ここはメキシコ…ここに今、まつろわぬ神が出現した…
???「ここは…そうか私もまつろわぬ身と化したか……」
黒髪の白いトーガの様なものを着たヒゲが生えた青年はそう呟く……それは何処か悲しげだった…
???「…探さねば…私を殺逆してくれる者を…」
そう男は呟くとゆっくりと歩き出す…それだけで何処と無く優美で…まるで聖者の様だった…その姿はまさに聖者、その聖者は自分を殺す者を探し出す…偶然か否か…メキシコには魔王が滞在していた…その聖者は歩く自分の死に場所を求めて…
神無「……最近まつろわぬ神と会ってないなぁ…神獣ぐらい…つまらない……実につまらない…精々が魔術の研究や武器の工夫のみ…実につまらない」
キリエルとの戦いから既に何十年経ち、既に神無の存在は賢人議会に知られ、何度か神獣の討伐を依頼されたこともある(神無の権能を調べる為も含まれているが)、聖ラファエロと言う女剣士から兄さん呼ばわりされ(彼女の二つの剣を分析させてもらったので兄さん呼ばわりを許した)魔道具の開発や魔術の研究や新技を作っていた…だがここ10年間まつろわぬ神に合わず、それを不満げにヴォバン(キリエルとの対決後に以外と趣味があり時々会う様になった………殆ど戦いになるが…ちなみにヴォバンには一度も勝ったことがない、羅濠ともちょくちょく会いに行き、羅濠には三十回中十一回程勝った)に言うとヴォバン曰く
ヴォバン「まつろわぬ神にはなかなか会えないものだ…無理矢理呼ばぬ限りは…と言うわけで貴様がまつろわぬ神の招来の儀をやれ…優秀な魔術師であるお前なら呼び出せる…触媒に…生贄を攫ってくればまつろわぬ神を呼び出せるぞ」
と言われまつろわぬ神を呼び出してヴォバンが倒したははいいものの権能が増えず二人して舌打ちした覚えがある
神無「じゃあ適当に人を攫ってきてまつろわぬ神を呼ぼうかな?」
サラッと恐ろしげな事を言うが、神無は人間に対して慈愛の文字は無く、自分が気に入った人間以外は殺しても何の感情もない…精々汚いと思う程度だろう…が今回はその必要はなかった
神無「……この気配はまつろわぬ神か…ふふふ面白い…さてどんな神なのか…楽しみだな…僕を楽しませてね!」
神無は歪んだ笑顔を晒しながらまつろわぬ神の気配がした所へ移動する
神無「ここら辺で…まつろわぬ神の気配がしたんだけどな…」
神無は神の気配がした場所を探し当てるも目的の神が見つからず探していた
神無「あれ何処だろう?「私を探しているのか?」…そっちから出てきてくれましたか」
空から白い翼を生やした青年が地面に降り立った…まるでその姿は天使の様…
???「…君は魔王か…私に終焉をもたらすもの…」
神無「ええ…貴方、御名前は?」
???「…そうだね……私の名はイエス…イエス・キリスト…神の息子さ」
イエス・キリスト、ヤハウェ……神の息子であり真の神であり真の人である、キリストとはヘブライ語のメシア(救世主)のギリシャ語訳christosから取られ、イエス・キリストという呼び方そのものが「イエスを救世主と認める」ことを意味している
新約聖書にはイエスは神と呼ばれるだけでなく、天地創造まで行ったとされており、復活の後に父なる神から天地の全ての権威を授かっていると発言しているがタルソスのパウロからはキリストは万物を服従させると書かれている、また地上において罪を赦す権能は「人の子(メシア)」が持つ権威の一つだという、神が多数いる事になる点については神としての「本質」は唯一だが、「ペルソナ(位格)」は三つありイエスもその一つとする三位一体説がある、又イエスは父なる神本人の別の姿とする「様態論」が存在し、又々存在を天使としたりされている
神無「メジャーな神様が出てきましたね…殺してしまってはキリスト教に怒られそう…まあ辞めないけど…でも嘘は良くないですよ」
神無はキリストの存在に驚くがキリストに嘘をつくなという……何故こんな事を言ったのか?それは神無だからわかった事だろう
