レイオニクスウィーズ   作:暗愚魯鈍

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テストで遅れてすみませんでした!そして英語死にました…これから遅れを取り戻すよう頑張ります!

さて今回は最後の方にウルトラファンやそうじゃないかも知る特撮関係者が出てきますよ…そして怪獣(そのままとは言ってない)も登場そしてオリ異能者も出てきます!…著作権大丈夫かな?


第五十八話鏡花の入社試験

鏡花が目を開けると目の前には天井が広がっていた

 

鏡花「…久しぶりに嗅いだ…畳でこんな匂いだったんだ…」

 

ムクと起き上がった鏡花はまず自分が何故こんな所で寝ているから思い出す

 

鏡花「確か…泊まってくように言われたんだけ…そう言えば右手は…?」

 

鏡花は昨日狼の腕になっていた右手を見るが人間の手であった為、ホッと息をつく

 

鏡花「…久しぶりの天井…「ピローロロ!ピローロロ!」て何?!電話!?え?!」

 

鏡花の枕元に置いてあったウサギのストラップが付いた携帯電話(恐らく神無が置いていったであろう)を手に取り電話に出ようとするが

 

鏡花「え!?どのボタン落とすの!?え、これ!?違う?!えっと…これ!」

 

鏡花はようやく通話に繋がり電話に出てきたのは

 

神無「やあおはよう、眠れたかな?」

 

鏡花「!…えっと皇さん…」

 

神無「僕としては呼び捨てでも構わないのだけどねぇ…でそこの旅館はどうだい?」

 

鏡花「はい!野宿と比べれば王宮です!」

 

神無「それは良かった…だけど済まないね…実はね…今僕は大変な事態なのだよ」

 

鏡花「…はい?」

 

鏡花は少し顔を強張らせる…

 

神無「もう既に宿代払ってあるからすぐに指定する場所に来て欲しい…君しか頼れる人がいないのだよ…」

 

鏡花「私…だけが?」

 

鏡花は少し顔を赤く染め、すぐに着替えをして旅館をチェックアウトし、神無に言われた通りの場所に移動する

 

神無「もう指定の場所付いたかね…じゃあ曲がってすぐにある空き地を見てくれたまえ」

 

鏡花「はい!…て…え!?」

 

鏡花が見たものはドラム缶に挟まった神無だった

 

鏡花「何ですこれ?」

 

神無「何だと思う?」

 

鏡花「朝の幻覚…まさか敵の罠にはまったとか?!」

 

鏡花は神無の姿を見てそう答えるが神無の答えは

 

神無「自分で入った」

 

鏡花「はぁ!?」

 

神無「何ね?ドラム缶に入って自殺する方法があると聞き試して見たのだが…苦しいばかりで一向に死ぬ気配がなく…自力で出れないので死にそう」

 

鏡花「…でもそれなら自殺出来るのでは?」

 

神無「苦しいのは誰でも嫌だろう?それにこれは自殺方ではなく拷問方だった…「えい」のだよおぉぉぉぉ!!?」

 

鏡花はドラム缶を押し倒しドラム缶は倒れて回転し壁にぶつかり神無が出てくる…そんな神無を見て溜息つく鏡花

 

神無「…あぁ…やっと出られた…助かったよ本当」

 

鏡花「他の人に頼めば良かったのでは?」

 

神無「皆今忙しいだってさ…どう思う僕ボスなのに…」

 

鏡花はアハハと笑うことしかできない

 

神無「全く神殺しや異能者て連中は僕を含めてどこか心が歪だ…」

 

鏡花「あ、その…以前話してくれたポートマフィアに入るという件ですが…」

 

鏡花は神無がポートマフィアに入らないかといった件のことを話し出し頭を下げる

 

鏡花「……申し訳ありませんがお断りさせていただきます…私は異能力を使いこなせませんし…あの狼の姿にも自分では変身できないんですから…」

 

そういって神無に頭を下げる鏡花

 

神無「…まあ別に強制でないが…他に行くあてが…?」

 

鏡花「ないですし…見つからないでしょうけど…頑張って見ます…」

 

