レイオニクスウィーズ   作:暗愚魯鈍

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さて今回はホロボロス戦とまつろわぬ神戦です、さてこの神はどこの神話の神なのか?分かるかな?

今回も無駄に長い、中途半端…しっかりしろ自分…情けのない奴め(自分のことです)


八十五話混沌の蛇

「さあ神殺しよ!心踊る戦いを始めようぞ!我は軍神!訳あって名は名乗れぬが我はそこらのまつろわぬ神と違うぞ!心してかかれ!」

 

神無「……蛇で鋼…明けの明星、それに嵐を起こしたことから嵐神………ややこしい神格だな……どの神様か分からないがまあ戦えばわかるか…」

 

蛇のまつろわぬ神と神無は笑顔で戦いを望んでいる…がここには戦いを望んでいない怪獣がいた…

 

ーーークオオオオォォォォォォォンンンッ………………ーーー

 

ホロボロスは恐怖の余り既に縮まっており戦えそうにない…がそれを見た蛇は情けないといった表情でホロボロスを見つめる

 

「何だ…恐怖で動けぬのか…情けない…しょうがない…手助けしてやろう!」

 

蛇はそう言うとジロリとホロボロスを睨みつける…するとホロボロスの顔から恐怖がなくなり目が赤く充血し大声で咆哮をあげる

 

ーーークオオオオォォォォォォォンンンッ!!!!!!!!!ーーー

 

鏡花「さっきと一変してる…これがあの神の権能…戦いの神の権能で闘争本能を最大限まで高めてる…しかも狂う程まで…」

 

「ほう!娘よ、よく分かったな!我は軍神!人間や獣の闘争本能を高め恐怖で怯えるものでも無理やり戦わせることが出来る!さあ獣よ我と戦おうではないか!」

 

蛇はそう言うとホロボロスが飛びかかろうとするが…

 

神無「そうはさせない」

 

ーーーグエアゥエエエエ!ーーー

 

ーーークキャアアアアアァァァァ!ーーー

 

ーーークオオオオォォォォォォォンンンッ!?ーーー

 

神無はいち早くギガダークナイザーからグルジオボーンとグエバッサーを召喚しホロボロスを攻撃して吹き飛ばす、ホロボロスはいきなり現れた二体に驚くが狂気的なまで闘争本能を刺激された今獲物が現れたことを好ましく思い二体に突進していく

 

ーーークキャアアアアアァァァァ!ーーー

 

ーーーグエアゥエエエエ!ーーー

 

グルジオボーンは百万度の高熱火炎「ボーンブレスター」を放ち、グエバッサーは「バサバッサー」で秒速九十メートル以上の暴風を放ちボーンブレスターの威力を上げホロボロスにぶつけるがホロボロスはそれを耐えきると跳躍し、空中で前転して尻尾で敵を叩き落とすメガンテクラッシャーでグルジオボーンを攻撃する

 

ーーークキャアアアアアァァァァ!?ーーー

 

ーーークオオオオォォォォォォォンンンッ!ーーー

 

ホロボロスは叫び声を上げると白鯨の甲板を縦横無尽に駆け巡りグエバッサーは甲板にいては危険だと空へ向かって飛翔しホロボロスが何処にいるか空から見て起爆性のある羽根を無数に飛ばしホロボロスを攻撃する

 

ーーークオオオオォォォォォォォンンンッ!ーーー

 

だがホロボロスには一切通じず跳躍し空にいるグエバッサーの所まで飛ぶがグエバッサーはヒラリと身を翻して避ける

 

「おお!貴様はあの様な眷属を従えているのか!ふむ王たる者は臣下を従えねばならぬからな!うむ気に入ったぞ!名を名乗るがいい羅刹の君よ!」

 

神無「皇 神無…」

 

「そうか神無か!我は名を名乗れぬが他の者からは混沌の蛇と言われている!混沌とでも言うがいい!」

 