キリスト「…嘘…とは?」
神無「誤魔化せませんよ…貴方からは…………僕と同じ「蛇」の匂いがするんです…貴方は蛇の神様ですよね…イエス・キリストの皮を被った神様…違いますか?そもそも僕がこんなにも早く貴方を見つけたのは蛇の気配がしたからですしね」
キリスト「……そうか…君は蛇の神格をもつ神を殺逆したのだな…」
神無は蛇の神を三柱殺している…その為神無自身も権能の影響か蛇の神格同様、《鋼》の攻撃に弱くなっている…これだけ聞けばデメリットだが…同じ蛇の気配がわかる様になりキリストは蛇の気配が感じたのだ…つまりはキリストの皮を被った蛇ということが神無には分かったのだ
キリスト「…だが一つ訂正だ、私はイエス・キリストであり…蛇でもある…それが私だ」
神無「?蛇でありイエス・キリストでもある神格てこと?(そんなの居たっけ?)」
神無は首を傾げるがキリストは燃え盛る槍を取り出し神無に向ける、そして槍から光線が放たれる
神無「え?…危ない!」
金剛方陣を張り光線を防ぐ神無…方陣は灼熱の光線でドロドロに溶けていた
神無「なにその槍…絶対キリストじゃないよそれ…エヴァのロンギヌスの槍でもそんな効果無いよ…」
神無はそう言いつつも電玉を放つが右手に持った槍では無く左手に持った黒曜石でできたナイフで切りつけると電玉が凍りつき地面に落ちる
キリスト「太陽の槍に夜の寒さを封じ込めたナイフ…灼熱の槍に極寒のナイフ…君にこれを乗り越えられるか?」
神無「なにその装備……でも何処かで見た様な…何だったけな…?…
そう言いつつも神無は自身の影を操る【竜の遺影】無数の槍に影の形を変化させキリストに放つ、それに対してキリストは光線を放ち槍を焼き尽くす、次に神無は影を竜の顎の形にしてキリストに噛みつかそうとするもナイフで影を氷漬けにされる
神無「う〜ん…やっぱり黒竜の大災厄の方が強いね…まあこれは暗闇なら役に立つけど…あの槍が放つ光の所為でキリストさんの所に影がないしねぇ…」
竜の遺影は本来は暗闇で相手や自分の影から遺影を出して仕留める暗殺式でキリストが持つ灼熱の槍から放たれる光でキリストの周りには影がないのだ…他にも空飛ぶ敵等にも効かないという弱点がある
キリスト「少年よ…貴君の権能は私の魂を原罪から解放するに足る力か? そうであるならば私の罪深きまつろわぬ魂を現世から解放して欲しいものだ…」
神無「ほう?まつろわぬ神にしては珍しい性格ですね…ならば試して見ますか?」
黒竜の大災厄を使い六個の黒竜の顎を生み出しキリストに放つもキリストはそれを槍からの光線で迎え撃ち顎が光線を喰ううちにナイフからの氷の礫が炸裂する
神無「チィ……」
神無は氷の礫を喰らい腕に傷を負う…幸いな事な傷口が凍てついた為血が出る事は無かった
キリスト「どうした少年よ?私の魂を救ってくれぬのか?」
神無「……これです…命のやり取り…負けたら死ぬ…ふはは…これです…これが良いんです!もっともっと楽しませて下さい!」
神無は嬉しそうに笑いキリストに向けて雷や炎、氷の魔法弾を放ち攻撃し、黒竜の顎を伸ばす
キリスト「…魔術師か…ならばこれも効くだろうか?荊よ」
するとキリストの頭に茨の冠が現れ冠から荊の蔓が伸び黒竜に当たると黒竜は消滅する
神無「何…何で魔法が?」
キリスト「私は荊の冠を乗せられ後に人の子として処刑された…神の子としてではなく人として…その時この冠は権能を無くす能力を得た…この魔術が君の権能である限り…わたしに届くことはない」
そう荊の冠は全ての権能を無効化する…言わば権能殺しの権能なのだ
神無「…僕の権能と同じか…なら…どっちらが優っているか試しましょう」
キリスト「何?」
すると神無は疾風脚(シュトロム)を発動させ高速三次元機動で移動しキリストはそれを荊で迎撃する…すると神無は荊に向かって手を伸ばす
神無「神格否定…」
荊に手が触れた瞬間に眩い光に包まれ暫く拮抗した後荊と茨の冠は光を散らしながら消滅する