鏡花は恥ずかしげにいうが神無は少し考えるように首をひねり言葉を出す

 

神無「…ポートマフィアじゃなくとも働ける場所があるよ?」

 

鏡花「!?本当ですか!?」

 

鏡花が神無の話に飛びつく

 

神無「ああ……もう時期ラヴクラフト達が来るから合流してから行こうか」

 

鏡花「はい!「おぉお熱いねお二人さん」て乱歩さん!」

 

乱歩とラヴクラフトが歩いてきて鏡花をからかう乱歩、サッと顔を赤く染める鏡花

 

神無「…別に熱くないけど?」

 

乱歩「いやボスはもうちょっと理解しようよ…」

 

乱歩は神無に向かって呆れて溜息を出す…

 

神無「まあまずはあの日本の魔王…ええっと何 護堂だっけ?まあいいや、彼の所へ行こう…迷惑をかけたし…」

 

神無「じゃあ今から転移するから…」

 

パシンと手を叩くと即座に転移し護堂の家近くに転移する

 

鏡花「凄い!」

 

乱歩「これくらいで驚いてちゃあダメだよ?この人の魔術これでもまだ序の口だし…」

 

乱歩が鏡花に驚かないようにいうが、当の本人は魔術の凄さに目を輝かせぱなしで神無は護堂の家まで歩く

 

神無「え〜と…ここであってるよね…?ん?」

 

神無は護堂の家に着くと護堂とエリカ達が居た…前もってエリカに連絡していた神無はそれに驚いたのではなく…護堂に纏わり付いている小学生とその様子を見て慌てふためく中学生くらいの女性…

 

神無「おはよう護堂君、誰だいその子達?」

 

護堂「!タイミングの悪い所で!?」

 

護堂は「この人タイミング悪すぎるだろ!」みたいな目で神無を見つめ、女性も「最悪のタイミングで…」と言った目で見つめる…すると小学生が絡んで来る

 

小学生「あんたが皇 神無ね!」

 

乱歩「何だい君?失礼じゃないか」

 

小学生が神無のことを呼び捨てし乱歩がそれを咎める

 

小学生「煩いわね!護堂さんから聞いたわよ!貴方がここに来るて!そうでしょう!この極悪非道のカンピオーネ!」

 

この小学生はカンピオーネを知っている…その近くにいた中学生もビクとしている事から護堂の関係者だろう…つまり

 

神無「…僕に喧嘩を売っているのか?」

 

神無は警告を促すように軽く怒気を含めた言葉を放つが

 

小学生「何よあんた!生意気よ!」

 

彼女はそれに気づかず偉っそうに言うがそれを聞いたラヴクラフトが神無にボソと言う…

 

ラヴクラフト「…こいつらは…殺すのか?…」

 

別に大声でもいったわけでも殺気を込めていったわけでも無い…ただその声があまりにも機械のように無機質すぎて神無と乱歩以外全員が背筋が凍る

 

神無「はぁ…仕方ない…これを使おう」

 

すると神無は本を取り出し小学生に質問する

 

神無「君は誰、何をしにきた」

 

そう質問した後神無は本を見る…そして喋る

 

神無「…連城冬姫…カンピオーネの情報をあやふやに聞きここに来たと…で日本の魔王たる護堂君の所に親友のさくらと共に文句をつけに来て偶然護堂が他のカンピオーネを待っていると聞き懲らしめようとしに来たのか」

 

冬姫「!?何でそれを?!」

 

乱歩「ボスの魔術の一つ「いどのえにっき」相手の表層意識を読み取る魔術…本来は名前を知らないといけない魔術らしいけど…魔術「鬼神の童謡」で名前を知り魔術「読み上げ耳」で文字を具現化するから便利な魔術だよね〜」

 

と乱歩は魔術の正体を教えてしまうがよく考えれば恐ろしい…たとえ相手がどんなに対策を張ろうともそれごと覆せる魔術だからだ…故に罠など不要、小細工が通用しない

 

さくら「…護堂君は何でこんなのと待ち合わせしてるんですか!?」

 

