今回はちょっと恋愛要素を入れたいと思います。
ちなみに作者は恋愛経験ありません(笑)
だから正直上手くは書けないかもしれませんが、温かい目で見守っていただければ幸いです。
それでは、どうぞ!!
陽菜乃side
「ん・・・あれ?ここは・・・?」
「目が覚めたか、倉橋君」
いつの間にか眠っていた私の呟きにそんな言葉が返ってきて、私は声がした方向を向いた。
そこには、烏間先生がホッとした顔で立っていて、思わず私は声を上げた。
「烏間先生!?」
「あぁ、大丈夫か?倉橋君」
「は、はい「バサッ」・・・あれ?」
私はとりあえずソファから起き上がろうとしたが、同時に私の体の上から何かが落ちていった。
よく見ると、それは男子の制服の上着だった。
「あぁ、それは太陽君の上着だ」
「太陽くんの?」
「あぁ、彼は今左手の診察と治療をしている所だ」
烏間先生はそう言って奥の扉を見た。そういえばあの時血が出てたもんね・・・
(太陽くんは大丈夫って言ってたけど本当に大丈夫かな・・・)
そう考えてると、烏間先生が思い出すように呟いた。
「しかし、まさか登志君が人斬り抜刀斎の子孫だったとはな・・・」
「烏間先生にも話したんですか?」
「あぁ、登志君自ら話してくれた。彼自身も隠しきれないと思ったんだろう。何せ日本刀を持った男達10人以上を無傷で倒したんだからな。中には骨が折れてる者もいたらしい」
「あの、烏間先生。伊勢くん達は私達を助けようと・・・」
2人が殴った事に変わりは無い。でも・・・
すると、烏間先生はそんな私を見てフッと笑みを浮かべ、
「分かっている。確かにやり過ぎと注意はされたが、相手は日本刀を持っていたし登志君は木刀だったからな。2人を守る為にという点からも充分正当防衛の範囲内だろう」
「よかった・・・」
「だが、一応警察の事情聴取は受けてもらわなければならないから登志君と矢田君に行ってもらっている。怪我をしている太陽君は病院に連れてきたんだ」
「? 私は何でこっちに来ているんですか?私は怪我してませんけど」
「あー、それはだな・・・」
私がそう聞くと、烏間先生は言い淀んだ。どうしたんだろう?
「・・・倉橋君が太陽君を掴んで離さなくてな・・・」
「え・・・」
「眠ってしまった倉橋君を太陽君が車まで運んでくれたんだが、病院で太陽君が降りようとした時も倉橋君が太陽君の袖を掴んだままだったからな。仕方なく病院に一緒に連れてきたんだ」
「そ、そうなんですか、だから上着がかけてあったんですね・・・///」
うう、恥ずかしい。
ガチャッ 「お、起きたか倉橋」
そう考えていると、奥の扉が開いて太陽君と烏間先生の部下の眼鏡をかけた男の人が出てきた。
「太陽くん!その手・・・」
「大した事ねえよ」
太陽君の左手には包帯が巻かれていて私は思わず声をあげたが、太陽君は笑いながらそう言ってくれた。恐らく私を安心させようとしてくれてるんだろう。
そんな太陽君の優しさが何よりも嬉しかった。
「
「はい、大事な血管などは幸いにも傷がついてないみたいなので、二週間程で包帯が取れるみたいです。東京の病院に連絡してくれるとの事なので、二週間後病院に行ってくれとの事です」
「そうか、ご苦労」
烏間先生は眼鏡の人―――鶴田さんに確認をすると、太陽君に向き直りながら話し出した。
「とりあえず、太陽君。勿論一刻の猶予も無かったのは分かるが、1人で解決しようとするのはやめてくれ。君はかなり強いとはいえ、1人の中学生だ。君にもしもの事があれば、孤児院の皆にも迷惑がかかってしまうからな」
「アハハ、すみません・・・次からは気をつけます」
烏間先生の言葉に太陽君は苦笑いを浮かべながらそう返事をした。そんな太陽君に烏間先生はフッと笑みを浮かべると、
「まあ、説教はこれくらいにしておこう。旅館までは車で送るから2人ともついてきてくれ」
「あ、俺はいいです。太郎を連れて帰らないと・・・さっきも鶴田さん大分吠えられたでしょ?」
そんな太陽君の言葉に鶴田さんは苦笑いを浮かべていた。太郎君、太陽君が近くにいないと駄目なんだろうな。
「だが、歩いて15分くらいとはいえ、君は怪我人だ。大丈夫か?」
「大丈夫ですよ、俺は強いって烏間先生言ってくれたじゃないですか。じゃあ倉橋、また旅館でな」
困った表情の烏間先生にそう笑いながら出口へと歩いていく太陽君に、私は何故かこう叫んでいた。
「太陽くん!私も一緒に帰っていい?」
「よしよし。待たせたな、太郎」
「ワンワン!」
病院の入り口の近くで太郎君と戯れる太陽君を見ながら私は考えていた。
(何であんなこと言っちゃったんだろう・・・)
烏間先生は止めていた。私は道を歩くのは今は怖いかもしれないから、今日は歩かない方がいいと。
でも私が行きたいと駄々をこねたら、太陽君が「絶対に俺が守ります」と言ってくれた事で、少し後ろから護衛するという条件で渋々許可してくれた。
(でも・・・何でかは分からないけど、太陽くんと一緒に帰りたかった)
そんな事を考えていると、太陽君が右手でリードを持ちながら、立ち上がって声をかけてきた。
「じゃあ行くか、倉橋」
「! あ、うん分かった」
そう返事をして、私は太陽君の横に並んで歩き出した。
(何とか大丈夫かな、ちゃんと歩けるし)
そう思いながら病院の敷地から出た瞬間、
ビクッ 「!?」
「倉橋?」
私の足は少しも動かなくなった。太陽君のそんな声すらも聞こえなくなる程私は思い出していた。
あの人達に無理矢理連れていかれた強さ、向けられた視線、そして刀を振り下ろされたあの瞬間。
(怖い・・・殺されそうになった事が。助けてもらったのに、ゴメンね太陽く「ギュッ」・・・?)