キリスト「…ほう…君も権能を無効化する権能を持っているのか…それも私より上位の無効化権能を…」
神無「ええ…正確に言えば無効化はこの権能の副作用に過ぎませんが…まあこれでも十分に役に立ちます」
これは三番目の権能の能力の一部であり本来の能力はこれよりも遥かに素晴らしい権能なのだが…今回は相手の権能を消すという能力のみ発動させた
キリスト「素晴らしい…これなら私を原罪から解放してくれそうだ…」
神無「原罪て…貴方はそんなに死にたいんですか…?それなら自殺なり何なりして下さいよ」
キリスト「それはいけない…私達を解放するのは君達カンピオーネ…それが君達の使命なのだから…」
神無「キリストさん…確かにそうだけど…貴方が神て知らなかったら単なる電波キャラですよ?」
キリストは汚れなき目で神無を真摯に見つめ神無はそんなキリストに少し引いてしまう、それ程までキリストは神々しいオーラが滲み出てきた
神無「殺す気がなくなる(それでも殺すけどね)…本当に…原点…聖者の時のままの正確みたいだな…て事はまつろわぬ神だけど性格はまつろわぬ神の様に歪んでいない…?」
そうこのキリストは他のまつろわぬ神とは違い性格が歪んでいない…その様なまつろわぬ神等【最後の王】以外にはいないのだが…
神無「まあそれでも倒すけど…ここで逃げるなら別に追いませんよ」
キリスト「いや、私は君に殺されたい、私達の様な狂える神は君達に滅されるべきなのだから…だがら最初に出会った君に殺されたいのだよ」
神無「ホモですか貴方?背筋がゾッとしましたよ…」
神無はキリストの発言に(ある意味で)ゾッとしていた
キリスト「ホモ?…私には意味がわからないが…」
神無「知らなくて良いです…それと…漸く分かりましたよ…貴方の正体が…」
キリスト「…ほう?教えてもらおうか…私の真名を…」
神無はキリストの真名が分かりキリストはそれを愉しげに話すのを待つ
神無「その槍…それは明けの明星の擬人化した神トラウィスカルパンテクートリの槍…まあ光線とも言われていますが…そしてそのナイフはトラウィスカルパンテクートリが太陽に敗北した姿であるイツラコリウキのナイフでしょう…そしてトラウィスカルパンテクートリはとある蛇神の化身と言われています」
キリスト「……………………………」
神無「その神はマヤ神話のククルカンと同一視されウロボロスとも関わりがある神…そう貴方はケッアルコアトル!アステカ神話の有名な神の一角、創造神でありアステカ神話のトリックスター、そして太陽神そして金星の神格…つまりは豊穣神、挙句はルシフェルやプロメテウスと同じ人類に火を持たした文化英雄と多彩な神格を持つ…そしてケッアルコアトルはモルモン教ではイエス・キリストが伝説化したと言われている…その為貴方はキリストの神格をもつケッアルコアトルとして現れたのでしょう」
キリスト「正解だ…よくぞ見破ったね少年」
するとキリストの姿が変わり始める…背中から純白の美しい天使の如き翼が生え体が緑の美しい鱗をもつ蛇へと変わる…その姿はキリストの姿で無くなっても聖なる風格が漂っていた……
ケッアルコアトルとは…日本でも有名な神でゲーム等にも多数出ている有名な神だ…ケッアルコアトルは神話では生贄を嫌いトルテカの神官王の伝承の影響でケツァルコアトルは生贄の儀式を嫌うものと思われがちだがアステカのケッアルコアトルは生贄の儀式は拒まないらしい…多数の神話を持ち合わせている故に強い…別にまつろわぬ神は有名な神ほど強くなるわけでなく、マイナーな神でもアイデンティティが強ければ強くなるし、有名な神でもアイデンティティが弱ければ弱くなる…だがこのケッアルコアトルは多数の神格を持ち合わせる為他の神と比べると遥かに強いであろう
ケッアルコアトル「…さて…この姿になった以上手加減はしない…少年よ!この罪深き私を殺逆して見せよ!」