護堂「エリカから電話でこないだの詫びをしたいからて言われて待ってたのをお前らが来たんだよ!」

 

護堂の渾身のツッコミが辺りに響く…防音魔術と隠蔽魔術を発動しているから周り聞こえないが…

 

さくら「あ、私は「いや言わなくていい」へ?」

 

さくらが自己紹介をしようとするが乱歩がそれを止め眼鏡を取り出しす

 

乱歩「僕の異能を見せよう…異能力「超推理」」

 

乱歩は眼鏡をかける…他から見ればそうしか見えない…が乱歩は何か分かったのかさくらに言う

 

乱歩「…君はそこにいる草薙王のはとこでそこにいる冬姫の親友、冬姫に呪術を教わり無理矢理連れてこられて、基本はお人好し、それでそこにいる冬姫は呪力が溜め込められない体質で身長が低いのがコンプレックスと…まあこんな程度かな?」

 

さくら「…当たってる…」

 

護堂「あんたは超能力者か?」

 

唖然とする一同に対し乱歩は偉っそうに答える

 

乱歩「当然の事だ!僕は世界一の名探偵江戸川乱歩なのだから!何せ僕の異能「超推理」はあらゆる謎が解けるのだから!」

 

と乱歩は自信満々に答える…それを聞いたエリカが護堂の耳元で囁く

 

エリカ「…聞いたことがあるわね…どんな難事件でも解いてしまう探偵の事…彼の異能の前では迷宮入りの事件でも即座に解決する世界中の犯罪者に喧嘩を売るような異能ね」

 

護堂「…こっちの方がカンピオーネて言われても信じそうだな…で何しにここに来たんだ?」

 

神無「おっとすまない…石ころの所為で忘れる所だった……」

 

「誰が石ころよ!」と叫ぶ冬姫を横目に神無は護堂に頭を下げる

 

神無「僕の所為で君に迷惑をかけたかもしれない…実際日本に魔王が二人来て正史編纂委員会も大混乱だろうし…本当に済まない」

 

護堂「え!?いや…あんたが居なかったらあの少女も救えなかったかも知れないから…だから助かったよ…」

 

護堂は魔王が頭を下げたことに驚くが自分も神無が居なかったら助けられなかった為必死に頭を上げるように言う

 

神無「…じゃあ謝ったし許してもらったから帰ると「待ちなさい!」…まだあるのか?」

 

神無は呆れた目で冬姫を見つめる

 

冬姫「あんたて人を十万人以上殺したんでしょ!?最低よあんた!」

 

神無「……別にいいじゃないか人間を殺したて…死んでいい人間なんだから…」

 

そう神無は言う、悪びれることもなく護堂はその言葉を聞いて軽くゾッとした

 

冬姫「あんた…もういいわ!護堂さんこんな屑殺しなさい!」

 

冬姫は怒り護堂に命令するが護堂はこれでも平和主義者(笑)そんな命令を聞かなかった

 

冬姫「そこの貴女も護堂さんみたいに妾にされそうなんでしょ!助けてあげるからこっちにおいで!」

 

護堂「待ってくれ!俺は色好みの魔王じゃない!百歩譲ってエリカ達が恋人てなら分からなくもないがそれだけは納得いかない!」

 

鏡花「違います!私は仕事を紹介…」

 

冬姫「そんな奴なんか紹介した仕事なんて汚れ仕事よ!」

 

護堂は等々エリカが恋人みたいな関係でいいといい、鏡花も自らが頼んだ事というが冬姫は聞く耳を持たない

 

乱歩「君なんてこと言うんだ!まあそれに近いが…それにポートマフィアには僕と言う民草の崇敬を集め「こんな所におったか乱歩!この自称名探偵(笑)がぁ!」ぐおお!?」

 

乱歩が冬姫に抗議しようとすると乱歩の後ろから眼鏡をかけた男性が怒声をあげ乱歩が一歩下がる…男の名は国木田 独歩…能力名 独歩吟客

 

乱歩「…今のあだ名傷ついたよ…国木田…」

 

国木田「何が民草の崇敬を集めるだ!?お前が浴びているのは文句と苦情と呪いの電話だ!」

 

