今回は登志が無双します。4人の中でも一番温厚な登志が使う技はいったい何でしょうか。
それでは、どうぞ!!
陽菜乃side
突然現れた伊勢君に全員が驚いたが、一足先に立ち直った太陽君が伊勢君に話しかけた。
「登志、どうやってここに?」
「この人に聞いたんだ」
そう言いながら伊勢君が見せてきた携帯には、武士の格好で顔を隠した人が縛られているのが写っていた。
「悲鳴が聞こえたと思ったらこの人が僕達の前に逃げてきてね。いきなり刀を抜いてきたから、つい反撃をね・・・。その後この人が太陽達を襲ったって知って場所を聞き出したんだ。あ、
そう言いながら伊勢君は男達の方へと向き直った。
「もうすぐ烏間先生や警察の人達が来る筈です。あなた達も年貢の納め時ですよ」
その言葉に男達は動揺した様子だったが、リーダーの男は余裕たっぷりに言い返してきた。
「それがどうした?警察如きに俺らは逮捕されねえよ。今まで何人も逮捕してこようとしてきたが、全員病院送りにしてやったしな」
笑みを浮かべながらそう言った男に、他の人達も冷静さを取り戻した様子だった。おそらく本当にやってきたんだと分かった。
そう思っていると、伊勢君はおもむろにリーダーの男の人に話しかけた。
「すみませんが、あなたが人斬り抜刀斎と噂されてる人ですか?」
「あ?よく知ってるな。そうさ、俺が平成の人斬り抜刀斎だ」
そんな返しに、伊勢君はもう一度質問した。
「・・・一応聞いてもいいですか?」
「? 何だ?」
「その二つ名・・・取り消す気はありませんか?」
そんな伊勢君の問いに、男は一瞬だけキョトンとした後、大笑いしながら話し出した。
「取り消す気なんてねえさ。何せ俺の剣術は人斬り抜刀斎が使用したとされている流派の殺人剣を使用しているからな」
「・・・そうですか、仕方ありませんね」
(仕方ない・・・?)
伊勢君の呟きに疑問に思っていると、伊勢君はチラリと太陽君を見た。
「太陽、この人達は僕がやる。いいよね?」
「はぁ・・・やり過ぎるなよ、登志」
(こくっ)
ため息をつきながらそう言った太陽君に私も桃花ちゃんも驚いてしまった。
「太陽くん!?1人で戦うなんて無茶だよ!!」
「そうだよ!!2人で戦った方が・・・」
「大丈夫だから、黙ってみてな」
しかし、太陽君はそう言って微動だにしなかった。こうしてる間にも伊勢君は1人で男達の元へと歩いていった。
「舐められたもんだな。1人で全員を相手するとは、さぞかし良い腕を持つんだろうな?」
「・・・むやみに怪我人を出したくありません。病院送りが嫌な方は、すぐに逃げて下さい」
「安心しな、病院なんて誰も行かねえ。お前ら4人が死んで終わりだあ!!」
木刀の鞘に手を添えながらの伊勢君のそんな言葉にリーダーの男以外が、そう叫びながら刀を抜いて襲いかかろうとしたその瞬間、太陽君が口を開いた。
「1つ聞きたいんだが、2人共」
「・・・?」
「2人は、
「えっ・・・?」
「―――!!」 ドンッ!!
ブオンッ 「ガッ!?」
「!?」
次の瞬間、伊勢君は急に加速して男達に接近しながら、木刀を横薙ぎに振った。
その攻撃を先頭の男は避けることも出来ずに喰らって吹っ飛ばされた。その早業に私達も男達も少しも反応出来なかった。
「フッ!!」
シュッ!! 「ガハッ!!」
ブンッ!! 「ギャア!?」
ドカッ!! 「グアッ!?」
伊勢君はその速さのまま、最短の動きで次々と男達を木刀で斬っていった。その動きはもはや芸術とも言える洗練された動きだった。
数十秒後には伊勢君以外はリーダーを除いた全員が倒れていた。
そんな光景に私達は呆然としていると、伊勢君は再び男に話しかけた。
「・・・1つ言っておきたいんですが、僕は貴方の顔なんか見た事も無いですよ?」
「・・・あぁ?」
そう聞き返した男に伊勢君は木刀を肩に乗せながらこう続けた。
「人斬り抜刀斎の振るう剣は、その子孫に先祖代々受け継がれてきた一族の技です。その剣は一対多数の斬り合いを得意とした神速の殺人剣で、流派名「
「「「!?」」」
伊勢君のあの人斬り抜刀齋について詳しく知っているかの様な発言、おまけにこの強さ・・・まさか!?