体長六十メートル以上になったケッアルコアトル…もうカンピオーネじゃなくてウルトラマンが来てくれないかな?と思うほどの巨体に驚きを隠せない神無を置いてケッアルコアトルは火の雨を降らす
神無「うわ!?ククルカンの四元素操る能力ですか…て!火出てきた蜥蜴とか水でできた魚や風で出来た禿鷹が襲いかかってきた!?何これ!?」
ケッアルコアトルはまず火の雨を降らし、それを神無が風の防御魔術エア・スクリーンの改良ダブル・スクリーンで防ぐもククルカンの権能を使い四元素を司る蜥蜴、魚、禿鷹を神獣として召喚し襲い掛からせる…が神無は口では驚いた風に言うも冷静に魔術を発動させる
神無「金色の雷獣よ・地を疾く駆けよ・天に舞って踊れ」
神無は余裕にわざわざ言う必要のない聖句を出し(聖句を言う事で呪力を抑えると言うのもあるが)プラズマ・フィールドを展開し上がる極光と炸裂音、闇を切り裂く閃光、紫電の乱舞、神無を中心とした稲妻の嵐陣に蜥蜴達は焼き尽くされ、フィールド内を踊る電球に蜥蜴達は吹き飛ばされて消滅していく
ケッアルコアトル「…まさかこうも容易く私の神獣が屠られるとは…素晴らしい!君は我が兄弟テスカトリポカの様な素晴らしい呪術師なのだな!素晴らしい!まさかこの地であった魔王が私の兄弟と同じ呪術師とは!?これ以上の奇跡はあるだろうか!?いやないだろう!おお神よ!感謝します!」
ケッアルコアトルは両翼を広げ歓喜を帯びた声で叫ぶ、それにしても神(まつろわぬ神)が神に感謝するなど中々シュールである
神無「テスカトリポカて……貴方嫌いなのでは?トルテカでは妹を犯して国追われましたし…アステカでもあまり仲良くないじゃないですか?」
そうテスカトリポカとケッアルコアトルは犬猿の仲であり決して仲が良い神ではない
ケッアルコアトル「何を言う…あれはあれだよ…兄弟喧嘩と言うものだ…私にとって彼を太陽から叩き落としてジャガーに変えたのも一種の照れ隠しというやつだろう」
神無「いやどんな照れ隠し?…まあトラウィスカルパンテクートリが変化した姿のイツラコリウキはテスカトリポカの化身て言われますしね…」
ケッアルコアトルの化身トラウィスカルパンテクートリが変化した姿…太陽に敗北した姿であるイツラコリウキはテスカトリポカの化身と言われている…ケッアルコアトルの化身がテスカトリポカの化身に変わる…何故なのかは分からないが、ウイツイロポチトリとテスカトリポカもケッアルコアトルの分身という説もある、それに神話には互いに協力する話もある…ケッアルコアトルにとってテスカトリポカは世話のかかる弟のような感じなのだろう…
神無「まあいいです…これを見せる時が来たようです!描いた絵を実体化させる魔法!その名も【ガヴァドンの悪戯!】」
神無は空間からスケッチブックを取り出し、その中から一枚破いて空に投げると絵が光り出し空中から二メートル程の大きさの怪獣…二次元怪獣ガヴァドン(A)が現れる、そして大音量のいびきをかきはじめそのあまりにもうるさい騒音にケッアルコアトルは翼で耳を覆う
ケッアルコアトル「絵を実体化させるとは…それにしても煩い!」
これは昼間…宇宙線が出ている時にしか使えない魔法でかつてムシバ少年が描いたガヴァドンが実体化したように絵を実体化させる魔法だ、ガヴァドンはケッアルコアトルに突進するがケッアルコアトルは口から水圧レーザーを放ちガヴァドンを切り裂き、ガヴァドンは光の粒子となって消えた
神無「う〜ん…次のお題は…そうだな…「四つ首リントヴルム」なんてどうかな?」
すると神無は羽根ペンを取り出し空中に絵を描く、それは四つ首の蛇という不思議な絵でそれが光ると四つ首の蛇が実体化する…あえて言おう、リントヴルムの要素が一つも見つからない
ケッアルコアトル「……どこがリントヴルムなのだ?」
神無「まあそれは置いておくとして…リントヴルム!ブレス!」
するとリントヴルムは四つの首から火、水、土、風のブレスを放ちケッアルコアトルに攻撃するもケッアルコアトルは同じ四属性の火のレーザーや嵐、砂嵐に水圧レーザーで押し返していく