鏡花達は何が起こっているか分からず放心しているが神無とラヴクラフトはまたかと溜息を零す、

 

乱歩「えぇ〜?僕がいつそんな電話を…」

 

国木田「八月某日…ウチの畑におたくの同僚さんが埋まってたんじゃがおたくの同僚さんかのう?、八月某日…ウチの飲み代を払ってください〜半年分ですぅ〜!」

 

国木田は農家の男性口調と飲み屋の女性口調をうまく使いこなせていた…乱歩はそれを聞いただけでガクンと項垂れる

 

乱歩「そんな…国木田君がそんなに物真似が上手いなんて「ウオゥラァァ!」あれれ?」

 

国木田は「人を馬鹿にしやがって!」とブンブン乱歩を振り回す…それを見てどうしたらいいかわからない一同を尻目に国木田が神無に急いで言う

 

国木田「は!馬鹿に構って忘れる所だった!ボス大変です!アジトが何者かにバレ人質を取られました!」

 

乱歩「な!…そんな大変なことを何故早く言わない!」

 

国木田「お前が邪魔したからだ!」

 

国木田は乱歩を放り投げ乱歩は壁にぶつかる

 

鏡花「て、そんな事よりも早く行かないと!」

 

何故かあまり関係ない鏡花が焦る、神無は指を鳴らしてそのアジト…と言っても日本にしばらくいるために借りた建物に魔術で護堂達ごと移動する

 

神無「そう言えば…織田作やジイド達なら対処できるじゃん?」

 

神無は国木田に尋ねるが国木田は申し訳ないように目を背ける

 

国木田「織田作さんはカレーを食いにいきました…アガサはスタバに、ドストエフスキーは貧血で倒れ、フィッツジェラルドはポケモンGO、尾崎の姐さんは昼寝、安吾は狭いロッカーに入って喜び、鴎外先生は…ロリコンです」

 

鏡花「一応聞きますけど…その人達は働く気あるんですか?特に最後の二人」

 

鏡花はジト目になりながらもポートマフィアは大丈夫なのか?と思う

 

国木田「……普通ならとっくの前に首にしている…」

 

国木田はため息を出しながら建物に入っていく、手前にエレベーターがあったが犯人に気づかれぬように階段で上がっていく

 

国木田「…ここです…ゆっくり入ってください…」

 

国木田がそっと開けた扉から侵入し神無達が入るのだが…冬姫や護堂達もいるので隠れるのが大変だ…魔術がなければとっくに見つかっている…奥を見ると何かのスイッチを持った銀髪の男が縄で縛った女性を人質にしていた

 

謎の男「おい!ここの首領を呼べ!こいつがどうなってもいいのか?!」

 

男はそう怒鳴り女性の首に銃を突きつける

 

鏡花「あの女性は?」

 

乱歩「アルバイトの人だね」

 

護堂「魔王がアルバイト雇うの!?」

 

護堂はアルバイトがいることに驚きだが人質がいるのでは迂闊に行動できない…そこで冬姫が口を開く

 

冬姫「あんた達の能力で助ければいいじゃ無い!」

 

そう軽く言うが

 

神無「馬鹿か君は?僕の権能だと彼女を傷つける可能性があり、ええっと…桐ヶ谷和人君だっけ?も、強い権能だからね…」

 

護堂「違う!俺は草薙 護堂だ!?何だその桐ヶ谷て?!」

 

護堂は名前を間違われたことに怒る

 

神無「すまない…君の名前て…覚えづらいんだよ」

 

護堂「覚えやすいよ!?少なくともプロメテウス・ロマネコンティやシトリー・カートライトよりは覚えやすいて自覚してるよ!」

 

神無「…覚えにくいな…春日アラタでいいかな?」

 

恵那「駄目だと思うよ?」

 

鏡花「………人質は!?」

 

鏡花は大声で人質の心配をするが…

 

乱歩「煩いよ!」

 

ラヴクラフト「…五月蝿い…」

 

鏡花「…ごめんなさい…」

 

逆に怒られた…

 

国木田「…ならここは…」

 

乱歩「…そうだね…」

 