すると、私の手をいつの間にかリードを左手に持ち替えた太陽君が右手で私の手を掴んできた。
恐る恐る太陽君の顔を見ると、私を真っ直ぐに見つめながら話してきた。
「俺が必ず守るし、旅館に着くまでこの手は絶対に離さない。信じてくれ」
「太陽くん・・・」
自分でも不思議だった、さっきまであんなに怖かったのに太陽君にそう言われただけで、歩く事が出来ると思えるのだ。
私は太陽君の手を握り返しながら言った。
「大丈夫。行こう、太陽くん」
「・・・おう!」
帰り道を手を繋ぎながら2人で歩き始めて少し経った頃、私は太陽君に話しかけた。
「今日は本当にありがとうね、太陽くん」
「もう礼はいいよ。助けたのはあくまで登志だしな」
「そんな事無いよ。太陽くんが来てくれたから、伊勢君も間に合ったんだしね」
そう言ってから私は少し間を空けてから、
「でも、何であんなに必死になって助けてくれたの?」
「え?」
「手を怪我してまで助けてくれるなんて普通は出来ないんじゃないかな?」
なぜそんな質問をしてしまったのか自分でも分からなかった。とりあえず慌てて訂正しようと口を開いた。
「ご、ゴメン!!急に意味分からない事聞いちゃって。せっかく助けてくれたのにゴメンね、今のは忘れ「大切だからだよ」・・・え?」
そんな言葉に思わず聞き返した私を、太陽君はジッと真剣な表情で見つめてきた。
「「ひまわり」の3人を除いたら、倉橋がE組の中で誰よりも大切だからだよ」
「私が・・・?」
「あぁ。倉橋とはまだ少ししか一緒にいねえけど、倉橋が俺の事を噂だけで見ないでくれているって分かるからさ。それに、初日とか今日の朝とか見せてくれた笑顔が俺は何よりも好きなんだ」
「だから、」と太陽君は一呼吸置くと、
「二人が攫われたあの時、倉橋が死ぬって考えたら体が真っ先に動いたし、仮に左手を切り落とされても何一つ後悔しなかったよ・・・ま、それは倉橋が気にするだろうけどな」
「太陽くん・・・」
「それくらい俺にとって倉橋は大切な存在だからさ。これからも頼ってくれよ」
「うん、ありがとう・・・」
「・・・何かハズいな。さっさと行こうぜ」
(あぁ、そうだったんだ。やっと分かった)
照れ隠しに笑いながら歩く太陽君に引っ張られながら、私はようやく自分の気持ちに気づいた。
―――――何であの時あんな事を言ったのか。
―――――何で太陽くんにそう言われただけで、平気なのか。
その二つの答えは全く簡単だったんだ。
―――――もっと太陽くんの傍にいたいから。私も太陽くんの事がE組の誰よりも大切だから。そして何より・・・
―――――私が太陽くんの事が好きだからだ。
いかがだったでしょうか。
ベタな展開になってしまってすいません(そんな事ないかもしれませんが・・・)
というか、太陽がキザになっちゃったかもしれません。
まぁ、こういうのも良いかなと思って書きました。
後1、2話で修学旅行も終了の予定ですが、オリキャラの1人をE組の感じで言えばくっつけちゃおうと思います。
誰かなんて、言うまでも無いですよね(笑)
それでは、また次回お会いしましょう!!