神無「それもそうか…まあいい、リントヴルム頑張ってね」
リントヴルムは固定砲台の様にブレスを打ち続ける、その間に神無はプラズマ・カノンを詠唱しておき詠唱済みにしておき(スペル・ストック)いつでも時間差起動(ディレイ・ブート)が出来る様にしておく
ケッアルコアトル「…中々素晴らしい…君の描いたこの竜の見た目は置いておいて、機能は素晴らしい!もっと見せてくれ!」
ケッアルコアトルは愉しげに笑い神無に次を見せてくれと急かすが…神無の姿はケッアルコアトルの視界から消えていた…と思うとケッアルコアトルの頭上から黒い物体…ケッアルコアトルは知らなかったがこれはガトリング砲という武器である、それを神無は両手で持ちその銃身をケッアルコアトルの口の中に入れる
ケッアルコアトル「ムゴガ!?」
ガガガ!とガトリング砲が回り出しケッアルコアトルの口の中に秒間百発の弾丸を打ち込む…それもただの弾丸でなくレーヴァテインと刻まれた弾丸で更に当たった瞬間に爆発する様になっており、弾丸は日緋色金(オリハルコン)出て来ているため非常に硬い…ケッアルコアトルの口の中は血塗れになり歯は砕け身体はが爆発したり撃たれた事で傷まみれになっているだろう…しかもレーヴァテインを刻むと火属性が付加させる上プラズマ・カノンを弾丸に流しガメラのプラズマ火球のように何でも燃やせるように加工してあるのだ
ケッアルコアトル「グボ…!恐ろしい武器だな…」
神無「現代科学とファンタジーのコラボ…オリハルコンは以前アフロディーテと戦った時アフロディーテが身につけていた耳飾りを耳ごと引きちぎって解析して産み出せる様にしました…時間と呪力は食いますけど…」
ケッアルコアトル「アフロディーテか…私と同じ金星神…で彼女はどうした?」
神無「権能にはなりませんでしたね…顔を燃やしたり口の中に早速出したオリハルコンの弾丸ぶち込んで殺しました」
ケッアルコアトル「……………………悪魔だな君は…」
神無「男女平等主義なので…男だろうが女だろうが子供だろうが年寄りだろうが平等に殺します」
女性に対する扱いではない…そして男女平等の意味が違う…そうツッコミたいケッアルコアトルであった……
ケッアルコアトル「だが…君がオリハルコンの弾丸を使ったお陰で…もう私にはオリハルコンは効かない…」
神無「は?」
ケッアルコアトルは意味がわからない言葉を神無にいい、神無は訳がわからなかったが…ガトリング砲を向けケッアルコアトルに乱射する…口の中ではないので際ほどと違い大した威力にならないかもしれないが…ケッアルコアトルの鱗を削り血を散らすぐらいは出来るだろうと神無は思っていたが…
神無「…あれ?ノーダメージ?なんで?」
そうケッアルコアトルはノーダメージ、全くもってダメージを食らっていなかった
ケッアルコアトル「我が化身、トラウィスカルパンテクートリは太陽に敗れイツラコリウキになったという…トラウィスカルパンテクートリは何故イツラコリウキになったのか?私はこう思う、トラウィスカルパンテクートリは太陽の攻撃を受けイツラコリウキに変化したのだと…」
神無「……それで?」
ケッアルコアトル「私は攻撃を受ける度にその攻撃に耐性をつける為変化する…先の攻撃でオリハルコンの攻撃を受け付けない体に変化させた…もうオリハルコンの攻撃は受け付けない」
神無「うわ…チートや…そんなん反側ですよ!」
ケッアルコアトル「いや…私に言われても…そういう体なのだから…仕方なかろう」
ケッアルコアトルはやれやれとばかりに首を振り翼を広げ火のレーザーに水の弾丸、地面を隆起させ大地の剣を生み出し、風の刃を無数に作り出して神無にぶつけるが神無はそれを翠玉方陣で防いだり劫火をぶつけたりして水を蒸発させ、大地の剣は縮地で避け風の刃は雷を降らせ相殺する
神無(でもどうする…?下手に攻撃するともう攻撃が効かなくなるし…倒す方法は一撃死ぐらい…でも僕は高威力の攻撃放てないし…あれ詰んでない?)