二人の真面目な顔に何か策があるんだな…と全員考えたところで…2人はジャンケンをした

 

エリカ「…え?」

 

結果は乱歩の勝ち…乱歩はクネクネ変な踊りをしながら国木田を挑発し、国木田は怒りを抑えながら爆弾魔に近づく

 

国木田「おい、まずは落ち着け」

 

謎の男「!?動くな!お前は国木田独歩だな…あの嫌味な能力を使う気か!そこの机に四つん這いになっていろ…この女がどうなってもいいのか?!」

 

女は女の首を掴みそれを見た国木田はこちらからは見えないが凄まじい殺気を感じたが…机に四つん這いになった

 

乱歩「…あの爆弾…高性能爆薬か…この建物ぐらい吹き飛ばすね…まあ何かあの爆弾を覆うものがあれば爆風は弱められるが…」

 

鏡花「あれ?私達も道連れ?」

 

さくら「…本当に来なければ良かった…」

 

乱歩「不味いな…ここに恨みがある上に僕達の事は調査済みか…」

 

神無「…なら僕の部下じゃ無い人を出せばいい…てなわけで…ええっと…星宮いちご…ちゃんだけ?君…」

 

鏡花「嫌です、後私の名前は京極 鏡花です」

 

鏡花は即答する、そして即座に間違いを訂正する

 

神無「まだ何も言ってないんだけど…まあいいや、君が説得しに行ってくれ」

 

鏡花「ほら!やっぱり言うんじゃないですか!?嫌ですよ!」

 

鏡花は首を振るが…

 

ラヴクラフト「…良いのか?…助けたら良い仕事の紹介の時有利に…」

 

鏡花「任せて下さい!」

 

鏡花のあまりの早変わりに護堂達は転ける

 

神無「じゃあこれ持って」

 

神無は大量の新聞紙を鏡花に渡す

 

 

鏡花「や、や、やめて下さい!」

 

男「ああ!?」

 

鏡花はガクガク震えながら爆弾魔に話しかける

 

鏡花「あの、えっと…その…貴方の親御さんが…泣いてますよ…」

 

男「誰だお前は!」

 

鏡花「ヒィィィィ…すみません…ごめんなさい…」

 

鏡花は男の剣幕に怯え後ろに倒れ尻餅をつきながら謝る…鏡花は心の中で何してるんだろ?と思う

 

乱歩「良い駄目人間ぷりだね」

 

神無「演技の才能あるな…」

 

この駄目人間共(神無と乱歩)が絶賛する程の演技(ただの怯え)を見せる鏡花

 

鏡花「み…見ての通り通りすがりの新聞配達です…あの…人質とか…爆弾とか…よくないと思うんです…生きていれば良いことがありますよ…きっと…」

 

男「良いことだと…!それはどういったものだ!?」

 

鏡花「う!?」

 

国木田(……まさか…見切り発車じゃ…ないよな?)

 

国木田は何も考えてないのかと不安がるが…

 

鏡花「ちゃ……ゆ……」

 

男「ちゃ?ゆ?」

 

鏡花「ちゃ…茶漬けと湯豆腐が食える!」

 

ガクッ!隠れている護堂達や乱歩、人質の女性はおろか爆弾魔や国木田でさえガクッとなる

 

鏡花「天井のある部屋で寝られる!寝て起きたら朝が来る!…でも…」

 

男「…う!?」

 

鏡花「爆発したら…私も貴方も朝が来ない…だって死んじゃうから?」

 

男「そんなことわかってる!」

 

男の発言を聞いた鏡花は「ええええ!?」と鏡花は仰天しガクガクと体を震えさせ男に言う…

 

鏡花「辞めた方がいいと思う…だって死んじゃったら…死んじゃうんだよ?」

 

鏡花「だから私は辞めといた方がいいと思う…世の中にはもっと不幸な人間が…例えば私!」

 

キッと両目を開かせ男を見つめる

 

鏡花「両親からは幼い頃から相手にされず屋敷の人間からは冷たく…石を投げられる日々…食べ物も台所からくすねる日々…そして家を追い出され…生きる希望もない…」

 

鏡花(それに狼に変身するし…なんなの私の人生…?)

