此処はただの街である。...数分前までは。
『だから
男の絶叫と共に、巨大なパイルバンカーがぶち込まれたかのような爆音が辺りに轟く。
爆心地の淵には肩で息をしている大男―ソル=バッドガイがおり、馬鹿でかい穴の中心で目を回しているのが、彼のライバルであり、『義理の息子』であるカイ=キスクである。
他にもブチ切れたソルを見て苦笑いをしている“元”ジャスティスことアリア。
軽はずみでソルのことを義父と呼び、思いっきり炎をぶち込まれたカイを見て、オロオロしている彼の妻、ディズィー。
何故かよくわからないが、巻き添えを喰らったシン=キスク。
それを見て目に見えて動揺しているのがエルフェルト=バレンタイン。
同じく、それを見て内心動揺しているのがラムレザル=バレンタインである。
「だ、誰が...テメェの
まだ息が整わず、ゼェゼェと息をするどころか遂には噎せ始めたソル。煙草の吸い過ぎね、と言いながらアリアはその大きな背中を摩ってやっているなか、ようやくカイは意識を取り戻した。
「...い、一体何が...?確か...私はつい出来心でソルのことを...義―」
「義父って呼ぶなっつってんだろォーがァ!」
飛びかかろうとする
「ねぇ、フレデリック。そこまでにしといてあげたら?」
「そ、そうですよ、ソ...お父さん!」
「邪魔をするなっ!あいつはもう一発殴り飛ばさねェと気が済まん!!」
二人がギアと半ギアだとしても女性であるわけで、男でおまけに筋骨隆々のソルを抑えれるわけもなく、ズルズルと引き摺られる形になってしまう。
ソルの目はヘッドギアで隠れているものの、“ガチ”の目だった。
「あー、こりゃ駄目みたい。カイくん、今のうちに逃げた方がいいよ」
「カイさん、逃げてください〜!」
「わ、わかりました」
引き摺られているアリア&ディズィーの悲痛な叫びにカイは首肯し、一目散に逃げ始めた。
「...ん。あ?何が起こったんだ?」
その頃、二人のヴァレンタインに揺さぶられ、シンはようやく目覚めた。丁度、
「あ!待て、オヤジ!母さんが怪我したらどうすんだ!待ちやがれ!」
止めようとするヴァレンタイン姉妹を華麗にスルーし、彼もまた後を追い出した。
「カイさん、大丈夫でしょうか...?」
「大丈夫よ。フレデリックはああ見えて優しいから」
「止めなくて大丈夫だったんでしょうか?」
「シンはああいう奴。仕方ない」
取り残された女性組は少し不安になりながらも(
...後で聞いたところによると三人とも真新しいクレーターの中心でボコボコになった状態で発見されたという。
おしまい