そう言って蛇…混沌は嵐を操り落雷を落とし、ウォッターカッターとでも言う別水圧のレーザーを、人を切り裂ける風の刃を発生させ全て神無に放つ

 

神無「嵐神て本当面倒くさい…風とか雷、雨全ての属性が使えるから…」

 

そう言いつつも翠玉方陣(エメラルド・サークル)五重奏(クインテット)で全ての攻撃を防ぐ

 

耶倶矢「ねえちょっと!?あれ何!?でっかい蛇が空飛んでるんですけど!?後あそこの鳥と骨と獣は何!?」

 

神無「……まつろわぬ神と怪獣ですけど?」

 

夕弦「初耳、そんなご存知みたいに言わないでください…初めて聞いた言葉なのですが」

 

耶倶矢と夕弦は当然まつろわぬ神や怪獣に会ったことがないため知らなかった、二人は当然色々聞いてくるが神無は全て無視した、混沌の蛇に意識を戻し権能の魔術で攻撃する

 

神無「弩」

 

周囲に巨大な翼とも華とも言えぬ、不気味で得体の知れない紋様が広がり十本の矢を放つ…矢と言ってもその性質を言葉で表すことは難しい、宇宙の端々までガイドレールを設けて永遠に一直線に加速を続ける超長大レールガン、もしくは粒子に干渉し、世界の法則では説明ぬ大破壊を起こす特異点兵器とも言える魔術…決して撃ち落せないと言われる魔術だが…それを混沌は尻尾で全て打ち消した

 

混沌の蛇「おお!凄かったぞ今のは痛かった!素晴らしい魔術だ!我が息子や我が怨敵に勝る魔術の使い手だな!」

 

神無「……あの攻撃を尻尾で防ぐとか…一応下手な権能の一撃並みなんだけどな…」

 

神無はそう言いながらも無数の銃器を空中に浮かべ混沌の蛇に向かって一斉放射する…それぞれにレーヴァテインを刻んでいる灼熱の弾丸であり弓の歌とダヴィデの言霊、ゴルゴダの言霊を付加している神を殺す弾丸の嵐が混沌の蛇を襲うが

 

混沌の蛇「神を傷つける言霊や秘術、呪詛を付加された小さい鉄の塊か…だがその程度では我は殺せぬ!」

 

混沌の蛇はそう言うと砂嵐を起こし弾丸を包み込み弾丸を砂で破壊、そのまま砂嵐が神無達に向かって飛んでくる…それは砂鉄も含まれておりこのまま神無達に当たれば肉片残らず擦り下ろされるだろう

 

神無「シルフの吐息、サラマンダーの吐息」

 

神無は膨大な大気の奔流を竜巻と強力な全てを焼き尽くす大火を放ち砂嵐を相殺する

 

耶倶矢「はぁぁぁ!?何あれ!?あいつもあの蛇も化け物過ぎでしょ!?」

 

夕弦「驚嘆、驚きを通り越して引きます」

 

鏡花「同意です…化け物ですよね本当」

 

神無「おいお前ら…怒るぞ」

 

背後で散々な言いようをする三人に神無はイラッとくるが無視して海竜の咆哮を放ち混沌の蛇を噛み砕こうとするが混沌の蛇はそれを大口を開けて海竜の咆哮を丸呑みした

 

混沌の蛇「悪いな…我は混沌の海より生まれし者、水での攻撃は効かぬと思え!」

 

神無「うわ…最悪…ただえさせ蛇の不死性に鋼の不死性という最悪の組み合わせなのに水系の攻撃無効とか…堕ちた太陽神て神格もあるから太陽関連の攻撃も無効するだろうし…本当混淆神(ハイブリッド)はこれだから」

 

神無は複数の神格が混合した神はやはり出鱈目だと再確認しつつ牽制としてフレアを放つがやはり堕ちた太陽神という神格のせいか吸収されてしまう

 

混沌の蛇「無駄ぞ!我は堕ちた太陽神!太陽の攻撃など全く効かぬ!だが貴様の魔術…厄介極まりないな…これだから我等神を殺戮し羅刹の君…今世ではカンピオーネ…強過ぎぬか?」