 

そう言いたいことを言い切った後鏡花は付き物を落としたかの様に大声で喋る

 

鏡花「ええ、そうですよ!私はどうせ社会のゴミです!そんな私だけど……頑張って生きてるんだ!」

 

男はあまりの大音量に耳を塞ぎたくなるがその前に鏡花が男の顔面直前に近寄り男は更にギョとする

 

鏡花「だから私と一緒に仕事探しましょう!ね!」

 

男「いや、俺は仕事を探しているわけでは…」

 

鏡花は既に新聞配達の仕事の設定を忘れている様だ…その瞬間に乱歩が叫ぶ

 

乱歩「未だ国木田!」

 

国木田「言わずともわかっている!独歩吟客!鉄線銃(ワイヤーガン)」

 

国木田は一瞬で手帳にワイヤーガンと書き記しその項を破るとそのページがワイヤーガンに変幻し男が持っている爆弾のスイッチを奪い取る

 

俺「しまった!」

 

乱歩「確保だ!」

 

国木田「だからわかっとるわぁ!」

 

国木田は男を投げ飛ばし地面に拘束する

 

エリカ「…体術使いの様ね…あの異能は補助的で武器は体術がメインの様ね…」

 

エリカが冷静に国木田のことを分析する

 

乱歩「一丁上がり!」

 

国木田「……何が一丁上がりだ!何が…貴様は何もしとらんだろうが!」

 

乱歩「しょうがないじゃないか…国木田はジャンケンで負けたのだから…ねぇ今どんな気持ち?」

 

国木田「…ぶっ殺してぇ…」

 

国木田は乱歩を睨みつける

 

乱歩「ほらカリカリしない…神経質になり過ぎるとシワが増えて老化が進むよ?」

 

国木田「何!?それは本当か!?」

 

乱歩「ほらメモメモ」

 

国木田は乱歩に言われた事を手帳にメモする

 

乱歩「嘘だけど…「ドラァ!」アレェ!?」

 

国木田が乱歩を蹴飛ばし乱歩は壁にぶつかる

 

国木田「貴様ぁ!人を愚弄するのもいい加減にせんか!」

 

すると地面に倒れた男は国木田の手に握られた爆発のスイッチを奪い取る

 

男「お前もな!」

 

国木田「!?しまった!?」

 

男「…本当に異能力者て言うのは…心が歪だ…」

 

男は爆弾のスイッチを押し爆弾が起動する、国木田が止めようとするが爆弾魔に邪魔をされる

 

鏡花「後三十秒で爆発!?」

 

自分以外誰も動けない…かといって鏡花に爆弾を解除する方法もない…そんな鏡花の脳裏に乱歩の言葉が蘇る

 

乱歩「まあ何かあの爆弾を覆うものがあれば爆風は弱められるが…」

 

その言葉を思い出すと鏡花は人質の女性を乱歩の方に突き飛ばす

 

乱歩「うぉっとと…重た…!?君何してんの!?」

 

乱歩は女性を受け止め、鏡花の方を見ると鏡花は爆弾を自分の下に抱え込んだ

 

鏡花「あれ私何して…?」

 

神無「莫迦!」

 

鏡花も無自覚でやった様だが…鏡花は自分の死を確信し目を閉じる…そして爆弾の表示がゼロになる

 

鏡花「あれ?」

 

だが爆発しない…爆弾もゼロになっているのに何故か爆発しない

 

男「大丈夫か?」

 

鏡花「ええ………何で貴方が!?」

 

助け起こそうとした男は先の爆弾魔だった

 

神無「おい【ジイド】、まだ試験終了と言ってないぞ?」

 

ジイド「済まないなボス…だが無事終わりだろう?もう演技をするはあるまい?」

 

鏡花「……はぁ?」

 

鏡花が何事が起こっているか理解できないでいると…

 

国木田「信子ぉぉぉ!!無事だったか!」

 

信子「!?あの国木田様!?人目が!?」

 

国木田は先程人質になっていた女性…佐々木信子に抱きつく…それを見て余計混乱していた…だが一つ分かった事がある

 

