いよいよ修学旅行編終了です。
威月と太陽は何を話したのか・・・2人の恋はどうなるのか・・・
それでは、どうぞ!!
威月side
倉橋に会う少し前、俺は太陽と話す為に犬小屋に向けて歩いていた。すると、
「今日はお前のおかげで2人を助けられたよ。ホントにありがとな、太郎」
「ワン」
そう言いながら、犬の頭を撫でている太陽の姿が見えた。そこまではいつもの光景だ。
だが、微笑んではいるが、何かを考えている様子にも俺は見えた。多分大賀や登志にも分かるだろう。
「太陽」
「・・・威月か」
俺の声にチラリとこっちを見た後、そう言いながら頭を戻した。
俺は太陽の横へと並んだが何も声をかけず、太陽も無言のまま時間が過ぎた。
数分程経った後、太陽が話しかけてきた。
「何か用か、威月?」
「話は聞いたがその手を見る限り、本当に今日は大変だったみたいだな」
「まあな」
笑いながら太陽は立ち上がった。だが、勿論そんな話をしに来たんじゃないのは当然分かっているだろう。
その証拠に太陽は表情が一瞬で真面目な顔に変わり、自ら切り出してきた。
「・・・倉橋の事だよな?」
「そりゃそうさ。あんな顔した倉橋と手ぇ繋いで帰ってきたんだからな」
「ま、まあそうだよな」
太陽相手に回り道する必要は無いだろう。そう判断した俺は、直球をぶつけた。
「付き合うのか?」
「・・・」
そんな俺の言葉に、太陽は無言になって視線を横に外した。
「・・・どうすりゃいいんだろうな」
「お前は倉橋の事どう思ってんだよ?」
俺の言葉に太陽は少しだけ間を空けると、
「・・・好きだよ。じゃなきゃ、あんな事は言わねえ」
「なら、何を迷う事があるんだ?どう見ても、倉橋だってお前の事を好きだと思ってるだろ」
すると、太陽はほんの少しだけ困った笑みを浮かべ、
「俺は孤児院育ちだし、暴力事件何度も起こしている様な問題児だ。俺なんかと付き合わなくても、倉橋ならもっと良い奴に出会える筈だよ」
「(・・・やっぱりそういう考えか)全くコイツは・・・」
「それに、俺って結構馬鹿だしさ、倉橋もいつか辛くなる(ゴツン!!)痛ってえ!?」
太陽が喋ってるのを無視して、俺は無言でその頭に拳骨を落とした。
「い、いきなり何すんだよ威月!?」
「テメエが寝惚けた事ばっか言ってっから、目ぇ覚ましてやったんだよ」
太陽の言葉に、俺はそう返しながら続けた。
「お前は倉橋がそんな上っ面しか見ない奴だと思ってんのか?本気でお前に幻滅すると思ってんのか?だとしたら、お前は倉橋をそんな奴だって思っていたのか?」
「そ、そんなわけねえだろ!!」
「なら、そんな不安になる必要はねえだろうが。倉橋からすりゃあ、自分の気持ちを隠さなきゃいけねえ方がよっぽど辛えよ」
「!! 威月・・・」
「好きなんだろ?守る為に強くなったんだろ?守ってやれよ、1番近くでな」
そう言い残すと、俺は旅館へと歩き出した。言いたい事は全部言ったし、後は2人の問題だしな。
倉橋side
「これが太陽とした話だ。悪いな、勝手な事して」
「ううん、ありがとう。威月くん」
私は威月君に太陽君と話した内容を聞かせてもらった。そして、私と一緒の気持ちでいてくれたのが何よりも嬉しかった。
そんな私の表情を見て威月君はフッと笑うと、
「・・・アイツなら、まだ外にいると思うぞ」
「! 本当にありがとう、水守君」
私にさっきまでの迷いは無かった。今は何よりも太陽君の元へ行きたかった。
「ゴメン威月くん、私行くね!」
「あぁ、アイツを頼むな」
その言葉に私は頷くと、玄関に向けて走り出した。
靴を慌てて履きながら玄関を開け、犬小屋の方へと走ると、
(いた!!)