 

神無「でしょうね……ああ本当に無効化とか嫌い…翁だけで十分……ああだからまつろわぬ神はチートだから困る」

 

耶倶矢「それはお前らが言うのか…?」

 

混沌の蛇と神無は互いに強さを語るが耶倶矢からすれば両方とも化け物だ…

 

夕弦「……唖然…余りにも規格外過ぎます…」

 

耶倶矢「うむ…我らとの戦いは思いっきり手を抜いていたな…悔しいが…それにしてもあの男は一体…「神無君は…魔王…神を殺して神の権能を奪った者……人間達は…カンピオーネと…呼んでいる」…なぁ!?」

 

耶倶矢が神無の正体を考えているとラヴクラフトがいきなり現れ語りかけていた、無論気配がなかった為驚く二人…だがラヴクラフトは気にしない

 

ラヴクラフト「…まつろわぬ神は……自然災害に……近い…人間が…台風や津波…に勝てないよう…に神に挑む…事は愚行…だが稀に神を殺すという…偉業を…成し遂げる…とその神から権能を…奪い…魔王となれる…分かったか?」

 

耶倶矢「あ、説明してくれてたんだ…ありがと…」

 

夕弦「感謝、ありがとうございます」

 

ラヴクラフト「……ん」

 

ラヴクラフトはそう言うとトコトコと歩いて甲板を去っていく…耶倶矢と夕弦は去っていくラヴクラフトを見て「変な人もいるんだな」と思いつつ目の前で戦う神無に目を移す

 

耶倶矢「…神様を殺すね……うんやっぱり私達には勝てないわ…ガチの化け物じゃん…」

 

夕弦「断言、絶対勝てないです…真の八舞となっても勝てません……」

 

鏡花「でしょうね…まあ相手が悪過ぎたですし、善戦した貴方達は十分強いですから落ち込ま「でも」?」

 

耶倶矢と夕弦は勝てぬわけだと納得し鏡花が励まそうとするが二人はそれを遮って同時に言葉を放つ

 

「「だからこそ勝ちたい!自分達では勝てないぐらい強い…だからこそ勝ちたい!」」

 

二人はそう言い放ち鏡花はそれを聞いて呆れた

 

鏡花「………戦闘馬鹿ですか…魔王に勝てる訳ないのに」

 

耶倶矢「ふ、知らぬのか?一旦負けたら修行でパワーアップしてリベンジするのが定石なのだぞ?」

 

夕弦「同調、鍛え直せば勝てるかもしれません、チャレンジあるのみです!」

 

鏡花「…………………少年漫画の読み過ぎでしょこの二人」

 

某兄弟ウルトラマンが黒いウルトラマンに負けて修行して勝つみたいな展開を二人は言い鏡花はそんな事で勝てるか、と内心思っているが神無の強さを見て怖がったり逃げ出すよりはマシかと考える…

 

鏡花「…ま、でも戦ったのが神無で良かったですね…まだ魔王の中では(人間じゃないものに対しては)話が通じて温厚ですから」

 

耶倶矢「……ちょっと待って、私達頭痛起こしたり乙女の考えてる事見破られたのにあれでも一番温厚…?てか魔王の中て…」

 

鏡花「……あ、言い忘れてました…実は神無以外にも魔王が後八人いて神無はその内四番目長く生きてる古参なんですよ…全員神無と同格クラスです」

 

夕弦「……あんなのが九人……地球は無事なのですか?」

 

耶倶矢は神無が一番まともと言う言葉を聞いて驚き夕弦も神無みたいな強さの奴が九人いると聞き地球は滅びないのかと本気で心配する…実際精霊達が起こす被害と魔王やまつろわぬ神が起こす被害を比べれば…カラスの糞と原爆の差がある…それに精霊は人の力では倒せずとも足止めくらいならまだ出来るのに対し魔王やまつろわぬ神は足止めすらならないと言えば強さが分かりやすいだろう