鏡花「…アルバイトさんもグルで事ですか?」

 

神無「正解、彼女は国木田の奥さんだよ」

 

信子「すみませんお騒がせして…国木田様の妻の国木田 信子と申します…」

 

国木田 信子…能力名 或る女

 

ジイド「済まないな…驚かしてしまって…乃公(おれ)はジイド…アンドレ・ジイドだ」

 

銀色の髪をした男性…アンドレ・ジイドが優しく語りかける…能力名 狭き門

 

国木田「そう言えば…お前ら…俺の信子に触れたよな?何故だ?」

 

ジイド・乱歩「う…」

 

国木田は乱歩達に目を向ける…

 

国木田「なあ何故だ?何故俺の信子に触れた?何だ信子を寝取るつもりか?……殺すぞ?」

 

ジイド「誤解だ!俺達は信子殿には手を出さん!」

 

国木田「それは信子に魅力がないとでも?…殺すぞ?」

 

国木田の顔は笑っていないし目も笑ってない…と言うか光がない

 

乱歩「……逃げろ!」

 

乱歩達はすぐに逃げていき国木田はそれを無言で追いかけ銃声と叫び声が聞こえる

 

リリアナ「もしかして…あの男は…?」

 

信子「……すみません…国木田様はヤンデレでして…」

 

護堂「…ここにはマトモな奴がいないのか?」

 

護堂が溜息を出す

 

鏡花「…あの…試験て?一体」

 

神無「え?君の入社試験だけど?」

 

神無はさも当たり前の様に言う

 

鏡花「え!?でも私入らないて…」

 

神無「あ…無理だよ?君異能者はなかなか就職出来ないし…最悪異能の研究のモルモットか、良くて組織の殺し屋になるかぐらいだよ?」

 

鏡花はその言葉を聞いてゾッとする…だが、と神無が言葉を続ける

 

神無「ここに入ればそういった輩は寄り付かないし時給もいい…仕事も楽なものだ…それに他の部下もサポートする」

 

鏡花「…でも良いんですか?私足手まといになるかも…」

 

神無「まあ確かに足手まといかもね」

 

そこは否定しろよ…護堂達はそう思った…がそれでも神無は言葉を続ける

 

神無「それでも…まあ…いないよりマシだろう…ほらウルティメイトフォースゼロのピグモン的ポジションだよ…マスコットキャラ見たいな…いややっぱり無しだ…マスコットはガタノゾーア一択」

 

ジイド「そうだ…最初は誰でも素人だよ…ならばこれから玄人にならば良い…」

 

鏡花「無事だったんですね…でも大丈夫ですか?」

 

ジイドは手から血を流しながらかっこいい事をいう

 

ジイド「安心しろ…ゴム弾だ…まあ死なないけど死ぬほど痛いがな…」

 

ジイドは遠い目で外を眺める、何時もの事なのか誰も心配しない

 

神無「改めて言うけど…ようこそポートマフィアへ」

 

鏡花「………はい!」

 

神無の握手に応じる鏡花、普通ならここに口を挟むものなどいなそうなものだが…冬姫が割って入ろうとしたのを護堂が止める

 

護堂「待て待て!?」

 

冬姫「離しなさい!あの人殺しの下に置くことなんて出来ないわ!十万人殺したのよ!」

 

冬姫が鏡花の入社を善意(と言う名の悪意)で止めようとするがそれをラヴクラフトが止めに入る

 

ラヴクラフト「…落ち着け…そもそも…その十万人…とは…死んで良い連中の事だ…」

 

エリカ「そうよ、だから馬鹿は嫌いなのよ…ねぇリリー」

 

リリアナ「そうだな…殺されたのは悪名高いハンニバル王の手先や外道魔術師、犯罪者などが多い…それでも一般人も多いがその大半が猫や犬などの動物の虐待者や自然破壊をした連中…中には不良などもいるが…どれも社会に不要な奴らばかり…だからと言って殺していい理由にはならないが…」

 

