか際にでた煙で神無がクロウ・クルワッハから隠れて見えなくなる

 

クロウ・クルワッハ「む…先程の冷気は…撹乱か…」

 

フリージング・ヘルはこの為の目くらましに過ぎず、クロウ・クルワッハは神無の姿を見失ってしまう…が落雷を辺りに無造作に放つ

 

神無「…無造作に放っても当たりませんよ…《とにかく》《ここで散って》《下さい》」

 

そう言葉を放つと、先程放ったフリージング・ヘル、雷を圧縮して放つプラズマ・カノン、天にも届くほどの真紅の炎の柱プロミネンス・ピラーを三つ同時に放つ

 

クロウ・クルワッハ「…………ブリューナク」

 

するとクロウ・クルワッハはブリューナクを動かし三つの魔術を槍を投げ、稲妻の如き速さとなった灼熱の槍と化し、三つの魔術を消滅させる

 

神無「うわぁ…三つともかなり威力込めたのに…ブリューナク凄い…まあ知った上で…罠にかけたけどね…吹き飛べ」

 

すると手をかざし三つの魔法陣が現れ、元素を分解するエネルギー波を放ちブリューナクを分解する…幸い、模造品であったからか本来持つであろう不朽不滅が無かったのでブリューナクはエネルギー波により消滅する…本来ならクロウ・クルワッハに当てたいがクロウ・クルワッハなら避けるなり、当たっても消滅しない、最悪無傷の可能性すらある

 

クロウ・クルワッハ「…ブリューナクさえ破壊するか…ならば…これならどうだ?」

 

またしてもクロウ・クルワッハは地面…では無く自分の体を三回叩く、すると叩かれた部分から銀色に輝く腕…いな義手が生み出される…しかもご丁寧に剣まで持って…つまりこれは…

 

神無「ヌアダの銀の腕…か…確かに貴方ヌアダ殺しましたけど……能力は奪ってないでしょ?何、神殺して神話の怪物でも殺した神様の権能使えるの?フェンリルがグングニル使ってくるの?ねぇ?」

 

と軽く混乱しながらも、神無は情報を整理する、銀の腕…アガートラームはヌアダが戦で右腕が無くなり、医神ディアン・ケヒトと鍛治神ゴブニュが生み出した義手でクラウ・ソラスを備えていたという…恐らくあれは銀の腕でそれで持っている物をクラウ・ソラスに変えるのだろう、ちなみにクラウ・ソラスとは手に持つ者に照明を与える道具だったり、巨人などの敵に特殊な効果を発揮する武器の事である…前述の通りクラウ・ソラスの名はケルト神話に登場しない

 

神無「そんな事より…どうして銀の腕やブリューナクが作れるんだ?…てあれ?…傷が治ってる?!」

 

神無はクロウ・クルワッハが何故銀の腕、ブリューナクを作れるのか考えていると、クロウ・クルワッハに与えた傷が完治しているのに気がついた

 

クロウ・クルワッハ「今更気づいたか?お前が考察や攻撃をしてこないうちに、傷を癒しておいた…つまり今までの攻撃は無駄に終わったという事だ」

 

神無「……体力が完全回復するとかHPが225しかない代わりにベホマ使って完全回復してくる破壊の神 シドーかよ…」

 

クロウ・クルワッハ「………?死導?確かに小生は貴様を死に導いているかもしれぬな…」

 

何処か勘違いしているクロウ・クルワッハを他所に神無は軽く絶望していた、何せダメージを与えても回復してくる神等冗談ではないのだから…しかもタダでさえダメージが中々通らないのに回復するのはジワジワ攻撃を当てて倒すと考えていた神無の考えを踏みにじったのだから…

 

神無「最近のラスボスでもそんな能力使ってこないよ…つまり倒すには一撃で…これ無理があるよ…」

 

と神無がどうやったら一撃もしくは回復を封じるかと考えていると、クロウ・クルワッハの左眼…太陽のように輝く目からビームを撃ってきた

 

神無「…え?あ!フォースシールド」

 

座標を自分と雷鳥に指定し範囲は自分の目の前のみにし目からのビームを防ぐ、が怪光線はシールドを刺すかの様に破壊しそれを神無は雷鳥を動かし避ける。そして先程の光景に神無はクロウ・クルワッハにツッコミを入れる

 

神無「目からビームて…80先生のウルトラアイスポット!?バトラやゼラン星人ならまだしも…カルナが目からビーム撃ったぐらい驚いたよ!」

 

ちなみにカルナは目からビームではなくカルナの強力な眼力を視覚的に表現しただけ…流石インド、やる事がデカイ……だが何故クロウ・クルワッハが目からビームを撃てたのだろうか?…だが神無にとっては…先の目からビームで…クロウ・クルワッハの正体…いや正確に言えば誰と「複合」しているかバレてしまった…

 

神無「成る程…ようやくわかりましたよ………その回復、そして不死身の肉体、この嵐の秘密…クロウ・クルワッハ様…貴方はケルト神話の他の神と複合なされている…その神が分かりました」

 

クロウ・クルワッハ「…………ほう?…申してみよ?」

 