 

耶倶矢「……早くも勝つ自信なくしそうなんだけど……そう言えばあいつあの狼が来る前になんか言ってなかった?」

 

夕弦「疑問、そう言えば言ってましたね?何を言おうとしていたのやら…」

 

鏡花「私には分かりますけどね…あの人本当に人間以外には優しいですよね…」

 

耶倶矢と夕弦は戦いが始まる前に神無が何かを言っていたことを思い出し何を言おうとしていたのかと考えるが鏡花は答えが分かったと言う

 

耶倶矢「ほう?なんと言うとしていたのだ…?」

 

鏡花「どうせ人間以外には優しい神無の事ですから…白い鯨の権能で二人の消滅を防ぐつもりでしょう」

 

「「!?」」

 

鏡花の言葉に驚く二人…何故そんな事をするのかと疑問に思う

 

鏡花「……どうせ同情したんでしょうね、このままどっらかが死んでも残った方が生きながら苦しむて分かっていたから、まあの人も生きながら苦しんできた人ですから…」

 

鏡花はそう言うと黙りこくる…するとホロボロスの鳴き声が聞こえ神無から視線を逸らしグルジオボーンとグエバッサーの方を見るとホロボロスが若干グエバッサーとグルジオボーンを押していた

 

ーーークオオオオォォォォォォォンンンッ!ーーー

 

ホロボロスは白鯨を縦横無尽に駆け巡り飛び回りグルジオボーンを撹乱させるがグエバッサーが空でグルジオボーンに指示をしホロボロスの攻撃を防ぐ

 

ーーークキャアアアアアァァァァ!ーーー

 

ーーーグエアゥエエエエ!ーーー

 

グエバッサーは空から起爆性のある羽根を無数に飛ばしホロボロスはそれを避け続ける…がグルジオボーンは目を赤く光らせ高速移動しホロボロスが走る正面に現れ高速移動したまま腕でホロボロスを殴りつける、勿論高速移動時のスピードに加えグルジオボーンの怪力が合わさりホロボロスは吹き飛ばされる

 

ーーークオオオオォォォォォォォンンンッ!?ーーー

 

ホロボロスは吹き飛ばられるもすぐに体勢を整えメガンテクラッシャーでグルジオボーンを狙うがそう何度も同じでは食わないとグエバッサーがバサバッサーを放ち上空で前転しているホロボロスを風で覆い空中で動きを止める

 

ーーークオオオオォォォォォォォンンンッ!?ーーー

 

いかに動きが早かろうと動きを封じてしまえば何も出来ない、グルジオボーンはボーンブレスターを放ちホロボロスはそれに命中する

 

ーーークキャアアアアアァァァァ!ーーー

 

ーーークオオオオォォォォォォォンンンッ!!?ーーー

 

ホロボロスは地面に落ちるも動けなるほどのダメージは食らっていない…ホロボロスは並の光線を食らってもそれで死亡したりする事なく耐えきるほどのタフネスなのだ、だがそんな事はグルジオボーンも知っておりグルジオボーンはホロボロスに近づくとホロボロスの口を両腕で無理矢理こじ開けボーンブレスターを口の中に叩き込んだ

 

ーーークオオオオォォォォォォォンンンッ!!!!?ーーー

 

グルジオボーンは外がダメなら内側に攻撃をと言わんばかりにホロボロスの中に高熱の火炎を叩き込む…いかに外の皮膚が硬かろうが中は弱点だろう、ホロボロスは体の中が焼けるように熱くなりグルジオボーンを自分の脚で蹴飛ばしボーンブレスターの放射から逃れるが内側に出来た火傷は治らず歩く事すら辛い状況だった

 

ーーークキャアアアアアァァァァ!ーーー

 

ーーーグエアゥエエエエ!ーーー

 

グルジオボーンはトドメとしてボーンブレスターを放ちグエバッサーはグルジオボーンの背後に回り風を放ち火炎の威力を上げてホロボロスの顔面にぶつける

 