神無は必死に考えるといい方法が思い浮かばない…がここでとある方法が浮かぶ…それはケッアルコアトルの特性上一回しか効かないが試してみる価値はある為神無はすぐに聖句を唱える
神無「我は神格を奪いし竜、神格を奪われし神等神失格、我は汝の力を奪う!」
すると神無の前に剣…両刃の剣が現れる…何処と無く日本の刀の様に見えるそれはケッアルコアトルに向かって飛んでいき剣からは雷撃が放たれる
ケッアルコアトル「ムゥ…蛇殺しの雷?…だがもう効かぬ……な!?」
ケッアルコアトルはもう効かないと思ったが剣から再び雷撃が放たれるとケッアルコアトルの体が傷ついた…決っして傷つかなくなるはずの体が、だ。
神無「その効かなくなるのはトラウィスカルパンテクートリの権能があるからでしょう…ならば無くなればしょうがないですよね?」
ケッアルコアトル「無くなれば…まさか…私から神格を奪ったのか!?」
神無「ご名答…その能力はあの剣にありますよ…その剣を破壊すれば戻ってきますよ?」
神無の第三の権能の能力は相手の権能の能力を無効化し、一時的に奪うという反権能とも言うべき能力であり、今までその権能に敗れた神は自分の権能で死んでいった為…他から見れば自殺した様に見える…それがこの権能であった…とはいえ弱点も存在するが…
神無「早くしないと僕とリントヴルムがとどめを刺しちゃいますよ?」
リントヴルムと神無は弾幕を大量に放ちケッアルコアトルはそれを必死で避けるも剣撃を喰らい傷が増えていく…だがケッアルコアトルもただではやられず頭上に光る球を生み出すと一瞬光り、そして剣が溶けた…そして再び光るとリントヴルムが見えない何かに貫かれる様に真ん中がなくなり消滅した…
ケッアルコアトル「…トラウィスカルパンテクートリの権能が帰ってきたな…」
神無「不可視の太陽光線ですか?全く厄介な手を…」
ケッアルコアトルが出した光球は太陽光線を放ち物体を蒸発させているのだろう…そして再び光るが…神無は手をさっと手を出すと黒い穴が出来光線がそこを通過し光線に当たり消えたのは神無の身体では無く………
ケッアルコアトル「な………」
飛んだのはケッアルコアトルの首であった…そのままケッアルコアトルは自分が放った不可視の光線に首を刎ねられたのだった…そしてケッアルコアトルの首は地面に落ちる
ケッアルコアトル「……まさか自分の攻撃で自分が死ぬとは…滑稽極まりないな…」
神無「空間を貴方の後ろに繋げました…黒い穴を通過して貴方の背後から光線を反射すれば…貴方でも防ぎようのないはずです」
ケッアルコアトル「見事だ…さて少年尋ねるが君は何の為に君が倒した神の権能を使うのか?」
ケッアルコアトルは神無に問う…その眼は真剣そのものだった
神無「……継承した能力ですし頑張って使いこなそうとしてますよ…単純に自分だけの権能ではなく殺逆した神との繋がりでもありますからね…」
ケッアルコアトル「…そうか…なら私の権能も使いこなせるな…最後に名を…」
神無「……皇 神無…」
ケッアルコアトル「そうか神無か…では君に神の……いや其方の母パンドラの加護がありますように…生き続けるように祈っておくよ…さらば我が力の継承者よ…また私が現れた時は…その時も殺してくれることを祈って…」
神無「さようなら…ケッアルコアトル様」
ケッアルコアトル「………もしもこの願いが叶うのなら…次会った時は敵としてではなく友としてゆっくり語り合いたいものだ…」
神無「…僕も出来たらそうしたいです…ではお休みなさい…」
ケッアルコアトルは最後まで神無に敵対心を出さずに、寧ろ死の間際まで清潔な御心のまま光の粒子となって消える…神無はケッアルコアトルの権能を得た事を理解し、十字を切ってその場からゆっくりと立ち去った…
ケッアルコアトル…かっこよくしすぎたな…というか主人公の権能になった神様て皆かっこいいんですよね…勿論理由がありますよ…
さて次回登場する神は「エクスカリバー」、「赤い龍」、「円卓の騎士」という隠す気もないあの神です…ですがほぼオリジナルというより捏造ものなので注意…これだけは信じないで…そして次回キングコング 髑髏島の巨神に出てきた怪獣が登場する予定…何故か?それはとある神祖が関係している…そして物語は急展開へ…