神無が殺したのは悪質な連中ばかり…動物の命を大事にしないもの、自然を破壊する阿呆が多い…それを知らないで一方的な理由で喧嘩を売っていたのは冬姫だった

 

ラヴクラフト「……まあ…君にも…呪力がないとか…悩みが…あるだろう…そこでだ…鴎外君を…呼んできた…」

 

冬姫「誰よそれ…」

 

すると扉が開き黒いコートを着た中年の男性が入ってくる

 

鴎外「彼女が患者かな?ラヴクラフト君?」

 

彼の名はポートマフィアの専属医兼副首領の森 鴎外…能力名 ヰタ・セクスアリス

 

冬姫「何よあん…「はいはいオペの時間です」ちょ!?」

 

鴎外は冬姫を掴み隣の部屋に入る…そして手術室に拘束し鴎外は鉈を取り出す

 

冬姫「……その鉈何?」

 

鴎外「……手術に使う」

 

冬姫「ちょ待って…まてそこ切らない…ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!????」

 

冬姫の断末魔(死んでいない)が聞こえたと思ったら冬姫が手術室から蕩けた顔で出てきてさくらにこう言う

 

冬姫「さくら…私呪力が溜め込めない体質が治ったよ」

 

「「「何があったぁぁぁぁぁ!!?」」」

 

護堂達は先程の断末魔から蕩けた顔になった理由と体質が治った理由が分からず大パニック…それを見た鴎外はテヘと舌を出す…すぐに金髪の幼女が鴎外にドロップキックをした際鴎外は「酷いよエリスちゃん!?」と泣いていた

 

 

 

一方その頃とある裏路地で…

 

呪術師「グァァァァァ!!?」

 

シートン「…詰まらん」

 

正史編纂委員会に所属している呪術師が数人死んだ…先程死んだ男の首を絞めているのは筋肉ムキムキの男…その名はアーネスト・トンプソン・シートン…能力名 勝利を得た狼

 

八雲「アンビリーバボ!流石はシートン殿ですネ!」

 

そんな英語混じりの日本語を喋る外国人の名は小泉 八雲…能力名 怪談

 

アウルム「ありがとうございますお客様…我々がいるところを見られると厄介ですからね…おっと金城様これが今回のブツです」

 

そう言うのは昆虫のような姿をした怪人…宇宙人…宇宙商人 マーキンド星人アウルムはケースの中から怪獣のソフビ…スパークドールズを出し金城と言った男性に渡す

 

哲夫「ありがとう」

 

アウルム「いえいえいつもご贔屓にしてもらってますから…では」

 

アウルムはテレポートで消え、手に持ったスパークドールズを哲夫は静かに見ていた…金城 哲夫…能力名 超人X

 

泰三「で如何します三幹部の皆様方…あの魔王は…」

 

そう呼びかけた男の名は小林 泰三…能力名 マウンテンピーナッツ

 

哲夫「…何もう手は考えている…アギラ…いやアキ」

 

アキ「うん、御主人様もう手筈は済んでるよ、僕達に任せてよ…」

 

そう返事をしたのは彼の異能の一つ…否1人アギラの人間体 宮下 アキ

 

哲夫「…さて…見せてもらおうか貴方の力を…皇王そして若き魔王よ…」

 

そう言ってその場にいた哲夫達は風が吹くとその場から消えていた

 

 

 




…一万字超えた…でも長すぎたな…さて今回出てきたオリキャラは言わずもがな特撮ファンなら誰でも知っている金城哲夫さんとあのマウンテンピーナッツの作者小林泰三さん!お二人の異能名は金城哲夫の幻の作品超人Xから、小林さんのウルトラマンの小説マウンテンピーナッツからです…後はシートンはシートン動物記の作品の一つ勝利を得た狼から、小泉八雲は代表作怪談より…

さて次回は漸く怪獣が出てきますよ…怪獣が出てこないとウルトラマンらしくないですからね…後国木田さんがヤンデレなのは実際の国木田独歩さんは信子さんの告白の際に自分の喉に短刀を向けながら「お前と結婚出来ないなら死んでやる!」と言ったからです…元祖ヤンデレじゃないでしょうか…ではまた次回

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