ーーークオオオオォォォォォォォンンンッ!!!!!!?ーーー

 

ホロボロスはボーンブレスターに当たるとともに吹き飛ぶもすぐにグルジオボーンに突進しグルジオボーンを殴りつける

 

ーーークキャアアアアアァァァァ!ーーー

 

グルジオボーンも負けずに殴りつけグエバッサーは脚の爪で空を飛びながら引っ掻く、ホロボロスとグルジオボーンは互いに殴り合いグルジオボーンのグルジオボーンの背中の棘が壊れる、ホロボロスの外骨格が割れる、グエバッサーの羽根がむしり取られる、ホロボロスの尻尾が爪でちぎり取られる、三体は殴り続け互角の戦いをするが…

 

ーーークキャアアアアアァァァァ!ーーー

 

ーーーグエアゥエエエエ!ーーー

 

ーーークオオオオォォォォォォォンンンッ!!!?ーーー

 

グルジオボーンとグエバッサーが同時に放った飛び蹴りでホロボロスは後方へ吹き飛び、ホロボロスはグルジオボーンとグエバッサーの方を見た後首をガクッと落とし気絶する

 

鏡花「……あちらは終わりましたか…」

 

耶倶矢「……聞くの忘れてたけど…あれ何?カッコいいけど…」

 

鏡花「怪獣ていういい子達ですよ、餌を与えれば適度に懐く、戦闘力は一体で街を破壊できるぐらいですが、人間でも(私がいた世界は)倒せます」

 

夕弦「…認知、もう既にあれより化け物を見たので驚きません」

 

夕弦と耶倶矢は怪獣を見ても殆ど驚かなかった…慣れというのは凄い、とここでホロボロスの戦いを見ていたせいで忘れていた神無の戦いを見ると

 

神無「雪魔法 幻雪の箱庭、砂岩魔法 剛柔変成禁獄、毒草魔法 ゾフニールの執焔園、絵画魔法 スー・テランの巨人の剛腕」

 

雪を降らし雪が降る空間にいる混沌の蛇の感覚を眠らせ砂岩出てきた檻に拘束させ動きを止め毒々しい食虫植物を白鯨の周りに生やし皮膚を灼け爛れさせ毒に犯す、土塊で出来た巨人の腕を叩きつける…が混沌の蛇は砂鉄の嵐で巨人の腕を破壊し檻を破り雪や食虫植物を吹き飛ばし、月の目を光らせ自身の時を戻し毒を消し去る

 

混沌の蛇「無駄無駄無駄!この程度で勝てるほど我は脆弱ではない!死力も持って戦うがいい魔王よ!」

 

混沌の蛇はそう言いい大口を開けるとそこから全てを吸い込み飲み込むかの様に大口から強力な引力を放ち神無を飲み込まそうとする

 

神無「混沌の闇……闇は光すら飲み込む…成る程擬似ブラックホールか……あれは不味い」

 

耶倶矢「冷静だけどとにかくヤバイ技なんだよね!?なんで冷静でいられるの!?」

 

神無は冷静に分析するが耶倶矢はそんなに冷静にしてて如何すると突っ込むが神無は冷静に言う

 

神無「僕には効かないしね…不味いて言ったのは君達にだよ…僕は吸い込まれないけど…グルジオボーン達や君達には権能無効化なんてないしね」

 

夕弦「認識…確かに吸い込まれているような気が!?」

 

鏡花「気がするんじゃなくて…本当に吸い込まれているんですよ!?」

 

ーーークキャアアアアアァァァァ!?ーーー

 

ーーーグエアゥエエエエ!?ーーー

 

神無は権能無効化で効かないが鏡花達やグルジオボーンや白鯨は段々と混沌の蛇の大口に吸い込まれていく、そんな鏡花達を見て神無は拳銃を取り出し狙いを定める

 

神無「……これスミスより弱くなるからあんまり効かないけど…まあ足止めにはなるか」

 