神無「では先程のブリューナクやその銀の腕を生み出した権能…それはゴブニュの権能ですね?」

 

ゴブニュ、ケルト神話の鍛治神であり魔法の槌を三振りするだけで完璧な武器を製造することができる。工芸の三神の中では最も優れた技術を持っており、彼の造った武器は必中かつ一撃で致命傷を与えることができると言う。更にゴブニュたちは、戦場において壊れた武具を奇跡的な速さで直すことで勝利に貢献した…医神でもあり「ゴヴニュの祝宴」では、尽きることのない食べ物が湧き出る大釜を持ち、料理のために屠っても次の日には蘇る豚などを所有し、彼の振舞う酒には不老不死の秘術がかかるよう施されている…

 

…………実は鍛冶神の職掌は広く単純に武具や宮殿、便利な道具を製造するだけでなく、ヘーパイストスの様に人類の祖(パンドラ)生み出したり、都市の誕生に関わったりしており、とある部族の祖であったりする神格が鍛冶神であることもあったりする…他にもインド辺りだと天地の創造者そして名前が全知全能という意味の鍛治神ヴィシュヴァカルマンと言う神がいる…

 

そして本来古代における鍛冶師の地位はかなり高く、ケルト文明圏では王を凌ぐ権威を持っていたドルイドと同等の地位を持っていたのだ…鍛冶の技術が魔術として扱われ、鍛冶師=魔術師と見做されていた時代もあったぐらいだ…

 

神無「ですが…貴方とゴブニュは複合…同一視されていませんが…貴方と同一視されている神とは同一視されていますよね?」

 

クロウ・クルワッハ「……………………………」

 

ゴブニュは雷の神とも考えられ…ケルト神話のとある魔神と同一視されている…その魔神の名は…

 

神無「その名はバロール!魔眼のバロールです!先程の目からの怪光線はバロールの綽名の一つである「刺すような目のバロール」からですね?そしてこの嵐も魔眼の能力の一つ嵐を起こす力から…違いますか?」

 

魔眼のバロール…ケルト神話の魔神にしてフォモール族の王である、その名の意味は「死のようなもの」、そして何より特徴的なのがバロールの左目或いは額の第三の目であり、その目は魔眼で視線で相手を殺すことが可能で、通常は閉じられている、この魔眼は子供の頃父達ドルイドが毒の魔法の準備をしている時に煙を目に当ててしまい、この能力を得たという…その他にも魔力で嵐を起こし、海を炎の海にすることが出来たという…またペストで一つの種族を滅亡させたとも言われておりクロウ・クルワッハはバロールと同一視されている

 

そんなバロールだが彼はケルト神話での悪く言えば引き立て役に過ぎず、最後は必ず太陽神ルー…自分の孫に殺させるのだ…結局の所バロールは征服されるべき悪、正義の為の敗北される悪に過ぎない…

 

クロウ・クルワッハ「…よくぞ、小生の正体に気づいたな…その推測通り小生はバロールとゴブニュと複合されている…だがそれがわかった所で何一つ変わらぬわ…」

 

神無「いえ…貴方の弱点がある事が分かりましたから…回復は瞬時じゃない事、先程から視線を合わしているのに死なない事…そしてその目が唯一の弱点という事がね!」

 

そして神無は手をかざしクロウ・クルワッハに魔法を放つ

 

神無「水魔法…海竜の咆哮!」

 

竜の形をした水がクロウ・クルワッハに襲いかかる…今までの魔法より威力が高く、竜の動き…生物としての動きが出来ることから追尾してくるとクロウ・クルワッハは見抜き炎を吐き蒸発させようとする…が炎を海竜の咆哮は避けクロウ・クルワッハの左眼に当たろうとするが…左眼を海竜の咆哮が見た途端、ただの水となり地上に落ちていった

 

クロウ・クルワッハ「馬鹿め…確かに威力も高く避けても追いかけている魔法は驚異だ…だがその魔法は生物としての特性を得た…故に小生の死の魔眼からは逃れられぬ…確かにカンピオーネや他の神には効かぬが…神獣程度なら倒せるぞ?」

 

そうくるとクロウ・クルワッハが神無の方を向き口を開け噛み千切ろうと突進してくる…だが神無はそれを避けようとせず、そのまま噛み千切られる…と思われたが歯に当たった途端、神無の身体がすり抜けた

 

クロウ・クルワッハ「!?すり抜けただと…いや幻術の類か…先程の攻撃の合間に…」

 

先の海竜の咆哮は囮に過ぎず、当たれば目が潰れるし、当たらなくても幻術を使う隙になる…と考えての行動だった…そしてクロウ・クルワッハの背後から雷光が飛びだしクロウ・クルワッハの左眼を抉る

 

クロウ・クルワッハ「グォ?!グァァァ!?何だと…一体何処から…?」

 

クロウ・クルワッハが飛んできた場所を見ると二百メートルは離れた場所から弓を構えた神無がいた

 