そこにいる私の好きな人の名前を私は呼んだ―――――
太陽side
「太陽くん!!」
「!? 倉橋・・・」
突然呼ばれて俺は声がした方向を見ると、倉橋が俺の近くまで走ってきていた。
「ハァ・・・ハァ・・・ゴメンね、急に」
「い、いや構わねえ。ど、どうしたんだ?」
膝に手をついて息を整える倉橋に、俺は動揺を隠しきれなかった。
(全く倉橋がこうやって俺の前に来ただけでこんなに動揺してんだから、俺も相当だな)
内心そんな事を考えていると、倉橋は真剣な顔になって話しかけてきた。
「私、太陽くんにどうしても言いたい事があって・・・」
「! ・・・おう」
(このタイミングでこの話って事は威月の奴・・・)
家族兼1番の親友が余計な気を利かしてくれたんだと分かり、おもわず心の中で苦笑した。
(・・・でも、もう覚悟決めねえとな。俺なんかに好意を抱いてくれてるんだからな)
そう思いながら目の前の初めて好きになった女の子を見ていると、倉橋は大きく息を吸い・・・
「私、太陽くんの事が「スッ」・・・え?」
「その言葉を倉橋が言ってくれるつもりなら、それは俺から言わしてほしいんだ」
「太陽くん・・・」
言いかけた倉橋の口に指を当てながらそう言った後、俺は改めて倉橋の目の前に立った。
「・・・」 ゴクッ
(緊張する・・・今までこんな風になったのは初めてだ)
「大丈夫?太陽くん」
「!! ああ、大丈夫だ」
(ったく、情けねえぞ俺。1番近くに守るんだろうが)
何より、覚悟を持って言おうとしてくれたこの子の想いに応えたい―――だから、俺は大きく息を吸い・・・
「倉橋 陽菜乃さん、俺は貴方が好きです。迷惑かけてしまう事もあるかもしれません。それでも、俺なんかでよければ付き合って下さい」
真っ直ぐ見つめながら言ったその言葉に、倉橋は笑顔で返事をしてくれた。
「うん・・・よろしくね、太陽くん!!///」
「よかった・・・」 ガクッ
「た、太陽くん!?」
赤くなりながらもそう言ってくれた倉橋に、俺は思わず安堵から膝をついた。
「わ、わりぃ。ちょっと安心しちまってな」
「アハハ、よかった・・・でも、そこまで考えてくれてたなんて凄く嬉しかったよ」
「あぁ、俺もすげえ嬉しいよ」
立ち上がりながら「ところで」と一呼吸置くと、
「いつまで見てんだお前ら?」
「えっ!?」
倉橋の後ろにそう言いながら視線を向けると、倉橋も慌てた様子で後ろを振り向いた。そこには、
「あちゃ~、やっぱばれてたか」
「そりゃそんだけいりゃあ分かるっての」
「み、皆!?いつからいたの!?」
E組のほぼ全員に殺せんせーまでもがいた。倉橋は気づいてなかったのか・・・
「おめでとう、陽菜乃ちゃん!!」
「いいカップルになりそうね、2人共」
「うぅ、恥ずかしい///」 ギュッ
「な!?テメエ羨まし過ぎんだろ、太陽!!」
女子に冷やかされて、恥ずかしさが限界を超えた倉橋が俺の背後に回り込んで浴衣を掴んだのを見て、岡島が吠えた。
「よかったな、太陽」
「すまなかったな、威月・・・」
「何の事だ?俺は背中押してやっただけ、最後はお前達の気持ちの問題だろ?」
「いや・・・お前のお陰だよ」
威月が気を利かしてくれなきゃ、付き合えてなかっただろうしな。
「ヌルフフフ、甘酸っぱいですねぇ。これぞ青春」
その時、ニヤニヤと笑いながらメモをとっている殺せんせーを見て、俺は1つの疑問が出来て威月に聞いた。
「・・・そういや威月はともかく、何で皆がここにいるんだ?」
「多分そこのタコが全員にバラしたんだろ。最初は俺1人で見守ろうとしてたからな」
プチッ 「そうか、分かった」 カチャカチャ
「にゅや?太陽君は何で犬の首輪を外しているのです「行け、太郎!!」「ワンワン!!」にゅあぁ!?なぜ太陽君の言う事を聞いて先生に!?」
「うるせぇ、外道タコ!!死ねぇ!!」
そう言いながら俺はナイフを抜いて襲いかかり、殺せんせーはダッシュで逃げていった。
その光景に皆は大笑いして、殺せんせーの後を追いかけていった。俺も続こうとしたが、
「ちょい待て」 グイッ
「ぐえっ」
威月に引っ張られ俺はおもわずそんな声を漏らした。
「お前はせっかく出来た彼女を放っておく気か?2人でもう少し話してろよ」
「あ・・・ホントにお前には迷惑かけるな、威月」
威月は俺の言葉に手を挙げながら、部屋へと戻っていった。あいつには、本当に迷惑をかけるな・・・
威月もいなくなって再び静寂の中、俺が口を開いた。
「改めて、これからもよろしくな倉橋」
「あっ・・・」
「? どうした?」
何かを言い淀んだ倉橋に聞き返すと、赤くなりながらも俺を見つめてきて、
「その、陽菜乃って呼んでほしいな///」
「あっ、そっか。そりゃそうだよな」
彼女のそんな頼みを断るわけにはいかないし、何よりそう呼びたかった。
だから俺は笑いながら呼んだ。誰よりも大切な、守りたいと思った彼女の名前を。
「好きだよ、
「! ありがとう、太陽くん///」
照れながらそう言ってくれた陽菜乃を、誰よりも可愛いと思った。
いかがだったでしょうか。
とりあえず、2人ともおめでとうございます!!(書いてるのは自分ですが)
告白とかが作者の恋愛経験のなさ故上手く書けてないかもしれませんが、ご了承下さい。
m(_ _)m
とりあえず次回からはあの転校生が来るところから始まります。
但し、少しプロフィールを変更してから書き始める上に仕事も始まるので、投稿が遅れるかもしれません。
何かとグダグダな小説ですが、頑張って書いていくのでのんびりと待ってくれたら幸いです。
それでは、また次回お会いしましょう!!