そう言いながら神無は拳銃を撃つが弾は出ない…不発弾か空っぽの銃で撃ったのかと鏡花達は思うが突如大口を開けていた混沌の蛇が口を閉じまるで口の中に攻撃を食らったように痛みに悶える

 

混沌の蛇「な…なんだあれは?蒼白い光の矢は?お主の権能なのか?」

 

鏡花「青白い光の矢…?それってスミスさんの魔弾の射手じゃあ…」

 

神無「あ、鏡花のくせにしては鋭い…勿論さっきのは僕の教え子のスミスがアルテミスから簒奪した権能だ…まあ僕は使えないが…霊的蹴たぐりという類感魔術でね、リンクした相手に本物の価値を付加したイメージを問答無用で叩き込む…つまり君達にはリンクしてないから見えなかったがあの人には見えた…それだけ」

 

霊的蹴たぐり…類感魔術の一種でパントマイムを利用し相手にイメージを送り必中の攻撃である…今回は神無の弟子であり後輩の魔法ジョン・プルートー・スミスの権能 魔弾の射手を連想させ混沌の蛇を攻撃したのだ…実はこれが一番凡庸性が高く大抵の技ならコピーすることが可能、その代わり威力が落ちてしまうが衝撃の杖(ブラスティングロッド)を使えば元の威力に近づくのだからこれを知った他の魔王は若干引いたとか…

 

神無「何で引くかな…アレイスターが凄いだけで僕は凄くないのに…それに衝撃の杖も精々10倍にするのが関の山…倍々ゲームにできないからさ」

 

鏡花「出来たら完全に不味いでしょ…アレイスターの術をほぼ完コピしてる時点でヤバいんですよ…」

 

混沌の蛇「手札がこうも多彩だと厄介よな…まあそれが面白いのだが!」

 

鏡花はそれはそうだろうと冷めた目で神無を見るが神無は気にしない、混沌の蛇はニヤと口を歪ませ次なる攻撃に出た、次は大口を開けて白鯨ごと丸のみにしようと突進する

 

神無「……空間断絶」

 

それを神無が服の一部を黒竜に変え空間を喰い空間を断絶させ突進を防ぎ拳銃から霊的蹴たぐりで相手にリンクさせた魔弾の射手の矢を放ち混沌の蛇は体に傷を負う…がすぐに液体の様な体になり傷口が塞がる…そして不意をついて風の刃を放ち神無の拳銃を持つ手を切り落とすが即座に神無も再生する

 

混沌の蛇「む…再生の権能か…厄介な…あれほどの魔術に再生…隙のないやつよ」

 

神無「それはそっちも同じでは?液体になって物理攻撃無効化と再生はキツイ…それにこっちは制限があるのでそっちらの方が有利かと」

 

夕弦「呆然…両方とも規格外過ぎてどっちが強いかわかりません…」

 

二人は笑いながら戦い混沌の蛇は落雷を落とし神無は空気魔法の目に見えない空気の塊 砕破空圧弾を放ち相殺し空気魔法で空気を蹴って爆裂空波掌で雷を吹き飛ばす

 

混沌の蛇「太陽の目よ刺し穿て!」

 

混沌の蛇はそう言うと太陽の右眼から熱光線を放ち神無達は避けると白鯨の一部が焼失する

 

混沌の蛇「やはり避けるか…これは我が守る者であり我が殺さんとする者の力でな…残念ながら我は鋼に源流にラーマ程近くはなくてな…運命の担い手もいい鋼を見つけたものだな」

 

神無「…!それ故運命の担い手とラーマ様を知っているとは…何者ですあなた?」

 

混沌の蛇「それは我と残り二人の鋼は運命の担い手がラーマの小僧が現れる前にお前ら神殺しを殺すために選ばれていた神だった…だがラーマが見つかるとラーマに異常があった時のための保険…そして運命の担い手が死んだ時の為に世界を滅ぼすために解放させるのさ、それも別次元を超える力を…つまり……お前達神殺しがあの女を殺してくれたおかげで封印が解かれたのさ…それだけは感謝しよう」