神無「どうですか?ライトニング・ピアスを裂空魔弓の装で強化して遠距離から撃つ…ホークアイ・ピアスは?威力は海竜の咆哮と劣りますが…それでも左眼は無くなりました…そこに攻撃を当てていけば…倒せますよね?簡単には治らなそうだし…」

 

そして神無は魔弓から矢を五連射させ抉り取った左眼に当てようとするがクロウ・クルワッハは炎を吐き出し矢を焼き尽くす

 

クロウ・クルワッハ「おのれ小僧が!小生の魔眼を破壊して生きられると思うなよ!」

 

クロウ・クルワッハは迫り来るが、神無はそれを見て…笑う…

 

クロウ・クルワッハ「!?」

 

クロウ・クルワッハはそれを見て…ビクとするが迷わず突進する…だがこれこそが…神無の思惑通りと知らず…

 

神無「……先程大技がないと言いましたね…あれは嘘です…ちゃんとありましたよ…」

 

そして神無は聖句を言葉に出す

 

神無「我は世界を破壊する者!今こそ三千世界に終焉を齎さん!闇よ!世界の三分の一を破壊し尽くせ!」

 

すると上空に闇が広がり、そこから赤黒いエネルギーが降り注ぎクロウ・クルワッハに襲いかかる、これはアジ・ダハーカが創造物の三分の一破壊するという逸話が権能と化したこの権能での大技であり、万物を破壊し、神の肉体すら破壊させる効果を持つが発動条件は闇を広げさせることであり、普通ならば気づかれてしまい闇を消される心配もあるが…今は嵐…闇が広がってもバレにくかった為気付かれなかったのだ…そして発動後は一週間この能力が使えないと言ったデメリットもある

 

クロウ・クルワッハ「グォ…!!?まだだこの程度で小生は死なぬぞ!」

 

だが神無はトドメとばかりに赤黒いエネルギーを弓に収縮しエネルギーを圧縮させた矢を生み出しだしそれをクロウ・クルワッハに放つ、当然炎を吐き破壊しようとするが…防ぎきれず左眼に入り肉体の内側へと入り内部から攻撃する…そして最後はクロウ・クルワッハの右眼から矢が出てきて両目を潰されたクロウ・クルワッハはそのまま地に落ちていく

 

神無「終わったか…?」

 

そして神無は雷鳥に命令しクロウ・クルワッハが落ちた場所に行く…

 

クロウ・クルワッハ「…まさかこの小生が敗れるとは…ククク…この姿となっても敗北する運命は変わらぬか…」

 

神無「…いやでも強かったですよ…流石はケルト神話最強の竜…それにバロールも確かに敗北しましたが、バロールがいてからこそルーの神話が輝く…光と闇は一心同体…貴方がいるから神話が輝いたと言っても過言じゃありませんよ…それに貴方は強かった…倒せたのも…貴方が油断してたから…慢心してたら勝てませんでしたよ…」

 

クロウ・クルワッハ「……そうか…小僧…いや確かスメラギ カンナと言ったな…死にゆく小生が貴様にいいことを教えてやろう…」

 

クロウ・クルワッハは死にかけた身体を起き上がらせ神無の方を向く

 

クロウ・クルワッハ「小生等《蛇》と其方ら魔王の天敵…最後の王こと《最強の鋼》は其方の出身に眠っている」

 

神無「最後の王…?最強の鋼?」

 

クロウ・クルワッハ「鋼とは竜殺しの英雄の事であり蛇の天敵…その中でも奴はいかなる鋼より強く歴史上、魔王達を何人も屠ってきた…貴様は小生ともう一匹竜を殺した…奴とは相性が悪かろうな…だがな小僧」

 

そこで一息つきクロウ・クルワッハは神無に言葉を出す

 

クロウ・クルワッハ「決して死ぬな、貴様は今度こそ小生が殺す!それまで決して死ぬ事は許さぬ!それまでは小生の権能を使い、生き延びてみよ、同族からも、神からも、鋼からもな!小生の名はクロウ・クルワッハ!神殺しの冥府の竜也!この名、決して忘れてくれるなよ!!」

 

そう言い残し、クロウ・クルワッハは光となって消滅する…神無は身体が一瞬重く感じたが瞬時に悟る、権能が増えたのだと…義母が簒奪の円環を回し権能を与えたのだと感じた

 

神無「さてと…」

 

クロウ・クルワッハを倒した神無は上を向くと先程の嵐は嘘のように消えていた…そして呟く

 

神無「ここて何処だっけ?…これから何処へ行けば…」

 

神無は絶賛迷子中だった…

 




この作品でのクロウ・クルワッハは簡単に言えばロン・ベルク並の武器職人+直死の魔眼を持つフェンリルて感じです。ゴブニュてウルトラマンティガにも出てきましたね…ちなみにブリュナークが作れたのはルーと深い関わりがあるから、さて次回は迷子の主人公がギリシャに行き(ここはインド、どうしたらギリシャに行くんだと言うのは次回説明するとして)次回の神様は「黄金」「童話の王様」と言うワードが関係しますよ…当ててみてくださいね
!皆さんがよく知るあの王様が出てくるのでもしよければ感想に誰が出てくるか書いてください!次回も頑張ります!

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