「まさか・・・伊勢くんは、人斬り抜刀斎の子孫・・・?」
「そうさ。登志は人斬り抜刀斎を先祖に持つ、れっきとした「飛天御剣流」の正式な継承者だ」
桃花ちゃんと太陽君のやりとりで、私の予想が間違ってなかった事が分かった。
「面白い!!」
その時、リーダーはそう言いながら刀を引き抜いた。
「まさか、人斬り抜刀斎の剣の使い手がいるとはな。貴様を殺せば俺が本物になる訳だ」
「僕はその名前で呼ばれるのが嫌いなんですよ。人を殺した事なんて無いですしね」
「安心しろ!!その名前は今日から俺が受け継いでやる!!」
そう言って男は伊勢君へ刀を振り下ろした。
「!?」
「そんな大振りの剣、飛天御剣流にとっては避けてくれと言っているようなものですよ」
しかし、伊勢君は一瞬で身体を横にして男の攻撃を躱すと、そのまま回転しながら背後に回り込み、
「飛天御剣流
そう言いながら男の後頭部に木刀を叩き込んだ。その衝撃に男は地面を何回も転がりながら気を失った。
振り抜いた体勢で止まっていた伊勢君は軽く息を吐くと、
「・・・ご先祖様の2つ名なんかに未練はありませんし正直どうでもいいですが、それでも貴方なんかに譲れるほど軽い名じゃありませんよ」
そう言いながら木刀を鞘へとしまった。
「ふー、終わったか・・・怪我は、無さそうだな。さすが登志」
「うん、僕は大丈夫。太陽こそ左手は大丈夫?」
確かに太陽君の手のひらからはまだ血が流れ出ていた。
「大した事ねえよ、2人を助けられたんだ。むしろこの程度で済んだんだから、上等だろ」
太陽君は左手を振りながら私達の方を向きながら話しかけてきた。
「しっかし、ホントによかったよ。2人共、本当に怪我は無いか?」
「うん、大丈夫。本当にありがとう!!2人共」
「2人のおかげだよ。何て言えばいいか・・・」
私と桃花ちゃんは笑いながらそう答えた。しかし、太陽君と伊勢君はそんな私達を見て顔を曇らせた。
「? な、何2人と(ギュッ)えっ・・・」
すると突然、太陽君が私を抱きしめながらこう告げた。
「体が震えてんぞ、2人共・・・」
「!」
言われて初めて気がついた。私達の体はカタカタと震えていたのだ。
「怖くて当然だ、殺されそうだったんだからな」
「太陽・・・くん・・・」
「守れなくてゴメン。すぐに来てやれなくてゴメン・・・でも、もう大丈夫。俺達はここにいる。よく・・・頑張ったな」
その言葉でもう私達は限界だった。桃花ちゃんは伊勢君に抱きしめられながら、私は太陽君の腕の中で泣き続けた。中学三年生にもなってここまで泣きわめいて、二人からすればあまりにもみっともなかっただろう。
それでも2人は、何1つ言わずに頭をなでてくれた。その優しさが何よりも嬉しかった。
やがて私達は泣き疲れて、眠り込んでしまった――――――
いかがだったでしょうか。
というわけで、登志が使うのは「るろうに剣心」の主人公"緋村剣心"が振るう「飛天御剣流」です。
理由はまずかっこいいのと、温厚な登志が殺人剣を振るうギャップが面白いと思ったからです。
そしていくつか注意事項です。今作での「飛天御剣流」は原作とは設定がいくつか異なります。
今作では、「飛天御剣流」は一族に受け継がれてきた流派となっていますが、これは今作のオリジナル設定で原作設定や原作キャラは一切関係ありません。
それと、登志の得意技は龍巻閃ではありませんが、緋村剣心の得意技でも(いつか出しますが)ありません。登志の身長であれが得意技ではおかしいと思ったので変えました。ご了承下さい。
それでは、また次回お会いしましょう!!