 

混沌の蛇はそう言うと口から巨大な鉄の塊を口で咥え電撃を流し込みレールガンを放つ、それを神無が弩で十本の矢を放ち相殺する…が暫くすると神無が血を吐き出す

 

鏡花「神無!?」

 

混沌の蛇「……そうか貴様既に衰弱していたのか」

 

神無「……まああの時一回死にかけてますからね…呪力は減るし魔術酷使し続けると体力や精神削られるし…踏んだり蹴ったり…そこに貴方のような神だ…運がないな…」

 

神無はキリエルドラゴンの時に一回死んだ…その時の代償がこれだ…それを聞いた混沌の蛇は首をひねる

 

混沌の蛇「むむむ…我はまつろわぬ神…お前を殺したいが…完全な強さではない貴様と決着がつけたい…どっちらを取るべきか…」

 

混沌の蛇はここで倒すべきか倒さないべきか必死に考えをまとめる…だがそう考えていると一際大きな落雷が落ちる…その衝撃で鏡花達は吹き飛ぶ…落雷が落ちた場所には二柱の神がいた、一人は雷が迸る船に乗り巨大な劔を持った太陽のように輝く龍、黄金の毛並みを持つ狼に乗った銀髪と黒い瞳が特徴の14歳程の少女

 

混沌の蛇「む?お前達来たのか?…悪いがこいつの先約は我だ!手を出さないでもらえるか!」

 

混沌の蛇は殺気を込めてそう言うが他の神はそれに全く動じない

 

太陽の龍「は!神殺しにそのような事を言うとは…それよりも我は母親と父親を殺したい…ああ…早く殺したい!我の体が変だという理由で海へ流したあの親達を!」

 

蛇の女神「…神殺しなどどうでもいい…それよりそこにいる女達が綺麗なのが気に入らぬ…ああそこの女どもを醜い怪物に変えたい、髪を蛇にしたい!蜘蛛にしたい!ああ醜い女にしたいぞぉぉぉぉぉぉ!!」

 

両方とも醜く狂っていた、特に女神の方は憎悪の目で鏡花達を睨みつけ鏡花達に悪寒が走る

 

混沌の蛇「チ……無粋な邪魔を…!神殺し今日はこれで去ろう!次会うときはこのような邪魔なやつら抜きでやろうぞ!」

 

混沌の蛇はそう言うと大口を開けて狼に噛みつきそのまま太陽の龍が乗る船にぶつかり空間に穴を開け神無達から去る…ホッと息をつく鏡花

 

耶倶矢「あんた…大丈夫なの?」

 

神無「ん?……ああ…これくらい日常茶飯事だ…死にかけるぐらいの傷を負うなんて当たり前だ…」

 

夕弦「…質問…貴方は私達を救う方法があるといいましたがそれは一体…」

 

神無「ああ…これ使えば良いんだよ…モビー」

 

モビー・ディック「呼んだか?」

 

神無が呼ぶとモビー・ディックはすぐに出てくる

 

神無「……彼女らが同化しないようにしろ」

 

モビー「……ふさしぶりの願いかと思ったらそんな事か…自己欲のために使わぬだけマシか…」

 

モビー・ディックはそう言うとフワッと消えていった

 

耶倶矢「え?何もう終わり?」

 

神無「…そうだが何か期待してたか?生憎モビーは派手な演出は出来ないないのでね…ま同化しなくなったことは確かだ…モビーは叶えられない願いがある時は言うから…」

 

夕弦「……信用、何か変わったか夕弦達には分かりませんが…信用しておきます」

 

神無「……ま、楽しませてくれた礼だ…僕に挑む魔王以外の人間は初めてだからね…それなりに優遇してやった」

 

神無はそこまで言うとギガダークナイザーにグルジオボーン達とホロボロスを回収し甲板に倒れる…鏡花は一瞬で疲労しすぎて寝ているだけと気づくが知らない二人には突然倒れたようにしか見えない

 

鏡花「…でそこに隠れているフョードルさん…良い加減出てきてくれません?」

 

ドストエフスキー「おや、バレていましたか…」

 

耶倶矢「お前は?」

 

ドストエフスキー「おや失礼、ぼくはドストエフスキー…ボスの部下です…そうそう鏡花殿、貴方方が戦っている間にこの世界のことを調べておいたのでボスの目が覚めたら教えて下さい…ボスを寝室まで運びますから」

 

ドストエフスキーはそう言うと外套を広げ神無を包み込むと自身も外套に包まれて消える、そしてすぐに戻ってくる

 

鏡花「……で何が分かったんです?」

 

ドストエフスキー「そうですね、精霊と呼ばれる存在がいる事と精霊を殺す部隊がいることぐらいですね今の所は…いま全力で調べています」

 

ドストエフスキーはそう言うと耶倶矢達の方を向く

 

ドストエフスキー「所で貴方達にボスの代わりに謝罪を…ボスが貴方方を痛めつけてしまい申し訳ございません…普段はまだ温厚なのですが…こちらにも事情がありまして」

 

夕弦「緩和、大丈夫ですその事なら気にしてませんから」

 

ドストエフスキー「…それは良かった…ですがまだ話があって…実は今ボスはカンピオーネの力を万全に振るうことができなくて…ボスの力を取り戻すために力をお借りしたいのです」

 

ドストエフスキーはそう言うと頭を下げ助力を頼み込む

 

耶倶矢「……どうする夕弦?あたしとしては助けてもらった恩ぐらいは返してあげても良いと思うんだけど?」

 

夕弦「同意…礼は返したいのですし…やっちゃいますか」

 

ドストエフスキー「ありがとうございます…なら鏡花殿と一緒に街を破壊してきてくれませんか」

 

鏡花「どっからそう言う話になった」

 

耶倶矢達が手伝うと言ってドストエフスキーはスパークドールズとダミースパークを取り出すが鏡花にどこからそう言う話になったと叩かれる…がドストエフスキーは真面目な顔で言葉を続ける

 

ドストエフスキー「鏡花殿は知らないでしょうがボスの再生能力は人の絶望などの負の感情を蓄えなければ使用できません…ですのでダミースパークにマイナスエネルギーを溜め込んできてもらわないと…ですが貴方方が直接手を下すのはあれなのでボスに許可を貰い怪獣を借りてきました」

 

鏡花「……変な権能ですよね…」

 

ドストエフスキーがそう言うと鏡花は納得して頷く…いまいち話についていけない耶倶矢達は置いておくとして鏡花はドストエフスキーからダミースパークとスパークドールズを受け取るとドストエフスキーの異能で地上に降り立つ

 

ドストエフスキー「では頼みますよ…連絡するので」

 

ドストエフスキーはそう言うと風の如く消える、取り残された鏡花達はそのまま街へ向かう…実はその街にはウルトラマンがいるのだが…まだ誰も知らない

 

 

 

 




さて今回登場した神様のヒントをお教えします、太陽の龍は「海神」「太陽神」「幸福の神で商売の神」「鋼」、混沌の蛇は前回のヒントに加え「兄殺し」「龍を殺すもので殺される龍」、蛇の女神は「天空神」「主神」「実は女神は蛇の神格で従属神でまつろわぬ神は狼の方」「狼は父、女神は娘」となっています…蛇の女神と狼は日本でも超メジャーです、一瞬で分かったかも…他も割と有名です

さて次回登場するのはベリアルさん家の朝倉君と原作主人公が出てくる予定です、そして力を万全に使えなくなった主人公ですが…ありのまま強さだと無双しまくりますから…それだけは避けたいなと…ほら苦戦しないと面白くないですし…(因みに原作でもアイーシャ夫人も力を奪われてましたが無事なんとかなったようです)

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